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平成22年12月27日(月)

医薬食品局審査管理課

化学物質安全対策室

室長 長谷部

担当 柴辻、古田、間宮(2424)

(代表) 03-5253-1111

平成21年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告について


 厚生労働省は、家庭用品等に関連した健康被害情報を収集するため、皮膚科領域及び小児科領域の病院並びに(財)日本中毒情報センターの協力を得て家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告制度を実施しています。
 今般、平成21年度における、これらの病院等からの健康被害報告の内容について家庭用品専門家会議(座長:伊藤正俊 東邦大学名誉教授)にて検討を行い、報告書を取りまとめたので公表します。報告書の概要は別添のとおりです。
 厚生労働省では、消費者をはじめ、地方公共団体、関係業界団体等に対して本報告書の内容を周知するとともに、引き続き本制度を通じて、家庭用品に含有される化学物質による健康被害の実態の把握と情報提供等を推進していきます。


【報告のポイント】
・皮膚障害は、装飾品(金属製)が33件と最も多く報告された。
 →症状が発現したら、原因製品の使用を中止するか、他の製品を使用する場合には、金属以外のものに変更する。
・小児の誤飲事故は、タバコが131件と31年連続で最も多く報告された。
 →1歳前後の乳幼児がいる家庭は、タバコの取扱い及び保管方法に注意し、飲料の空き缶やペットボトルを灰皿代わりにしないこと。
・吸入事故等は、殺虫剤が245件、洗浄剤が134件報告された。
 →使用上の注意をよく読み、正しく使用すること。塩素系の洗浄剤と酸性物質の混合には注意すること。



(別添)

平成21年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告(概要)

 本制度では、モニター病院(皮膚科、小児科)の医師が家庭用品等による健康被害と考えられる事例(皮膚障害、小児の誤飲事故)について、また、(財)日本中毒情報センターが収集した家庭用品等による吸入事故等と考えられる事例について、それぞれ厚生労働省に報告することになっており、平成21年度に報告された事例の件数は、合計1,523件(前年度1,565件)であった。
 それぞれの報告件数の詳細は以下の通りである(表)。

表1 平成21年度 家庭用品等による健康被害のべ報告件数(上位10品目)

(注)皮膚障害では、原因となる家庭用品等が複数推定される事例があるため、報告事例総数(118例)とは異なっている。


1. 皮膚障害に関する報告

(1)調査結果の概要と考察

・報告された事例は、133件(前年度134件)であった。
・皮膚障害の原因となった家庭用品等の種類は装飾品が33件、下着が11件、洗剤が10件等であった(表)。
・性別では、女性が98件(83.1%)と大半を占めた。
・皮膚障害の種類は、「アレルギー性接触皮膚炎」61件(45.9%)と「刺激性接触皮膚炎」53件(39.8%)がほとんどを占めた。
・金属製品等のパッチテストの結果では、ニッケル又はコバルトにアレルギー反応を示した例が多かった。

 家庭用品を主な原因とする皮膚障害は、原因家庭用品との接触によって発生する場合がほとんどである。家庭用品を使用するに当たり、接触部位に痒み、湿疹等の症状が発現した場合には、原因と考えられる家庭用品の使用は極力避けることが望ましい。

(2)製品別の事例と考察

○装飾品(主に金属製)
・暑い日にネックレスをつけると、頸部に紅斑、痒みが出現した。(26歳女性)
・ピアスかぶれが悪化し、背中の痒みや黒みが出現した。(39歳女性)

・夏場や運動時の汗を大量にかく可能性のある場合には、装飾品を外す等の配慮が必要である。
・症状が発現した場合には、原因製品の使用を中止し、他の製品を使用する場合には、金属以外のものに変更することが望ましい。

○下着、洗剤
・保温下着を1日着て、汗をかいた後、痒み、紅斑、浮腫が出現した。(54歳女性)
・手袋を着用しないで皿洗いをしていたら両手が痒くなってきた。(69歳女性)

・下着は長時間にわたって直接皮膚に触れているため、症状が出現した場合には使用を中止し、専門医を受診することが望ましい。
・洗剤は使用上の注意をよく読み、希釈倍率等に注意を払い、原液を使用する場合には、保護手袋を着用すること。

2.小児の誤飲事故に関する報告

(1)調査結果の概要と考察

・報告された事例は、420件(前年度477件)であった。
・原因となった家庭用品等の種類はタバコが131件、医薬品・医薬部外品が72件、金属製品が38件等であった(表)。
・誤飲事故の発生は、夕刻以降に増加する傾向が見られ、全体の41.4%が午後5時から午後10時の間に発生していた。

