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2012年12月27日(木)

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

室長 長谷部 和久(2421)

室長補佐 佐々木 正大(2910)

微量化学物質専門官 古田 光子(2426)

化学物質係長 加藤 革己(2424)

(代表電話) 03(5253)1111

(直通) 03(3595)2298

「平成23年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」を公表しました


 厚生労働省は、家庭用品などに関連した健康被害情報を収集するため、皮膚科・小児科の病院や公益財団法人日本中毒情報センターの協力を得て、「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告制度」を実施しています。
 このたび、平成23年度の健康被害報告について、家庭用品専門家会議(座長:伊藤正俊 東邦大学名誉教授)で検討を行い、報告書を取りまとめたので公表します。報告書の概要は別添のとおりです。
 厚生労働省では、消費者をはじめ、地方公共団体、関係業界団体などに本報告書の内容を周知するとともに、引き続き本制度を通じて、家庭用品に含有される化学物質による健康被害の実態の把握や情報提供を推進します。


【報告のポイント】
・皮膚障害は、装飾品(金属製)が37件と最も多く報告されました。
 → 症状が出たら、原因製品の使用を中止しましょう。他の製品を使用する場合は、金属以外のものに変更しましょう。
・小児の誤飲事故は、1.タバコが105件と33年連続で最も多く報告され、2.医薬品・医薬部外品が73件(そのうち入院事例が14件)報告されました。
 → 1.1歳前後の乳幼児がいる家庭は、タバコの取り扱い・保管方法に注意し、飲料の空き缶やペットボトルを灰皿代わりにしないようにしましょう。 2.医薬品・医薬部外品は薬理作用があるため、保管や管理には細心の注意を払いましょう。
・吸入事故等は、殺虫剤が252件、洗浄剤が176件報告されました。
 → 使用上の注意をよく読み、正しく使用しましょう。特に塩素系の洗浄剤と酸性物質の混合には注意しましょう。



(別添)

         平成23年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告(概要)



 本制度は、モニター病院(皮膚科、小児科)の医師が家庭用品などによる健康被害と考えられる事例(皮膚障害、小児の誤飲事故)や、公益財団法人日本中毒情報センターが収集した家庭用品などによる吸入事故と考えられる事例について、それぞれ厚生労働省に報告する制度です。平成23年度に報告された事例の件数は、合計1,491件(前年度1,480件)でした。
 それぞれの報告件数の詳細は以下のとおりです(表)。

表 平成23年度 家庭用品等による健康被害のべ報告件数(上位10品目)



1. 皮膚障害に関する報告

(1)調査結果の概要と考察
 ・報告された事例数は、119件(前年度133件)でした。
 ・最も多く報告された家庭用品の種類は、装飾品で37件でした(表参照)。
 ・性別は、女性が95件(86.4%)と大半を占めました。
 ・皮膚障害の種類は、「アレルギー性接触皮膚炎」69件(58.0%)と「刺激性接触皮膚炎」42件(35.3%)がほとんどを占めました。
 ・パッチテストの結果では、ニッケル・コバルトにアレルギー反応を示した例が多くみられました。

 家庭用品を主な原因とする皮膚障害は、原因家庭用品との接触で発生する場合がほとんどです。家庭用品を使用して、接触部位に痒み・湿疹の症状が出た場合は、原因と考えられる家庭用品の使用をできるだけ避けましょう。

(2)報告事例ピックアップ
・ ピアスで接触皮膚炎の既往があり、指輪を身につけたところに皮疹が出た(装飾品・43歳女性)。
 → 金属製品で既往歴がある方は、他の金属製品にも注意をしましょう

・ 調理師をしており、ゴム手袋をしていたら手足に皮疹が出た(ゴム手袋・48歳女性)。
 → ある素材で症状が出た場合は、別の素材の製品を使用するようにしましょう。

・ 洗剤を粉の製品に変えたところ、体が乾燥し徐々に紅斑がみられるようになった(洗剤・46歳女性)。
 → 洗剤の使用量や洗濯時のすすぎに注意を払いましょう。

・ 金属の時計を身につけて汗をかくと、腕に紅斑が出る(時計・39歳女性)。
 → 汗をかくことが予測される場合は、なるべく金属製品を外すようにしましょう。

・ 部活動で指にテーピングしていたところ、指に皮疹がみられるようになった(スポーツ用品・16歳男性)。
 → 若年層の事例も近年報告されています。年齢・性別に関わらず皮膚障害は起こりうるので注意しましょう。



2.小児の誤飲事故に関する報告

(1)調査結果の概要と考察
 ・報告された事例数は、348件(前年度377件)でした。
 ・最も多く報告された製品の種類は、タバコで105件でした(表参照)。
 ・誤飲した年齢は生後6〜11ヶ月が最も多く116件、次いで12〜17ヶ月が65件、2歳児が55件でした。
 ・死亡した事例は0件(前年度0件)でしたが、入院・転科・転院した事例は32件(前年度19件)ありました。そのうち、医薬品・医薬部外品による入院事例は14件でした。

