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2011年6月6日 第3回生活衛生関係営業に係る税制及び融資制度活性化方策検討ワーキンググループ議事録

健康局生活衛生課

○日時

平成23年6月6日(月)16:00 ~ 18:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○出席者

苧野 恭成 (全国商工会連合会企業支援部長)
久保 忠直 (埼玉県保健医療部生活衛生課長)
高橋 邦雄 (高橋経営研究所 所長(税理士・中小企業診断士))
中村 一三 (日本税理士会連合会常務理事)
芳賀 康浩 (青山学院大学経営学部教授)
羽鳥 和彦 (全国理容生活衛生同業組合連合会中央講師)
深沼 光 ((株)日本政策金融公庫総合研究所上席主任研究員)
増田 雅暢 ((株)日本政策金融公庫国民生活事業本部生活衛生融資部長)
万事 誠 (東浴信用組合融資部長)
村橋 哲矢 (東京都美容生活衛生同業組合)
山岡 真弓 ((財)京都府生活衛生営業指導センター指導部長)
中嶋 重光 (中小企業庁事業環境部財務課税制専門官)

○議題

(1)生活衛生関係営業の参画による商店街の活性化について
(2)都道府県センターと商工会の連携の在り方について
(3)生活衛生関係営業税制の活性化方策について
(4)生活衛生融資制度の活性化方策について
(5)その他

○議事

○山内課長補佐 それでは、定刻になりましたので、第3回「生活衛生関係営業に係る税制及び融資制度活性化方策検討ワーキンググループ」を開始させていただきます。
 本日は、大変御多忙中のところ、当ワーキンググループに御出席いただき、ありがとうございます。
それでは、まずお手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、構成員名簿、座席表、配付資料一覧。
資料1、「苧野構成員提出資料」。
資料2、「都道府県センターと商工会の連携の在り方について」。
資料3、「生活衛生関係営業税制の概要」。
資料4、「深沼構成員提出資料」。
資料5、「山岡構成員提出資料」。
資料6、「生活衛生営業者に対する貸付の推移」。
資料7、「平成22年度生活衛生関係営業者に対する生活衛生貸付及び普通貸付の融資実績」。
資料8、「振興事業促進支援融資制度の融資実績(平成23年4月)」。
資料9、「株式会社日本政策金融公庫(生活衛生資金貸付)貸付利率一覧表」。
資料10、「生活衛生関係営業経営改善資金融資制度(衛経)の審査手続きについて」。
資料11、「特別利率適用設備一覧表等」。
参考資料1、当検討ワーキンググループの第2回議事録。
参考資料2、「税制の最近の動向」。
参考資料3、「南紀白浜温泉シャトルバス」。
参考資料4、「二重ローン」。
以上でございます。
資料及び参考資料につきまして、欠落の部分がございましたら、事務局の方にお申し出ください。
よろしいでしょうか。
それでは、以降の議事進行につきましては、芳賀座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○芳賀座長 皆様、今日は暑い中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
今日も、ごらんのとおり、議題がかなりたくさん予定されておりますが、活発な御議論をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
早速1つ目の議題に入っていきたいのですけれども、生衛業関係の税制・融資を考えるに当たりまして、その前提として、生衛業の振興活性化という課題があるわけですけれども、この中で、去る行政事業レビューですとか行政刷新会議などにおきましても、特に生衛業の活性化、あるいは経営指導などに関して、商工会とセンターとの役割分担、更には連携といったことが課題とされておりましたので、そういった背景がございますということを御理解いただいた上で、議題1、「生活衛生関係営業の参画による商店街の活性化について」進めていきたいと思います。
まず、苧野構成員から資料を提出していただいておりますので、それに基づいて御説明をいただきたいと思います。それでは、苧野構成員、よろしくお願いいたします。
○苧野構成員 資料1でございます。表紙をおめくりいただきますと、「商工会の概要」がございます。左側の箱に「商工会とは」ということで、昭和35年の法律に基づいて設立されているということ。かつて、2,800ほど全国にありましたけれども、市町村合併の進展に伴って、現在は、中の箱でございますが、1,747で、商工会の会員数は89万事業者ということでございます。
 左側の方に商工会青年部、商工会女性部というものがございます。青年部というのは、いわゆる後継者でございまして、40歳以下の事業者さん、それから商工会女性部といいますのは、経営者の奥様方もしくは女性経営者を指します。これが11万7,000人ということで、それぞれ、商工会の会員も、青年部、女性部の部員も、市町村単位、それから都道府県単位、全国単位と、こういったピラミッド構造の組織をつくってございます。
 右の方に日本地図がございます。赤いところがいわゆる商工会地域、グレーのところは商工会議所地域ということで、法律で商工会と商工会議所はそれぞれ地域が重複しないとなってございますので、商工会と商工会議所でほぼオールジャパンを構成しているというような状況でございます。
 1枚おめくりいただきまして、業種別の会員数の内訳をつけさせていただいております。会員の中で一番組織率が高いのが、一番上の建設業でございまして、組織率が73.5%、以下、次に高いのが製造業、小売業といったものになってございます。
その下は経営形態別の会員数でございます。個人事業主が全体の約6割を占めています。右上は従業員規模別会員数の内訳であり、約4割強の事業者の方が一人親方というようなことになっております。
こうした中小・小規模事業者の皆様を誰が支援しているのかというのが、その下の商工会職員数というところに経営指導員というのがございます。全国各地に、現在のところ、4,400名の経営指導員で、経営指導員を補佐する者として、補助員というのが2,783名、記帳専任職員が1,927名、こういったことで、職員を合わせますと約1万1,000人の職員で構成されています。
まず、座長から先ほど御案内のありました商店街の活性化方策ということで幾つか資料を持ってまいりました。3ページ目でございますが、これは今年の1月に、全商工会に協力を求めまして、1,178件の回答を得た商店街の実態調査報告書から幾つか関連するものを抜粋したものでございます。
まず、左上の商店街の現状の問題点ということで、一番多いのは経営者の高齢化でございます。それから、高齢化と関連して、その次に、後継者のいない店舗というのが、今、非常に増加しているということ。
それから、その下でございます。商店街で現在実施している取り組みということで、共同売り出しというのが一番多い。その次に、朝市ですとか祭り等のイベントの実施。スタンプもしくはポイントカードといったことを実施している。
右上の商店街発展のために今後どのような取り組みが必要かということで、一番多いのが個別店舗の魅力の向上という答えでございました。しかしながら、これを更に問いかけますと、その魅力を向上させる具体的な取り組みは、7割弱の店舗は何もしていないといったような回答も得ております。
その下、行政に望む今後の施策ということで、イベント事業への支援ですとか、個店の集客力向上への支援。これは大型店対策と関連していると思います。それから空き店舗対策への支援。このようなものが多かったという状況でございます。
1枚おめくりいただきまして、4ページでございます。事例1として、これは福島県の会津坂下町の商工会青年部の例であり、「青年部だいがく」というものでございます。これは青年部員が自ら講師となって、自分の商売に関連する技術や知識などを参加される住民の皆様に教える。それによって、改めて自分の仕事を見つめ直す。それから自店のPR、更には、青年部活動ですとか商店街の活性化にもつながっていくといったようなことで、過去、22テーマに600人以上が参加しているといった状況でございます。右側に第1回から23回までのタイトルを付記してございます。
もう一枚おめくりいただきますと、事例2ということで、石川県白山商工会を紹介いたします。白山麓・賑わい創出事業という、地域の34店舗が参加して、「白山百膳」という郷土料理を開発し、観光客、観光入り込み客に対して5万2,000膳、売上が8,700万相当に上ってます。
このもとになったのは、能登地域で昔から提供されていた能登丼であり、これを更に発展させて、膳というスタイルを使って、地域の飲食店で何かおもしろいことができないかということで始めた事業でございます。このほかに、静岡の裾野市の裾野餃子も、B級グルメブームにのって非常に取り上げられていますので、共通の食材を使った地域おこし、活性化も商店街振興につながるのではないかと思います。
とりあえず前段の方は以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。
それでは、苧野構成員からのお話を受けて意見交換を行いたいと思います。どなたからでも結構でございます。御質問、御意見があれば、どうぞ御発言のほどよろしくお願いします。
○中村構成員 ちょっとお伺いしたいのですが、こういったデータをとって、集めたデータの再利用というか、各商工会議所にフィードバックすることは考えておられないのでしょうか。なさっていると思うのですが。
それから先ほどの、商店街の発展のために何が必要かという提案に対して、個別店舗の魅力の向上ということが一番多いけれども、7割が何もしていないということに対する、全国組織としての商工会連合会としての何か呼びかけというか、そういうことに対する指導的なものはなさっているのでしょうか。
○苧野構成員 調査結果のフィードバックは、1ページ目の都道府県商工会連合会を通じて、各地の商工会にデータ提供、フィードバックしております。
 それからもう一点目の商店街、個店の支援ということでございます。これも、いろいろ今、商店街関係の支援機関、例えば商店街支援センターといったものもございますので、そういったところを活用してやるようにしております。
 ただ、何ぶん、高齢化が進んでいるといったこと、もう一つは、やはり商店の商店主というのは結構自分の経営にプライドを持っていて、なかなか他の提案を聞き入れていただけないといった難しさが現場にあります。
 以上です。
○芳賀座長 ありがとうございました。中村構成員、よろしいでしょうか。
○中村構成員 ついでに、いわゆる商店街がなぜ機能しないかというこの切り込みを、いろんな切り込みがあると思うのですが、結構一つの既得権であらゆるものが、会長とか副会長というのが長くやっていると。若手の登用、青年部、女性部はつくったのだけれども、それはその方でやってくれということで、本体の方が何もしないというのがどこの商工会にも、僕も、広島とか茨城とか栃木なんかに行って、講演というか、頼まれることが多いのですけれども、はっきり言って既得権の中でやっていることだから、思い切って全国組織ではリニューアル化を提唱して、何年たったら、あるいは、その町の、その商工会の構成員の中で多額納税者をもって会長とするというような切り込みをしないと、もう機能していかないのではないかなと。
