ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(医療機関のコスト調査分科会)) > 第21回診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会(2013年7月17日)




2013年7月17日 第21回診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会

○日時

平成25年7月17日(水)14:59〜16:32


○場所

航空会館「大ホール」


○出席者

田中滋分科会長 荒井耕委員 石井孝宜委員 尾形裕也委員 勝原裕美子委員
川上純一委員 小山信也委員 近藤俊之委員 佐柳進委員 須田英明委員
西田在賢委員 松本義幸委員 吉田英機委員 渡辺明良委員

○議題

1 平成24年度医療機関の部門別収支に関する調査報告書(案)について
2 医療機関の部門別収支に関する調査の今後の取扱いについて

○議事

○田中分科会長
 では、定刻になりましたので、ただいまより第21回「診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会」を開催いたします。
 お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。
 初めに、委員の交代について御報告いたします。
 平成25年6月30日付で椎名委員が御退任されました。
 7月1日付で新委員として就任された委員を御紹介いたします。健康保険組合連合会参与の松本義幸委員でいらっしゃいます。
○松本委員
 松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中分科会長
 以上です。
 よろしくお願いいたします。
 次に、本日の委員の出席状況について報告します。本日は、猪口委員と松田委員が御欠席です。
 では、早速議事に入ります。
 本日は、「平成24年度医療機関の部門別収支調査に関する調査報告書(案)について」及び「医療機関の部門別収支に関する調査の今後の取扱いについて」、2つを議題といたします。
 両議題は関連しますので、資料について一括して事務局より説明をお願いします。
○保険医療企画調査室長
 事務局の厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室長、竹林でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私のほうからお手元の資料の説明をさせていただきたいと思います。
 分厚い資料「診調組 コ−1」は「平成24年度医療機関の部門別収支に関する調査報告書(案)」ということでございます。
 まず、18ページ目をごらんいただきたいと存じます。このページ以降が調査結果の概要ということでございます。
 まず最初に、図表3−1−1「協力依頼病院」でございます。
 今回の調査につきましては、総計で3,570の病院に調査の協力依頼をいたしました。これは、一般病院の7対1の入院基本料、あるいは10対1の入院基本料を算定しておられて、レセプトデータを電算処理フォーマットで提供できるなどの条件を満たす全ての病院を対象に、協力の依頼をさせていただいたものでございます。
 3,570の病院を開設者別あるいは病床規模別といった区分別で見てまいりますと、例えば開設者別につきましては、国立・公立が898、医療法人1,681、その他が991。
 病床規模別では、縦に見ていただきますと、200床未満が2,084、200以上〜500床未満が1,124、500床以上が362。
 DPCとの関係で見ていきますと、表の一番下のほう、総計でいけば一番右下のマス、DPC病院が1,482、DPC準備病院が230、DPC対象以外が1,858病院ということでございました。
 集計状況でございます。同じページの下、図表3−1−2をごらんいただければと思います。
 3,570の病院に協力を依頼したところ、スタートラインに乗っていただきました調査協力応諾施設が455施設ということで、全体の12.7%という状況でございました。
 次の19ページ目、図表3−1−3でございます。先ほど申し上げました455病院の中で、集計対象施設というところで最終のところまでたどり着いた病院が216ということで、455のうちの半分弱という状況でございました。
 続きまして、216の集計対象病院の内訳をまた区分別に見てまいります。図表3−1−4でございます。
 例えば病床規模別でいきますと、200床未満の病院が80、全体の37%ということでございます。
 200床未満の構成比率は、前回が30%ということで、比率的には上がっておりますけれども、まだまだ中小病院の構成率は低い状況でございます。
 あと、DPCとの関係でいきますと、右下のマス、DPC病院が157病院ということで、72.7%、やはりまだ大宗を占めているといった状況でございます。
 また、病床規模別の回収率という観点で申し上げますと、実は18ページの表と19ページの表をあわせて見ないといけないのですけれども、200床未満の病院について言いますと、2,084の協力依頼数に対して、集計できたのは80ということですので、4%弱という状況。
 これに対して、500床以上の病院ということになりますと、362の依頼数に対して、37の集計数ということで、回収率が10%を少し超えているという状況でございます。
 続きまして、20ページ目の「3」調査実施状況ということでございます。これについては、455の病院に応諾をしていただいた後、最終的に216に至る推移の状況を簡単に御説明するための表が、図表3−1−5ということでございます。
 この調査につきましては、ステップ1からステップ3へと段階的に調査を進めていくということで、通常の調査と違う複雑な経過をたどるというものでございます。
 そのステップの中で、例えば一番上の部門設定準備調査は、今回の調査から一番最初に行うことにしたステップでございます。医師の勤務調査でありますとか、収支の状況調査の各調査票において必要になります対象病院の標榜診療科名でありますとか、中央診療部門の部署名でありますとか、補助管理部署名の情報を収集するという最初に行う調査でありますけれども、これについては、終了率というのが一番右の欄にございますが、85.5%ということで、この段階で15%の医療機関が対象外になっているということでございます。
 このような各ステップを経まして、最終的に47.5%の終了率であったということでございます。
 これら216病院のデータをもとに集計をしているということでございまして、資料の24ページ以降に調査結果のデータが、主要なレセプト診療科別とか診療科群別といった形でたくさん出てまいりますが、そこに行く前に、21ページ目をごらんいただきたいと思います。
 21ページ目にデータの集計の表示の仕方についての留意事項をお示ししております。
 まず、(1)集計単位ということです。主要なレセプト診療科別であれば、例えば入院外来合計の病院数が50以上集計できたところということで、それぞれある一定のn数が出ている診療科別等で集計を表示しているということがございます。
 (2)外れ値の除外ということで、一定のルールで極端な結果になっているようなものを除外するという処理も行っているということでございます。
 続きまして、22ページ目は今回の調査対象となった病院の基礎情報ということでございます。例えば216の全病院の平均の病床数は、312病床ということでございます。入院患者数は7,348、外来患者数は1万2,484。こういったものが平均値ということでございます。
 続きまして、23ページ目は診療科群とレセプト診療科との対応関係の状況でございます。この調査におきましては、レセプト診療科別とは少し違う形で、診療科群という形でも集計をしております。その対応関係がこの表のような形になっているということでございます。
 24ページ目以降が実際のデータということでございます。
 資料の構成としましては、24ページ目から27ページ目までが概要ということでございます。
 29ページ目以降に資料編という形で、より詳細な細かいデータをまとめているということでございます。
 まず最初に、概要を見ていただきたいと思います。24ページ目と25ページ目が主要なレセプト診療科別の収支の状況を「入院」「外来」「入院外来計」という形でまとめてございます。
 25ページ目の「3」の表で入院外来計の収支差額の構成比というものを見てまいりますと、今回の調査では主なレセプト診療科というのを17示しておりますけれども、そのうち収支差額がマイナスになっているのは8診療科ございます。その中でマイナスが2桁に達したのが精神科、あるいは皮膚科、産婦人科という形になってございます。
 他方、残りの9つの診療科では収支差額がプラスになっております。ちなみにプラスが2桁に達しているのが、16番の心臓血管外科、26番の眼科ということでございます。
 続きまして、26ページ目は診療科群別収支の状況ということでございまして、こちらは11の診療科群についてまとめておるものでございます。