 事故は家族が小児に注意を払っていても発生します。小児のいる家庭では、小児の手の届く範囲にはできるだけ、小児の口に入る大きさのものは置かないようにしましょう。

(2)報告事例ピックアップ
・ タバコを誤飲し、初診時は症状がなかったが、誤飲後3時間後に嘔吐した(タバコ・1歳男児)。
 → タバコを誤飲した4〜5時間後に症状が出る場合があるので、経過観察を怠らないようにしましょう。

・ 兄妹で口腔内崩壊錠(精神薬)を合計25錠誤飲し、半昏睡の状態になり入院治療した。(医薬品・3歳8か月男児、2歳4か月女児)。
 → 口腔内崩壊錠は甘くてすぐ溶けるため、お菓子と間違えて大量に誤飲しやすいので注意しましょう。

・ 哺乳瓶に消毒剤を溶かして置いていたところ、誤って母親が男児に飲ませてしまった(医薬品・5か月男児)。
 → 保護者の過失で小児に誤飲させる事例も散見されるので、注意しましょう。

・ 居酒屋で母親が目を離したすきに、アルコール飲料を飲んでしまった(食品・4歳男児)。
 → 幼い小児を同伴して居酒屋などに行くのは控えましょう。

・ 一人遊びをしていたところ、のりに付属している石灰乾燥剤を食べた(乾燥剤・1歳2ヶ月女児)。
 → 食道を痛めるおそれがあるため、石灰を誤飲したときは吐かせないで専門医を受診しましょう。

・ 小児がハンガーの金具部分を口にくわえ、手で引っ張っていた。その後、発熱がみられたがしばらく経過観察し、受診が遅れた(ハンガー・11ヶ月男児)。
 → 誤飲したことが判明したら、早めに専門医を受診しましょう。

・ 父親の仕事場で、仕事用に保管していたペットボトル入りのシンナーを少量飲んでしまった(シンナー・2歳3ヶ月男児)。
 → 誤飲して危険なものは、飲料用ボトルに移し替えないようにしましょう。



3.吸入事故等に関する報告

(1)調査結果の概要と考察
 ・報告された事例数は、1,024件(前年度970件)でした。
 ・最も多く報告された家庭用品などの種類は、殺虫剤(医薬品・医薬部外品を含む)で252件でした(表参照)。
 ・年齢別では、9歳以下の小児が最も多く440件(43.0%)でした。
 ・製品の形態では、スプレー式の製品が最も多く491件(47.9%)、次いで液体の製品が311件(30.4%)でした。

 事故の発生状況をみると、使用方法・製品の特性について正確に把握していれば事故の発生を防ぐことができた事例や、わずかな注意で防ぐことができた事例も多数ありました。製品の使用前には注意書きをよく読み、正しい使用方法を守ることが重要です。
 事故が発生した場合は、症状の有無に関わらず、公益財団法人日本中毒情報センターに問い合わせて、必要に応じて専門医の診療を受けるようにしましょう。

(2)報告事例ピックアップ
・ くん煙剤を使用した後、掃除をしないで在室していたところ、皮膚の痒みが出た(殺虫剤・87歳男性)。
 → 特に化学物質への感受性が高い人については、使用する製品や製品使用後の清掃に注意しましょう。

・ 火災警報器をビニールで覆った上でくん煙剤を使用したが警報器が鳴り、入室して製剤を吸い込んだ(殺虫剤・37歳女性)。
 → くん煙剤を使用する場合は、くん煙剤に付属しているカバーを使用するなど、事前の火災警報器対策を念入りに行いましょう。

・ 食酢で拭いたサッシに塩素系洗浄剤をスプレーしたところ、ガスが発生しそれを吸入した(洗浄剤・41歳女性)。
 → 塩素系洗浄剤と酸性物質を混合すると、有毒なガスが発生して大変危険なので、細心の注意を払いましょう。

・ 大量の食器を洗浄するため、桶に漂白剤を1本入れて、同じ部屋で3〜4時間眠ったところ、肺線維症などを発症し、13日間入院した(漂白剤・38歳男性)。
 → 漂白剤を大量に吸入すると大変危険です。使用方法、用量などを守って正しく使用しましょう。

・ 家族が庭に除草剤をまいたことを知らずに、庭で草取り作業を行い、喉の痛みなどが出た(除草剤・58歳女性)。
 → 化学製品を使用するときは、家族や近隣住民に一声かけるようにするなど、コミュニケーションを取るようにしましょう。

・ 閉め切った部屋で防水スプレーを使用し、製剤を吸入した(防水スプレー・40歳女性)。
 → 過去には防水スプレーの吸入によって死亡した事例もありました。屋外で使用し、使用量などにも十分注意をしましょう。

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