法人会もそうですけれども、やはりその地区における最高所得者を会長とするという法人会等々はかなり活性化しているのですね。地域の名士とか言われるおじいちゃん辺りが何十年も、あるいは10年も20年もというような商工会はだめなので、逆に、そういうことでのある程度の肩たたきをやった活性化をやれば、商工会はまだまだ伸びるのではないか。こういう地域におけるイベントというのは、行政絡みでやっているところを見ますと、全国の自治体の勉強会なんかに参加すると、かなり活性化しているのは、若返りという意味でなくて、頭が非常に弾力的な人が多いということを感じますので、そういう呼びかけとか、統計もとられてみたら、生意気なことを言うようですが、おもしろいのではないのかなという気がしますので、そういうことも御検討されたらいいのかなと。
 それから商工会の職員数がもうフィックスされた、その地域の行政絡みの子弟を入れている人が多いので、まんまんだというか、中国的な、やってもやらなくても同じという職員の数がかなり多く見られるというのがどこの商工会も特徴なので、ある程度の、職員の採用時におけるレベルのアップということを絶えずフォローしていくことによって、商工会の活性化が見られるのではないかというような気がしますので、御検討というか、そういう考えをとってみたらどうでしょうかと。生意気なようで誠に申し訳ありませんが。
○芳賀座長 苧野構成員、よろしいですか。
 商工会、更なる活性化への御意見ということで承りました。
○増田構成員 質問、よろしいですか。
○芳賀座長 はい。
○増田構成員 先ほどの資料の件で質問が2点ほどありまして、1点目は、3ページ目ですね。業種別の商工業者数とありまして、この中で、例えば飲食店・宿泊業とありますね。これは生衛業で言うと飲食店や旅館業に該当すると思うのですけれども、生衛業のデータですと、飲食店が140万とか、旅館業が8万とか、大変多いのですけれども、こちらですと、両方合わせて17万ですね。だから、その辺でデータ的にどのようになっているのかという点が質問の1点目です。
 2点目は、商工会で経営指導員の方、4,000人いらっしゃいますけれども、主にどういった資格の方、あるいは経歴の方が経営指導員になっているのでしょうか。
○芳賀座長 苧野構成員、お願いします。
○苧野構成員 まず、商工業者の数でございますけれども、これは私もあやふやなことを言ってはいけないのですけれども、国の統計、事業所・企業統計調査、それをもとにそれぞれ、卸売だとか小売だとか、業種別に地元から申請してきている数字を積み上げているといったようなことで、例えばA市に商工会議所と商工会があって、市町村合併が行われて、A市の商工会議所とB町の商工会が一つの市に併存することになった場合、例えばサービス業というのは合併後のA市の全体の数を申請してきている可能性があるので、その辺で、増田構成員のとらえられている数と若干ずれが出てきているかもしれないですね。
 それから経営指導員の資格でございますけれども、これは大学を卒業して、それから2年間、経営指導員研修生というものになります。2年間たった後に各地の商工会に配属する。2年間は、中小企業大学校なりで研修を何度か行い、また、支援現場でのOJTを通じて改めて現場に配置される方が多いと聞いています。
○増田構成員 そうですね。最初の方のデータが大分数字が違うので、そこはよくわからないですね。
○深沼構成員 これは恐らくなのですが、商工会地区の商工業者の数ということでないでしょうか。つまり、大都市だと商工会議所になりますので、例えば大阪や東京みたいなところはずぼっと落ちていますので、これで恐らく合っているのではないかと思います。県庁所在地とかはみんな商工会議所になりますから、ほとんど商工会議所の地区ですね。これは商工会のあるところの商工業者数ということです。
 確認ですけれども、ここにある商工業者数というのは商工会地区の商工業者数ですね。ですから、いわゆる商工会議所のある大都市なり県庁所在地のような大きなまちは除かれている数字ですので、この数字で恐らく正しいと思います。
○芳賀座長 ありがとうございました。先ほどの資料の2ページ目の赤い色でないところを除くとこれぐらいになりそうな感じだということですね。多分そうですね。赤い色でないところ、商工会議所地域、大都市が多いので、これが原因である可能性が高そうですね。
○堀江生活衛生課長 特に貴重な資料をいただいて、ありがとうございます。それで、行政の担当をさせていただいている者からしますと、商店街発展のために何が必要かというところ、4ページの棒グラフを見ると、先ほど、1番目のところは個別店舗の魅力ということですけれども、その次にある高齢者に配慮した環境づくりだとか住民とのコミュニケーション。別の経営課題のところに、問題点として、経営者の高齢化、後継者のいない店舗の増加というところは、ほぼ生活衛生営業の課題とも重複する部分なのかなと思っております。
 かつ、その部分について、商工会組織総力挙げて頑張っていただいているという意味では、かなり組織的で、端的に言うと随分しっかりやっているのだなあと思った上で、お尋ねが1つございまして、この会、苧野委員にお入りいただいているのは、実は税制・融資の活性化という話と、それから生活衛生全体の振興という部分とあって、税制・融資のところにどう着地させていくのかというのが大変難しいところでございまして、お願いした内容に入ってなかったので準備はされてなかったら、また今度のときでも教えていただいたら結構ですけれども、商工会、あるいは商工会連合会でしたか、として、税制ですとか融資だとか、こういう観点でよく組織強化のための要望活動を行っているとかいうような話がもしあれば、生衛側にもヒントにもなるかもしれませんので、ちょっと教えていただけたらと思います。もし今日御準備があるようでしたら、少し抽象的でも構いませんので、教えていただけたらと思います。
○苧野構成員 後ほど、融資のところで若干御説明させていただきます。
○堀江生活衛生課長 わかりました。では、後ほどで。
○芳賀座長 今の課長の御質問にあった点といいますと、次の議題とも関連が深いと思いますので、ほかに御質問等なければ2番目の議題に移らせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題になりますけれども、今のと非常に関連が深い議題でございます。「都道府県センターと商工会の連携の在り方について」ですが、まず最初に事務局から説明をお願いします。その後、苧野構成員から、先ほどの提出資料の後段の部分に基づいて御説明をいただきます。
 それでは、まず事務局から御説明をお願いします。
○山内課長補佐 それでは、御説明させていただきます。都道府県センターと商工会の連携の在り方について、事業仕分けによる指摘、それから生衛関係営業の振興に関する検討会の第1次報告で触れている部分について御説明させていただきます。
 まず、事業仕分けによる指摘についてでございますが、行政事業レビューにおきまして、昨年の6月の公開プロセスにおきましては、とりまとめコメントの中で、都道府県センターの相談事業のうち融資等・経営一般については、商工会・商工会議所に、それから衛生については保健所による規制・監視に整理をした上で廃止をするというコメントが出されております。
 それから昨年の11月に行われました行政刷新会議の事業仕分け第3弾におきましては、相談事業も1週間に数件程度であり、プロパーの職員を雇用して行うほどの需要があるのか、商工会や県のほかの組織でできることはないのか、という指摘がなされておりまして、今のは評価者のコメントでそういった指摘がなされております。
とりまとめのコメントといたしまして、評価基準や、国と県、商工会の機能分担も含め、改正案を検討していただいて、事業内容を見直した上で概算要求をしていただきたいというコメントが出されてございます。
 続きまして3ページ目、生活衛生関係営業の振興に関する検討会の第1次報告についてでございますが、この報告の中で、都道府県センター部分ということで、改革の基本的方針といたしましては、以下の基本的な考え方に沿って改革を強力に進めるべきということで報告をしてございます。その1番目といたしまして、行政刷新会議の事業仕分けの評価結果を踏まえ、評価基準や、国と県、商工会の機能分担も含めた改革案を検討し、事業内容を抜本的に見直すことが必要であるということを報告してございます。
 改革の具体的な方策といたしましては、消費者保護、後継者育成支援への対応強化、それから総合調整機能の強化、都道府県センターの経営指導員の適材適所な配置を徹底するということの都道府県への要請、この3点の中で1点目の消費者保護、後継者育成支援への対応強化の中で、地域の商工会など各種支援機関との連携策についても検討すべきということが報告されてございます。
 簡単ですが、以上でございます。
○堀江生活衛生課長 補足させてください。今の部分、どちらかというと、生活衛生の振興事業費の在り方を議論する際に出てきた話でございまして、予算を廃止してはどうだろうかというような行政刷新会議などの指摘があって、その中でのコメントがこういうことがありましたというものであります。
それで、3ページ、4ページのところでは、その予算につきましては、規模を少し減らした上で、かつ、改革がなされるような形での実施をしていきますというお約束をした上で、PDCAサイクルにのっとって実施するなどの形で予算を確保しまして、その際に、いろいろな機能の見直し、都道府県センターのより効果的な実施ができますようにということで、厚生労働省からも都道府県OBの形式的な当てはめはやめてくださいというような通知を出したり、あるいは前段の方にありました、相談業務も1週間に数件程度であると。これはそもそもの相談件数の把握の仕方についての標準化もなされていなかったので、そういうものに対してどのような様式を使って、全国的に、そもそも数件しかないというよりは、ある県では非常に多く見えて、ある県では非常に少なく見えて、ある県はすごくゆっくりと、何もしないでいるのだろうかみたいなところが、実際はそうでもなさそうだということで、そもそもの相談様式というものも定めたりしましたというところにございます。
ここは、さっきからちょっと、私、ピンぼけな、後先考えない御質問をしてしまったわけですけれども、予算は予算できちっと見直しをしていきましょう、融資と税制については少し利用が少なくなっていますので活性化しましょうという中で、商工会の代表の方なども入っていただいて、まちづくりなどにも、どのようにしながら、かつ、融資、税制にどういうヒントなり御意見なりいただけるかというような位置づけの中でされているということですので、少し予算そもそもの部分が経緯として出てきてしまいましたけれども、ちょっと補足させていただきました。
○芳賀座長 ありがとうございました。
それでは、続けて、苧野構成員からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○苧野構成員 先ほどの資料1の7ページでございます。前回、前々回、衛経という資料が出た関係で、本日、マル経について若干資料を説明させていただきたいと思います。マル経融資の概要というのが右下の箱に記させていただいております。衛経と同じようなつくりになっております。
 左上の方を見ていただきますと、商工会、商工会議所で行うマル経融資の流れ。地域の中小・小規模事業者に対して経営指導員等商工会議所職員が巡回相談、窓口相談、このような相談を行っている。その中で事業者の方の資金ニーズを把握していく。これを商工会の役職員ですとか、あるいは学識経験者でつくる金融審査会というのが、これは各商工会ごとに設けられております。ここに、マル経融資に取り次ぐべき案件を付議する。金融審査会でOKといったものについては、日本公庫に推薦して、日本公庫で審査が行われて、融資の実行が行われるといった流れでございます。