 こちらのほうも、同じページの「3」の表で入院外来計の収支差額の構成比を見てみますと、マイナスになっているのが11の診療科群のうち7の診療科群で、マイナスが2桁に達しているのが精神科群、産婦人科群、皮膚科群、麻酔科群ということでございます。
 他方、残りの4診療科群ではプラスでございまして、眼科群ではプラスが2桁に達しているという状況でございます。
 続きまして、27ページ目は、全診療科合計の数字をそれぞれ開設者別とか病床規模別にまとめているものです。
 28ページ目は、DPCとの関係の区分別にまとめているものでございます。
 こちらは全診療科合計でございますので、部門別収支の調査の趣旨からしますと、全体のまとまったデータということになります。
 例えば27ページ目の(3)は開設者別収支の状況でございます。表の左側に費用とか収益の項目がございまして、上から「医業収益」「医業費用」とありまして、その差額である「収支差額」というのが表の中段あたりに出てきます。これをずっと右のほうにたどっていただきまして、右の入院外来計の表をごらんいただきたいと思います。
 この結果は、国立公立がマイナス3%、医療法人がプラス2%、その他のカテゴリーで0%、全体でマイナス1%ということで、これはいずれも23年度の調査よりは数字がやや改善しているという状況でございます。
 28ページ目は、(5)DPCとの関係の区分ごとの収支の状況でございます。先ほどと同じような形で、一番右の入院外来計という表の中段あたり「収支差額」の数字をごらんいただきますと、DPCの対象病院が0%、DPC準備病院がマイナス9%、その他がマイナス1%ということで、DPC対象病院の収支差が相対的に良好であるというのは、前回の調査と同じ傾向ということでございます。
 続きまして、31ページ目以降がデータ編ということになります。
 ここからはすごく細かいので、それぞれ細かくは説明してまいりませんけれども、構成だけ申し上げますと、31ページ目から33ページ目までがレセプト診療科別です。こちらは22の区分になっておりまして、それぞれ入院、外来、入院外来合計のデータということでございます。
 34ページ、35ページ目が全ての診療科群のデータということ。
 36ページから44ページ目が主要なレセプト診療科ごとに開設者別のデータを集計しているものでございます。
 同様に主要なレセプト診療科別で、DPCの区分ごとに集計をしておりますのが45ページ目から53ページということになります。
 また、主要なレセプト診療科別で病床規模別でまとめているのが54ページから62ページということになります。
 63ページ目以降は、今度は11の診療科群別に開設者別、あるいはDPCの区分別、病床規模別といった形で3つに分けて集計をしておりまして、それが80ページまでデータとして入っているということございます。
 81ページ目以降は、調査結果を図解でお示ししているものでございます。これは診療科ごとの収支の全体という形ではなくて、それぞれのレセプト診療科におきます対象病院ごとの患者さん1人1日当たりの収益・費用の分布をプロットしたものでございまして、それぞれn数が多かったり、少なかったりするということでございますが、45度線の右下のほうに入っているものは費用が収益を上回っている状況、逆に45度線よりも上のものは収益のほうが費用を上回っているということでございます。診療科ごとにばらつき度合いがかなり違っている状況が見てとれるというものでございます。
 87ページ目以降は、レセプト診療科別に収支率の分布を見たものでございます。これは収支差額の率でございまして、10%ごとの刻みで分布を示しているものでございます。診療科ごとにn数がかなり違いますので、n数の状況を見ながらごらんいただければというものでございます。
 99ページ目以降が手術などの等価係数のデータ。
 110ページ目以降に実際にどういう調査票で調査を行ったのかということが添付してございますけれども、詳細は割愛させていただきます。
 資料コ−1については以上でございます。
 続きまして、資料「診調組 コ−2」のアンケート調査の報告書ということでございます。この調査を行うに当たりまして、手法の改善の観点からアンケート調査を実施しております。
 表紙をおめくりいただきまして、1ページ目は、このアンケート調査の対象ということでございます。先ほどの表との関係ですが、ステップ1というものをクリアした327の病院ということになりまして、このアンケート調査は2種類に分けて実施をしております。
 事後アンケート調査「1」というのが部門設定準備調査、医師勤務調査及びレセプト調査に関するアンケートということで、ことしの1月から2月にかけて、事後アンケート調査「2」というものが、部門設定調査、収支状況調査についてのアンケートということで、4月から5月にかけて実施をしてございます。
 3ページ目に回答病院の内訳を掲載しております。
 図表1−1が事後アンケート「1」、図表1−2が事後アンケート「2」の回答状況ということでございまして、それぞれ病床規模別、開設者別、DPCとの関係別に回答数を掲載してございます。
 例えば事後アンケート「2」について見てみますと、回答数が右下にございますように、128だったわけですけれども、そのうち集計対象となった病院の回答は、括弧書きで111ということでお示ししております。したがいまして、集計対象のところまで行き着かなかった病院の回答が差し引き17あったということでございます。
 回答病院の内訳は、病床規模別で見ますと、事後アンケート「2」のほうでいきますと、200床未満の回答数が41で、全体の3分の1程度、DPCとの関係でいきますと、一番右下のほうに区分けがございまして、DPC病院が96に対して、DPC対象以外の病院からの回答も23あったということでございます。
 5ページ目以降が結果ということでございます。
 結果の表記の仕方についてです。結果につきましては、全体の合計というもの以外に、まず24年度に初めて集計病院になった病院の回答と、23年、24年ともに集計対象になった病院の回答を再掲という形でそれぞれ表示しております。
 自由記載欄とか理由欄におけるコメントにつきましては、出どころが丸、四角、三角という形で、それぞれ23年、24年の集計対象になったのか、それとも24年のみ集計対象だったのか、あるいは集計対象外だったのかということ、あるいはDPC病院、DPC準備病院のいずれかなのか、DPC対象以外なのかということがわかるように区別をしております。
 結果の概略を簡単に申し上げます。
 まず、5ページ目の(1)部門設定準備調査ということでございます。
 6ページ目は、図表2−2「『部門一覧表』の作成にあたって判断に迷った箇所、難しかった箇所」ということです。標榜している診療科と中央診療部門の関係が難しかったとか、自院の部署名と調査票の部門の整合性について迷ったということが多く指摘された形になっております。
 続きまして、7ページ目の(2)医師勤務調査に関してということでございます。
 8ページ目の図表2−5「『医師一覧表』の作成にあたって判断に迷った箇所、難しかった箇所」ということで、「医師の人数が多く作業量が多かった」、あるいは「非常勤の医師の記入が困難だった」というような御指摘をいただいております。
 12ページ目は、医師勤務時間調査票ということで、それぞれ所属されておられるお医者様がどういう時間配分で入院の病棟、外来、診療科ごとに勤務されていたかということを記入していただくというものでございます。
 難しかった点ということで、例えば「部門一覧で設定した診療科、入院病棟と実際の勤務時間との整合性をとるのが難しかった」とか、あるいは一番上「複数の診療科を兼務している医師の記載方法に迷った」というお答えがございました。
 17ページ目は、図表2−18「レセプト調査の作成にあたって判断に迷った箇所、難しかった箇所」ということでございます。これについては、特にレセプト情報を提供していただく上で難しい箇所はなかったという回答が大半を占めた状況でございます。
 18ページ目の(4)部門設定調査ということでございます。
 これは、それぞれの対象病院での部門と私どもが設定しているレセプト診療科などの対応関係を明確にするということでございます。
 図表2−20で標榜診療科とレセプト診療科の対応関係については、9割以上が簡単に記入できたという回答であった一方で、図表2−21の「中央診療部門」「補助管理部門」については、対応づけの判断に迷ったというところが3割近くあったという状況でございます。
 次に、19ページ目の下段以降に(5)収支状況調査というものがございます。これは飛ばします。
 23ページ目は、「4」職種別人員数・給与データということで、病院で働いておられる職種別に人数とか給与のデータを出していただくというものでございます。
 24ページの図表2−29で、やはり難しかったポイントとして、例えば非常勤職員についての記入が難しかった、あるいは人数や給与・賞与といったものを職種別に分けるということが難しかったという回答が多かったという状況がございます。
