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あさコラム vol.60
感染症エクスプレス@厚労省 2017年6月30日

高山さんと大沢くん

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
 
 危機管理的な意味合いもあって、日頃、私はラジオを聴きながら通勤して
いるのですが、昨年からとっても気になっているラジオCMがあります。
 それは「高山さんと大沢くん」。
 あ〜、あれね!と気がつかれた方は、感染症的には相当ツウな方です。
 
 ある西日本の自然豊かな地方都市(おそらく…)で、多感でおませな女子
中学生の高山さんと純真無垢な男子中学生の大沢くんが主人公のCM。
 虫よけ・蚊よけや殺虫剤を題材に、思春期のちょっと甘酸っぱい、ドキド
キ感が満載のショートストーリーになっています。
 
 農家でお姉さんがいる高山さんが、純情な大沢くんをからかっているのか、
それとも本気でアプローチしているのか、昨年から二人の関係がとても気に
なっていました。
 虫よけや殺虫剤のラジオCMということもあり、昨年は夏の蚊の発生時期が
過ぎた後に、このCMが終了してしまいましたが、今春に入って何と続編がス
タート!
 高校受験を控えた二人の前に、クラスメートの後藤くんや教育実習生のタ
ムラ先生が登場し、人間関係がますます複雑になったラジオCMが現在放送中
です。
 
 ちなみに、高山さんの声優さんは16歳の野田琴乃さん、大沢くんの声優さ
んは14歳の山隈祐太郎さん。
 子役としても活躍中の二人が等身大で演じているため、このCMの会話、妙
にリアリティがあるのです。
 
 さて、除虫剤の原点たる蚊取り線香は、除虫菊(和名:シロバナムシヨケ
ギク)というキク科の多年草が原材料となっていました。
 除虫菊は地中海を原産地とした植物ですが、この花には殺虫成分である
「ピレトリン」が含まれており、古くから花に殺虫効果があることが知られ
ていたそうです。

 わが国では明治19年(1886年)、米国のH.E.アモア氏から除虫菊の種子を
贈られた上山英一郎氏が、和歌山県や瀬戸内地方で除虫菊を栽培し、それを
原材料とした蚊取り線香を発明したそうです。
 現在は、殺虫成分の化合物が別の化合物になったことから、除虫菊の栽培
は蚊取り線香の原料としては終了していますが、今から約130年も前から、
蚊の退治は日常生活に溶け込んでいたのです。

 そういう歴史もあり、わが国では生活の中において、蚊に警戒し、対処し
てきた歴史があります。
 「日本の夏は、蚊取り線香の夏」でしたが、家屋からマンションに生活の
場が変わり、蚊取り線香が電子蚊取り器に変わっても、この歴史は大事にし
ないとなりません。
 最近は匂いに配慮した除虫剤や蚊取り器もありますので、ご近所を気にす
る方々でも、気兼ねなく蚊を退治できます。
 
 夏の蚊対策への取り組みは、今からが本番。
 デング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症を流行らせないために
は、事が起こる前に蚊を叩く。
 高山さんや大沢くんを見習って、日ごろからの蚊除け、蚊の退治、幼虫
(ボウフラ)対策のため不要な空き缶や古タイヤを片付けて、たまり水を防
ぐなど、地域をあげて取り組んで欲しいと願っています。
 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。


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蚊の発生にご注意

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