 さきほど申し上げた資金ニーズを把握するために、巡回相談、窓口相談といったものを年間どのぐらい行っているのかというのが右側の1人当たりの年間相談件数というところです。巡回指導というのは、まさに事業者の方、先ほど個人事業主が多いと申しましたとおり、商工会に相談に来たくても時間的余裕がない、事業を一旦中断しなければ外にも出られない、そうした事業者を訪問する巡回指導というのをかねてから行っている。窓口指導というのは、まさに商工会のところに足を運んでいただいて、それで相談にのっております。資金ニーズもさることながら、例えば中小企業税制の面で、困っていることなどは、こうした事業者の方と触れ合う中で把握していきます。こうした事業者の声を毎年春、県の連合会を通じて私どもで要望としてとりまとめる仕組みになっております。
 左下、マル経融資の実績ということで、商工会と商工会議所の合計でございますが、貸付金額にしまして、平成21年度実績で1,872億円、貸付件数が4万2,600件といったことで、何としても我々もこのマル経融資を伸ばしていこうということでいろいろな取り組みを行っておりますが、資金需要全体のマインドが冷え込んできているといったこと。それから競合商品、例えば県とか市町村の制度融資というのが非常に充実してきているのではないかという点。それから3点目として、地域金融機関における優良顧客の囲い込みといったことも場合によってはあるかもしれないということで、特に今年度については、金融の目利きといったものを育てていきたいと考えています。その点で、地域の商工会と日本公庫の支店との連携の強化を更に強めてまいりたいと考えております。
 その次の8ページは、沖縄の連合会がマル経融資に積極的でございまして、マル経融資のあっせんを通じて商工会の会員も結果として増加したといったような記事でございます。参考になればと思います。
 以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。
大変興味深いデータをお示しいただきまして、いろいろと伺いたいこともあるのですけれども、ここまでの事務局及び苧野構成員からのお話を受けて意見交換を行いたいと思います。どなたからでも結構でございます。御意見、御質問等ございましたら、どうぞ御発言よろしくお願いします。
 村橋構成員、お願いします。
○村橋構成員 今の御説明の資料を見させていただきまして、まず、金融審査会という制度がありますけれども、こちらが実質的な融資実行に影響力というのはあるのでしょうか。1つの質問ですね。
○苧野構成員 どのぐらい影響力があるかというのは私もわからないですが、いずれにしても、マル経融資、小企業等経営改善貸付といった、日本公庫さんが扱う制度融資の推薦をするに当たっては、この金融審査会を通さなければいけないといった決まりになってございます。
○村橋構成員 それは、今の議題といいますか、本題の生活衛生の制度でやっている推せん状と余り変わらないような認識でよろしいのでしょうかね。
 それともう一つは、すごい指導員といいますか、経営指導員の人数でやられている事業にしては、融資残高を見ますと1,872億円ということで、生衛業者に対する貸付が、今、これを見ますと2,377億円ということで、生衛の方が多いのですね。生衛の方は、勿論、営業指導センター等が動いてやっているという認識はあるのですけれども、人数を見ると、この仕組みが余り効率的ではないような気がしたのですけれども、何が言いたいかというと、勿論、連携はいいのですけれども、見習うところがあればどんどん取り入れて活性化させていきたいという観点から見て、果たして見習うべき体制にあるのかどうか、ちょっと疑問がありまして、その辺をちょっと教えていただければと思います。
○苧野構成員 貸付額実行ベースで言うと、今、村橋委員が御指摘になったところは確かにあるかもしれません。ただ、このマル経融資以外の融資の貸付ベース、平成21年度のベースで見ると、大体9,200億円ぐらいの貸付決定が行われていると把握しております。
あと、私ども商工会の会員、もしくは小規模事業者というのは、まさに言葉のとおり、設備投資にしろ、それから運転資金にしろ、非常に少額であるといったことも、この積み上げた貸付決定額にある程度影響があるのかなと考えております。
○芳賀座長 村橋構成員、よろしいですか。
○村橋構成員 はい、よくわかりました。
○芳賀座長 ほかにはいかがでしょうか。
○増田構成員 ちょっと補足しますと、今、村橋構成員、データの読み方がちょっと違っていまして、日本公庫の生衛業者関係の2,300億は、整理しますと、マル経に相当する生衛の貸付は衛経という仕組みがあるのですね。それで、今日はその手続については資料10に衛経の審査手続というのがありますから、いずれまた議論になるかと思うのですけれども、一応マル経に相当するものは、生衛では衛経だと。それで、先ほど言いましたマル経の1,870億に相当するのは、先ほどの2,300億は生衛業者全体の融資ですから、衛経はその中のほんの一部にすぎないのですね。私、手元に細かなデータがない。恐らく40億ぐらいでないかと思うのですね。ですから、マル経の1,872億で言うときには、衛経は四十数億円という世界ですから、この制度が別に非効率的に動いているというものではないということはまた確認しておいた方がよいと思います。
 一応補足です。
○芳賀座長 ありがとうございました。
それでは、ほかに御意見、御質問等、いかがでしょう。
 ちょっと初歩的なことで、私から確認させていただきたいというか、教えていただきたいのですけれども、経営指導員1人当たりの年間相談件数、結構多いなあというのが率直な意見なのです。中でも多いのが経営一般にカテゴライズされるのが多いのですけれども、具体的にはどのような相談が多いのですか。経営一般、あるいは経営革新というのもこれに近いのかなあと思うのですけれども。
○苧野構成員 事業者の方と対面し、経営面の課題を聞き出したり、売れ筋商品を紹介する、陳列の方法を提案するとか、そういったことが経営一般なのかなと。どれにも属さない経営に関することといったのが経営一般かなあと考えております。
○芳賀座長 ありがとうございます。大体ざっくり言って、この経営指導員って、一商工会に平均すると2人ぐらいということですね。
○苧野構成員 そうですね。
○芳賀座長 逆に言うと、これだけ密に各事業者と連絡を取り合っているということでしょうかね。日常的に。
○苧野構成員 この数字を見ていただくと想像されるとおり、午前1回、午後2回くらい、事業者のところを訪ねていくというようなイメージ。その間に、窓口に来た事業者の方に相談に応じる、こんなイメージを持っていただければと思います。
○芳賀座長 要するに、喫緊の課題があるときにこの相談に頼るというよりも、もっと日常的にコミュニケーションとっている中で、ということができているとなると、ますます、そういったところから挙がってくる中小・零細事業者たちの現状みたいなものがもっと真ん中に集まってくるといいのかなあとちょっと思ったもので、こんな質問をさせていただきました。
そのほかいかがでしょうか。
○増田構成員 私も、このデータを見ますと、非常に経営指導員の方が活発に動いているイメージがあるのですね。もともと、商工会、非常に地域で数が多いですね。その中で、1商工会当たり2人の経営指導員の方がいらして、巡回指導員を見るとほぼ毎日1~2件行っている勘定になりますから、そういった意味では、中小企業の方と非常に密接につながりがあって、それがこういうマル経とか、ほかの融資にもつながっているのではないかと思います。
○芳賀座長 ありがとうございました。議題がセンターと商工会の連携の在り方についてですけれども、商工会の経営指導員に、先ほど村橋構成員おっしゃってくださったように、学べるというか、まねできるというか、ところはまねしてというか、そのようにしていかないといけないと思うのですけれども、センターの方も、相談員とかそういう観点から、山岡構成員、いかがですか。
○山岡構成員 済みません。ちょっと何をお答えしたらいいのかが、今わからないのですけれども。
○芳賀座長 こういった経営相談みたいなもの、例えばここで、数ですとか分布の違いについて。
○山岡構成員 今日、データが全然なくてわからないのですが。
○芳賀座長 では、また改めて。ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。
○羽鳥構成員 済みません。またトンチンカンなこと言ってしまったら申し訳ないですが、この商工会の今お話をされているのは、その商工会との連携がこの活性化につながるから大事だというお話をされているのですか。要は、商工会に入って推せんを受けなければ貸してもらえないと、そういうお話をしているわけですか。
○芳賀座長 それとは違いまして、税制融資の前提といいますか、そもそも生衛業の活性化というのが前提になって、そこの部分で、もう少し効率化を考えましょうということで、去年の事業仕分けのところで指摘されていまして、そのとき、例えば経営指導なんかでセンターと商工会はもっと連携したり、あるいは役割分担した方がいいのではないかということを言われていまして。
○羽鳥構成員 この数字を見ていると、加盟率とか構成比率とか、そんなにまだ伸びてない中で、融資活性、業者の活性というよりも、その加盟率とか構成比率が上がっていった方がより情報は伝わりやすいのかなと単純に思ったのですが、そういうこととは違うのですか。
○苧野構成員 商工会、商工会議所で実施している小規模事業者に対する支援事業、これは私ども、もしくは会議所が会員組織でありながら、その支援をするときは会員、非会員問わず実施するというのが前提でございます。したがって、制度融資についても、会員であろうと非会員であろうと、6か月以上の指導実績があれば、これは推せんするというのが原則でございます。
○羽鳥構成員 ありがとうございます。僕自身がまだ商工会に入ってないということもあるので、情報が。済みません。一応そういうことです。
○芳賀座長 ありがとうございました。
○堀江生活衛生課長 簡単にいたしますけれども、少し情報が錯綜しかかっていますのは、そもそもこの課題が難しくて、商工会、商工会議所と、生活衛生の接点というか、連携の場所というのが幾つかあり得て、1つはまちづくりというところにあるのではないかということで、例えば商店街の活性化とかいうところには、生活衛生だけではできないでしょうというときに、その他もろもろとの関係を持ったときに、そもそもかもしれませんし、商工会などとの連携なんていうのがあるのではないかというのがこのテーマになっていたのだと思います。
 それから、税制・融資と言うと、更にもう少し難易度が高うございまして、そもそも互いのことをよく知らないというところもあって、ただ、連携ってどう連携できるのかもわかりませんけれども、先ほどちょっと水向けさせていただいたのですけれども、このようなことで、商工会として融資、税制の闘争目標があるのですみたいなことがあったとすると、生衛側としても、次はこういうものを要望していくようなきっかけになるかもしれないと思っていますというところは、それはどっちかというとウィン・ウィンの格好になるのかなあと思います。