 続きまして、29ページ目の図表2−36は、独自の原価計算の実施状況ということでございます。
 このアンケートの対象というのは、大部分が最終的な調査対象になったところということで、比較的大きな病院が多いはずでございますけれども、独自の原価計算を実施されておられる割合が4割弱ということでございまして、このことから、多くの中小病院では原価計算に基づく管理会計が余り行われていないのではないかということも推測されるところでございます。
 続きまして、30ページの(7)は、全国の調査結果をフィードバックさせていただいて、それをどう活用されるのか、活用される御予定があるのかどうかということです。残念ながら半分以上が活用する予定がないという御回答でございまして、調査に参加するインセンティブがかかっているのではないかという期待があるわけですが、そういう観点からは少し残念な結果が出ているということでございます。
 31ページ目以降が、(8)として調査全体についての御意見ということです。
 主たる御意見としては、調査の負担が大きい、調査の簡素化を要望するというような意見が多かったということでございます。
 アンケート調査の概要については以上でございます。
 続きまして、「診調組 コ−3」の資料は、24年度調査におきまして実施いたしました調査項目の簡素化の検証についてということでございます。
 24年度の調査におきましては、医師勤務調査が難しいというところに対応するために、従来の調査票ですと、病院の業務以外の臨床研修医の教育・研修でございますとか、経営会議の用務ごとに細かくその他の業務の時間を書き込んでいただくということをしていただいていたわけでございますが、こうした用務に従事されている時間は全体の勤務時間に占める割合が非常に小さいということに着目いたしまして、「その他」のところで一まとめに記入していただくことにしたということでございます。
 今、申し上げました調査の簡素化の影響の検証ということが2ページ目でございます。
 24年度調査においても、「その他」の構成比が、全体のお医者様の勤務時間に対して0.4%だったということで、調査全体にそんなに大きな影響を与えていないものと考えているということでございます。
 以上が「診調組 コ−3」の資料でございます。
 続きまして、「診調組 コ−4」の「医療機関の部門別収支に関する調査の今後の取扱いについて」という資料について御説明をいたします。
 2ページ目は、この調査のこれまでの経緯や目的ということでございます。平成15年3月の閣議決定に基づくものということでございまして、診療報酬体系に医療機関のコストなどを適切に反映させるために、平成15年度から病院における診療科別収支を把握する計算方法の開発を目的として調査研究を開始しまして、平成19年に調査手法がおおむね確立したと評価されまして、以後、平成20年度より調査手法の簡素化を行いつつ、基本的に毎年調査を実施してきております。
 なお、このコスト調査分科会自体が平成15年の閣議決定を受けて設置したものということでございまして、過去においては、部門別収支以外の調査についても実施をしておりまして、その概略については「コ−4参考」という資料にお示ししておりますけれども、ここでは説明を割愛させていただきたいと思います。
 部門別収支調査の調査対象は、先ほど説明したとおりでございます。
 計算手法を2ページ目の「イメージ」のところに書かせていただいております。病院の収入や費用をレセプト点数比とか勤務時間比といった一定のルールに基づきまして按分をしまして、各診療科に割りつけて診療科ごとの収支データを算出するということでございます。
 収入のほうは、基本的にレセプト点数に応じて割りつけていくわけですが、費用を割りつけていくプロセスが非常に複雑で大変だということが、この調査の特徴になっております。
 この調査の方法を説明している時間もありませんので、3ページ目に移りたいと思います。
 こうした複雑な調査であるということもございまして、調査を実施するために詳細なデータを病院に集めていただく必要がございますけれども、その負担は相当なものになります。そういったこともございまして、この調査につきましては、回収率あるいは回答数が非常に低いという状況で、これまでのところ診療報酬改定の議論には活用されていないという状況でございます。
 24年度調査の回答の状況についても、先ほど申し上げましたとおり、協力依頼数に対する有効回答数は6.1%にとどまってございます。毎年調査手法の簡素化などの措置を講じてきておりますが、有効回答数の大幅な向上にはつながっておりませんで、有効回答率はむしろ低下をしているということがございます。
 続きまして、4ページ目でございます。このような状況を踏まえまして、調査に協力をいただけなかった施設、すなわち3,570のうち応諾をいただいた455を除いた約3,000の病院に対して、協力をいただけない理由を聞きましたところ、結果はページの中ほどのグラフのとおりで、要は、調査の回答負担が大きいからというのが大半という状況でございました。
 また、ページの下段は、先ほど御紹介しましたアンケート調査結果の一部ということで、利活用の意向というのも比率としては余り高くないという状況でございます。もともとこの調査については、対象機関にとっては、手間は大変だけれども経営管理のために有用なデータを得られるということで、参加のインセンティブが働くのではないかという期待がありましたけれども、その点は余り強く言えないのではないかというような結果でございます。
 5ページ目から7ページ目が、入院部門のみ、外来部門のみ、入院・外来部門計についての調査結果を経年比較したものでございます。
 5ページ目の入院部門につきましては、表を見ていただきますと、おおむね黒字。
 これに対しまして、6ページ目の外来部門は、ほぼ全面的に赤字ということで、24年度の調査結果についてもそういう形になっております。
 こうした収支の傾向は、おおむね安定的でございまして、調査手法としてはほぼ確立したと言える状況ではないかと考えております。 
 ただ、他方では、一部の診療科について見ますと、調査結果にそれなりの乖離がございます。
 7ページ目の入院・外来部門計の右側の表を見ていただきますと、例えば眼科は、途中に診療報酬改定を挟まなかった平成22年度と23年度の調査結果がプラス20.2%、マイナス7%ということで、この調査結果をそのまま診療報酬改定の議論に活用できるかという視点で見ますと、なかなか厳しいのではないかという印象になってまいります。
 8ページ目は、医療経済実態調査における診療所の診療科別の収支状況との比較、対比でございます。
 左側の病院の部門別収支の調査結果では、皮膚科というのは毎年大幅な赤字であるのに対して、右側の医療経済実態調査における診療所の収支差は、相対的にプラスが大きく出ているという状況でございます。
 もちろん、病院と診療所で果たす役割も異なりますので単純な比較は難しいのですが、診療報酬の改定にこの調査の結果をそのまま活用できるかという視点で見たときには、やはりなかなか厳しいものがあるという印象になってございます。
 9ページ目でございます。これも事後アンケート調査のところで申し上げましたけれども、独自の原価計算を実施されているかどうかということで、実施しているのは4割弱、診療科別の原価計算に限れば3割強という結果でございます。
 このアンケートは、大多数が規模の大きな病院であるわけですけれども、大きな病院でも部門別の原価計算に基づく管理会計が浸透しているとは言いがたいのではないかという状況でございます。
 そこから推測するに、中小病院においてはこの率はさらに低いと考えられるということで、部門別収支の調査にスムーズに参加できる体制が整っている病院というのは、まだまだ少ないのではないかという推測がございます。
 10ページ目は、この調査に関する課題と論点ということでございます。
 このページの上段【現状と課題】につきましては、ここまで申し上げてきたことをまとめたものということでございます。
 ページの下段に【論点】として2つ掲げてございます。
 1つ目に、従来のように調査手法の根幹部門に手をつけずに微調整を行った上で実施するというやり方を継続すべきではないのではないかということ。
 2つ目に、今後も部門別収支の調査を継続することの必要性について、中医協総会、あるいは基本問題小委員会で議論をしていただいてはどうかということを挙げさせていただいております。
 本日は、こうした論点をお踏まえいただきまして、御専門の立場からこの調査結果を診療報酬改定の議論に活用し得るのかどうか、あるいはこの調査に関する過去10年間の取り組みをどう評価されるのか、あるいは仮に今後も調査を継続するとすれば、どのような手法の改め方が考えられるのかといったことについて御意見を賜れればと存じます。
 説明が大変長くなりまして恐縮でございますが、事務局からは以上でございます。
○田中分科会長
 ありがとうございました。
 コ−4の10ページが、いわば私たちが答えなければいけない問いかけになっています。
 ここに答える前に、それ以外の質問事項があれば、先にお尋ねいただいて、事務局に答えていただきましょう。その上で、10ページについては、私たちが意見を言わなくてはいけない側になりますので、別々に扱います。
