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秋葉副大臣会見概要(第55回水道週間・新水道ビジョン)

(H25.05.24(金) 11:00~11:22  省内会見室)

【広報室】

説明のポイント

  •  厚生労働省等では、本年6月1日から7日までを第55回「水道週間」とし、“復興の 未来と生命(いのち) 照らす水”をスローガンに、災害に強い水道づくりのための水道施設や管路の耐震化の促進や、安全で良質な水道水の供給を確保するための水源水質の保全、高度浄水施設の整備などについて、国民の理解を求めることを実施目標として、全国各地で様々なイベントを実施する。
  •  第55回目の節目となる本年は、水道に関係する官民11団体で構成する「水道週間記念行事実行委員会」の主催により、6月1日に都内にて「水道週間記念行事」を開催する。
  •  「水道週間記念行事」では、さかなクン(東京海洋大学客員准教授)や横山 林沙(りさ)さん(ミス日本・水の天使)らによる水道をテーマにした「トークショー」、さかなクンによる「水道クイズ大会」、おいしい水づくりへの取り組みなどを寸劇や映像でわかりやすく紹介する「水道キャラバン」、水道に関しての想いを付箋に書き、ボードに貼り付けるワークショップなども行われる。
  •  日本の水道は、これまで安全な水の供給を持続的に行ってきた。しかし、今後は人口減少が進み給水量も減少し、水道事業の収益減につながる中で、安全な水を継続的に届け続けることが課題になってくる。また、一昨年3月の東日本大震災の経験を受け、被災しても迅速に復旧できる、強くてしなやかな水道にしていく必要がある。
  •  こうしたことを背景に、厚生労働省では、平成25年3月に、新水道ビジョンを策定し、施策の推進を図っている。
  •  新水道ビジョンでは、基本理念を 「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」 とし、水道の理想像を 「時代や環境の変化に対して的確に対応しつつ、水質基準に適合した水が、必要な量、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって、持続的に受け取ることが可能な水道」としている。また、人口減少や震災対応などの課題から、「安全」 「持続」 「強靱」をキーワードとし、50年、100年後を見据えた水道の理想像を提示して関係者間で、認識を共有するとともに、それを達成するための具体的な実現方策を示し、必要な施策を展開していくこととしている。
  •  高度経済成長期に整備された大量の水道施設の更新時期が到来する一方で、水道事業の財政難や、設計・施工に従事する職員が不足しているなどの理由により、水道施設の更新や耐震化が進んでいない状況。このままのペースで行くと全ての施設の更新には約100年かかると想定され、水道の安定供給が困難になる恐れもある。
  •  このような背景の中で、「水道週間記念行事」を通して、厚生労働省や水道事業体などが取り組んでいる、水道施設の耐震化の必要な理由等を、一人でも多くの皆さんに理解していただくよう広くアピールしてまいりたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

会見の詳細

《冒頭》

(副大臣)

