ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会)> 薬事・食品衛生審議会血液事業部会 議事録(2013年3月1日)




2013年3月1日 薬事・食品衛生審議会血液事業部会 議事録

○日時

平成25年3月1日(金)
10:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(17名) 五十音順

 稲 田 英 一、○大 石 了 三、 大 戸   斉、 大 平 勝 美、
 岡 田 義 昭、 嶋    緑 倫、 鈴 木 邦 彦、◎高 橋 孝 喜、
 花 井 十 伍、 濱 口    功、 半 田    誠、 前 野 一 雄、
 牧 野 茂 義、 益 子 邦 洋、 三 谷 絹 子、 三 村  優美子、 
 吉 澤 浩 司
 (注) ◎部会長  ○部会長代理
 他 参考人5名

欠席委員(4名) 五十音順

 朝 倉 正 博、 小 幡 純 子、 山 口 照 英、 渡 邉 治 雄

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)
 加 藤 誠 実 (血液対策課長)
 丈 達 泰 史 (血液対策企画官)

○議事

○血液対策企画官(丈達) 定刻になりましたので、ただ今から「平成24年度第2回薬事・食品衛生審議会血液事業部会」を開催いたします。本日は公開で行うこととしておりますので、よろしくお願いいたします。なお、カメラ撮りについては議事に入る前までとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 まず、本年1月28日に薬事・食品衛生審議会の委員の改選がございました。これに伴い総会におきまして、各部会長の選出が行われ、本血液事業部会においては引き続き高橋孝喜委員に部会長をお願いすることになりましたので、御報告申し上げます。
 また、委員の交代がありましたので、御報告いたします。幕内委員、山口一成委員が退任されまして、新たに日本医科大学千葉北総病院救命救急センターの益子邦洋先生、国立感染症研究所血液・安全性研究部長の濱口功先生に御就任いただいております。
 本日の委員の出欠状況ですが、朝倉委員、小幡委員、山口照英委員、渡邉委員からそれぞれ御欠席との御連絡を頂いております。委員21名中17名の御出席を頂きまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、本日、御参加いただいております参考人を御紹介いたします。日本赤十字社血液事業本部から中西総括副本部長、大西副本部長、西田副本部長、新畑財務課長、井上献血推進課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、利益相反の関係について御報告申し上げます。本日の部会は個別品目の承認の可否等についての審議はありませんが、血液法に基づく審議・議決事項がありますので、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、審議及び議決への参加については、退出委員及び議決に参加しない委員は、ともになしとなっておりますことを御報告いたします。なお、参考人の方々におかれましては、審議・議決には参加できませんので、御承知置きください。
 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。これ以降の進行については高橋部会長、よろしくお願いします。
○高橋部会長 ただ今事務局から御紹介がありましたが、引き続き本部会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。まず、先ほど事務局から御報告がありましたが、委員の改選によって、薬事・食品衛生審議会で第7条第5項の規程によって部会長代理を新たに部会長が指名することになっております。引き続き大石委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、大石委員は部会長代理席にお願いしたいと思います。それでは事務局より、本日の資料の確認をお願いいたします。
○血液対策企画官(丈達) 資料の確認を行いたいと思います。まず、本日の議事次第、委員名簿、座席表が付いたものがあります。資料1-1「平成25年度の献血の推進に関する計画(案)について」、資料1-2「平成25年度の献血の推進に関する計画(案)に対するパブリックコメントについて」です。資料2は日本赤十字社からのものですが、「平成25年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」、資料3「平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について」です。以上です。
○高橋部会長 それでは、早速議題に入りたいと思います。まず議題1「平成25年度の献血の推進に関する計画(案)について」です。この計画案は血液法の規定により、計画の策定に当たって厚生労働大臣の諮問を受けて、当部会で審議し、答申することとされています。昨年12月の前回の部会において、平成25年度の献血の推進に関する計画(案)について御議論を頂いております。その後、パブリックコメントの募集が行われ、意見が提出されております。それらを参考に既に事務局で修正案が用意されておりますので、本日改めてこの場で皆様の御意見を伺い、部会としての意見をまとめて答申したいと思っております。それでは、事務局から資料1について御説明をお願いいたします。
○岡村課長補佐 議題1、資料1-1、1-2「平成25年度の献血の推進に関する計画(案)について」御説明します。まず、資料1-1の1ページは、最新の献血者数の年次の推移表でして、直近の平成24年の実績もお示しております。ちなみに、平成24年においては全体の献血者数、延べ527万人と前年より2万人増加しております。また、10代は献血者数は前年を上回っておりますが、30代、20代については若干減っております。この点の詳細な実績、検証については年度ベースの献血者数、献血率が確定した段階で、調査会それから血液事業部会の方に報告させていただきたいと考えております。
 続きまして2ページは血液法に基づく審議ということで、厚生労働大臣から薬事分科会長への諮問書です。献血推進計画については本日部会で御審議、答申を頂きまして、薬事分科会の方に報告させていただきたいと考えております。
 3ページ以降が献血推進計画(案)です。昨年の調査会及び12月の血液事業部会での御審議、後ほど御紹介いたしますがパブリックコメントの御意見などを踏まえた事務局の最終案です。12月の御審議以降の修正点としては2か所あります。9ページの一番下の献血者の利便性の向上において、献血者に配慮した献血受入時間帯の設定を新たに追加しております。趣旨としては献血を希望される方、特に通勤、通学の方が献血したいという意思はあるものの、例えば受付時間の関係で、献血を断念するといったことがないように、採血事業者の方で利便性に配慮した受入体制の充実を図るべきものと考えております。
 続いて10ページの中程に6.「200ミリリットル全血採血の在り方について」とあり、この二つ目のパラグラフの下線を引いた「400ミリリットル全血採血に献血者が不安がある場合」と、この文の主語が少し不明だという御指摘を踏まえて追加させていただいております。以上が12月以降の主な修正点ですが、全体を含めてまた改めて御審議いただければと考えております。
 資料1-2は献血推進計画に関する意見募集、いわゆるパブリックコメントの結果です。任意の意見募集として本年1月7日~2月5日の間、御意見を募集いたしました。2名の方から御意見を頂いております。寄せられた御意見とそれに対する考え方ですが、2ページを御覧いただきたいと思います。左が意見の概要、右がそれに対する考え方です。まず、一番の1件目の御意見ですが、趣旨としては献血時に注射針の交換ミス等による献血者の罹患対策について、より広く周知すべきという御趣旨と踏まえております。これに対しては当然のことながら、献血に使用する注射針等については一人ひとり新しいものを使用することについては徹底しております。いわゆる感染症の罹患は、まず考えられないところですが、こういった不安の声があるということは、貴重な提案として広報を含めて周知の在り方などについて、今後の参考とすると考えております。