 まず、今、御説明いただいた資料等について何か御質問があれば、お願いいたします。
 久しぶりだったので、技法やプロセスについて忘れてしまったからという質問でも結構です。
 松本委員、どうぞ。
○松本委員
 大変な調査で、御協力いただいた医療機関、また、調査に携わられた方の御労苦に対して感謝を申し上げますとともに、敬意を表する次第です。
 1点教えていただきたい。コ−4の資料に回収率等の推移のところがありますが、一応データとして使った有効回答数は、20年度から127、187、181、216と推移している中で、4年間全部出した医療機関というのは幾つぐらいあるのでしょうか。
○保険医療企画調査室長
 大変恐縮ですが、そういう数字は手元にございません。
 ちなみに、23年度と24年度両方回答していただいたのが59ということでございますので、今回の216の中でも150ぐらいは新しく参加をしていただいた病院ということになってございます。
○田中分科会長
 須田委員、どうぞ。
○須田委員
 「調査結果の利活用について」という表があるのですが、毎年、この調査結果については、回答の有無にかかわらず依頼した診療機関には全部送るのでしょうか。
○保険医療企画調査室長
 調査結果につきましては、最終的な集計対象になったところにフィードバックをさせていただくような形にしております。
○須田委員
 では、回答しても対象にならなかった病院には送っていないということですか。
○保険医療企画調査室長
 途中で脱落する形になったところには送っていないという状況です。
○須田委員
 では、その病院は、回答はしたけれども何の音沙汰もないということになるのですか。
○保険医療企画調査室長
 回答したということであれば、通常は216の中に入ってくるのかなと思いますけれども、途中で断念されたということは、基本的には御認識されているものだと思っております。
○田中分科会長
 資料の読み方でもよいと思います。出てきた結果について私はこう読むなどという御意見も意味があります。小山委員、どうぞ。
○小山委員
 資料コ−4の6ページと7ページを見ますと、外来が全部マイナスというのはまだあれなのですけれども、その中で皮膚科だけが特化して入院も外来も非常にマイナスになっていますが、なぜ外来がこんなにマイナスになるのかというところについて、何かデータをお持ちでしょうか。
○保険医療企画調査室長
 入院と外来の結果がこのような傾向になるということは、毎年のことでございまして、その都度、何でこんなことになるのかというお尋ねがございます。
 いろんな理由があり得るのだと思っております。これは事務局としてそう分析したというより、過去いただいた御意見を考えますとということですが、例えば病院のほうでレセプト請求をするという事務費を、入院と外来との間で単純にレセプト枚数で按分をしますと、どうしても外来のほうが枚数が多くなってしまうので、費用としては外来のほうに多く割りつけられるのではないかということを一つの御意見として賜ったことがございます。
 ただ、だから外来は本当は赤字ではないということでは必ずしもなくて、例えばお医者様が外来で5時間診療された場合と、病棟あるいは手術で5時間なされた場合では、どちらが病院の収支に貢献するかということで言えば、やはり後者ではないかとか、いろんな御意見がございます。
 なので、明確にどうこうということはなかなか申し上げられませんが、確かにこの調査の構造上の形として、外来のほうが赤字になるような形になっているのではないか。ただ、これは一定の割り切りで配賦のルールを設定しておりますので、ルールの設定次第でそのあたりは動き得るというふうに理解をしてございます。
○小山委員
 余りよくわからないということだと思うのですけれども、ただ、僕らの持っている資料では、皮膚科では入院が悪いことは事実なのです。入院するような患者さんは手間暇かかって非常に大変なのですが、外来がこんなにマイナスになるということはちょっと納得しがたいので、ちょっと質問させていただきました。
○田中分科会長
 今のは皮膚科に限った御質問で、皮膚科だけがなぜ両方とも赤字なのかという御質問だったと思います。
○保険医療企画調査室長
 ここも皮膚科に関してということでございます。
 これも事務局の見解というより、かつての御意見ということで御紹介させていただきますと、皮膚科というのは、病院の医療としては採算がなかなかとりづらいという面があるのではないかという御意見がかつてございまして、例えば外来であれば、通勤・通学の帰りに診療所に行かれるということで、逆に病院に行くということになると非常に難しいケースがふえてくるとか、そういった少し皮膚科に特有な要素があるのではないかという話はかつて賜ったことがございます。
○田中分科会長
 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員
 今のところとかかわるところですけれども、何年か前の調査のときには、この調査結果がそれぞれ自分のところの病院での感覚と合っているのかどうかということを調査した年があったと思うのです。
 その中で、実際にその病院が原価計算をしている場合と、していない場合とがあるのですが、たしか何年か前にそういう調査をしたときには、おおむね自分たちでやっているところの原価計算とこの結果が一致するのだという結果だったと記憶しているのですが、ことしに関しては、そういう調査はされていないのでしょうか。
○保険医療企画調査室長
 今回は、そのような観点からの調査はしておりません。
○田中分科会長
 川上委員、どうぞ。
○川上委員
 小山先生の質問と関連するのですけれども、この調査は診療報酬に関する基礎資料を整備するための調査ですので、絶対値としての数値がプラスかマイナスかということに意味があるのか、それとも前年度からの変化に意味があるのか、例えば診療報酬改定のあった年の動きを最も見たいのかとか、調査は調査としてやるのは良いと思いますが、特にどこがポイントだというのがあれば教えていただきたいのです。
○田中分科会長
 どうぞ。
○保険医療企画調査室長
 この調査結果を最終的にどのような形で診療報酬改定の議論に活用するのかという部分については、私どもが認識しているところでは、具体的にこういう形ということで中医協の総会や基本問題小委員会で明確にその御議論をいただいて、コンセンサスがあるという状況にはないと考えております。
 ただ、これまでのところは、いずれにしてもサンプル数が少ないので、代表性というか、サンプルバイアスの問題が御指摘を受けてきて、そういうことからなるべく多くの病院に回答いただきたいということで頑張ってきたというのがこれまでの経過というふうに認識をしてございます。
○田中分科会長
 尾形委員、どうぞ。
○尾形委員
 今の川上委員の御質問にも関連するのですが、6ページの年次別の推移を見てみると、外来は、先ほどからお話が出ているようにずっと▲が立っていたわけですが、24年のところで幾つかの科がプラスに転じています。この辺は、例えば平成24年の改定の内容から何か推測できるようなことはあるのでしょうか。
○田中分科会長
 室長、お願いします。
○保険医療企画調査室長
 大変恐縮でございますが、現時点ではそこまでの分析はできていないということでございます。大変申しわけございません。
○尾形委員
 後の議論ともかかわるのですけれども、もし診療報酬改定の議論に使うということであれば、先ほどの川上委員の指摘ではないですが、改定のところでどういう変化があったのかというところの分析がやはり重要なのではないかと思います。これは意見です。
○田中分科会長
 診療科別の点数の変化がどういう影響を及ぼしたかを見るべきだという御意見でした。ありがとうございます。
 では、須田委員、どうぞ。
○須田委員
 後の議論になるかもしれませんけれども、そういうことであれば、いつも母集団が違っていたら、何を見ているかわからなくなってしまいますので、ある程度絞った定点的な観測も必要かなと思いました。
○田中分科会長
 西田委員、お願いします。
○西田委員
 後の議論と関係するかもしれないのですが、医療費原価を研究しようというお話は、私の記憶では、医療研究機構において、田中先生にお教えいただきながら、1993年ごろに始まったように思うのです。
 その背景が何だったかということを思い出しますと、医療費が毎年1兆円ずつふえる中で、90年のころには20兆円に至っていた。医療費がまだまだ上がってきて複雑になってくる中で、それ以前に言われていたような医師の所得保障のような意味での診療報酬改定ではそぐわなくなって、医療機関もしくは医療施設単位での利益保障とでも申しますか、それに供するという意味で原価ということが検討されたかと思うのです。
 このたびは、長らくにわたりますこの調査を通じて、恐らく利益保障に供するということについての限界が見えたようにも思います。実際には診療報酬改定に使えなかったですが、この検討を経て次の段に向かうのかなと思います。それについてはまた後の議論といたします。
○田中分科会長
 今後に対して影響する重要なまとめを言っていただきました。
