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臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の取り扱いについて
医政医発0224第1号
平成27年2月24日
各地方厚生局長 殿
厚生労働省医政局医事課長
臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の取扱いについて
臨床研修の中断に関しては、「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について」(平成15年6月12日医政発第0612004号。以下「施行通知」という。)の一部改正により、平成26年3月31日付けで、臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合に臨床研修の中断を認めることとする等の所要の改正が行われたところである。
これを踏まえ、今般、臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の取扱いについて、下記のとおり留意事項をとりまとめたので、貴局管内の臨床研修病院等に対し周知願いたい。
なお、「臨床研修を長期にわたって休止する場合の取扱いについて」(平成21年6月30日付け医政局医事課医師臨床研修推進室長事務連絡)は本通知をもって廃止する。
記
1 趣旨
この留意事項は、妊娠、出産、育児、傷病等の理由、研究、留学等の多様なキャリア形成のため、又はその他正当な理由により、臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合に、臨床研修病院が行う対応等について、まとめたものであること。
2 臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の取扱い
臨床研修を長期にわたり休止する場合においては、(1)(2)のように、当初の研修期間の終了時に未修了とする取扱いと、臨床研修を中断する取扱いとが考えられること。また、臨床研修を中止する場合においては、(2)のように、臨床研修を中断する取扱いが考えられること。なお、未修了や中断に関する基本的な考え方、手順等については、施行通知によること。
(1) 未修了の取扱い
ア 当初の研修プログラムに沿って研修を行うことが想定される場合には、当初の研修期間の終了時の評価において未修了とすること。原則として、引き続き同一の研修プログラムで研修を行うこと。
なお、休止日数が臨床研修における休止期間の上限である90日を超える場合には、90日を超えた休止日数分以上の日数の研修を行うこと。
イ 未修了とした場合であって、その後、研修管理委員会から中断の勧告又は研修医から中断の申出を受け、管理者が臨床研修の中断を認める場合には、その時点で臨床研修を中断する取扱いとすること。
(2) 中断の取扱い
ア 研修管理委員会から中断の勧告又は研修医から中断の申出を受け、管理者が臨床研修の中断を認める場合には、その時点で臨床研修を中断する取扱いとし、研修医の求めに応じて、臨床研修中断証を交付すること。
なお、臨床研修の中断の検討を行う際には、管理者及び研修管理委員会は当該研修医及びプログラム責任者や他の研修指導関係者と十分話し合い、当該研修医に関する正確な情報を十分に把握するとともに、同一病院で再開予定か、病院を変更して再開予定かについても併せて検討すること。
イ 臨床研修を中断した場合には、研修医の求めに応じて、臨床研修の再開の支援を行うことを含め、適切な進路指導を行うこと。
ウ 臨床研修を再開する病院においては、臨床研修中断証の内容を考慮した臨床研修を行うこと。
3 募集定員との関係
未修了の研修医に対して当初の研修プログラムに沿って研修を継続する場合又は研修を中断した研修医に対して研修を再開する場合であって、適切な指導体制が確保されていると認められる場合には、各病院の募集定員とは関係なく当該研修医に対して研修を継続又は再開できること。
4 臨床研修費等補助金との関係
臨床研修を長期にわたり休止又は中止した研修医に対して研修を継続又は再開する病院においては、当該研修医の研修期間を臨床研修費等補助金の交付対象とすることができること。この場合、交付対象となる研修期間は、研修を休止又は中止するまでに実施した研修の期間(月数)を24月から差し引いた期間となること。
5 地方厚生局における相談体制
各地方厚生局では、臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の手続きに関する問い合わせや研修医からの相談を受け付け(別添を参照)、適宜情報提供等を行っていること。
以上
別添資料
別添
各地方厚生局相談窓口一覧
医師臨床研修制度や臨床研修病院の申請手続きのお問い合わせ、また、研修医の方のご相談に応じる窓口を設けております。
お問い合わせ・ご相談は、
各地方厚生局健康福祉部医事課臨床研修係
でお受けいたします。
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082-223-8204 |
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福岡市 |
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092-472-2307 |
参考資料
参考
医師法第 16 条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について(抜粋)
第2 臨床研修省令の内容及び具体的な運用基準
17 臨床研修の中断及び再開
(1) 臨床研修の中断
ア 基本的な考え方
臨床研修の中断とは、現に臨床研修を受けている研修医について研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の途中で臨床研修を長期にわたり休止すること、又は中止することをいうものであ ること。
イ 中断の基準
中断には、「研修医が臨床研修を継続することが困難であると研修管理委員会が評価、勧告した場合」と「研修医から管理者に申し出た場合」の2とおりがあること。