 2点目の御意見は献血の受入れに関する御意見ということで、恐らく就労されている方からの御意見だと考えております。趣旨としては移動採血に関して、仕事帰りに献血をする上で移動採血車における献血時間が時間的に難しいということから、商業施設、会社等での受入れを推進すべきという御意見であります。この点については、移動採血について現在駅前のほかに商業施設、会社などでも実施しておりますが、先ほどの計画案でも御説明しましたとおり、こういった声があるということを踏まえまして、更に献血者の利便性に配慮した受入時間の設定と受入体制の充実を図るべきものと考えております。説明は以上です。
○高橋部会長 ただ今の御説明について御意見、コメント、御質問などがありましたらお願いします。
○鈴木委員 パブリックコメントに対してです。これはもっともな御意見だと思うのですが、これに対する回答というのは直接このパブリックコメントを提出した方にはお返しされるわけですか。
○岡村課長補佐 御意見の方に対しては個別にはお返しいたしません。ホームページには広く周知させていただきたいと思いますので、そういったお返しの仕方です。
○高橋部会長 そのほかいかがでしょうか。
○大平委員 パブリックコメントなどを通しまして、献血時間の受入時間帯というのを今回もらえたのですが、これはとても妥当な提案だと思います。特に献血者の推移の所で20代、30代の方たちの減少が大きいので、それを踏まえますと、やはり通勤の帰りに少し献血していこうかというような考えの方たちを、少しでも広く拾えるようにいろいろと時間を考えていただいて、今後十分、現実に反映していただけるようにお願いしたいと思います。
○高橋部会長 具体的にはいつぐらいまでに採血を終わって、そして当日の検査を終わってというスケジュールが現在もあると思いますが、どのくらい大変なことなのか、もしコメントがあったら日本赤十字社からお願いしたいと思います。
○日本赤十字社(大西) 都心部を中心に設置している固定施設の献血ルームですが、18時半若しくは18時45分まで、実際はオープンをさせていただいているということです。今後、更に時間を延ばすような形で検討を進めていこうと考えております。また、今の移動採血についても、必要に応じて時間延長をしておりまして、昨年度のデータですと、1,200件ほど受付時間の延長をさせていただいているということです。繰り返すようですが、こういった御意見を頂いておりますので、更なる利便性の向上の検討を進めていきたい。また、試行的にも進めていきたいと考えております。
○高橋部会長 もう少し具体的に採血が終わって、血清学的な検査ですか、そういうスクリーニング検査を、その当日内に基本的に終わる体制でやっておられると思うのですが、それに検査が始まってから大体どのくらい使って、そういう御事情を少し御披露いただいた方が、どのくらい可能なのかというイメージが湧くのではないかと思うのですが。
○日本赤十字社(大西) まずは献血をいただきましたら、製造所に血液を運ぶわけですが、運びました後、通常のウイルス検査等も行います。更にNATの検査については24時間体制の中で行っています。製剤については当然ながら製造所に運びました後、分離をさせるわけです。その分離の時間帯については、全血だと血漿と赤血球の部分に分けるわけですが、血漿の部分は、新鮮凍結血漿又は凝固因子製剤用の原料血漿ということになると、どうしても時間的な制限があるということです。その分を遡って計算した上で、受付時間の設定をギリギリまで行っているということです。
 また話は戻りますが、NAT検査については皆様御存じのとおり、24時間体制で迅速に実施をさせていただいています。
○高橋部会長 少し分かりにくい話ですが、NAT検査に普通に回すまでの作業を基本的に当日やられているわけですね。ですから、確かに必要性は十分あるが、毎日のことですので、受け入れる際に業務が確実にできるように、また時間的な配分も是非御検討いただければと思います。こういう理由でここまでが精一杯なのだというのも、是非お示しいただければ分かりやすいのではないかと思います。
○日本赤十字社(中西) 今、部会長からお話がありましたとおり、献血ルーム、例えば18時45分まで開いておりますと、当然そこから採血させていただきますので、それから小1時間がかかります。それから、その搬送にかかる準備があります。また、配送時間がありまして、基本的には18時45分に採血を開始したとしても、終わるのが大体8時少し前です。それから準備をして搬送にかかるということになりますと、大体10時くらいに血液センターに搬入され、それから更に製造分離に関する下処理をするとか、いろいろな準備がかかりますので、基本的には12時近くまで分離に時間がかかるということです。私どもはやはり私どもの事業の効率性の観点から、これまでできるところの範囲でやらせていただいており、個別にも協力はさせていただくのですが、今後はやはり私どもの事業の効率性の視点だけではなくて、献血される方の視点も含めて考えていこうということでして、どこまでできるか、来年度は試行的ではあるかもしれませんが、順次変えていきたいと思っております。
○高橋部会長 どうもありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。
○花井委員 今の件とは関係ないのですが、1ページに付いている献血者の推移です。今後は年度が定まったら、詳しく分析してということですが、当然これを見ると、実数なので恐らく20代、30代の年齢が上がると、これはずれ込んで上に移動するということもありますし、人口動態との関係と率、これだけだと実は減っているか、増えているか分からないので、今度お示しいただくときには、もちろん率もですが、人口動態を含めて、実際の献血者の動向が分かる資料を御用意いただけたらと思います。
○高橋部会長 10代は何とか下げ止まっているイメージがありますが、まだ20代、30代はかなり下がっているというので、若年層への献血広報の効果というのが、もう少し広がるように見ていかないといけないのではないかと思います。本当に徐々に上がっているのは40代、50代ということなので、また5年、10年先にこのパターンに近くなるように、今の20代、30代が上がってくれるようにしていかないといけないのではないかと思います。そのほかいかがでしょうか。
 それでは、議決に移りたいと思います。大きな修正ポイントはなかったと思いますが、現在の修正案で議決したいと思います。いかがでしょうか。それから、今後「平成25年度献血推進計画」を最終的に告示するに当たって厚生労働省で法令的な観点から形式的な修正を加えることがあると思います。その点については部会長に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、議題2「平成25年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」に移りたいと思います。血液法の規定により、採血事業者が作成する献血受入計画については、厚生労働大臣の認可を受けることになっております。認可に当たっては審議会の意見を聞くこととなっており、本日計画案について審議し、答申したいと思います。本計画は採血事業者である日本赤十字社から提出されたものでありますので、この場で委員の皆様の御意見を伺えればと考えております。それでは、まず、日本赤十字社から御説明をお願いします。
○日本赤十字社(井上) 委員の先生方には、日頃より血液事業について、御理解と御指導を賜っておりますことを、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 議題2、資料2「平成25年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」御説明いたします。
 3ページの1.「平成25年度に献血により受け入れる血液の目標量」についてです。平成25年度に、献血により受け入れる血液の目標量については、平成19年度以降、3%~4%程度の増加傾向にあった輸血用血液製剤の供給量が、平成23年度以降は鈍化しつつあることを踏まえ、全血献血は144万リットル、血漿成分献血は27万リットル、血小板成分献血は35万リットル、合計205万リットルを受け入れさせていただくこととしております。これを献血者数に換算すると、約523万人の受入れをお願いさせていただく計画です。