 ほかにどうぞ。吉田委員、お願いします。
○吉田委員
 先ほどの小山委員の説明ですが、実はこれについて、臨床皮膚科医会はしょっちゅう言うのです。この検査時期が11月です。皮膚科学会では、一番患者が多いのが7月、8月、9月なのだそうです。要するに、11月というと、水虫の患者はどんどん減ってしまって、それでこういう結果になるのではないか。
 実際日本医師会で調べていると、たしか小山委員が言ったみたいに皮膚科は相当重かったのです。どうせ1年間やると相当来る。産婦人科についても、定点的に見るのでこうなっているのですけれども、実際問題は産婦人科でも入院、外来を合わせるとむしろ黒字なのです。
 11月だけに限定しているので、こういう結果になるのかなということで、各臨床医会はそう思っています。
 小児科医会も、11月でなくて、12月、1月、2月というのは、風邪がふえて患者がふえるのだそうです。そういう季節変動があるというのは各科ではよく言いますので、その辺をどう拾うかが問題です。
○田中分科会長
 ありがとうございます。
 逆に、毎年安定しているという意味では、11月は11月でこういう傾向なのかもしれませんね。
 尾形委員、どうぞ。
○尾形委員
 1点だけ確認です。
 コ−4の資料の3ページ「回収率等の推移について」で、「回収率・回収数が低く、診療報酬改定の議論には利用されていない」と書かれているのですが、利用されていないというのは事実なのでしょうけれども、原因は回収率・回収数が低いからだというのは、そういう意見が実際に中医協の場で出ているのですか。それともこれは推測ということですか。
○田中分科会長
 室長、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
 どういう状況になれば診療報酬改定の議論に使われるという具体的な話はないわけでございますが、ただ、実際上、中医協の総会なり基本問題小委の中では毎回のように、回答数が少なくて、特に中小病院の回答が少ないということで、日本全国の病院の状況を代表するという代表性の問題があるという御指摘を多くいただいているという状況はございます。
○田中分科会長
 渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員
 確認ですけれども、4ページに「調査に参加した施設のうち、半数以上が」という記述がありますが、調査結果の利活用は、nが128ですけれども、この母数は3ページの216のうちという理解でよろしいのですか。それとも455のうちということでしょうか。
○田中分科会長
 室長、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
 128につきましては、アンケート調査の2つの種類の中の事後アンケート調査「2」のn数のことでございまして、これは先ほど具体的に説明しましたが、そのうち111が最終的な集計対象病院ということでございますので、中に17、応諾はしていただいたけれども、最終の集計対象にはならなかったというところがまじっているということでございます。
○渡辺委員
 そうではなくて、大もとのnは、3ページの応諾した455に対して行ったのか、それとも216から派生したものなのかというところをちょっと知りたかったのです。
○保険医療企画調査室長
 済みません、私の説明が明確でなかったかと思うのですけれども、具体的に言いますと、アンケート調査のほうの資料の1ページ目でございます。アンケート調査の対象というのが、455全部ということでもなくて、1ページ目の一番上の1の(1)の「1」のところを読んでおりますが、応諾された病院の中で「部門設定準備調査およびレセプトデータの返送をいただけた病院327」を対象に行っております。
○田中分科会長
 小山委員、どうぞ。
○小山委員
 これはこの後の議論にもなってくるかもしれませんが、確認です。医療機関側は、この調査をやることによるインセンティブは全くないのですね。ただの負担だけですね。
○保険医療企画調査室長
 そのインセンティブということが、例えば何らかの謝礼というか、そういったことはまず。
○小山委員
 そういうことも含めて、診療報酬上は何かということ。
○保険医療企画調査室長
 というものはございません。
 ただ、従来からの期待としては、調査に参加いただいた後に、フィードバックされるデータが病院の経営管理に活用できるという意味でインセンティブが働くのではないかという期待をしてきたということでございます。
○小山委員
 だけども、今のあれだと、半分ぐらいのところが利用しないと言っているわけですね。
○保険医療企画調査室長
 4割ぐらいは活用する、あるいは活用する予定があるということでございます。
○小山委員
 これからの議論になると思うのですけれども、DPC分科会でもデータ提出に対して、データ提出指数というのが出ます。それからDPCに参加していない病院でも、データを出してくれたらば、それのインセンティブを与えるというようなことをやっています。
 あれと同じで、もしもこれがデータが少ないためにいろんな意味で余り意味がないデータだとするならば、少しインセンティブをつけてでも、少なくとも1,000を超えるような病院が参加できるような形に持っていかないと、これ以上やっても余り意味がないのかなという感じがいたします。
○田中分科会長
 そうですね。コスト調査協力点数をつける、指数をつけてはどうかということですね。
 では、今後についても議論いたしましょう。
 コ−4の資料の10ページに【現状と課題】、事務局のまとめが書いてあり、【論点】が書かれています。今、既にこちらに関係するような意見も幾つかいただきましたが、委員の皆様方の声を聞いて、これを親委員会に報告しなくてはならないのでお願いします。「継続すべきではないのではないか」は、実に微妙な表現ですね。これはストレートに言うとどういう意味になるのか、考えてしまいます。
 委員の皆様のそれぞれのお立場で、10ページに書かれている【現状と課題】【論点】について御意見をお願いします。松本委員、お願いします。
○松本委員
 いろいろ報告書とかを見せていただきましたけれども、このコスト調査の場合、目的が2段階あったのではないか。
 前段は、診療科別の収支を把握する計算手法がよくわからないから、まずそれを確立しようということ。それはある程度確立したということで、第1の目標は達成したのだと思います。
 第2の目標の社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備するということ、最終的な目標はここだと思います。これについて言えば、コ−4の資料にありますが、回収率が低い。これは調査の負担感が重くて、このために何人かの職員を張りつけないとできない。それは全くもって病院の利益につながらない、とてもつき合っていられないということで回答数が低い、全体をあらわすという点においては非常に乏しい。同時に、実際このデータ自体も、回答したところが実際の経営に活用する予定がない、そういう調査だということです。
 それ以外にも、診療科ごとのばらつきがあるということもありますので、これを最終目的である診療報酬の議論に使うのはかなり難しいのではないかという印象を持ちました。
 ただ、データ自体は非常におもしろいなと思いますけれども、もしこれをやるのであれば、研究費なり何なりでおやりになったらどうか。本来の目的である診療報酬での調査ということについては、このまま続けてもしようがないのではないかという感じを持ちました。
 ですから、この報告は淡々と親委員会である基本問題小委員会に上げて、今後どうするかについては、基本問題小委員会あるいは総会の御判断を待って考えたらどうかと思います。
 ただ、私としては、これをこのままやっても診療報酬改定につながるようなデータが得られるとは全然思わないという印象を持ちました。
○田中分科会長
 ありがとうございます。
 もちろん、最終的な決定は親委員会あるいは中医協の本会議が行いますが、本分科会の委員の自由な意見を伝えるのもまた意味があると思いますし、今、松本委員も、前段の部門別収支の計算手法の確立に関しては役に立ったけれども、診療報酬につなげるには無理がある、それはデータを書く手間が余りにも大きいとのまとめを言っていただきました。こういう声を上に上げたいと思いますので、どうぞお願いいたします。川上委員、お願いします。
○川上委員
 調査の目的として、入院・外来の診療科別の経営実態を把握するという点では一定の意味があると思うのですけれども、診療報酬と言いますと、もちろん各診療科の部分はすごく重要なのですが、それ以外にも、検査、薬剤、リハ、あるいは手術室や集中治療部など、ほかの部門も重要かと思います。これまで診療科の部分は見ているのですが、診療科以外のところの収支等も把握できるようなコスト調査を、負担を軽減するのと逆方向になってしまうのですが、実施しても診療報酬改定のための基礎資料を整備するという点では、意味があるかという考えを持ちました。
○田中分科会長
 そうですね。ありがとうございます。
 西田委員、お願いします。
○西田委員