 あとは、それこそこういう場で一緒にお話しすることで、お互いにそういうすばらしいことができているのかということが学び合えることもあるのかもしれませんというところ辺りかなあと思っていまして、商工会に入ってないのでということで、私ども、それはまずいですねとか、そういう次元のことを言っているわけではなくて、相乗りですとか、統合ですとか、そういうことが、今、議論になっているのではないだろうなと思っておりまして、多分、山岡さん辺りもその辺不安がっているのではないかと思いますけれども、そういう趣旨ではないと思っています。
○中村構成員 商工会に対するお助けではないですが、先ほどの7ページに、商工会の金融審査会というのがある。これをうまく使っているのが、各市町村の行政の融資のときに、データベースを持っているということで、相談員が、これだけの相談をこなしているかどうかは別にして、行政では持ってない情報を持っているということで、商工会の金融審査会と併せて、町、村の融資のときには、そこに助役をプラスして、行政の融資を決定するというときにこれを使っております。現実には。我が茨城県の場合はですね。
○芳賀座長 ありがとうございました。少し前提条件として、税制、融資とは直接関係ないレベルでまず議論をしていただきたかったということですけれども、こうやって、例えば苧野構成員が提出してくださった4ページの商店街の実態調査の結果ですね。商店街の問題点、あるいは課題、あるいは行政に望む施策、こういったところを見ても、個々の商店会、あるいは商店街、あるいは商業者たちの実際直面している問題、課題というのが、これこそがこの後で議論していただく税制、融資、そういったものの根拠になると、なぜそこに融資するのかとか、優遇があるのかといったことの根拠になるものだと思いますので、ますます、こういった商工会と、あるいは国や県との情報交換というか情報共有というのは重要なのかなと思っております。
 それでは、次の議題に進ませていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。
 議題3、「生活衛生関係営業税制の活性化方策について」、まず事務局から御説明をお願いします。
○山内課長補佐 それでは、御説明させていただきます。まず資料3、「生活衛生関係営業税制の概要」について、資料の方をごらんください。
 時間も大分進んでおりますので、簡単に説明させていただきます。生活衛生関係営業につきましては、法律がございまして、こちらの第1条で、目的といたしまして、衛生施設の改善向上、経営の健全化、振興等を通じてその衛生水準の向上を図るというふうに書かれておりまして、資料の6ページをごらんください。税制の体系といたしまして、国民の衛生水準の向上を図るために経営基盤の安定を図っていく。そのために、税制上の軽減税率等の措置を私ども生活衛生課の方では要望していっているわけでございます。
 その中でも、幾つか要望申し上げている中の、特に厚生労働省単独の要望といたしましては、右側の青の枠にございます3点、法人税の共同利用施設の特別償却、それから所得税、法人税、国税の公害防止用設備の特別償却、それと地方税、固定資産税の公害防止用設備に係る関税標準の特例措置、それと、ホテル・旅館の建物に係る固定資産評価の見直し。これは観光庁の方で、今、見直しについては検討していただいているのですが、この検討会におきましては、平成24年度の要望に向けて、この4点を特に検討の材料としていただきたいと考えているところでございます。
 あと、特に検討していただくところの4点について簡単に概要を御説明させていただきます。まず共同利用施設の特別償却についてでございますが、12ページの方をごらんください。先ほど申しましたように、法人税で要求しているものでございますが、概要といたしましては、生活衛生同業組合及び小組合が策定する振興計画に基づいて共同利用施設を設置した場合に、取得価額の6%を特別償却するという内容でございます。
その共同利用施設といたしましては、下に※印でございますが、共同冷凍庫、あるいは研修施設、それから共同購入資材搬送車両等ということで、もう少しわかりやすいものを見ていただきますと、14ページに、送迎用マイクロバスですとか、会館、自動洗髪機、研修施設、こういったものが実績としてございます。この要望につきましては、平成23年度税制改正大綱におきまして、それまで8%の特別償却ということでございましたが、これを23年度では6%に引き下げた上で適用期限を1年延長するという形で、昨年の税制大綱は固められたわけでございますが、そのときに、検討事項といたしまして、現行制度の適用実績が極めて低調であることにかんがみ、生活衛生同業組合等の活動状況、本制度の利用状況等の分析、対象設備等に関する検証を踏まえ、制度の抜本的な見直しに向けた検討を行うということが明記されてございます。ですので、こういったことの検討が必要であるということでございます。
 実際の実績でございますけれども、16ページをごらんください。平成5年から13年まで、途中、ないところもございますが、毎年、2件程度の実績がございましたが、平成14年から21年にかけては利用実績が実際ないという状況でございます。
ただし、平成22年度の活用見込みといたしまして2例、それから23年度以降についても、活用見込みといたしましては、平成25年に1例、平成26年に1例という形で活用していただけるという状況は今のところ見込まれてございます。
 また、日本政策金融公庫貸付実績によりますと、平成18年、1件、平成19年、2件、平成21年、4件と、厳しい景気動向にもかかわらず資金需要が底堅いということは、この実績からもうかがえるところでございます。
また、19ページでございますが、共同利用施設に関するアンケートをとりましたところ、生活衛生同業組合では、設備投資の意欲はあるものの、厳しい景気動向や資金調達が難しく、新規の設備投資を見合わせざるを得ない状況であるということがうかがえますが、設備投資動向は上向きであり、今後の支出余力に伴って共同利用施設の取得が見込まれることから、事業の共同化・協業化促進の観点から、本税制の延長を強く望んでいるというアンケート結果も出てございます。
続きまして、22ページ、公害防止用設備の特例措置でございます。こちらはクリーニング関係の税制ということでございます。国税といたしましては、クリーニング事業者が公害防止の設備、※印にございますけれども、300万円以上の?テトラクロロエチレン溶剤に係る活性炭吸着回収装置を内蔵するドライクリーニング機、あるいは?フッ素系溶剤に係る活性炭吸着回収装置を内蔵するドライクリーニング機を取得した場合に、取得価額の8%を特別償却する。それから地方税におきましては、クリーニング業者が所有する公害防止用設備に係る固定資産税の課税標準を特例措置(固定資産税の課税標準を1/3に軽減)について、平成24年度に要望していこうということで考えてございます。
 23ページでございますけれども、ドライクリーニング機の市況。これは実際にどれだけ対象となるクリーニング機が導入されているかという状況を見るのに、機械出荷統計というものを見ますと、平成21年度は61台、平成20年度が63台、平成21年度、95台とちょっと増えてございますが、22年度は54台と、クリーニング市場の縮小、あるいは景気悪化の影響を受け、販売台数が低迷しているという状況が見えます。
 それから29ページ、ホテル・旅館の建物に係る固定資産評価の見直しについてでございます。これにつきましては、先ほど申しましたように、観光庁の方で導入に向けて検討を行っているところでございますけれども、30ページの下の固定資産評価基準における経過年数という表でございます。建物の構造によって経過年数が50年から20年という形で設定されてございますけれども、要望内容といたしましては、ホテル・旅館の用に供する建物に係る固定資産評価について、その評価を適正化するために使用実態に即した見直しを行うと。
ちょっとわかりづらいところでございますけれども、先ほどの経過年数の表の年数を見ていただいて、更に33ページに、「固定資産税の経過年数と国税の減価償却における耐用年数の比較」という表がございますが、この一番上、4に、百貨店、ホテル等の建物についてということでホテルが入ってございますが、その横を見ていただきますと、経過年数が50年から20年、耐用年数の方は39から17年ということで、国税と地方税の方で、その税金のかけ方、年数によるかけ方が、年数にずれがございます。ですので、これについて、34ページに「評価の見直しのイメージ」と書かれてございますが、経過年数の方が長い年数をとる形になっておりますので、これを耐用年数に合わせるという形で見直していくという方向に、あくまでこれは、今のところ検討している途中でございますので、短縮するということで使用実態に即した見直しを行うことが図れるのではないかということが、今、観光庁の方で検討されているという状況でございます。
 簡単ですが、税制の概要については以上でございます。
○堀江生活衛生課長 いろいろと説明してくれたのですけれども、6ページのところで、この4点でお願いしますというのでなくて、4点が、今までからすると、今年度また要望していかなければいけないという認識にありますということで、いい案があればほかに幾らでもやるのでありますけれども、なかなか大変だなあということがございます。
それから共同利用施設の部分は、これは守っていくためには、広報などして、より利用していただくようなことに持っていかないとだめだというのが結論でございまして、風前の灯にならないようにするには、ここの場も含めて広報して、皆さんに認知度を上げていただくことが大事なものをどうやっていったらいいだろうかということ、あるいはこんな使い方もあるんだよみたいな話。
それから公害防止用設備はクリーニングの件でございまして、これは非常にわかりやすく言いますと、今まで実績の上がりようのない、もう製造をやめたようなものだけが対象になっていたものをうまく切り替えることができまして、売れ筋の商品を税制優遇措置の対象にできましたので、実績をどんどん上げて、更に続けていきたい。更に何かできることがあればしたらいい。
ただし、例の税制関連法案はまだ国会を通っておりませんで、現時点においては22年度の税制優遇措置というのが継続になっていまして、ただ、それも6月で切れますので、今、国会の方で、これはどのように取り扱われるのだろうかと。この辺は中小企業庁さんなどと一緒に悩んでいかなければいけないと。
 宿泊施設の方は先ほどのとおりでございます。
 以上です。済みません。
○芳賀座長 ありがとうございました。
今、課長、補足していただきましたように、幾つかの税制ありますけれども、せっかくある税制ですけれども、利用実態を見ますと低調であるというところで、これを何とかしていかなければということ。最初の御説明にもありましたとおり、特に設備・施設関係の投資となると、景気動向というのが非常に大きく影響すると思いますので、それを考えると、すぐにどうこうというのは、一遍に利用率を高めるというのは難しいのかなあと思うのですけれども、1つは、他業種とかで実際に共同利用施設、こういうことやっていますよという利用実態を、広報とおっしゃっていましたけれども、その事例集みたいなもの、事例をみんなが知ることで、こういうこともできるのだというふうにしていくことで利用促進が図れるかもしれないと思うのですけれども、その他、皆さん、この利用促進を図る、あるいは、その他、こんな制度があったらいいのではないかということでもいろいろ御意見あるかと思います。何か御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