 続きまして、2.「前項の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」です。(1)「献血受入の基本方針」についてです。1.「目標量の確保」については、各都道府県の需要に見合った血液を確保するため、400mL献血及び成分献血を中心とした献血者の受入れを行い、平成25年度の目標量である205万リットルを確保する計画です。
 2.「献血受入体制の整備」です。献血者の安全性と利便性に配慮し、立地条件等を考慮した採血所の設置や、移動採血車による計画的採血及び献血者に配慮した献血受入時間帯の設定をするなど、受入体制を充実させていくとともに、採血所における休憩スペースの十分な確保や、地域の特性に合わせたイメージ作り等の環境整備に努め、一層のイメージアップを図ることとしております。
 3.「献血者の処遇等の充実」です。献血者が安心して献血できるように、これまでも献血者に対して感謝の気持を持って、丁寧な接遇を心掛けてまいりましたが、引き続き職員の教育訓練を充実強化し、更なる改善に努めさせていただきます。
 4.「初回献血者等への対応」です。初めて献血される方の不安を払拭することはもとより、献血をしていただくごとに献血の手順や、献血後に十分な休憩をお取りいただく必要性、気分が悪くなった場合の対処方法等について、事前説明を十分に行うこととともに、特に初回献血者の多い学校献血会場においては、採血後の献血者をケアする者を配置し、採血副作用の防止に努めます。
 5.「検査サービス等の実施」です。献血者の健康管理に役立てていただくことを目的とし、引き続き生化学検査成績、血球計数検査成績をお知らせすることとしております。また、ヘモグロビン濃度が採血基準値より低いことにより、献血に御協力いただけなかった方に対しては、健康相談等について、その有効性を検証しながら、引き続き取り進めることとさせていただきます。
 次に(2)「献血者の確保対策」です。将来に渡り、需要に見合った安定供給を確保するためには若年層、企業や団体献血及び複数回献血者の募集を重点的に行うとともに、健康な高齢者層の献血受入れも推進してまいりたいと考えております。特に、この中でも若年層の献血者確保対策については、本年度の期中においても、全国血液センター所長・部長会議等を開催し、全国一律的なキャンペーンと併せ、具体的な確保対策を、各血液センターが重点的に取り組むように指示を出してまいりました。
 また、ここ数年来の皆様方からの働きかけにより、現在のところ10代の献血者数は増加に転じております。平成25年度も、更なる確保を図るよう、引き続きすべての中において、最優先して若年層の対策には取り組んでまいりたいと考えております。病気や怪我のために輸血を受けた患者さんや、その御家族の声を伝えることにより、血液製剤が患者さんへの医療に欠くことのできない善意による貴重なものであるということを含めた献血思想の普及啓発を図ってまいります。
 1.「若年層全体に対する対策」として、若年層全体に対する広報等を実施するととも
に、ターゲットとする年代を明確にした対策を展開したいと考えております。将来の献血者になってもらうべく、小中学生を対象として、学校へ出向いての献血セミナーや、血液センター等での体験学習を積極的に行い、正しい知識の普及啓発に努めます。高校生については、「高等学校学習指導要領解説保健体育編」に、献血に関する内容が盛り込まれたことや、文部科学省から各都道府県教育委員会あてに、学校における献血に触れ合う機会の受入れに係る通知を、平成24年1月、また平成25年2月に発出していただいたことから、献血のみならず赤十字活動全体を含めた、命の大切さ等について、学校へ出向いて献血セミナーを引き続き実施してまいります。大学生については、学生献血推進ボランティア組織等との更なる連携を図ることや、特に将来の医療の担い手となる医療系・薬学系の学生の皆さんに対し、国民の善意による献血によって医療が支えられている事実や、血液製剤の適正使用の重要性への理解を深めてもらうための取組を行ってまいります。
 次に2.「献血者の年齢層に応じた献血推進対策」です。20代後半~30代の女性を対象とした対策として、出産あるいは子育てに忙しいという理由により、献血への機会が減少しているものと考えられることから、この方たちに対し、安心して献血をしていただけるよう、献血ルームにキッズスペースを整備する等の受入体制を整え、親子が献血に触れ合う機会を設けるよう努めてまいります。40代~50代を対象とした対策として、企業や団体の中心的な存在であるこの年代に対し、企業献血、地域献血を更に啓発推進してお願いしてまいります。60歳以上の方々を対象とした対策として、特に60歳を超えたところで、定年退職をされる方々に対し、献血に関する情報、また献血等に触れ合う機会が減ってしまうことから、定年退職後も引き続き献血に御協力いただけますよう、情報伝達の方法を工夫するなど、献血者の増加を促進するよう努めてまいります。健康上の問題や、70歳以上の献血を御卒業された方々に対しても、個人ボランティアとして御支援いただきますよう、お願いを続けてまいります。
 3.「企業等における献血の推進対策」です。献血に協賛いただける献血サポーターを
募集し、献血団体の更なる推進に努めてまいりたいと考えております。
 4.「複数回献血協力者の確保」です。複数回献血者に、血液の需要に応じて協力いただくことは、今後の安定供給、効率的な献血を実施していく上では不可欠です。平成17年度から始まった複数回献血クラブの会員は、現在50万人を超えております。平成25年度についても、複数回献血クラブへの一層の加入促進、インセンティブとなる同クラブ会員を対象とした、イベントの開催等を積極的に実施するとともに、複数回献血クラブ会員の献血履歴を的確に把握し、広域的な、安定的な献血者確保、献血者依頼ができるよう、運用システムの強化についても取り組んでまいります。
 以上の確保対策の効果を更に上げるために、全国統一の献血推進キャンペーン等を実施いたします。平成25年度についても、平成21年10月から通年で実施している、若年層をターゲットとした「LOVE in Actionプロジェクト」を基軸とし、「いのちと献血俳句コンテスト」、学生による「クリスマス献血キャンペーン」、また、「はたちの献血キャンペーン」等々各種のキャンペーン等を連動させながら、広報展開をしてまいりたいと考えております。また、これらの全国統一的に実施するキャンペーンと併せ、献血実施時に、学生ボランティアが主体となり、同世代の学生たちに献血を呼び掛けたり、医学系、薬学系の学生を集めて献血セミナーを実施するなど、都道府県ごとの自主的な取組、様々な計画がなされております。この各都道府県の取組については、本日参考資料として付けておりますので、後ほど御覧いただけたらと存じます。
 7ページの3.「その他献血の受入れに関する重要事項」の中の特記すべき所について御説明いたします。(3)「200mL全血献血のあり方について」ですが、献血推進調査会の委員の先生方からの御意見を踏まえ、まず献血を推進する上では、血液製剤の安全性、医療機関の需要等の観点から、400mL全血献血を基本とさせていただきたいと考えております。併せて、将来の献血推進の基盤となる若年層に対する献血推進が重要であることから、国、都道府県、学校と連携して献血セミナーを実施するなど、献血の知識について啓発する取組を行うとともに、特に高校生等の献血時には、400mL全血献血に不安がある場合は、200mL全血献血を推進するなど、できる限り献血を経験していただくよう努めてまいります。
 (5)「災害時等における危機管理」として、平成23年3月の東日本大震災における全国からの血液製剤の支援実績や供給を踏まえ、今後も災害時において献血血液の確保に支障を来さないよう、広域的な需給管理体制のもと、国、都道府県及び市町村と協力し、継続的に全国的な献血の推進を図り、円滑な血液供給に努めてまいります。また、献血血液の製剤化についても、災害時等において、支障を来さないよう国と協議をしながら、必要な設備等の整備を進めることとしております。