管理者が臨床研修の中断を認めることができるのは、以下のような正当な理由がある場合であること。
研修プログラムを提供している管理者及び研修管理委員会には、あらかじめ定められた研修期間内に研修医に臨床研修を修了させる責任があり、正当な理由がない場合、例えば、臨床研修病院の研修医に対する不満又は研修医の臨床研修病院に対する単なる不満のように、改善の余地がある場合については中断を認めるものではないこと。
(ア ) 研修医が臨床研修を継続することが困難であると研修管理委員会が評価、勧告した場合
1.当該臨床研修病院の廃院、指定の取消しその他の理由により、当該臨床研修病院における研修プログラムの実施が不可能な場合
2.研修医が臨床医としての適性を欠き、当該臨床研修病院の指導・教育によっても、なお改善が不可能な場合
3.妊娠、出産、育児、傷病等の理由により臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合
4.その他正当な理由がある場合
(イ ) 研修医から管理者に申し出た場合
1.妊娠、出産、育児、傷病等の理由により臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合
2.研究、留学等の多様なキャリア形成のため、臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合
3.その他正当な理由がある場合
ウ 中断の手順
(ア ) 研修管理委員会は、研修医が臨床研修を継続することが困難であると認める場合には、当該研修医がそれまでに受けた臨床研修に係る当該研修医の評価を行い、管理者に対し、当該研修医の臨床研修を中断することを勧告することができること。
(イ) 管理者は、(ア )の勧告又は研修医の申出を受けて、当該研修医の臨床研修を中断することができること。
(ウ ) 臨床研修の中断の検討を行う際には、管理者及び研修管理委員会は当該研修医及びプログラム責任者や他の研修指導関係者と十分話し合い、当該研修医の臨床研修に関する正確な情報を十分に把握するものであること。また、臨床研修を再開する場所(同一の病院で研修を再開予定か、病院を変更して研修を再開予定か。)についても併せて検討すること。なお、必要に応じて、それらの経緯や状況等の記録を残しておくこと。
中断という判断に至る場合には、当該研修医が納得する判断となるよう努めなければならないこと。また、必要に応じて事前に管轄する地方厚生局健康福祉部医事課に相談すること。
エ 中断した場合
管理者は、研修医の臨床研修を中断した場合には、当該研修医の求めに応じて、速やかに、当該研修医に対して、当該研修医に関する次に掲げる事項を記載した臨床研修中断証(様式11)を交付しなければならないこと。 このとき、管理者は、研修医の求めに応じて、臨床研修の再開のための支援を行うことを含め、適切な進路指導を行わなければならないこと。さらに、管理者は、速やかに、臨床研修中断報告書(様式12)及び当該中断証の写しを管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(ア ) 氏名、医籍の登録番号及び生年月日
(イ ) 中断した臨床研修に係る研修プログラムの名称
(ウ ) 臨床研修を行った臨床研修病院(臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行った場合にあっては、臨床研修病院及び臨床研修協力施設)の名称
(エ ) 臨床研修を開始し、及び中断した年月日
(オ ) 臨床研修を中断した理由
(カ ) 臨床研修を中断した時までの臨床研修の内容及び研修医の評価
(2) 臨床研修の再開
臨床研修を中断した者は、自己の希望する臨床研修病院に、臨床研修中断証を添えて、臨床研修の再開を申し込むことができること。この場合において、臨床研修中断証の提出を受けた臨床研修病院が臨床研修を行うときは、当該臨床研修中断証の内容を考慮した臨床研修を行わなければならないこと。
なお、当該管理者は、研修再開の日から起算して1月以内に、臨床研修の修了基準を満たすための履修計画表(様式13)を、管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
18 臨床研修の修了
(1) 臨床研修の修了基準
ア 研修実施期間の評価
管理者は、研修医が研修期間の間に、以下に定める休止期間の上限を減じた日数以上の研修を実施しなければ修了と認めてはならないこと。
(ア ) 休止の理由
研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由(研修プログラムで定められた年次休暇を含む)であること。
(イ ) 必要履修期間等についての基準
研修期間を通じた休止期間の上限は90日(研修機関(施設)において定める休日は含めない。)とすること。
各研修分野に求められている必要履修期間を満たしていない場合は、休日・夜間の当直又は選択科目の期間の利用等により、あらかじめ定められた研修期間内に各研修分野の必要履修期間を満たすよう努めなければならないこと。
(ウ ) 休止期間の上限を超える場合の取扱い
研修期間終了時に当該研修医の研修休止期間が90日を超える場合には、未修了とするものであること。この場合、原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を行い、90日を超えた日数分以上の日数の研修を行うこと。
また、必修科目で必要履修期間を満たしていない場合や選択必修科目のうち2つ以上の診療科を研修していない場合であっても未修了として取扱い、原則として引き続き同一の研修プログラムで当該研修医の研修を行い、不足する期間以上の期間の研修や必要な診療科における研修を行うこと。
(エ ) プログラム責任者の役割
プログラム責任者は、研修休止の理由の正当性を判定し、履修期間の把握を行わなければならないこと。研修医が修了基準を満たさなくなる恐れがある場合には、事前に研修管理委員会に報告・相談するなどして対策を講じ、当該研修医があらかじめ定められた研修期間内に研修を修了できるように努めなければならないこと。
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