 どうも皆さんこんにちは。今日は第55回の水道週間にかかる記念行事の実施について皆さんに御報告をさせていただきたいと思います。6月1日から始まります水道週間並びに5年に一度の節目の年に開催をしてまいりました水道週間記念行事について御説明をさせていただきたいと思っておりますが、まずはその前に水道の現状と主な施策について御説明をさせていただきたいと思います。御案内のとおり日本の水道はこれまでも安全な水の供給ということを持続的にやってきたわけでございます。しかし今後は人口減少で給水量がまず伸びない。そしてそのことは水道事業の収益減ということにも繋がってくるわけでありますけれども、そういう中でいかに安全な水を継続的に国民に届けていくかっていうことは大きな課題になってまいります。また、一昨年の東日本大震災の経験を受けまして、被災しても迅速に復旧できる強くてしなやかな水道にしていかなければなりません。水道、ガスはじめライフラインが途絶えると、本当に私もこの時代2週間もお風呂に入れない経験というのを震災の時にはしたわけですけれども、その中でもこの水道の復旧というのは比較的早くて、都市ガスが1月以上かかってしまったということもありますが、これからもですね、しっかりと、特に更新の時期を迎えているエリアも増えておりますから、計画的にですね、進めていかなければならないと思っております。こうしたことを背景にですね、厚生労働省といたしましては、今年の3月にこのパネル、皆さんにも資料を配布をさせていただきましたけれども、新水道ビジョンというものを策定をいたしたところでございます。この新水道ビジョンにおきましては、基本理念を「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道~世界のトップランナーのバトンを未来に繋ぎ、水道を次の世代に継承します~」ということを理念にいたしまして、時代や環境の変化に対して的確に対応しながら水質基準に適合した水が必要な量、いつでもどこでも誰でも合理的な対価をもって持続的に受け取ることが可能な水道というものを理想に掲げているところでございまして、人口減少や震災の対応という課題を踏まえて、安全、そして持続、そして強靱(じん)なものという三つのキーワードを掲げまして、50年、100年後を見据えた水道の理想像を提示し、関係者間で認識を共有していこうということで、必要な施策を展開していくこととしております。
 パネルの2枚目を御覧をいただきたいと思います。そういう中で一つの課題は、老朽管の更新ということがございます。この資料は、水道の普及率と投資額の推移について表したものでございます。水道の普及率は全体で約98%、ほぼ100%普及していると言ってもいいわけでございますけれども、右のグラフは水道事業における投資額の推移でございます。このグラフの赤の四角枠で囲んでおりますとおり、ここの部分ですね、全体の投資額というのは46.7兆円でございまして、これが概ね水道の保有する総資産額に相当すると考えられております。棒グラフの山が2か所ここに丸を付しているとおりございますけれども、この投資のピークから考慮をいたしまして、今後施設の大量更新の時期を迎えるということが見込まれているわけでございます。特にこの水道管の耐用年数は大体40年というふうに言われておりまして、ちょうど一つ目の山がまもなく更新のピークを迎えるということになってまいります。
 パネルの3、この老朽管更新の課題の二つ目でございますけれども、水道管路の経年化と更新についてであります。この左のグラフは、水道事業者が保有する管路施設のうち、法定耐用年数である40年を経過した老朽管の割合がどれぐらいあるのかということを示しております。大体、平成22年度末現在の管路のこの経年化率は7.8%ということで、この値が残念ながら上昇傾向にあるということで、老朽化が進行しているということであります。平成22年度末現在の管路更新率というのは、その一方で、0.81%ということで、残念ながらこれも本当は右肩で伸びていかなきゃいけないんですけれども、逆にですね、更新率は残念ながら年々減少傾向にあるということでございます。仮にこの管路の更新率を1%と仮定した場合に、全ての管路の更新には約100年かかるということになるわけでありまして、このまま推移いたしますと、水道施設の老朽化がさらに進み、水道の安定供給が困難になるおそれもありますので、計画的に更新率を高めていく必要があるということでございます。
 次にパネルの4を見ていただきたいと思います。水道施設耐震化も、これから南海トラフをはじめ、また東日本大震災クラスの大きな災害も想定をされている中でですね、耐震化率というのも引き上げていかなければならないわけでございます。水道の最も重要な施設は、何といってもこの基幹管路、大きな道路の下に埋まっているやつですね。それから浄水施設そのものの耐震化、それから配水池。こうした重要な3施設の耐震化率というものをしっかり高めていかなければならないわけであります。その3つの施設ごとに耐震化率の推移というものを表に表させていただいたのはこの資料でございます。施設ごとに若干の差はありますけれども、年々わずかには一応増加しておりますけれども、この増加率が低調なことからですね、こうしたなかなか進展が必ずしも十分ではない、その状況だというふうに私ども問題意識を持っておりますので、いつ大きな災害が来てもおかしくないわけですから、特に予想される大きな地震に対しての備えというものは、もっともっとですね、十分に対応していかなければならないというふうな問題意識を持っております。どうしても水道事業の財政状況が厳しくなっているということ、それから、耐震化や更新工事の設計・施工に従事する職員が残念ながら地方自治体において不足がちであるという状況から、なかなかこの数字が上がらないということ、これをいかに今後上げていくのかということが大変大きな課題だというふうに思っておりますので、災害に強いインフラ作りということで、この水道はその代表的な事業だろうというふうに受け止めておりますので、こうした課題にしっかり対応できるような対策をこれから講じていかなければならないというふうに思っております。