 以上が、平成25年度献血受入計画の概要です。若年層対策、企業・団体献血、複数回献血が中心となりますので、献血推進2014の目標値達成に向け、今後とも国や都道府県、各市町村、献血協力団体、ボランティアの方々の御協力と御理解をいただきながら、安定的な献血者の確保と、安定供給に努めていく所存ですので、今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。以上で御説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○高橋部会長 ありがとうございました。ただ今の御説明について、御意見、コメントあるいは御質問がありましたらお願いいたします。
○稲田委員 血液の推進対策について、各年代、あるいは女性も含めた推進対策が挙げられています。資料1-1の献血者数の年代別の変化を見ると、20代の減少が非常に大きく、以前より100万人ぐらい減っています。こういう方々は、先ほどもお話にありましたように、30代なり40代なりということを考えると非常に重要だと思うのです。それに対する個別的な推進対策が、女性に関してだけ述べられているということで、そういった点も少し強化する必要があろうと感じたのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社(大西) 20代、30代の方々の献血が減少していることは認識しております。その中で、女性に対しての出産、あるいは結婚されて、献血になかなか参加できない部分の対応はしています。男性の方への献血の御協力の部分について、まだまだ弱い部分があります。その中で、企業献血によって、40代、50代が増加した傾向が見られます。企業献血で、若い方々の参加、また献血ルーム等での様々な媒体を使ったPR、ホームページも含めてPRを図りながら、献血ルームにお越しいただけるような対応も考えていく予定としております。
○大平委員 20代、30代の方たちの対策なのですが、私も同様に対策として落ちているところがあるのではないかと感じました。企業献血における献血の推進ということですが、企業献血はどのぐらいの割合を占めているのか、また、どのような年代層が多いのかを教えてください。
○日本赤十字社(井上) 現在の企業・団体献血としては、献血推進2014の目標値の5万社に向けて献血サポーターとなりうるべく団体献血を推進しているところです。平成23年度終了時点では47,000社を超える御協力をいただいております。しかしながら、20代、30代の方の減少は、この企業献血の中においても実際にはあります。やはり、40代以上の方々を中心に支えられているのが実態です。引き続き私どもとしても、団体献血の数を増やしていくこと、20代30代の確保のためには、複数回献血に加入をしていただく。これは20代、30代に限らず全世代の方々にお願いさせていただきたいところですが、献血可能な方、献血可能人口が徐々に縮小していく流れですので、複数回献血クラブの強化を中心とし、年間の献血回数の増加を図ってまいりたいと考えております。
○濱口委員 今の説明の中で、小中学生を対象とした対策というのは、これからの献血者を増やしていく上では非常に重要だと思います。この中に書いてあるのは、学校に出向いてセミナー等を行うということです。例えば、こういう機会にどの程度小中学生が献血に対してどういう意識を持っているのかということを調査したりして、啓発を一方的にこちらから出すだけではなくて、どういうことが必要なのかという検討はなされているのでしょうか。
○日本赤十字社(大西) これについては、これまでも実施しており、参加校及び参加者を増やしている状況です。終わった後の感想文をいただくということで分析をしている最中です。別途、私どもは「いのちと俳句コンテスト」を毎年やらせていただき、これまでに7回を数え、この部分で、同じように小学生からの意見をいただいております。「いのちと献血」という形で俳句をいただいておりますので、その中では「いのち」の部分についての俳句はたくさん上がってまいりますが、「献血」という題目としてはまだまだ少ない状況ですので、こういうものを使いながら感想文、もしくは俳句コンテストの投稿の部分を分析しながら動向を見ていきたいと考えております。
○濱口委員 こういうセミナーを受けた後には、非常に重要なことだというのを、子どもたちも多分認識するのだろうと思うのです。セミナーを受けなくてもそういうムードを作っていくようなことができないのかと。セミナーを受ける前と、受けた後の違いもあるでしょうけれども、一般的な小学生、一般的な中学生が、今どのような意識があるのかをもう少し調べてみたらどうかという気がします。
○日本赤十字社(井上) 献血セミナーについては、高校を中心として行ってきているところがあります。小中学校へ出向いての献血セミナー回数も増えています。それを受けた後に、どういう感想を持っていただいたのかということで、まだ実際にアンケートのような形で取ることはできておりませんが、このセミナーを受けて、いのちの大切さとか、献血の重要性を分かっていただけたかどうかということを、小学生、中学生、あるいは高校生それぞれのレベルに合わせた形での問いかけを現在検討しています。将来の献血基盤になる方々ですので、16歳になったときに献血に行ってみたいという、献血行動につながっていくような形で、この献血セミナーを広げていきたいと思っております。ただ、小学生では、1年生~6年生までの中で、いきなり献血の説明ということになるとなかなか厳しいところがあります。説明用のスライドも、小学校2年生、3年生ぐらいが分かるような形での作成を検討しています。まず、いのちの大切さから入っていただき、その中から健康であれば献血ができるのだということが、年が上がっていくごとに分かっていただけるような啓発を順番に取り組んでいきたいということです。中学生、高校生と内容を変化させていくということで現在検討しております。それが決まり次第、全国の血液センターへ指示を出したいと考えております。
○前田委員 成分献血についてお聞きします。成分献血を積極的に受け入れると書かれていますが、具体的に総数としてどんなものなのか、また比率というか割合はどのようになっているのかを教えてください。
○日本赤十字社(大西) 平成25年度受入れ血液の目標量が資料の9ページにあります。これは人数ではなくて、リットル換算になっています。何%かということまでは出ていませんが、ここで全血と、成分の内訳をお示しさせていただいております。
○前田委員 それが経時的に増えているのか、減っているのかをお聞きしたいのです。
○日本赤十字社(大西) 血小板の需要については増加傾向にありますので、成分献血の血小板については増加傾向にあります。血漿については、FFPという新鮮凍結血漿も増加していますが、原料との関係があります。血漿分画製剤の原料の変動によって、血漿成分献血については若干下がりぎみです。来年度は下がる計画になっています。
○前田委員 成分献血をする際にはフェリストという装置が必要になりますが、その装置の普及はどうなのか、着実に全国に広がっているのか、その辺の推移を私は聞きたいのです。
○日本赤十字社(大西) 献血ルームのほとんどでは、成分献血も受けています。北海道から九州・沖縄まで各都道府県には、最低でも1個の献血ルームがありますので、そちらで成分献血の受入れをさせていただいております。そういう施設は増加傾向にあります。
○前田委員 具体的に何年よりこうだというのは分かりますか。
○日本赤十字社(大西) 手元にその数字はございません。
○前田委員 全国に成分献血をできる装置はどのぐらいあるのですか。
○日本赤十字社(大西) 約2,000台あります。今、正確な数字は手元にありません。大変申し訳ありません。
○鈴木委員 細かいことですが、資料1-1の推進に関する計画では、特に高校生等の献血には400mLの全血採血に、献血者が不安がある場合と、あえて「献血者」と入れる必要があるかどうかと思いますけれども入れてあります。これに合わせるのであれば、7ページでは抜けていますから合わせたらよろしいのではないかと思います。
○高橋部会長 確か、前回小畑委員、その他の方から明確に主語を入れた方がいいという議論があったと思いますので、それはよろしくお願いいたします。
○三村委員 2点申し上げます。1点は7ページで、血液製剤の在庫管理不足の対応ということで3行あります。大変重要な論点だと思います。別にこの考え方で結構なのですが、基本的には在庫情報の共有と、ブロックごとの需給調整について今進めていただいていますが、今後とも是非しっかりとやっていただきたいと思います。