 先ほど少し触れさせていただきましたが、時代の中でその背景を考えますと、この議論をしている最中にも国民医療費で見れば8兆円近く上がってしまったのではないかと思います。そうしますと、かつての医師の所得保障どころか、医療機関の利益保障も難しいだろう。
 そういう意味では、考え方を変えて、社会診療報酬でもって何の保障をするのだろうかと。機会があれば親委員会でのそういう議論をお聞きしたいと思うのです。
 その上で、これまで取り組んだ原価計算については、既に石井委員が何度か指摘されたと思うのですが、精緻な値を得ることの限界はおっしゃっていたと思います。
 私の場合のバックグラウンドは、もともと工学のほうですので、会計学とは違って近似値という数値をよく使います。近似値を使うときには、原則としてどれくらいの誤差率があるかを検討します。つまり、受け入れられる誤差率であるということを前提に近似値を使うのです。
 今回取り組んでいる原価計算の方法ですと、報告にありますとおり、診療科によって年次で随分大きく違ってきたりする。恐らく近似値という扱いでの検討でもってどこまで受け入れられるか、そういう話し合いに行かなければいけないのではないかと思っています。
 その意味で、まずはこれまでの微調整で継続するというのは無理だと思います。
 考え方を切りかえられないか。その切りかえ方のひとつとして、近似値という考え方を、別のところで一度ご検討いただけないかというふうに思いました。
 以上でございます。
○田中分科会長
 歴史を踏まえて、説明をありがとうございました。
 荒井委員、お願いします。
○荒井委員
 今の近似値ということと直接関係があるかどうかわからないのですけれども、今までのものは、変化分で見るのか、絶対値で見るのかということとも関係してくると思うのですが、変化分で見ることにすると、必ずしも病院間で同じ手法で原価計算をする必要がないと思うのです。
 つまり、何を言いたいかというと、既に部門別原価計算というか、診療科別原価計算をやっている病院に自分たちのデータを出させて、その経年比較により変化分を見ていく方法でよいと思います。ただし、部門設定がそれぞれ病院によって違いますから、各病院の部門をレセプトの診療科に直す部分の調査だけは残さないと無理ですが。
 各病院で、自分たちの実態を反映するという形で経営管理に使っている原価計算であれば、多分自分たちに実施するインセンティブがあるので、よりいいものをつくっているはずなのです。そのデータで出てきたものについて、レセプト診療科に対応するところだけを調査してやって、変化の部分を見ていけば、それぞれの病院が自分たちの実態を反映している、比較的精度のよい原価計算結果により改定による影響を見ていける。そういうやり方にすると、より各病院の実態を反映し、かつ調査コストは低くなるだろう。部門間の対応調査だけでよくなるという意味で、今までとは違うやり方での方法としてあるのではないかなと感じました。
○田中分科会長
 西田委員、どうぞ。
○西田委員
 今、荒井委員から考え方のひらめきみたいなものを頂戴できたかなと思うのです。変化分を見ていくこと。
 それから、診療科別にというところでの難しさがあったときに、医療施設単独もしくは医療機関として経営を続けていけるかどうか、そういう見方から寄与する経営管理指標が見つけられないかというふうに感じました。
○田中分科会長
 石井委員、お願いします。
○石井委員
 もう10年という期間が経過をされているのですが、この議論をお聞きしていて1つ確認をさせていただきたいのです。
 そもそも閣議決定をされた際、今、ご覧いただいている資料の最初の1行目、2行目を見たときに、「診療報酬体系の見直しに関する基本的な方向の一つとして『医療機関のコストや機能等を適切に反映した総合的な評価』」というのが必要だというところから物事が始まっていると思うのですが、表現としてはとても気持ちのいい表現なのですけれども、それでは、医療機関のコストということに着目をしてこういった議論が始まった際に、診療科目別、部門別収支という考え方でこれをやっていこうとした理由というのはどこにあるのでしょうか。
 具体的にこの取りまとめ資料の中にも記載をしていただいていますが、原価計算と言っていいのかどうか難しいのですけれども、9ページ「独自の原価計算の実施の有無について」の一番右下に、具体的な原価計算の単位というようなスタンスの中で、「行為別」とか、「患者別」とか、「疾患・診断群分類別」という形の整理もありまして、現時点においてこの分科会で議論している原価計算というのか、「コスト調査」という言い方をしていますが、診療科目別、部門別という視点で評価していますね。
 最初に、どうしてこの視点で評価をすることになったのだろうか。そもそも的な質問で大変恐縮なのですが、これからということを考えたときに、個人的には、原価計算という視点から整理をするのであれば、多分一番望ましいのは患者別になりまして、患者別を前提としてこれだけ診断群の分類の議論が進んできていて、DPCが充実をしてきているということになると、患者別を前提とした疾患・診断群分類別の原価というのが算定できて、こういう病気の患者さんには概ねこういったコストがかかっているのだということがきちんとわかるようになってくるのかなと。
 そういうものを見ていかないと、診療報酬とのかかわりの議論というのは適切詳細にはできないのではないだろうか。
 つまり、そもそも何をしたいのだろうか。このあたりを少しご確認をさせていただければと思うのです。
○田中分科会長
 親委員会に返す上では必要な視点です。
 小山委員、どうぞ。
○小山委員
 今までの議論の中では、ここでは原価計算はできないという結論でしたね。中医協から原価計算をしろと言われたけれども、ここではできないというノーの答えを出しましたね。
○田中分科会長
 基本診療料についてはそうでした。
○小山委員
 基本診療料のところで。
 だから、あくまでも今の診療報酬の点数が今かかっている費用とのバランスを見ているだけだという考え方だったのではないですか。
○石井委員
 済みません。それはちょっと違いまして、その結論を出したのは、入院基本料という診療報酬に対応するコストが幾らかということを出せと。申しわけないけれども、これはできない。なぜならば、入院基本料の定義がおぼろげでだからです。
 ただ、患者別、1人の患者さんが入院して退院するまでにどれほどのコストがかかったかということを計算しようと思えば、まさしくそれが原価計算ですから、ある商品、製品をつくるためにかかったコストは幾らかという議論であるとすると、それはできないというわけではないと思います。
○小山委員
 そこまでやるのかという話だな。
○田中分科会長
 この間、事務局と打ち合わせたときに話したのですけれども、ペットボトル1本とか手術1回とか、レストランの料理一皿の原価計算は可能だけれども、大学の入学金の原価計算はできないと思うのです。何に対応しているかわからないからです。
 もっと極端な例で言うと、結納代の原価は何だと問われても計算しようがありません。それが何に対応しているか、特定の財サービスが存在しないから不可能です。特有の製品とか特定の一連の流れが比較的明らかな行為、典型的には手術ですが、これは原価計算ができます。
 できるものとできないものとがごっちゃになって依頼されていたところがありまして、あるものはできないと返事を返しています。
 そういう意味では、部門別は微妙なところですね。
 昔の歴史はわかりますか。
○保険医療企画調査室長
 今、石井先生のほうからお尋ねがあった部分でございますが、私のほうが認識している限りでは、なぜ部門別収支をやることになったかというところは、必ずしも明らかではないのですけれども、今回、コ−4の参考資料ということで、この分科会で過去10年間において多岐にわたるコストに関する調査研究を進めていただいてきた。いろんな切り口でコストを見ようとしていた。その中の一つとして部門別というのもあるのではないかということで、こういう形になってきているものと理解をしております。
 患者ごとのコストということに関して言いますと、かつてコ−4の参考でいきますと、表の上から2番目に「診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計」ということで、これはまさに患者1人1日当たりのコストというものをDPCの分類ごとに推計をする。ただ、そのときの目標としては、絶対値、正しい数字を出すというより、相対値を出すということを目的になされたというふうに理解しております。かつて3年ほどかけてそのようなことをやったという経緯もございます。
 私のほうでわかることは以上でございます。
○田中分科会長
 近藤委員、お願いします。
○近藤委員
 私はまだ十分理解できていないのですが、そもそもこれは何を調査するかということをここでどういうふうに考えますかということで、先ほど川上委員のおっしゃった改定への影響を調査するということであれば、先ほどの須田委員の定点観測ということで、今回、2年間だけでは59で、百数十のものがまずあるわけで、それはできます。