 そのために、このパネルの5、アセットマネジメントという考え方でしっかりと推進をしていかなければならない。水道施設の更新や耐震化事業を推進するためには必要な財源をもちろん確保しなくてはなりませんし、その一方で、先ほど申し上げましたように、給水量というのは減少傾向にあるわけでありまして、そういう意味で事業収入が少なくなる中で、限られた財源の中で、更新施設や耐震化をどのように効率的・計画的に実施していくのかというのが中長期的な視点に立って検討していかなければならない課題なわけであります。そこで、我が省といたしましては、この水道事業におけるアセットマネジメントという手引きを取りまとめさせていただいたところでございます。全国の水道事業者が今後30年から40年の施設の老朽化など技術的な根拠に基づいて、財源の裏付けのある更新、耐震化計画の策定ができるように、その技術的な支援、それから財政的な支援、この二つの2本の柱の中でですね、積極的に我が省としてもアドバイスを行っていきたいというふうに思っておりまして、今後ともこのアセットマネジメントの実践ということが全国の水道事業者の間で進展をし、適切に水道施設の更新や耐震化が行われるように、厚生労働省としてしっかりバックアップをしてまいりたいと考えております。
 それでは冒頭申し上げましたこの第55回の水道週間並びに水道週間記念行事の実施内容について最後に説明を簡単にさせていただきたいと思います。まずこの水道週間についてでございます。毎年同じ日でありますけれども、今年も6月1日から7日まで水道週間と位置付けて開催をさせていただきます。この水道週間の趣旨は、広く国民に対しまして水道事業の現状やより質の高い安全で良質な水を安定的に供給するための課題について理解を深めて今後の水道事業の取組みについての協力を得るとともに、水道週間をもうけて関係者の中でですね、さらにこの啓発活動を重点的に実施をしていこうとするものでございます。今年のスローガンは、「復興の未来と生命(いのち)照らす水」というスローガンを掲げておりまして、改めて災害に強い水道づくりのための水道施設や管路の耐震化の促進、安全で良質な水道水の供給を確保するための水源水質の安全保全、それから高度浄水施設の整備などについて、国民の理解をさらに得ていくための実施目標という中で取り組んでいきたいと思っております。特に今年は第55回目の節目でもありますので、東京都内では水道週間記念事業という形で開催することといたしております。
 その内容が最後のパネルになります。水道週間記念行事概要ということで、先ほど言いましたように5年に一度こうした大きなイベントに取り組んできております。水道に関する官民11団体、厚生労働省はもちろん、東京都水道局も含めまして、11団体で構成をし、水道週間記念行事実行委員会が主催をして開催するものでございます。実施日時は6月1日の土曜日、午前11時から夕方の17時までということで、東京ミッドタウンのアトリウムにて開催をいたします。記念式典やイベントステージにつきましては、この資料にもございますとおり、12時半から15時までの間に行われます。もちろん入場は無料でですね、どなたでも御参加をいただけます。今回のメイン行事は、水道にかかるトークショーということで、さかなクン、今ですね、東京海洋大学の客員准教授だそうですけれども、さかなクン。それから、ミス日本・水の天使に選ばれた横山林沙(りさ)さんらによって行われる予定でございます。このトークショーでは、「いつでもどこでも安全でおいしい水を」ということをテーマに実施をする予定にしておりまして、東日本大震災を教訓といたしまして、施設の耐震化を推し進め、災害時でも安定供給できるよう取り組んでいる事例の紹介などを行うことによりまして、参加者の理解を深めていくことができればという内容にしているところでございます。またこのトークショー終了後は、東京都水道局が同じ会場内で共催をしております「高度100東京水・飲み比べ1万人キャンペーン」のPRのために、トークショーの出演者が高度処理された東京水とミネラルウォーターの飲み比べなどのイベントも行う予定でございます。また、会場の特性から若者や子どもの来場者が多いだろうというふうに見込まれておりますので、さかなクンによる水道に関する簡単なクイズ大会や、おいしい水づくりへの取組みなどを寸劇や映像により分かりやすく紹介をする水道キャラバン。それから水道に関しても想いを付せんに書いてですね、ボードに貼り付けるワークショップなども行われる予定でございます。
 本当に震災から2年2か月が経ちましたけれども、そうした経験を踏まえまして、水道のありがたさ、大切さが国民に再認識され、そして水道への認識が少しでもですね、高まるように努めてまいりたいと思いますし、今後とも厚生労働省あるいはそれぞれの自治体の水道事業者などが取り組んでおります水道施設の耐震化の必要性などを、一人でも多くの国民の皆さんに理解していただくように、この記念行事を通しまして広く国民の皆さんにアピールをしてまいりたいと考えておりますので、ぜひ6月1日には東京ミッドタウンのアトリウムでのこのイベントの方の取材方もよろしくお願いを申し上げまして、今日の私からの記者会見とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