 2点目は、先ほど問題になっていた、企業に対してどのように対応するかというところだと思います。資料3を拝見していて非常に面白いと思いました。恐らく各地域で一生懸命やっているということについては変わりないと思うのですが、ある特定の地域が非常に熱心にやっています。そして、非常に面白い切り口を持ち込んでいると思いました。例えばライオンズクラブ、地域の商工会議所、商店街と非常に良い取組をされているという話がありました。ただ、他の地域ではCSRに非常に熱心だとか、CSRレポートを出している所をピックアップして説明をしていただくというような話で、少し苦戦されています。そういうやり方ではなかなか限界があるのかもしれないです。後で見ていただくと一目瞭然なのですが、一緒にこの問題を考えましょうとか、血液にはどんな問題があるのか、恐らくそこには地域の医療とか救急医療における問題というところにまで話をぶつけて、ライオンズクラブの皆さんと議論しながらみたいな話もやっている。そうすると、非常に意識の広がりがあるという感じがいたしました。これは、地域によっていろいろ工夫があると思いますし、非常に県が熱心なのか、血液センターの担当者が大変熱心なのかということだと思うのです。良い事例がありますので、そういう事例をいろいろな形で共有していただくのがよろしいのではないかと感じました。
 もう一つは時間帯の話で、やはり場所が大事だということでした。例えば、ショッピングモールを使うという話になると、恐らくモールを運営している小売企業とかディベロッパーは、こういうことに対して当然社会貢献として対応する義務とか、責任がありますので、いろいろな形での呼び掛けが可能ではないかという感じがあります。是非、良い事例を広げていただくことをお願いいたします。
○三谷委員 若年者に対する献血推進、あるいは複数回献血推進のための一つのアイディアなのですが、献血をされる方が一つの目安なり目標があると元気が出るのではないかと思うのです。献血者の確保対策の所に、「病気や怪我のために輸血を受けた患者さんや、その御家族の声をつないで」という記載もあるのですが、実際に医療現場で、自分が献血した血液が、どのぐらい役に立っているのかという目安をお示しするといいような気がするのです。
 例えば、1回の白血病の治療にどのぐらいの血液が必要なのか、心臓や大血管の手術にどのぐらいの血液が必要なのかということを、献血される方にお伝えすると、今回の自分の血液は、この疾患の治療だったらどのぐらいの割合の貢献ということも分かると思いますので、そうした試みはいかがかと思いました。
○日本赤十字社(大西) 貴重な御意見をありがとうございます。私どもは、患者さんが輸血によって助かったというものを中心にお伝えしているわけですが、それがどれだけの人の血液が使われて助かったのかという具体的な部分を、今後は何らかの形でお示ししながらPRしていこうと思います。
 先ほど御質問のありました成分装置ですが、資料2の11ページの別紙2-2に、平成25年度の献血受入施設数と、献血受入施設整備予定等の左から5行目に成分装置、バス、献血ルームの数等も含め、全国都道府県ごとに明記してあります。御確認をいただければと存じます。
○前田委員 それに付随してですが、成分献血装置は献血ルームにあると。それは、かなりフル活用されているものでしょうか。それに対して、一般の人たちが献血というと、あくまで全血を前提にしているので、稼働がうまくいっているのか、そうでもないのか。むしろ足りないのであれば、更に成分献血装置が必要だと思います。
○日本赤十字社(大西) 当然ながら需要動向に応じ、例えば血小板の献血の御協力をいただいていたり、場合によっては全血の御協力をいただくことになります。年間の計画は皆様にお示しし、御了解をいただいているわけです。普段の医療機関からのオーダーに応じた形で変えてきています。
 資料の25ページは年度の推移です。今申しましたのは、年度の中で日々オーダーが変わってまいります。血小板の場合は、採血後4日間しかありませんので、動向に応じて血小板や血漿の成分献血をお願いしたり、全血をお願いしたりということです。25ページの年度で見ると、血漿と、血小板と、赤血球の需要動向の5年間の推移が出ていますが、こういう形で推移しています。その中で、先ほど申しましたように、血小板の需要は中程の白い部分ですが、増加傾向にあるということで御認識をいただければと思います。
○半田委員 切り口の一つとして、例えば50代、60代は毎年着実に増加しているということです。これを更に増加させるというのが献血者を増やす方策だと思います。実際に社会的な貢献を意識されている年代ではないかと思うのですが、この辺はどうして毎年増加しているのか、その辺の分析はされているのでしょうか。
○日本赤十字社(大西) 40代、50代の方は増加傾向にありますけれども、初回献血での増加ではないのです。私どもは複数回を推進していますので、ポイントとしては企業も含め、継続した献血、また年1回、2年に1回、3年に1回しか献血していただかなかった方が、複数回につながっているというところでの増加ということで、ここを強化しておりますので、この辺の所で増えていると認識しております。一方、この年代の初回献血者は非常に少ない状況でございます。
○高橋部会長 複数回献血をされている方を、延べ回数でカウントしているので、50代、60代は増えているという理解でよろしいのですか。
○日本赤十字社(大西) 献血者数としては、基本的には延べ人数を中心に皆様に御説明させていただいております。そうすると、既に経験されている方が複数回御協力いただいているということで、増加傾向になっているということで御理解いただければと思います。
○半田委員 逆に言うと、20代、30代が減っているということは、将来のリピーターが減るということで、将来はこの50代、60代も今のままでは減っていくと考えていいのですか。例えば、20代、30代が今のまま減っていくと、50代、60代も、いずれピークが来ても、その後はダウンしていくと見ているということですか。
○日本赤十字社(大西) 年代で10年ごとに過ぎていくと、当然ここが厚くて、30歳未満の若年層が弱いということですので、そういう考え方の中で、国も含めて2014という目標を作り、若い10代、20代を強化していこうということになっているのだと思います。先ほど大平委員からも御質問のありました、20代、30代の男性というのは企業にいるわけですから、この部分をどう強化していくかというところがポイントだと理解しています。
○大石部会長代理 大学生とか専門学校生の要素は非常に大きいと思うのですが、現在学生数の何割ぐらいが献血に参加し、それを1年後、2年後ぐらいに何%ぐらいまでに上げようという具体的な目標値は設定してあるのでしょうか。
○日本赤十字社(大西) 特に大学・専門学生等、高校を卒業した後の学生については、学校数としては約7割の学校に御協力いただいております。目標数を毎年何%まで伸ばすかというところまでは挙げておりませんが、まずは10代、20代をターゲットにできる限り増やしていこうということです。御指摘いただくような内容では、改めて目標設定を行い、この部分の対策を取る必要があると認識しております。
○血液対策企画官(丈達) 補足させていただきます。献血の目標としては、2014という5年間の目標を置いております。10代の献血を6.4%まで上昇させる、20代の献血を8.4%まで増加させるという目標を置いているのですが、今のところまだその目標には到達できていないということです。
○三谷委員 献血者数の推移の表において、男女比は大事だと思うのですが、いかがですか。
○日本赤十字社(大西) ここ数年の傾向を見ると、献血種別によっても若干違うところがあります。20代、30代の女性の献血者は減少傾向です。特に、成分については減少傾向です。男性も、20代の男性は少なくなってきておりますので、やはり、ここはターゲットになります。特に、昨年度はそういう傾向がありましたので、先生方御指摘のところは強化しないといけないということです。
○三谷委員 一般的に献血者の男女比はどのぐらいなのですか。
○日本赤十字社(井上) 年代によっても若干違います。平成24年は男性が約7割を占めております。