○中村構成員 せっかく昭和32年の法律できたものですので、この減価償却制度というものは絶対守っていくべきではないかなと思うのですね。生活衛生関係の企業者というのが非常に数が多い、全体的な中で国民生活から切り離すことができないという零細企業が中心ですから、共同利用施設の特別償却、なぜ少ないのかと考えたときに、見せてもらったら、14ページですが、後で理容、美容の方に聞きたいのですが、出張して、例えば介護施設、循環で回って理容、美容やってやるということは不可能なのでしょうか。それを聞きたいというのが1つ。
もしそれが可能であるならば、デマンドバスみたいなものを共同利用施設として持って、中に理容とか美容の、床屋さんができるような施設を持ったバスを共同利用で買って、今日は誰が担当、これは誰が担当ということで、今、全国に広がっている介護施設の巡回なんかも一つのおもしろい利用方法かなと思ったりしたのです。それは法律で可能かどうかわかりません。
 昔、自動車会社が車検をするのに、共同利用施設をつくりました。かなり利用度が深まりまして、車検のペースが早くなったと同じような視点を、この理容、美容の中に、共同施設の中に取り入れることができないのかなと。
それから公害防止関係も非常に我々怖いものがありますけれども、生活の中で公害防止の施設に対する特別償却等々が認められた以上は、これを守っていくのには新しい切り口を考えることをこの成案の中で提案できたらいいなと思うし、逆に、厚生労働省の中でも、全国からの意見を吸収した溶剤関係、取得時における減税の問題、それから所有によるところの評価減の問題を含めたところはやはり維持してあげるべきではないかなと我々は思うわけですね。
そうすると、公害防止というものは、本当に今、クリーニングだけでいいのかという問題だと思うのですが、例えば今回の肉の問題を含めて飲食業界においても何かそういうものを、公害防止とは言いませんけれども、そういう施設、共同利用施設の提案ができないのかなあと。あるいは、そのお店お店による共同施設仕入れ体制をとっていますので、その中のチェック機能として、何か国民の生活のためになるような共同施設というか、チェッカーみたいなものを提案してできないのかなあと。そういうことで、共同施設のあり方について世に問うというか、現在の特別償却なり、所有によるところの固定資産評価が訴えることができるのではないかということを考えさせてもらっているわけです。
 公害防止も含めて新しい機械がどんどん出ますから、それらについて、一旦なくなってしまうと更にとるのは大変なので、どうしてもここ何年間の利用実績がないとされていても、提案型による減税効果というか、特例措置の効果はやはり維持していくべきではないのかなと思いますね。
 意見としてはそういうことですから、我々営業者の視点に立った広報の強化というものをこのワーキンググループで訴えていくことができないのかなあと思います。
 それからもう一つが、ホテル業のですか、固定資産税評価の見直し。これは先ほどの33ページにありますところの、国における耐用年数と地方の耐用年数が違うという、これは本当に総務省の人たちは何考えているのかなと思うのですが、大蔵省、今の財務省でつくった減価償却という、専権的な費用見積という耐用年数を大幅に下げたわけです。これに従った措置を、固定資産税をとれば、50年が何年、旅館業の場合、飲食業の場合は最高で41年で減価償却できるわけですから、そういったものを速やかに固定資産の評価の中に生かしていければ、生衛関係を含めたところの中小企業の人たちというか、固定資産税の経過年数と負担額の減少というものになるのではないかなと思いますので、是非ともそれは、役所同士の話し合いにとどまらず、国民的な声を吸収して、固定資産税評価減につなげていったらどうかなと思います。
○芳賀座長 ありがとうございました。それでは、中村構成員のお話について、何か御意見等ございますか。
○高橋構成員 今、原発と震災で東北は大変ですけれども、この共同利用というような形で、小さな地域でしょうけれども、そこの旅館ですとか飲食ですとか、まとまって主要駅からお客様を送迎するような形で、共同運行でバスなどを使う。先ほど中村構成員の方から、療養施設や何かで巡回営業というお話が出ましたけれども、今、東北の方に余り人が行かなくなっている。それに対して、主要駅から足の便を確保して、どうぞ来てくださいと。人が行けば、その地域が元気になる。そのときには、30軒、50軒あればバスの運行もできるでしょうけれども、3軒、5軒の地域でもこういう共同運行ができるような国のバックアップというのがあれば、また利用実績が出るのではないか。そんなことを感じております。
以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。最近、ニュースでも、買い物弱者とか買い物難民なんていう言い方をするみたいですけれども、御高齢の方が日常の買い物にも電車に乗って出かけなければいけないとか、最近、ニュータウンでよくそういうことが起こってきていると聞きますので、そう考えますと、いろんな業種で、今、高橋構成員が御指摘くださったような、シャトルバスみたいな、そういうイメージですね。
○高橋構成員 生活衛生組合で運営するというところで絞り込みが図られると思うのですけれどもね。
○芳賀座長 はい。そういうものにこの制度をうまく使っていって、実績つくっていけば、それがまた呼び水になっていろんな業種で利用が進むという善循環ができれば望ましいですね。
○堀江生活衛生課長 参考資料3のところに、南紀白浜温泉シャトルバス、これはちょっと情報見つけてきましたというだけの話でございますけれども、ここのところには、そういう政策手段と対象のミスマッチがあるのかもしれないのですが、温泉旅館共同組合でバスを持ってやっているというところがあって、生活衛生協同組合で持っていると、多分、生衛の税制の対象になるだろうと思うのですけれども、そのバスの持ち方みたいなのとちょっと関係してしまうのかもしれませんが、旅館なりホテルですとこういうやり方も特にしていて、主要駅から、熱海なんかに行くと、番頭さんが待っていて、うち、うちと言って引っ張っていってしまうのでしょうけれども、白浜辺りだとむしろもうちょっと距離があるのですかね、こんなやり方をしていますということがあって、ただ、これが生衛組合で持っているのではないというところが少し難しいところかもしれません。
○芳賀座長 ありがとうございました。そのほか、御意見等ございませんか。
○増田構成員 この税制改正で租税特別措置のいろんな項目があって、その維持・運営がなかなか大変な点が多いと思うのですね。この資料の13ページの上の税制改正大綱にあるように、税負担の公平の原則の例外であって、もう既に時代にマッチしてないものとか適用件数が少ないものはもう廃止していきますというのが今の流れなわけですから、そういった意味では、現在の優遇税制の維持運営というのは非常に利用実績を高めていかなくてはいけないと。
そういった点から考えてみますと、そもそもこの租税特別措置に挙げられる項目は大きく2種類あると思うのですね。1つは、政策的に誘導するために、インセンティブとして租税特別措置を設定する。あともう一つは、いろんなグループ、各団体が是非これを実現してもらいたいという要望を踏まえて、政治なり行政の方が動くということだと思います。
それで、私、正しいかどうかわかりませんけれども、最後のホテル・旅館などについては結構2番目の要素が強いのではないかと思うのですね。一方、この共同利用施設とか公害防止用、これはある意味で行政施策を推進するためのものでないだろうかと思っています。特に共同利用施設の場合には、昭和55年、環適法の改正のときに設けられたものであって、要するに、いろんな組合活動を振興する一環として、こういった共同利用施設も各組合で活用しましょうと。それをバックアップするためのものとして、こういった税制の優遇措置をつけようとしたのではないかと思うのですね。そういった点から言うと、最近、利用実績が非常に少ないというのは、客観的に見ると、そういった各組合の活動が不活発になっているということの反映ではないかと思うのですね。
そういった点で言うと、せっかくそういったシステムができた制度ですから、各組合において、先ほど共同バスの運行の例が出ましたけれども、一体どういったものが適用になるかということをやはり生衛組合自身がきちっと考えていかないと、なかなかこの維持は難しいと思うのですね。そういった意味でのPRと、それから各生衛組合の方も、これをまさに自分の問題としてとらえて、いろんなものを提案していくという試みが必要でないかと思っています。
そういった点で、ちょっと私の意見ですけれども、その政策を誘導するという意味で、最近、私もいろんな関係団体の方と話をして、何かニーズがあると思われるのが受動喫煙の防止のための設備機器なのですね。実際は、この間、神奈川県で受動喫煙の防止条例ができたり、あと飲食店などはその設備を設置したり、施設内を区分けするとか、かなり費用もかかっています。それで、実は公庫でも受動喫煙防止の特別な融資があるのですけれども、余り利用されてないのですね。ですから、その利用の活性化と、併せて、今、世の中の流れが受動喫煙防止ということに動いていますから、そういったものを行うときに、この税制面でもバックアップしていくというのがいいのではないか。こういったものですと、最終的に税制の優遇措置であっても、国民全体の合意が得られれば行政的にも政治的にもやりやすいと思いますので、その辺、新しいものとして考えていただけるとよいのではないかと思っています。
○芳賀座長 ありがとうございました。幾つか問題点というか、課題が見えてきたような気がするのですけれども、生衛業、特定業種だけで、例えばこの制度を利用したときに、得られる利益が独占できないということが1つは問題なのかなあという気がしますけれども、例えばある生衛組合がこれを利用して、そこからもたらされる利益が商店街全体に拡散してもいいのか、正の外部性と言いますけれども、そういった外部効果が出て商店街が活性化すれば、それがまた生衛組合に戻ってくる。そうした長期的な観点から利用を考えるということもきっと必要になってくるのではないかなと思いますし、そういったことで成果が出てくれば、商店街を構成している幾つかの生衛組合がこの制度を利用するようになって、ますますそういった善循環が始まったりするのではないかなあとも感じました。
それでは、4つ目の議題の方にそろそろ移らせていただきたいのですけれども、議題の4、生活衛生融資制度の活性化方策についてですが、深沼構成員、山岡構成員から、提出資料に基づき御説明をいただきます。その後、事務局から説明をお願いします。
なお、各説明者の方のプレゼンに対する確認事項については、その都度確認し、全体の議論はすべてのお話が終了してからいたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、深沼構成員からお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○深沼構成員 「小規模企業金融の特徴」ということでお話をさせていただきます。
最初にお断りしておきますと、今回ここでお話しするのは、規模の小さい企業に対する金融の特徴ということであって、何も生活衛生業だけの問題ではないということです。もう一つは、では規模の小さい企業と規模の大きい企業の境目はどこかというと、いろいろ法律的な定義、これから御説明するものがありますけれども、厳密にどこからどうなるというものではありません。比較的連続的に変化していくものであるという特徴はあると思いますが、中小企業金融、あるいは小企業金融というものをいろいろと勉強している研究者、あるいは実務家の中で、ある程度共通認識として持たれているものを御説明させていただきます。