 事故は家族が側で小児に注意を払っていても発生してしまうことがある。小児のいる家庭では、小児の手の届く範囲には極力、小児の口に入るサイズのものは置かないようにしたい。今回、過去に誤飲事故が起きた場所にもう一度同じように置いているケースも見られた。誤飲防止のため一層の保護者による配慮を求めたい。

(2)製品別の事例と考察

○タバコ 
・父母が目を離したすきに、テーブルの上に置かれていたタバコの箱からタバコを出してかじった。(13か月女児)
・手の届かないところ置いたつもりだった灰皿の吸い殻を口に入れていた。(8か月男児)
・運転席の横に置いていた灰皿代わりのペットボトルを飲んでしまった。(2歳男児)

・誤飲事故の大半は1歳前後の乳幼児に集中して発生している。
・タバコ・灰皿を小児の手の届くテーブルの上等に放置しないこと。
・飲料の空き缶・ペットボトル等を灰皿代わりにしないこと。
・タバコを吐かせるのは有効だが、飲料を飲ませるとニコチンが吸収され易くなってしまうため注意すること。

○医薬品・医薬部外品 
・祖父の枕元にあった睡眠薬を誤飲してしまった。(2歳男児)
・シロップ剤を服用後、テーブルに置いたままにしておいたところ、気がついた時には全部薬を飲んでいた。(2歳女児)

・医薬品類は薬理作用があるため、誤飲による症状発現や要処置事例が多く報告され、タバコと並び特に注意が必要である。
・薬がテーブルや棚の上に放置されていた等、保管を適切に行っていなかった時や、保護者が目を離した隙に発生している。
・シロップ等の味付けがしてある薬は、小児がおいしいものと認識し、冷蔵庫に入れておいても自ら飲んでしまうこともあるため注意すること。

3.吸入事故等に関する報告

(1)調査結果の概要と考察
・報告された事例の件数は、970件(前年度974件)であった。
・吸入事故等の原因となった家庭用品等の種類は、殺虫剤(医薬品等を含む)が245件、洗浄剤が134件、 芳香・消臭・脱臭剤が99件等であった(表)。
・年齢別では、9歳以下の小児が362件(37.3%)と多い。
・製品の形態の内訳では、スプレー式の製品が400件(40.7%)、次いで液体の製品が296件(30.5%)と件数が多かった。

 事故の発生状況を見ると、使用方法や製品の特性について正確に把握していれば事故の発生を防ぐことができた事例や、わずかな注意で防ぐことができた事例も多数あったことから、製品の使用前には注意書きをよく読み、正しい使用方法を守ることが重要である。万一事故が発生した場合には、症状の有無に関わらず、(財)日本中毒情報センターに問い合わせをし、必要に応じて専門医の診療を受けることを推奨する。

(2)製品別の事例と考察

○殺虫剤 
・1押しで長時間効果が持続するタイプのスプレーを、通常の殺虫剤と同じつもりで大量に噴射し、呼吸困難等の症状が出現した。(11歳男児)
・くん煙剤を使用中の部屋で火災警報器が作動したため、入室したところ、悪心やめまいが出現した。(50歳男性)

・使用前に製品表示を熟読し、安全な使用方法等についてよく理解した上で、正しく使用すること。
・蒸散型薬剤の使用中に火災警報器が鳴り、これを止めるために入室した結果、薬剤を吸い込む事例が増加している。薬剤使用中に火災警報器が作動しないよう、取扱説明書に従って事前に対策を行ったうえで使用し、使用後はすみやかに火災報知器を元の状態に戻すこと。

○洗浄剤・洗剤、漂白剤 
・台所に住居用洗剤の詰め替え袋を開封したまま置いていたところ、子どもがいたずらし、頭の上からかぶり、眼の充血等の症状が出現した。(2歳男児)
・トイレ掃除中に、誤って塩素系漂白剤と酸性トイレ用洗剤を一緒に使用したところ、呼吸困難等の症状が出現した。(45歳男性)

・乳幼児の事故事例は保管場所に注意することで防げるものが多い。
・塩素系の洗浄剤と酸性物質(事故例の多いものとしては塩酸や有機酸含有の洗浄剤、食酢等がある)との混合は有毒なガス(塩素ガス、塩化水素ガス)が発生して危険である。

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