○牧野委員 初回献血の場合は、200mL全血献血を推進するということが出ているのですが、血液製剤の安全性、製造効率、需要の観点から考えると、圧倒的に400mL全血献血由来のものが使われているわけです。今後、若年者の初回の献血推進に200mLの献血を推進するということは、一般の施設でも使うときに2単位注文して、1単位が二つ来るような状況が恐らく出てくると思います。1単位製剤というのは小児とか、輸血量が奇数単位になるとか、少量でいい場合は非常に有用ではあるのですが、大半が2単位製剤で、400mL採血ですので、そこで1単位製剤が二つ来ることに対して、各施設でのアンケート調査で意見を聞くと、やはり「困る」とか、「手間がかかる」とか、それから2単位製剤で、1パックと思っていたら二つで、1パックを冷蔵庫に使用し忘れてしまったような事例もあります。安全の面からすると、やはりリスクが出てくる。そういうことを考えると、医療従事者であるドクター、ナースに対しても、こういう理由で200mL献血を推進しているので御協力くださいというお知らせが必要かと思います。
○日本赤十字社(大西) 貴重な御意見をありがとうございます。私どもも、医療機関の先生方に、将来推計人口から見たときの、将来的な血液需要の不安、血液不足という部分も含めてPRをして御理解をいただくように努力してまいります。
○高橋部会長 大分議論、コメントが多く寄せられました。そもそも、これは献血の受入れに関する計画案の議論です。これを踏まえ、更にどう日赤が広報し、献血に関わる問題を解決していくかという議論にまで広がったかと思います。私が見たところ、2014のときに三つの議論がありました。若年層の献血推進、複数回献血の促進、企業・団体献血の推進ということで、特に若年層の献血推進が計画どおりにはまだまだいっていない。それは、恐らく小中学生を含めた、若年層への広報をしっかりしないと、いきなりターゲット年齢に働きかけても難しいのではないか、はたちの献血キャンペーン等をやっても難しいのではないか。それ以降の年齢についても、それ以前に献血の経験がない人が新規に入ってくる割合は少ないし、逆にそれ以前の年齢で献血の経験がある方はリピーターとして更に献血に御協力いただける割合が多いことが分かっております。
 全体としては非常によく書けていると思います。本日の先生方の御意見を盛り込んで、更に良いものにしていただきたいと思いますが、もう一つは、どういうところを一番強調したいポイントかということを、この計画案は計画案として、実際に一般の方に今、献血はこういう状態で、こういう課題があって、どういう目標で献血広報をしているのか、献血受入れに関する注意をしているのか。先ほど、三村委員からお話がありましたように、地域で御協力をいただく場合のアイディアをうまく盛り込んで、日赤がそれぞれの地域、日本全体にアピールしていくべきではないかと感じております。
 そろそろ、この計画案の議決に移りたいと思います。今までコメントをいただいたことはいずれも非常に大事なことでありますし、うまく盛り込んでいただいて、その修正案として承認したいと思いますが、いかがでしょうか。
○花井委員 細かいことで申し訳ないのですが、最初に議論があった20代のところです。5ページで女性を対象にしたとなっていて、推進計画では親から子へという部分とか、親子が献血に触れ合うという部分は、男女関係なく子育て20代と書いてあります。そうすると、推進案を受けると、出産というところまでは女性に限定するわけですが、それ以降の子育てとか、地域云々とか、キッズスペース云々、親子が献血に触れ合うという部分は、推進計画の親から子へ献血や血液製剤の意義を伝えることが重要というのを受けているとすれば、これだけは女性を限定としない書きぶりに書き換えておいたほうがいいのではないですか。
○日本赤十字社(大西) 先生の御指摘のとおりだと思います。そこは直させていただきます。
○吉澤委員 
 ここに書き込むべきものとは、違うと思いますが。最近、血液センターから送られてきた通知文が理解できず、不安を感じた複数の献血者からの相談がありました。HBc抗体陽性(HBs抗原は陰性)の方からのもので、これまでに数10回献血をしても何も問題がなかったものの、最近になって突然、以後の献血は御遠慮願いたいということで送られてきた説明文を読んでも、何故急にそうなったのか、自分自身の健康上の問題があるのかどうかもよく分からないとの事でした。その説明文は、あまりにもいろいろなことが書き込まれすぎており、私が読んでもよく分からないものでした。説明文は、いつから、どのような経緯(目的)でそのような通知を出すようになったのか、また、御本人の健康上の問題があるのかどうかを、簡潔、明瞭に伝わるように工夫していただけたらと思います。相談にきた人の他にも困っている方々が数多くいると思いますので。
○高橋部会長 この献血の受入れに関する計画案のところにも、処遇の話はあります。特に、今まで献血に御協力いただいた方に対して、今後は御遠慮いただきたいというのも相当丁寧に、また合理的な理由をうまく提示しないと、「なんだ、それは」ということになり兼ねませんので、その点はよく検討していただければと思います。
 改めて議決したいと思います。修正内容の確認というのは、最終的には事務局と部会長に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 日本赤十字社に関しては大変なことをやられていると思うのです。それについて、十分説明する機会がないということもあって大変だと思いますが、よく説明・広報をしていただいて、十分な成果が上がるように是非よろしくお願いいたします。
 少し時間が押してきましたが、議題3「平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について」に移ります。血液法の規定により、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて策定されるというものです。昨年12月の部会において、本計画案について御議論いただきました。原料血漿の確保目標量と需要見込み、製造目標量等については事務局案を暫定的に了承していただいております。今回は、原料血漿の配分価格等も含め最終的に部会で審議し、答申したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○新村需給専門官 それでは、議題3、資料3「平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)」いわゆる需給計画案について御説明させていただきます。
 平成25年度の需給計画案に関しましては、血液法の第25条第5項の規定により、本日の部会で御審議いただくものです。既に昨年12月の血液事業部会において、原料血漿の確保目標量と日本赤十字社から国内事業者への原料血漿の配分量については御検討いただき、暫定的に御了承いただいていますので、今回はそれに原料血漿の標準価格を加えた案となっております。
 1ページが諮問書、2ページ~7ページが需給計画案の本体です。なお、3ページの第3「平成25年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」については、昨年12月の部会で御了承いただきました92万リットルとしております。