スライドの2番と3番、これは法律上の中小企業、あるいは小規模企業の定義であります。3番は、その中小企業や小規模企業がどのぐらいいるかということですが、これは、前回、前々回の資料の中に入っておりますので若干割愛させていただきまして、まず「経営形態」のところ、スライドの5番から御説明したいと思います。
これは事業所・企業統計調査のデータですが、上にあるのが従業者数ですね。次に、法人であるか、個人であるか、法人の形をとっているか、あるいは個人営業であるかというのをデータで示したものです。括弧の中がパーセンテージですが、これを見ていただきますと、従業者数が4人以下では法人というのは4分の1程度でございまして、4分の3が個人営業であるというのがわかると思います。5~9人のところで五分五分、半分半分ぐらい、10~19人のところになりますと、法人が75%、個人が27%となってきましてだんだん法人のウエートが高くなるのですが、いわゆる規模の小さい事業所、企業といいますと個人の経営が非常に多いということが金融面の特徴としても挙げられます。
次の6番、売上高、これは大きさのイメージをつかんでいただくためにざっと示したものですけれども、これは財務省の法人企業統計調査、タイトルどおり、個人企業は含んでいない、法人だけのデータになるわけですけれども、資本金別に並べてみまして、カテゴリーで一番小さいところ、資本金が200万円未満の非常に小さい法人ですね。こういうところになりますと、売上高の平均が、一番下の全業種計のところで4,200万円ぐらい。例えば生活関連サービス、次のところ、これは理・美容、クリーニングがほとんどになるわけですけれども、これだと大体3,000万円くらい。個人が入っていませんので、これでも多いかなという感触を持たれる方もいるかもしれません。中小企業と言うと何億も売り上げがあるというイメージを持たれる方もありますけれども、売上高は非常に小さい層が多いということです。
次の7番は同じ統計で、その年の「採算」を見ているわけですけれども、これを見ますと、規模の小さいところというのは非常に赤字の企業の割合が高い。これはあくまで財務諸表の平均値なので、例えば企業の割合が半々であるという意味ではないのですけれども、平均して赤字であるというのが、ざっと見ておわかりいただけるのではないかと思います。サンプルの特性で、10億以上のところ、業種によっては大きな赤字が出たりしているところもありますけれども、大体規模が小さいところは平均では常に赤字であるというようなイメージかと思います。
8番も同じ統計ですけれども、ではどのように資金調達をしているのかというのを、これはバランスシート、貸借対照表の平均値から見たものです。これも、一番左のところを見ますと、まず驚くのが、自己資本の割合が平均でマイナスになってしまっている、要は資本金を割り込んでいるような状態が平均値であるということです。では、その割り込んだ分、どうやってお金を調達しているのかといいますと、借入金です。内訳で言うと、金融機関から60%くらい、その他が14%程度で、その他の中には、例えば経営者、代表者の個人の勘定から法人が借りているというようなケースも含まれますけれども、いずれにせよ主に借入金で賄っている。
横に見ますと、金融機関のウエートというのが、規模が大きくなるとどんどん減っていくのですね。次のカテゴリーだと34%、一番大きな10億円以上、大企業ですけれども、20%ぐらいになってきまして、金融機関への依存度が減っていく。かわりに自己資本が非常に大きくなっていくということです。この自己資本が弱くて、借入への依存度が高いというのが一つの、小さな企業の財務的な特徴であると思います。
では、9番、これは私どもの総合研究所の前身である研究所が行った調査で少し古いのですけれども、まず、左側の数字は売上高です。年間の売上高ですので、一番上は全体の数字ですが、2番目のところ、5,000万円未満の売上高のところ、借入を1回の単価というのは、1,000万未満というのが63%ぐらいです。平均で見ても1,300万ちょっと、中央値で見ますと620万ぐらいということで、ちょっとこのイメージを覚えておいていただきたいのですが、規模の大きなところと比べると、右側に平均値、中央値を出していますけれども、単価的には非常に小さい融資であるということがわかります。
こうした売り上げの場合、どういったところがメインバンクになっているかというのを同じアンケートで聞いているのですけれども、まず特徴的なのは、メインバンクは無いというところが結構あります。一番上のところだと、26%ぐらいがメインバンクがない。これを翻訳しますと、恐らく、ふだん余り金融機関とのつき合いがないということになるかと思いますけれども、そういう企業が結構含まれているということ。もう一つは、メインバンクがあると回答したところで、その中で大きなウエートを占めるのが、地方銀行であったり信用金庫、あるいは信用組合であったりということです。いわゆる都市銀行のウエートというのは非常に小さくて、地域の金融機関が活躍している分野だということが言えるかと思います。
次の11番、借入の全体像はどうなっているのかというのを見たものです。なかなかいいデータがないのですけれども、これは日本銀行の集計しているデータです。1つは、ここで気がつくのは、実は日本の中小企業向け融資、この場合の中小企業は、最初に定義にありましたかなり大きな規模を含んだ中小企業ですけれども、いわゆる銀行や組合、信用金庫、信用組合、こういった民間の金融機関が94.5%を融資している。では、政府はどうなのかというと、日本政策金融公庫のところで5.5%程度です。細かく分けますと、国民生活事業、もとの国民生活金融公庫ですが、これが2.8%、中小企業事業が2.7%、大体同じぐらいのウエートです。
ちなみに、生活衛生については、中小企業金融の中では0.2%とそれほど大きなウエートではない。民業圧迫という議論が常に政策金融にはつきまとうわけですけれども、バランスといいますか、ウエートで見ると、大体5%から6%ぐらいというのが、長い年月、例えば10年、20年を見ても、商工中金をどう扱うかという定義上の問題ありますけれども、現在の国民生活事業、中小企業事業に関してはそれほどウエートは変わっておりません。不況期に若干プレゼンスが大きくなって、好況期には下がるというのはありますけれども、大体5~6%ということです。
データの最後ですが、「財務状況」です。これはDIという指標を使っております。定義は、下に(注)で書いてあるとおりですけれども、簡単に言いますと、財務状況について、プラスに評価している企業とマイナスに評価している企業があるわけですけれども、その差をとっております。プラスの企業の割合からマイナスの企業の割合を引いたもの。つまり、これが0になりますと、50%、50%、プラス評価が50%、マイナス評価が50%ということになります。
これを見ますと、一番太い線、実線が小企業で、従業者数が20人以下の企業のデータですけれども、大企業や中小企業と比べると非常に悪い。DIが非常によくない、つまり資金繰りが苦しいという判断をされている。これは1998年から最近までデータとってあるのですけれども、好況期、不況期、余り関係なく、資金繰りについては大変だと考えている企業が多いということです。
データをここまで整理しましたけれども、では、小規模企業の資金制約というのはどういうところにあるのか、何で発生しているのかというのを簡単に整理して話を終わりたいと思います。
まず、小企業金融の構造的な課題として、ここでは3つ挙げております。1つが情報の非対称性、2つ目が貸し手の規模の経済、3番目が弱い財務体質ということです。
14番ですけれども、「情報の非対称性」、ちょっと経済学の専門的な言葉ですが、簡単に言いますと、金融機関が持っている情報と企業がそれぞれ持っている情報が完全に一致しない状態です。要は、企業のことがよくわからない、金融機関にとってブラックボックスになっているところが非常に多いというのが、小規模企業、あるいは中小企業を含めた規模の小さい企業の特徴だと言われております。
その理由としましては、例えば帳簿の整備が不十分であったり、あるいは、先ほど個人経営が多いと言いましたけれども、家計と事業が明確に分離されていないケースというのも、恐らく規模が小さいほど多くなる。外部の機関、これは例えばマスコミや行政なども含めてですけれども、外に対する露出というのはやはり規模が小さくなるとどうしても少なくなってくるということで、情報はやはり出てこないという特徴があります。
恐らくこれに対してはある程度金融機関の側の努力もそうですけれども、企業側の努力、つまり、できるだけ情報をきちんと整理して、金融機関にそれを提示していくようなことで解決できる部分もひょっとしたらあるかなと思っております。
2番目、15ページ、「貸し手の規模の経済」です。これはまさに構造的な問題ですけれども、融資の可否を判断するコスト(審査コスト)というのは、融資額とは正比例しません。簡単に言うと、融資額が半分になってもコストは半分にならないということです。つまり、例えば1億円の融資と1,000万円の融資で、コストは10分の1にはなりません。ということは、規模が小さい、単価の小さい融資ほど金融機関にとっては割高といいますか、費用のかかる商品、あるいはお客様ということにどうしてもなってしまう。小規模ほど融資単価が低くて、金融機関の採算に乗りにくい。これは構造的な問題として挙げられると思います。
最後、財務体質の弱さですね。先ほどのデータにもありましたように、小規模になるほど赤字の企業が、残念ながら多い。もう一つは、資産の部分が少ないものですから、担保となるような不動産のような資産も自然と少なくなる。もう一つは、自己資本が少ないということは、不況であるとか、災害であるとか、そういうショックにどうしても弱い部分があるということで、これらを総合しますと、金融機関のサイドから見れば、規模の大きなところに比べると相対的に信用リスクが高いグループになってくる。
こうしたことから、最後のまとめですけれども、小規模企業というのが民間金融機関からの資金調達が困難になるケースがどうしても出てくるということで、公的部門の金融補完機能、公庫も含まれますけれども、そうしたものに一定の役割が認められるというのが、我々が存在している根拠としてよく言われてきました。
一方で、今やはり問題になっているのは公的部門の財務の健全性でありまして、公的部門、あるいは公的金融機関であったとしても、ある程度財務の健全性が求められている、そういう時代になってきているということではないかと思います。
簡単ではございますが、以上で説明を終わります。
○芳賀座長 ありがとうございました。
続きまして、山岡構成員からお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○山岡構成員 よろしくお願いいたします。
資料ですが、資料5というのが私のレジュメになっています。「生衛貸付に係る推せん書の在り方について」というレジュメです。1枚だけです。先日の増田構成員からの御提案というか、推せん書の金額の引き上げということについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