 荒井委員のおっしゃったことも、既にやっているところ、定点観測でそれを利用するということであれば、それによってコストというよりは収入の変化を十分に見ていく。コストについては、材料費以外、給与水準とかそういうものでやれば、そう変わらないのかなということがあるのですが、それにしても何を見るかでしょう。
 何を見るかとなると、先ほどの診療部門というのは意味があるのか。
 それとも、最近はDPCごとにコストを見ましょうと。それはかなりニアイコールで患者のコストということですが、今回、もともとの目的、親委員会から何を指示されたかということを、この10年やった中で、再確認を私どもがするというよりは、親委員会に、こういう状況ですけれども、今、何を求めるのですかという言い方で聞くというのも一つなのかなと思いました。
○田中分科会長
 ありがとうございます。
 【論点】に書かれていることを素直に読むと、現在の調査はもうやめるべきだ、やめてもいいと親委員会で決めてくださいと書いてあるのですけれども、それでいいのですか。
 どうぞ。
○石井委員
 10ページの【現状と課題】の○の3つ目のところで、「調査手法の特性上」という一言で入院と外来が、常に片方は黒字で、片方は赤字に振れるというふうな記載が結果としてなされているのですが、実務家的研究者の視点でものを言わせていただくと、原価計算や会計学は極めて実務でありまして、ただ、金額で表示をされている数値を実は部門とか製品というところでコスト配分をしていくという作業をすること自身が、幾つもの前提を積み上げていくという作業になっています。
 設定した前提が適切かどうかということは、かなりマニアックにしつこく一つ一つの配賦基準等々を検証していく。つまり、実態、すなわちみんなが感じていることと計算結果がつながっているかどうか、納得性があるかどうかということを細かく作業していくのだというふうに思います。
 この分科会にはその役割はありません。どこかでそれがきちんとやられてきたかどうかということになると、そういう意味での詰めというのは行われていないのかなという感じがします。
 せっかくこれだけのデータがたまったので、これをまさしく利活用されて、もう少し何かものが見える形にしていただくというのはすごくいいことではないか。
 あるいは、先ほど入院基本料はコストとして計算することが難しいというふうに結論を出させていただいたという流れも、この10年間こういう分科会があったからそういったことを比較的すっきりと短期間で出せたということもございます。
 あるいは毎年毎年お出しいただいているこういうデータについて、さっと見た瞬間にどの委員もいろんな疑問を感じる。コストというものを収入と対応させて、それぞれの診療科目とか部門によって黒字だ、赤字だという議論をすること、計算していくことは大変難しい、困難性があるのだということもかなりご理解いただいていると思うので、この分科会はとても意味があったと思うのです。
 ただ、それでは、ここで一旦やめにしようかということに関しては、確かにもう10年という期間がたっているなという実感がありまして、同じ作業をしていくというのは余り生産的とは思えないだろう。
 もう一点は、【現状と課題】の○の4つ目に「アンケート調査によれば、大病院であっても、部門別原価計算に基づく管理会計が浸透しているとは言いがたい」と書いていただいていますけれども、まさにそのとおりなのですが、では、部門別原価計算に基づく管理会計が浸透するというのは現実的に現場でどういうことが起きているのだろうということについての具体的な整理というのは、ご理解いただいているのだろうか。
 極論をすると、個々の病院において管理会計として利活用するということはここでやっている部門別収支計算や他の原価計算の結果を例えば、当該部門の責任者の責任を評価することに使用したり、あるいはその部門の責任者の報酬や給料を評価する人事考課の手法に関連づけたりする、あるいはそれ以外のさまざまなコスト管理に活用するということで、それを行うこと自身が病院という施設機能にとって、そんな簡単に行い得ることなのかどうかということについては、個人的にはなかなか難しいと思っております。
 ですから、そもそもこの議論、この調査というのは、診療報酬を考えていく上で有用な情報をたくさん蓄積したいという観点がメーンで、参加した医療機関にとっての管理会計の利活用という視点よりも、そちらがあくまでも重要なのだというふうに私自身は理解をしてこの分科会に参加をしていたという経緯がございます。それをやっていくことは、医療費がどんどんふえていく可能性がある中で、とても重要な意識の共有なのではないかと思っております。
 ちょっと長くなりまして申しわけありません。
○田中分科会長
 大変有用なまとめをありがとうございました。
 最後のまとめには、この分科会で行ってきたことのプラス側の要約が抜けている感じがするので、それもついているほうがいいと思います。現状のコスト調査を続けるか、続けないかについては、この論点の書き方でいいと思うのですけれども、もっと広い意味で果たしてきた、何がわかったかを整理する総括がついていないと、行ってきたこと全部が無意味ととられてはいけない。石井委員が言っていただいた部門別収支調査は一旦やめにしてもいいのではないかとのまとめのほうが正しいと思います。
 西田委員、どうぞ。
○西田委員
 この分科会の成果として、部門別の原価計算等にいかに手がかかるかを実際の医療機関の多くの方々が経験してくださった。では、次にどうやるか。幾ら時間とお金をかけて精緻な原価計算をやったところで、診療報酬が決定される場では、日本に限らずポリティクスが働くわけで、原価計算の努力も徒労に終わりかねません。
 他国の例を見れば、イギリスでは、かつて家庭医、ジェネラルプラクティショナー(GP)にバジェットを与えて、その中でやりくりするようにと指示しました。その方式を今も改善しながら続けておりますが、それに至った経緯というのは、やはり厳密に原価計算をして医師に報いることの無理を理解してのことだったと思います。
 この委員会では、実際に医療原価算定の難儀を経験して、その結果得た知識・見識をシェアできたというのは、これなしには次段階へ行けないという意味で重要だったと思います。
○田中分科会長
 ありがとうございます。そのとおりですね。
 渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員
 私の記憶が間違いでなければ、この原価計算手法を始めたときはまだDPCが入っていなくて、出来高の時にスタートしていますから、当時は各病院が出せるデータの単位は診療科別までが限界だった。それがこの手法の始まりの段階で、その中でいかに正確に出すか。つまり、診療報酬に反映させるためには、正確に計算しなければいけないという考えのもとに、手法を精緻化していったという経緯があったと思います。
 先ほど石井委員がおっしゃったように、現在の既にDPCが導入されている状態において、原価を正確に出そうとするのであれば、やはり患者別原価計算を行わざるを得ないというのが、一つの流れです。
 一方では、それをやると、恐らく参加できる病院がもっと減るという推測があります。
 したがって、正確にということをある程度犠牲にするのであれば、直接費ぐらいまでを出して、間接費は何%というような形式に簡素化することで、調査の意味が持てるかどうかということも、考えなければいけないかもしれません。
 つまり、病院によって固定費のかかり方は全く違いますので、それを全部正しく出して、そこから診療報酬を決めることは、非常に困難であると思いますので、この計算を正確に行うことに対する労力は、今後も課題になると思います。
○田中分科会長
 ありがとうございます。
 荒井委員、お願いします。
○荒井委員
 今の正確性との関係で言うと、恐らく病院によって実務が違うので、本当の正確性を追求しようと思ったら、それぞれの病院が経営管理のためにやっている原価計算のほうがよっぽど正確だと思うのです。共通の方法で全ての病院にやろうとすると、かえって正確ではないという側面もある。
 そういう意味では、各病院で既にやられているところに出してもらうというほうが、実はそれぞれの実態をあらわしていることになる。そういう意味で正確であるというのは言えると思います。
○田中分科会長
 おっしゃるとおりですね。管理会計である以上、その病院の持っている長期目的とか、どういう診療科目を重視したいとか、それに合わせて原価計算をするのがその病院にとっての正確さになるから、当然ですね。収益・費用とは違いますからね。
 これは分科会長としての意見ではなく、一委員として言わせていただきたいのですが、先ほど石井委員も御指摘になった【現状と課題】の下から2番目「部門別原価計算に基づく管理会計が浸透しているとは言いがたい」、これはこれでいいのではないかと思っているのです。
 この書き方だと、将来浸透しなくてはいけない、もしくはある日浸透するだろうと言っているように見えるのですけれども、日本のきちんとした社会保障制度、社会保険制度が持っている、社会資本としての急性期医療体制を支える役割は、収益・費用さえきちんと押さえていれば、経営できるぐらいしっかりとしていればいいのではないかとも言えます。個別の病院が全部、原価計算課長がいて、課員が5人いるかのような形はすごく無駄な費用だと思うのです。