 「平成25年度に配分される原料血漿の標準価格の考え方」について9ページを御覧ください。標準価格の算定の基本的な考え方は、これまでの考え方と同様です。日本赤十字社では、輸血用血液の確保と原料血漿の確保が並行して行われておりますので、人員や装置等が兼用されております。そのため、明確に切り分けることが困難である中で、原料血漿の確保のために必要と考えられる部分について費用を積算し、価格を計算しております。血漿成分採血については、献血全般に共通する事項とサービスに係る経費を除いて、必要経費を積算しております。また、全血採血及び血小板成分採血については、輸血用血液製剤の製造が主たる目的であることから、原料血漿の確保に係る費用としては、一部に限定して積算しております。積算はこれまでの年度と同様に、まず凝固因子製剤用の原料血漿について経費の積算を行っております。配分量は確保目標量の合計を92万リットルとして、原料血漿の確保から供給までに必要な経費を積み上げまして、1リットル当たりの単価を算出しております。この積み上げに用いる経費については、日本赤十字社の直近2年間である22年度及び23年度の実績の平均の数値を使用しております。費用の内訳については、10ページの表を御覧ください。費用について採血から原料血漿を製造・保管するまでに必要な材料費、人件費、機器等保守料、減価償却費及び光熱水料等の経費及び原料血漿の輸送・貯留保管経費である管理供給費で構成されております。採血種別ごとに積算する費用は、全血採血と血小板成分採血については、材料費はシングルバック代相当分と製品表示ラベル代、人件費については、原料血漿の凍結・一時保管費に係る製剤職員費、経費については凍結・保管費に係る経費に加え、全血採血においては白血球除去の導入に伴い生じた経費を一部加算しております。管理供給費については、原料血漿輸送・貯留保管経費を積算しております。血漿成分採血については、従来どおり材料費については全額、人件費については原料血漿の凍結・一時保管費に係る製剤職員費及び検診や検査などに係る医師、看護師、検査職員、事務職員の必要経費、経費については、凍結・保管費の他に、成分献血登録者に対する依頼経費、処遇費の一部、検査機器等の保守関連経費等です。管理供給費については、原料血漿の輸送・貯留保管経費を積算しております。採血方法別の原料血漿の配分量については、13ページにありますように、献血推進計画に則り、日本赤十字社が策定した25年度の事業計画に基づいて設定しております。
 以上の内容を一覧表にしたものが11ページになりますが、今申し上げた方法により、1採血当たり積算された単価を1リットル当たりの単価に積算しましたのが、11ページの1.です。これにそれぞれ採血別に原料血漿確保見込料である2.の数値を掛けまして、採血別の確保費用を算出しまして、その総額3.を原料血漿の確保目標量92万リットルで除しまして、消費税を掛けて、1リットル当たりの凝固因子製剤用の価格11,190円を算出しております。その他の分画用原料血漿についても従来と同様で、凝固因子製剤用の価格改定率を用いて、比例計算で算出した10,230円となっております。以上が従来どおりの基本的な考え方に基づき算出した結果となっております。
 12ページを御覧ください。今申し上げました従来どおりの、原価計算方式に基づく価格を一番上に示しておりますが、凝固因子製剤用については11,190円、その他の分画製剤用については10,230円です。IIの原料血漿価格に関する議論等については、昨年3月に取りまとめられた「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会最終報告書」の下線部にありますように、「今後、国は、血液事業の運営に支障を来さないように配慮しつつ、原料血漿価格についても適正な価格の調整を考えていくべき」と提言を頂いていることから、24年度同様、25年度についても、日本赤十字社の血液事業の運営に支障を来さないよう、従来の算定方法により算出した価格から5%減といたしまして、凝固因子製剤用については、24年度価格から360円減の10,640円、その他の分画製剤用については、24年度価格から330円減の9,720円とさせていただいております。
 海外価格との比較ですが、参考として挙げさせていただいています。年次の違いはありますが、平成23年の米国の原料血漿価格です。米国の原料血漿価格は10,853円となっており、この価格を比べると25年度の標準価格案の方が安い価格となっております。
 14ページ以降は参考資料となりますので、後ほど御参照いただければと存じます。以上が資料の説明です。御審議の程よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 それでは、ただ今の御説明について御意見、コメントあるいは御質問などありましたらお願いします。
○鈴木委員 原料血漿価格ですが、算定根拠が原価計算方式で、しかも日赤が出したデータを使用ということなので、どこまで正確かというのが分からない部分もあるかと思いますが、それにしても5%下げるということですが、下げる根拠というのも逆に余りないのではという気もいたします。その中で外国の価格と比較をしているということで、米国の価格が出ていて、それよりは安いということですが、中医協における薬価の話などを見ても、大体薬はアメリカが一番高いのです。それでフランスとドイツとイギリスを入れて平均すると下がるのです。大体ヨーロッパは日本より、特にイギリスやフランス、ドイツは低いということで、平均価格を外国のものを入れて出したりするのです。そういう意味ではアメリカと比べても、アメリカとほとんど同じということは高いのではないかという気もするわけですが、ドイツやフランス、イギリスの価格というのは分かるものであれば、是非教えていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○新村需給専門官 先の、あり方検討会の中でも、資料として出させていただいたものなのですが、フランスの価格につきまして、23年次の価格なのですが、フランスにおいては成分由来原料血漿と全血由来原料血漿の二通りの価格が存在しているようでございまして、成分由来原料血漿につきましてはリッター当たり12,804円、全血由来原料血漿につきましては7,915円、平均いたしますと約10,400円ということです。それ以外の国の価格につきましては、情報を持ち合わせていません。
○大平委員 原料血漿の配分の所で、3ページの最後の所なのですが、「国内で採取された血液を原料として製造され、海外の血液に依存しなくても済む体制を構築すべきである」ということで、これがやはり一つの大きな重要項目になっているわけですが、それが十分この年次計画などに反映されているかというと、やはりアルブミンもそうですし、いろいろな製剤の面でなかなかそこが自給率の上昇傾向にはなっていないというところで、もう少し国としてもいろいろな形で政策的な課題として、これを実現する方向で、どういうことができるのかもう少し考えていただきたいと思っています。それには、今後の製剤の在り方ですとか、そういう問題も含めて、ここに書き込むわけではないのですが、一つの視点として、是非注視していただきたいと思います。
○岡田委員 献血由来の分画用の血漿の値段が米国とあまり変わらないというところで、一方では、日本に米国からの売血で作られた分画製剤、薬価は多少変わりましたが、従来ですとアルブミン若しくは免疫グロブリンの価格は輸入のものがものすごく安いのです。そうなると、どうして原料血漿の価格が同じなのに、最終製品の値段の差が出るということは、どこに原因があるのか。製造方法に問題があるのか。大体大規模に作っているから安いとかというもっともな説明がされるのですが、本当はどこに原因があって日本で作ると高くなってしまうのか。若しくは流通の問題で、よく日本であるのは、製造所と販売する所が違うということがありますので、日本の製剤が高いのだったらその原因がどのようなところにあるかということを考えて、是正が可能であれば、やはり安くなるような、製造業界にとっては、ある程度の利潤が得られて安く製造できるような体制を作らないと、いつまで経っても輸入の分画製剤に太刀打ちできないというのが続くと思います。
○高橋部会長 今の価格の問題、あるいは製造工程がどうなのかというお話ですが、先ほど御紹介があったようなあり方委員会でも相当検討されまして、いわゆる連産品効果というのでしょうか。国際的な使用量と日本の使用量が大分ガンマグロブリンなどは少ないということで、外国のメーカーであると、大量ではあるけれども、それにプラス原料血漿から作る製品が多種に渡る。その結果単価が安くできると。そのような構造が言われておりますし、それから、先ほど言われた供給の問題もいろいろ議論されていました。そして、結果として御承知のように、少しでも合理的になるようにということで、日本血液製剤機構が昨年発足したわけでありますから、そういう点で少しずつは改善していくのではないかと思います。価格の問題も5%も根拠はないと言えばないのですが、基本的には少しでも近付けるように、厳密な計算自体が、輸血用血液製剤の製造と分離することが難しいということもありまして、こういう積み上げ方式の計算になっているということです。なかなか難しいことですが、大平委員が言われたような、国内献血由来のもので十分確保できるように持っていくべきだということに対して、あまり具体的に言っていないというところは非常にあると思います。いろいろ議論されていますが、私自身は、国内献血を国産、外国産の区別あるいは献血、非献血の別を表示しろという通達が出ておりますが、説明義務というところまでいっていないのが現状だということなので、それを説明義務まで上げるような取組や、あるいはインセンティブをどのように持っていくかとか、そのようなことが今後重要になってくるのではないかと考えています。