結論から言いますと、引き上げをするのはいかがなものかというお話です。そちらのレジュメに表が書いてあるのですけれども、今の借入の申込者がどのような動きをされるかということですが、まず、借入をされようという方が出てきた場合、その方が組合員であるか組合員でないかで2つに分かれます。組合員であれば組合の方へ行かれる、その他一般の場合の方であれば、一般貸付を御利用されることになりまして、指導センターの方に来られる。これは知事の推せん書と名前がなっておりますけれども、知事が発行されている場合と指導センターが発行させていただいている場合と、半々に今のところなっています。ちょっと指導センターの方が上回るぐらいかなという感じです。
設備の申込金額が300万円以上の場合であれば、新規開業であろうが既存営業だろうが、こちらの知事の推せん書、またはセンターの推せん書が必要になってきます。
というようなことで、先日のお話では、この金額をもう少し上げれば利用者が増えるのではないかというようなお話だったかと思います。具体的に、こちらの300万円以上の申し込みをされる方が、京都府の場合は4月から指導センターになっているのですけれども、指導センターに来られて何をさせていただくかといいますと、まずは、推せん書を発行するための審査をさせていただきます。審査については、法令の趣旨や行政方針に合致しているか、社会的批判を受ける営業に該当していないか、料金が大衆的と認められるかなどなどいろいろ項目があるのですけれども、そういったことについて審査をさせていただいて、推せん書を発行していいかどうかの可否を決めております。で、推せん書発行できる方については発行させていただく。
実はそれだけの機能ではありませんで、指導センターに来ていただいた方については、その発行だけでなく、計画書とか申込書、見積書からすべて全部見せていただきまして、必要なアドバイスをさせていただいております。衛生については当たり前のことですけれども、それ以外にも、その衛生を支えるために、経営であるとか、労務であるとか、経理であるとか、税務。税務については詳しくはできないのですけれども、に近いようなことをさせていただいておりまして、審査以外にも、アドバイスという機能がありますということです。
もう一つの機能としては、表の方にも書かせていただいているのですけれども、組合への紹介をさせていただけるということですね。こちらの方に来なければ、公庫さんの方でも御案内は多少していただいているかとは思うのですけれども、詳しい話というのが、時間的な問題もありますので、なかなかそこまでは手が回らない部分もあるということで、センターの方へ来ていただきましたら、組合の一つひとつ、飲食に関しても、寿司から中華から麵からありますので、どこに該当するのかということもありますし、それぞれ地方によって組合の特徴もございます。組合費の話もございます。ですので、こちらの方に来ていただくことで組合の紹介が円滑にできるのではないかと思っております。
それ以外にも、指導センターに来ていただければいろいろとアドバイスさせていただけるところがあるので、単純にこの推せん書を発行させていただいているだけではないということをまずお知りいただきたいと思います。
この4月から京都では推せん書発行させていただいているということで、どのぐらいうちに来ていただける数が増えたかといいますと、既存営業者の相談が昨年の場合ほどになりまして、先ほどの表にもありましたように、申込者が組合員さんか組合員さんでないかというところで分かれるので、アウトサイダーの方がうちの方に来られるというのが多いわけですね。その増えた分についてはすべてアウトサイダーの方なのではないかと思います。
そのうち、実はいろんな御案内をさせていただくのですけれども、食中毒保険の御案内を皆さんにさせていただいているのですが、その増えた方については加入していないですし、加入していないというよりも、存在すら知らないという方が多くて、非常にそういったことの説明の必要性を感じます。この4月からですけれども。
ふだん、組合に対してはいろんな情報提供させていただけることがあるのですけれども、こういったアウトサイダーの方に関しては、なかなか情報発信するツールもないし、機会がないのですね。この推せん書発行というのはそのいい機会になっているわけです。ですので、推せん書発行という機能だけではなくて、いろんな情報発信であったり、組合の紹介ができる機能を備えておりますので、むしろ300万円を引き上げると言わずに、引き下げるとか、300万円をなくしてしまって、全員の方に来ていただいても私はいいのではないかと思っております。
この機会にですけれども、指導センターも、生活衛生融資と同じように、生活衛生業を国がバックアップするためにつくられた機関でありますし、いろんなアドバイスを、先ほど深沼構成員がおっしゃったように、非常に規模の小さいところが多くて、御夫婦でやっておられたり親子でやっておられたりするので、数値のこととか、衛生がどうしたとかいう話よりも、お父さんが言うこと聞いてくれへんねんとか、親が営業許可渡してくれへんねんとか、そういった細かい相談が非常に多いのですね。ですから、そういったことにゆっくり御相談に乗って差し上げたいというのがうちの現場としての意見ですけれども、なかなかきっかけがないので、そのきっかけをできるだけ多くしていただければと思います。
実は、自己資金よりも融資の申込額が多い方、いわゆる2分の1の方については指導センターの確認印が必要であるという制度が以前はあったのですけれども、数年前にこれがちょっとお知らせなく撤廃されてしまいまして、非常に指導センターに来られる方が減ってしまったということがあるのです。ですので、そのことがあった直後ですので、更にここで引き上げというのはちょっとと思います。これは特に指導センターがどうのというわけではなくて、利用者の方の利益につながることだと思いますので、できればそうしていただきたい、このままに置いていただくことをお願いいたします。
以上です。
○芳賀座長 ありがとうございました。時間が余りなくなってきましたので、続けて、事務局から御説明いただきたいと思います。お願いします。
○新津課長補佐 それでは、資料6以降を御説明させていただきます。
 資料6と7を併せてごらんいただければと思います。資料6につきましては、前回の資料でも御用意させていただきましたが、生活衛生営業に対します貸付の推移ということでございます。この22年度の内訳がどの業種でどう使われているかといったものが資料7になっております。22年度の資料6の青い部分と薄い青の部分が資料7の左側、特に運転資金の合計欄、11,272という数字をごらんいただきますと、資料6の薄いブルーの部分、それから資料7の設備資金、50,652、これの部分が資料6の青の部分という形になっております。
 同じ比較でごらんいただきますと、資料7の普通資金の運転、設備資金がそれぞれ金額が明示されております。それぞれ直接扱いの部分についての集計でございまして、どの業種がどの資金によって使われているかといったものを示させていただいております。
 続きまして資料8をごらんいただければと思いますが、資料8につきましては、この4月から新たに導入しました振興事業促進支援融資制度、これにつきまして振興指針に基づきました事業計画書を作成して、一定の会計書類を備えた場合につきましては0.15%引きますということで、4月から始まった制度でございます。この制度につきまして、4月の利用実績として、合計で、今、67件、金額にしまして3億700万ほど利用実績がございます。これは飲食と喫茶店と合わせておりますが、件数にしまして32件、1億4,000万、それから美容業につきましては21件の7,400万、旅館につきましては2件の3,600万と、それぞれごらんいただけるような内訳となっておりますので、御参考までにごらんいただければと思います。
 資料9につきましては、この振興事業促進支援融資制度の金利が一体どうなっているのかといったところは、参考でわかりませんというお話がございまして、資料9といいますのが、株式会社日本政策金融公庫の生活衛生資金貸付、これは毎月金利の見直しがある中で金利改定したものをお配りしていますが、この中に、この0.15を引いた利率を今後参考としてわかりやすく示していきたいということで御用意させていただいております。
該当しますのが、基準利率のすぐその隣に振興運転利率?、事業としてはその下に振興事業促進支援融資制度、これが基準金利から0.15を引きますので、5年以内の2.15といったところは2.00%、それからもう一つ、特別利率?のすぐその隣に振興貸付運転利率?としてございますが、ここについては、運転資金、標準資金標準営業約款を導入しております利用店につきましては、特別利率?から0.15を引くというものでございます。
 それからもう一点、設備利率としましては、特別利率?という隣に振興貸付設備利率、ここで特利?から0.15を引いた利率というものを新たに加えてお示しするということで考えております。
 続きまして、資料10でございます。これが先ほどマル経の手続の中でもございましたが、衛経の審査手続としまして、通常の取り扱いといいますのが、上段にございます経営指導から事後指導までのブルーの部分。これは組合で実施していたわけでございますが、その下の部分でございます。平成22年度から可能とされた取扱ということで、従前、組合だけで取り扱っていたものが、都道府県指導センターを含めて審査、それから審査委員会といったものに付すこともできるということで、22年度からの取り組みとして、どちらでも可能ですということで始めたものでございます。
 これにつきまして、前回お話ございましたので、改めてここで、どちらの取り扱いもできますということで御紹介させていただきます。
 続きまして、資料11でございます。資料11につきましては、資料9をちょっとごらんいただければと思います。利率の右から3段目、振興貸付設備利率といったものがございますが、こちらで特別利率の適用設備等として適用となっております、業種別にどういった設備があるかといったものをお示しさせていただいております。業種ごとに色分けをさせていただいておりますが、青につきましては21年度に導入した設備、グリーンにつきましては22年度導入、黄色につきましては23年度に新たに加わったものでございます。それで、各業種、それから設備の名称、その右側に?とか?とか?とかございますが、これがそれぞれ適用となっています利率の一覧となっております。
 次のページにつきましては、組合について適用している業種ごとの設備、施設の一覧ということでございます。
最後に参考資料4でございますけれども、二重ローンのお話でございまして、被災者への新たな貸付が、いろいろ制度ができた中でも、既往債務の返済といったところがそのままであると二重ローンという問題が非常に大きいということで取り上げられておりまして、この二重ローン問題につきましても、政府・与党のプロジェクトチームの中でいろいろと検討されております。生活衛生貸付につきましても、こういった中で乗りおくれないように併せて取り組んでいきたいということで、関係します新聞記事の方を紹介させていただいております。
事務局からは以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。
融資につきまして、深沼構成員からは中小企業金融の実態と意義について、それから山岡構成員からは生活衛生貸付の融資手続について、より具体的なお話、それから事務局からは、融資実績、審査手続等について御説明をいただきました。これらのお話について意見交換を行いたいと思います。どなたからでも結構です。御質問、御意見あればお願いします。