 アメリカのように医療保障制度が整備されておらず、保険者に公的のみならず営利企業がいっぱいあって、同じ入院でさえ費用償還額も保険者ごとに違っていて、同じ業務量を要した患者に請求する金額も相手によって違っているときには、確かに原価計算をしないと病院経営は継続できませんけれども、日本の病院はそんな社会的費用をかけなくても経営できる。もちろん、期間費用と期間収益や適切な管理会計はきちんと押さえなくてはなりませんが、細かい原価計算をしなくてもいい状態がむしろ日本のよさなので、この書き方だと、ちょっとミスリーディングかなと思えます。これは一委員としての意見ですが、そう思っています。交番のお巡りさんが原価計算に責任を持つ必要があるかに近い感じがするのです。
 済みません、少し強く言ったので、適当に修正して親委員会に上げる意見のまとめとしてください。
 ほかにいかがでしょうか。
 皆さんの言ってきたことをまとめると、部門別収支調査という特定のこの方法を診療報酬につなげることは難しいと、皆さん、理解してきたけれども、コスト調査を考えてきた手法の確立とか、日本の医療でそれが持っている意味はいろいろとあった、非常に多くの理解ができた。とりわけ石井委員が言われたように、例えば入院基本料などについての原価計算は意味がないことを短期間で明らかにすることができた等々の総括をつけて、「しかし、この調査は」という書き方にしたほうがいいのかもしれません。皆さんがそうおっしゃっていますから。
 ほかにいかがでしょうか。勝原委員、どうぞ。
○勝原委員
 コ−4の資料の3ページを見ると、先ほど御説明がありましたけれども、新しくふえた病院が平成23年から24年にかけて大体670ぐらいですか。そのうち調査に応諾していただいた有効回答数は216です。新規が150とおっしゃいましたか。
○保険医療企画調査室長
 はい。
○勝原委員
 ですから、もしふえた病院の671の中の150と考えていいのであれば、調査に応じることが非常に大変な作業であるということを知らない病院が結局は受けてくださっているのかもしれない。そういうことを考えると、先ほどインセンティブの話がありましたけれども、ほとんどインセンティブが働いていないのだと思われるのです。
 そうすると、確かに非常に大変な作業ですし、継続するのはこのままだと困難なのかなというのは、皆さんの御意見と一緒です。
 ただ、残りの60病院が、しんどいとわかっていても何で引き続きやるのかと考えたときに、診療報酬の基礎資料にすると厚生労働省がうたっているからで、出し続けることが診療報酬改定に結びついてくれればいいという願いがあるから頑張って出しているのだと思うのです。
 それがもうできないということであれば、思い切って皆さん方の御意見のように変えるということが大事かというふうに思います。
○田中分科会長
 どうぞ。
○小山委員
 今のと同じ意見なのですけれども、回答率の推移について、出している結論が診療報酬に使われない大きな理由は、この計算方法が悪いということではなくて、回収率・回収数が少ないからだと考えるのならば、単純にこれをふやす方法を考えるべきであるし、いや、この計算方法がおかしいのだということであるならば、また別の方法を考えていかなければならないのだけれども、そこら辺はどのように考えたらよろしいのですか。
○田中分科会長
 おっしゃるとおり、単位の切り方が部門別であるからという点もあるかもしれませんね。方法がおかしいのか、回収数か、単位がDPC別とか個人別でなくて、部門別が診療報酬には直接には結びつかないとか、ほかにもあるかもしれませんが、その原因を解明しなくては結論を出せない。
○小山委員
 そうですね。僕はこれにずっと参加してきましたが、余りにも少ないので、先ほど話をしたみたいに、これは結構人件費もかかりますし、単なる奇特な考え方だけでは無理なので、それなりのインセンティブを与えるような方法を考えて継続をしていったほうがいいのではないかというのが私の考えです。
○田中分科会長
 ありがとうございます。
 ここでやめようと言っているのはコスト計算そのものなのか、部門別というコスト計算単位を言っているのかもはっきりしないとだめですね。聖隷のように奇特な病院だけに向かっていてはだめだとの御意見でした。
 ほかにいかがですか。お願いいたします。
○近藤委員
 もし続けるとなれば、例えば皮膚科の話で、11月ではもう水虫がいないだろうということで、本当にそんなに違うのであろうかということを、先ほどいっぱいデータが出てきているわけで、ほかの調査と補完して、これが余りにも違っているようなところであれば、例えば皮膚科の場合には、外来と入院の入・外比というのは、収入でいくと4対3ぐらいですし、眼科の場合は5対2ぐらいとか、診療科によって外来が多いところは赤字なのだろうか、どうなのだろうか。外来は全部が赤字なのですけれども、何年も集まったわけですから、ほかと比べて部門別についてでも分析をするということをしないと、ただ調査をしても意味がないのではないかなと思います。
○田中分科会長
 ありがとうございました。
 松本委員、お願いします。
○松本委員
 各診療部門別のコスト分析というのは非常に大変で、私もここに来る前、約700床の病院にいて、各診療科別の成績を出すのに大変苦労しました。石井委員がおっしゃったように、それぞれの診療科の医長にまで責任が及ぶような話になるわけです。そのときに、どういうケースがあったということを納得してもらうのはなかなか大変だということであります。
 かつ病院が置かれた立ち位置がどこにあるかで、赤字部門があったとしても、それは持たざるを得ないというところもありますから、そういうことを含めてコスト計算するということで、部門別自体はなかなか厳しかろうという気がいたします。 
 ただ、これまでのこの分科会のところで各診療科別コストの計算方法を確立したことは非常に大きな成果だと思うので、これはきちっと胸を張って言えることだと思います。しかし、診療科別のコスト計算はなかなか難しい。
 では、診療科別でなくて、病院全体のコストと収入ということであれば、医療経済実態調査で医療機関ごとの収支を計算するわけですから、あえて診療科別のデータをずっと集め続けるのがいいのかどうかということについては、そこまでの意義はないのではないかという気がいたします。
○田中分科会長
 ありがとうございました。
 お願いします。
○小山委員
 確かに診療科別は非常に問題があると思うのです。ですので、今、DPCを使ってメジャーカテゴリーの分類があります。例えば消化器疾患、呼吸器疾患。ああいうような形でやれば、少なくともDPC参加病院である1,500の病院はそう難しくなく参加できると思うのです。
 ただ、外来については、また難しい問題があるかもしれません。
 私立医科大学協会ではコスト調査をやっております。データを示しますと、入院だけですが、皮膚科と精神科が診療報酬1に対して1.3から1.4倍の負担がかかっているというのが出ておりますので、そこら辺は似ているものがあるかなという感じはしております。部門別というよりも、疾患の大分類別の方向にもし転換するならば、かなり動向が見えてきて、なおかつそれを参考にして、ここの診療報酬の評価は低いとか高いとかと言うようになるのではないかと考えます。
○田中分科会長
 いずれも貴重な御意見ですね。ありがとうございます。
 診療報酬につなげる方向と、病院経営の経営者として、部門別の管理責任、下位の経営責任者に対して褒めたり、警告したりするのに使うのとでは、目的が違いますからね。
 今後の予定、これを親委員会に伝えるのは来週でしたか。
○保険医療企画調査室長
 はい。今のところそのように予定をしてございます。
○田中分科会長
 自由に皆さんに言っていただいたことがらを来週までに要約して、10ページを書き直さないとだめですね。
○保険医療企画調査室長
 当然基本問題小委とこの分科会とは位置づけも違いますので、資料も直したいと思いますし、あと、きょういただいた御議論を要約したような資料をつくるということでございます。
○田中分科会長
 ほかのページは別に問題ないけれども、10ページだけは人に伝えるのに大幅に書き直す必要がありますね。
○保険医療企画調査室長
 そのように認識をしてございます。
○田中分科会長
 ほかにいかがでしょう。
 特になければ、本件にかかわる質疑はこのあたりでよろしゅうございますか。
 今、室長が言ってくださったように、本日の皆様の意見を踏まえて書き直した上で、中医協・診療報酬基本問題小委員会に私から報告したいと存じます。
 よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○田中分科会長
 では、そのような扱いにさせていただきます。
 本日の議題は以上です。

 では、活発な御議論をどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係
代表:03−5253−1111(内線3276)

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