○嶋委員 凝固因子製剤の原血漿が少し安くということなのですが、例えば第VIII因子製剤とかになったら、更にそういう方向性が増えてきて、トータル的には価格が今後下がっていくというのは難しいのでしょうか。というのは、やはりこの第VIII因子製剤は圧倒的に遺伝子組替えの優位性があって、私に言わせると切っているという状態なので、何らかのコンペティティブな要素、何か対策が必要なのか。それと、最低限供給安定するための必要性がいると思うのです。一旦なくなったらすぐに再開できない。我々はそういうところを心配しているところもあるので、その辺もお伺いしたいのですが。
○血液対策企画官(丈達) 御指摘のとおり、ヒト血漿由来の第VIII因子製剤は19%ということで、2割を割り込んだという状況になっております。委員御指摘のとおり、今後安定的に供給するという意味で徐々にですけれども、不安感が出てきているかなと考えております。今はまだそれに対してこうしますという案を持ち合わせているわけではないのですけれども、行政側といたしましても、患者さんたちの命に直結するような製剤ですので、一つは今、日赤からJBPOさんがそれを作って販売するという体制に変わったものですから、その中で、これから彼らがどのように工夫し取り組めるかというところを、話をし始めているところでございます。国としても何かいい手立てがあるのかどうか。これは先生方とも一緒にこれから議論をさせていただけたらと考えておりますので、我々も同じ認識を持っているという状況です。
○嶋委員 特に新しい、更に作用の強い製剤が出てきて、今は効果の面では遺伝子組替えと血漿由来は一緒だから、そこはイーブンだと思うのですが、今後更に長時間に、何回も打たなくていいとなると、急激に減る危険性は十分予知して、緊急に対策を考えていただきたいと思います。
○高橋部会長 全体を通してのこともありますが、先ほどの原料血漿価格について、事務局案では日本赤十字社は原価計算方式で算出した額の更に5%減額しようとなっております。日本赤十字社としては相当努力されて、しかも更に減額するということなのですが、それについて大きな問題がないのか、本当に血液事業全体に影響がないのか、どうでしょうか。
○日本赤十字社(中西) 限定的なコストの積み上げの中で示された価格を更に調整ということでございますが、適正な価格の調整という趣旨を踏まえまして、真摯にその価格は受け止めたいと思っております。92万リットルという原料の確保、血液事業全般の健全な運営に努めていくということで事業を進めてまいりたいと思いますので、どうぞ皆様の御指導をよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 先ほど御紹介ありましたが、日本血液製剤機構に血漿分画製剤の製造が移管されたという側面もあって、それで少し日本赤十字社としては整理しやすくなったということもあるのでしょうか。
○日本赤十字社(中西) 整理しやすくなったというところがどの部分をお考えなのか、分かり兼ねるのですが、基本的にはこの原料血漿の確保、やはり採血に一番コストがかかるところですので、この部分の、私どもでできるところ、経費の見直しであるとか、そういったことを進めていく以外にないなというように思っています。
○高橋部会長 私が思ったのは、原料血漿を供給する立場と、それを用いて製造する立場と、以前は両方兼ねていたわけですね。移管されまして、そういう点では製造工程に関わる部分はなくなったので、割切りが自社に出す場合とどうとか、そういうのが少なくなったのではないかと期待しているのですが、そういう考えですか。
○日本赤十字社(中西) おっしゃるとおりでございます。そこははっきり分かれましたので、私どもも今後は採血に専念していくということになります。
○大平委員 今おっしゃいました採血コストがやはり一番大きいという話なのですが、全体として輸送費用、管理費用などを含めまして、採血コストはどのぐらいの割合を占めているのかということとか、そういうのがここに、何か提示されているところから読み取ることはできるのでしょうか。
○高橋部会長 具体的には採血に関わるコストとか、その検査に係るコストとかそういう割合ということですか。
○大平委員 そうですね。
○日本赤十字社(中西) 資料の中の11ページにコストの積算のところがあります。実際には数字がそれぞれの採血のコストの割合を表示していないのですが、血漿成分採血の所を御覧いただきますと、やはりこの血漿採血の部分が、一番コストが高いということが見て取れるかと思います。この血漿採血の材料費が7,596円という数字が上がっております。また、人件費は8,334円といったところで、これらの採血に係るコストが主なものを占めているということで御理解いただければと思います。
○高橋部会長 よろしいでしょうか。それでは、そろそろ議決に移りたいと思います。基本的にはいろいろな御意見がございますが、今回の平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について、御了承していただいたということでよろしいでしょうか。また、先ほどと同様ですが、平成25年度の血液製剤の安定供給に関する計画を最終的に告示するに当たって、厚生労働省で法令的な観点から、形式的な修正を加えることがございます。その場合も部会長に御一任いただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、本日の議題は以上です。珍しく時間内に終了しておりますが、その他何かございますか。
○大戸委員 前回も少し申し上げたのですが、幾つか想定されている大規模災害、例えば首都圏直下型震災とか、南海トラフ地震とか、東日本大震災をはるかに越える大きな被害が予想されると思います。いろいろな場面でいろいろな想定をしなくてはいけないのですが、献血、血液の供給に関しても、これの下に部会を作るかして、非常事態での血液供給の在り方について検討を始めていただければと思います。
○高橋部会長 重要なお話だと思いますが、事務局いかがでしょうか。
○血液対策企画官(丈達) これまでもということも含めてですが、血液法のもとで基本方針を取りまとめて告示をさせていただいております。当然先生方の御意見を反映したものとなっておりますが、そこでも御指摘のような災害時への対応をきちんとやることということを、明記していただいておりますので、引き続き日本赤十字社と協力しながら、その辺の具体的な中身については、また検討していきたいと考えています。
○高橋部会長 神戸の震災のときも、一昨年の大震災の日も大変な問題が生じております。大戸委員が言われたように、供給をどうするかということもそうですが、そのときに想定される医療の状況、どのぐらいの使用が見込まれるのか、そして短期的な問題、あるいは中長期的な問題、いろいろな観点で整理が必要だろうと思います。先ほどの血漿分画製剤の問題のこともそうですが、危機管理的にかなり厳しい状況になってもカバーできる。そのようなことをしっかり考えていかないといけないのではないかと私は考えております。例えば現在ある製剤が置き換えられた。置き換えられたけれども置き換えられたものが、新たに供給が欠損すると。そのようなこともあり得ることなので、どのくらい安全を見越して長期保存できるものであれば、確保しておくかとか、そういうことも含めて検討すべきではないかと思います。その他いかがですか。
 それでは、本日はこれで終わりたいと思いますが、私個人としては、今回が最終ということで、3月いっぱいでこの役を退任する予定でございます。先生方の今までのご協力に感謝したいと思います。今後これは非常に重要な課題を更にクリアしていくための大事な会ですので、またよろしくお願いしたいと思います。今後の日程等については、事務局から御連絡、調整をお願いすることになると思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。


(了)

備考
 本部会は、公開で開催された。

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