○村橋構成員 まず最初に、「小規模企業金融の特徴」というのを読ませていただいて、まさにこのとおりだと思うのですが、8ページの借入、その他、14.4%というのがございますけれども、これは恐らく、具体的に言うと、個人借入、親からの借入とか、そういったことプラス、個人のカードローンであるとか、場合によればキャッシングというのも含まれているでしょう。更に言えば、この表に出てこないリース、これは損金で落としているので、恐らくこの中に入ってないのかなと。これの依存も、かなり新規店舗の出店の場合には負担が大きいと思います。
何が負担大きいかというと、それぞれすべて金利が高いということです。通常の制度融資等を使えば安く済むのを、こういった形で高利の制度というか、仕組みを使わないと運営ができないという状況があって、これが素直に経営を圧迫している。その結果が恐らく、この表でいう12ページのこういった財務状況、キャッシュフロー。このキャッシュフローを見て、喜んで貸す民間金融機関って余りないのではないかと素直に思います。
 要するに、こういう信用力の弱い小規模企業の信用を何かの形で補完するというか、担保できないかなと考えます。先ほど、商工会の金融審査会が融資実行に際して影響力あるかないかという問いをしましたが、まさにそのことが聞きたかったということです。先ほど資料10を見てみましても、この今ある審査委員会、ここに何かの形で信用を担保できるような機能、それは営業指導センターの機能を強化するという形でもいいですし、また、新たにそれぞれの部門から集まって、いわゆる生衛金融審査協会みたいのをつくってやってもいいかなと。とりあえずそこにそういう形で事前の審査並びに事後のフォロー、事業指導を行うということを担保に、先ほどの公的関与についての議論でありました公的部門の金融補完機能に一定の役割が認められるという部分を今は重視すべきで、公的部門の財務健全性というのはちょっと今は置いていただいて、そういう政治判断の上でこういう制度を使っていかないと、なかなか現場としても借り入れる魅力がない。通常、自分の信用力では、1,000万申請して500万しか出ないけれども、この制度を使うことによって、例えばそれが1,000万になる、800万になるということであれば、やはり利用者は利用すると思います。そういった意味で、何かそういう仕組みができないかなと考えます。
○芳賀座長 ありがとうございました。ほかには。
○増田構成員 私は、山岡構成員の今日の資料の、前回の私の提案に対する反論といいますか、そういったことですので、ちょっと私の前回の提案の補足をしたいと思うのですけれども、前回申し上げましたけれども、この生衛貸付が伸び悩むどころか、ずうっと融資額が減っていると、どこに原因があるだろうかというので、このワーキンググループの親の検討会、前回の検討会でもいろいろその手続の簡素化というのを打ち出しています。
 今回も、各支店の方に、いろんな意味で、この生衛貸付制度の改善点についていろいろと聞いたところなのですね。その中の一つで、この知事推せん書の廃止とか、あるいは基準額の引き上げというのが出ていまして、どうしてそういう理由が出るかというと、1つは、手続が煩雑であって、簡略化を求めるというお客様からの要望が極めて強い。それから、この推せん書という名前が融資を受けやすいという誤解を招く場合がある。実際に本当に信用度とか、そこまで全部チェックしているならともかく、いろいろ各県によってばらつきがありまして、非常に形式的なところもどうもあるようなのですね。
 そうなってくると、実際上融資できるかどうかの審査というのは、また公庫で行いますから、そうすると、その前段階で、この推せん書という名称が誤解を招きやすい。それからお客様にとって、事務負担がかかるわりにメリットがないということなのですね。もともと非組合員の方で、一般貸付ですから、振興貸付と比べてほとんど特利がないわけですね。こういった手続を踏んで、やっと普通の基準利率ということであれば余り意味がないではないかと。そのような要望をよく聞くというので、前回、提案した次第なのですね。
 それで、途中で、この手続で組合への参加加入を案内する効果もあると言われましたけれども、実はこの制度はそもそも都道府県が推せん書を出すという仕組みなわけですね。そもそもこの仕組みがなぜあるのかというと、この間私から言いましたように、生衛貸付の仕組みの中で、そういった資金融資が本当に衛生の確保とか改善に寄与するのかどうか。それを都道府県の主管部局が判断するというところに意味があったと思うのですね。それがいろんな流れで、金額が小さいものについてはそこまでやる必要はないでしょうと。あるいは利用者の利便性の向上というところから、金額が徐々に引き上げられて、今、300万になったということだと思うのです。ですから、そもそもの制度の中では、県が組合の加入を促進するとはちょっと思えませんので、そういったものはなくて、ですから、組合の加入というのはあくまでもこの制度に伴う反射的なものにすぎませんから、それが大事だからこの制度を残すべきだというのは少し違うのではないのかと思います。
 それで、先ほどちょっとセンターの対応の仕方が大分県によってばらつきあると申し上げましたけれども、先ほど最初の商工会でありましたように、非常に経営相談員の方が多くてきめ細かにやっているのと比べると、この生衛の仕組みの中では、各センター、3人か4人の経営相談員ですね。しかも県に1か所しかないわけですから、そういった意味で、こういう仕組みを入れた段階の中でのアドバイスとか、それがどの程度まで生かされているだろうかと。ですから、そちらの方が本当に意味あるのかどうかとか、そういったところも見る必要があるのではないのかと思っています。
 それで、ちょっと付言して言いますと、私がこの間提案しましたのは、手続の改善の中の一つの項目でありまして、実はそれ以外に、たまたま山岡構成員の図でも、左側に振興貸付のいろんな仕組みがありますけれども、この中でも、特相員による推せん書の発行とか、あるいは組合の資金証明書の発行とかとありますが、こういった仕組みが果たして本当に必要なのかどうか、もっと簡素化できる余地があるのかないのかとか、そういった点の議論も必要だと思います。それからあと、いろいろ県ごとに必要な書類もばらつきがあると。ですから、そういったものの統一化も必要でないか。そういった意味で、やはり手続全体をもう一度見直す必要があるのではないかと考えています。
○芳賀座長 ありがとうございました。
最初の、300万円がどうなのか、上げた方がいいのか下げた方がいいのかというのは、それぞれやはり視点が違うというか、目的によって違うのだなあという感じがしておりまして、1つは、融資業務の効率化、あるいは申込者から見た手続の簡略化という観点からいくと上げた方が望ましいかもしれないし、逆に、センターの方から見て、いろんな事業者との接点づくり、あるいはコミュニケーション機能といいますか、情報伝達を広げていく、食中毒保険すら知らない、そういう方もいらっしゃるといった中で、行政と個別事業者との接点としての役割を強調した場合にはハードルを下げた方がいいというか、接点として来やすいところにした方がいいのではないか。ある種、それを申込金額というのでやるとトレードオフみたいな形になってしまうといったことで、少なくともこの両方とも重要な課題であることは間違いないのではないかなと思います。
○山岡構成員 済みません。なんか終わらなそうですけれども、先ほど、奇しくも増田構成員の方からお話がありましたので、1つ御提案というか、先ほど言われましたとおり、知事の推せん書とセンターの推せん書がばらばらになっていると。都道府県の対応もばらばらになっているということが、今ちょっとどうなのかなあと私の中では思っていまして、実際、都道府県の推せん書は形骸化しているという話も聞いたりするのです。指導センターの方であれば、先ほど申し上げたような機能を発揮することができるので、費用的な問題とか都道府県の問題とかいろいろあると思うので、即座には難しいかとは思うのですけれども、知事の推せん書というのをすべてセンターの方に委託できるような格好で進めていただいたらいいかなと私は思います。そうすることで、ばらつきもなくなりますし、先ほどの機能もすべて生きてくる。
もう一つ、推せん書という言葉が借りやすいようなイメージがあるとおっしゃいましたけれども、実際借りやすいようにしていただけたらありがたいなと思いました。先ほど村橋構成員の方からもありました、審査委員会が信用担保できるような組織になったらいいのになというお話もありまして、指導センターに来ていただいて十分にお話を聞いていただければ、利率優遇なりその辺りを少し検討していただければ、来ていただく意味もあるのかなと。
 簡素化とか、手続を省いていくということは、融資をよく利用していただくという点でいいことかもしれないのですけれども、もともとは、恐らく生活衛生融資というものができた背景としまして、衛生規制があると。そのために融資制度の優遇を図ろうということで生まれたかと思いますので、その辺りの指導をどこでしていくのですかというお話になってくるかと思うのです。ですので、これは融資を通してうちの方でそういった指導をさせていただくということで、この生活衛生融資の意義があるのではないかと私は思っておりますし、ただ、その御判断をされるのは恐らく厚生労働省だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○芳賀座長 ありがとうございました。生衛業の活性化という観点から言うと、融資だけではないので、いろんな角度からのアドバイスもきっと必要なのだろうと思います。
本当に申し訳ありません。2回続けて時間超過しておりまして、まだまだ皆さん方御意見等おありになるかと思いますけれども、時間がなくなってしまいましたので、本日はここまでということにさせていただきたいと思います。御意見ございましたら、事務局の方にまたメール等で御連絡いただければと思います。
 最後に、事務局から連絡事項があればお願いします。
○堀江生活衛生課長 ありがとうございました。時間の割に盛り込んだ内容が多過ぎるとまたおしかりを受けそうではありますけれども、追加的なコメントなどありましたらば、是非メール、ファックスで事務局の方にお寄せいただきたいと思います。
 ちょっとだけ感想を申し上げますと、それぞれ大変いい資料をつくっていただいて、理解は進んで、本当に感謝申し上げます。議事録につきまして、原案ができた段階でまた構成員に確認をいただいた後に、ホームページで公表させていただきたいと考えております。また、次回は、それぞれ御発言いただくというだけでなくて、少し話も整理しながらいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしますが、来週の木曜日、2時から4時に開催して、論点を整理させていただく予定であります。
 以上です。
○芳賀座長 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第3回「生活衛生関係営業に係る税制及び融資制度活性化方策検討ワーキンググループ」を終了いたします。本日は、お忙しい中どうもありがとうございました。


(了)
<本件に関する問い合わせ先>

健康局生活衛生課

 新川智之: 内線2439
代表電話: 03-5253-1111

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