《質疑》

(記者)

 御説明いただいた水道におけるアセットマネジメントの推進なんですけれども、各自治体でどれくらい取り組まれているかとかいう実施状況みたいなのはわかるんでしょうか。それとも、そもそもどういうものなんでしょうか。

(副大臣)

 この実施状況についてはですね、やはり大きくは技術的、財政的な検討が必要だという観点から、厚労省も積極的にアドバイスをしていくということで取り組んでいるところでございます。今、手元の資料ではですね、我が省としては全国に1,496の水道事業者があるようでございますが、これを対象に調査を実施した結果によりますと、アセットマネジメントを実施中あるいは実施済みの事業者はこの1,496の水道事業者のうち440の事業者が一応実施して取り組んでいただいているということでございまして、まだだいたい3割ぐらいにとどまっております。これをもっとですね、すべての事業者にこうした観点からの事業への取組みということを促進していかなければならないと考えております。このアセットマネジメントの実施は中小規模の水道事業者においてあまり進んでいないという特徴がございますので、中小規模の事業者でも容易にアセットマネジメントに取り組んでもらえるように、厚生労働省としては簡易な支援ツールというものを作成をしまして、各水道事業者へ配布する予定になっております。また、今年度以降は、全国各地でですね、この説明会や研修を積極的に実施をするなどいたしまして、水道事業者のアセットマネジメントへの取組みをですね、さらに支援をしてまいりたいというふうに考えております。

(記者)

 今の数字はいつ時点のものですか。

(副大臣)

 これは平成24年度時点ですね。

(記者)

 24年末ですか。

(副大臣)

 24年度、ですから末ということですかね。

(記者)

 直接水の話とはちょっと関係なくて恐縮なんですけれども、もし可能であれば何ですが、公的年金の運用が結構良くてですね、アベノミクス効果もかなりあるんじゃないかと思うんですけれども、その辺は運用とかですね、制度の安心性から見てですね、失礼、運用の方は今どういうような状況というふうに見てらっしゃいますですかね、結果については。

(副大臣)

 ちょっとまだ私も運用の状況については報告受けておりませんので、詳細はつまびらかではありませんけれども、こうした景気の上昇機運というものが、そういったものにも波及していい成果が出ることが望ましいなというふうに思っておりますけれども、一方で、昨日のように千円単位で下落となりますとですね、長い目ででみたときにはどうなるのかと、予断するようなことも言えませんけれどもですね。経済の上昇というものがそうした運用の利回りの上昇にもつながることは望ましいんだろうとは思いますけどね。

(記者)

 それとちょっと関連なんですけれども、一方で運用はいいんですけれども、特例給付の年金の支給漏れとかですね、10億円とか、性同一性障害の方の性別が分かる年金番号が発覚されるなど、大臣も謝罪されたり不適切だということは認められてるんですけれども、厚労省内で監察本部みたいなものを作って綱紀粛正に努められてらっしゃると思うんですけれども、結構こういうことが起きているってことについては副大臣はどういうふうに受け止めて、どういうふうにしたら。

(副大臣)

 我が省としてもですね、結局、そういう個人情報が大事だからこそですね、特定の番号を付して分からないように対応してきたわけですが、しかしそのことが番号が1本になったということで、かえって分かるようになったという、こういう結果になってますので、今後はそういう運用については本当に十分配慮してですね、当然個人名が流用しているわけではもちろんないんですけれども、特定の符号が付いたことによって、そうした思いをされた方が現にいらっしゃるわけですから、特定の記号を付するというような運用について、やはりそれ自体をですね、やはりもっと個人情報の流用あるいは特定の事実が明らかになるということにつながらないように、しっかりと配慮してやっていくことが大事だというふうに思っておりますし、田村大臣もそういう観点から見直しを指示しているところでございますので、しっかりと取組んでまいりたいと思います。
 日本では水道がおいしくて安定的に供給されているのが当たり前のようなところがございますんでですね、あまり驚くようなニュースではなかったかもしれませんが、この安定供給しているっていうことが非常に重要なことでありますし、だからこそですね、これから経年に直面している管路の更新、そして耐震化ということにさらに力を入れていきたいと思っておりますので、この6月1日のイベントの取上げと併せてですね、ぜひ国民の皆さんにしっかりお伝えをいただければ我々もありがたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

(了)


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