はじめに 1.試行実施の概要 1)評価表の作成について 2)評価の方法 3)試行実施した地方公共団体 4)試行実施の結果報告について 2.試行実施結果 1)各地方公共団体の評価結果 2)試行実施について寄せられた意見 (1)試行実施についての意見 (2)試行実施の評価方法に対する意見 (3)その他 まとめ |
1 | )評価表の作成について 地方計画の評価表は、中間報告で提示された「計画策定プロセス」、「地方計画の目標達成のための活動状況」及び「地方計画の目標の達成度」という評価の枠組みを基本とし、第6回健康日本21評価手法検討会の議論も踏まえつつ、別紙1―2のとおり作成した。なお、評価項目は、評価についての先行研究等を参考に検討し、別紙1―1の「評価に関する概念図」の構成とした。 |
2 | )評価の方法 評価は、試行実施を行った地方公共団体における内部評価とし、それぞれの評価項目について、評価実施者が主観的評価により4段階もしくは二者択一のプリコード回答方式で記入する形とした。なお、評価主体の指定については評価委員会を設置する等各地方公共団体の判断に委ね、特に指定を行わなかった。4段階の定義については、「十分できている」を「4」に、「ほぼできている」を「3」、「あまりできていない」を「2」、「できていない」を「1」としたが、どの状況を「十分できている」と判断するかについての具体的な例示は行わなかった。また、二者択一については、「はい」または「いいえ」を選択し回答する形式とした。 試行実施を行った地方公共団体は、各項目に対して、それぞれの項目で行った主観的評価の理由や考え方を明らかにするため、プリコード回答について「評価理由」を記載することとした。また、項目によっては評価理由と別に「参考資料等」を、関係機関との連携については、「連携機関リスト」を添付し、客観的な判断の参考とした。また、事業の評価については、取組の分野、目標・目標値、事業名、事業目的、事業の概要、期待する効果、具体的な活動状況、今後の取組や課題について記載した「事業実践評価表」を記載することとした。地方計画の目標達成度については、「目標達成度評価表」を記載することにより評価を行った。 |
3 | )試行実施した地方公共団体 協力が得られた全国5自治体(愛知県、三重県、島根県、名古屋市、松阪市)において、上記の評価表、評価方法により、試行実施を行った。 |
4 | )試行実施の結果報告について 試行実施の結果報告に際しては、試行実施についての意見、試行実施の評価方法に対する意見(評価の枠組みについて、評価項目について、評価表について、評価作業について)等を試行実施を行った地方公共団体に求めた。 |
(1)試行実施についての意見
(2)試行実施の評価方法に対する意見 (評価の枠組みについて)
(3)その他
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○ | 「健康日本21」及び地方計画の評価においては、健康づくり施策の推進状況だけでなく、計画の策定や推進に住民や関係者の参加を得たか、住民主体の地域活動が強化されたか、さらに包括的な行政施策の形成に資するものであったか、健康づくりの支援的環境整備が行えたか、また根拠に基づいた保健活動のための基礎になる情報等を得ることができたか等の視点が「健康日本21」及び地方計画の総合的な推進のために重要であることが示された。このような視点は、1986年のオタワ宣言によりWHOが提唱し、欧米諸国において広く展開されているヘルスプロモーションの理念に基づくものであり、「健康日本21」及び地方計画の評価を行うにあたっては、「健康日本21」及び地方計画の目標達成のために各地方公共団体が実施している諸活動の展開状況等を測定し得るものが必要である。 | ||||
○ | 中間報告で提示された「計画策定プロセス」、「地方計画の目標達成のための活動状況」、「地方計画の目標の達成度」という評価の枠組みについては、今回の試行実施において概ね妥当と判断された。評価項目については、「地方計画の目標達成のための活動状況」をさらに「計画の推進と進行管理」、「事業の変化」、「連携の推進」という評価指標群に分けて整理した。試行実施において、これらの評価指標群についても概ね肯定的な評価が得られたが、作業部会の議論を踏まえ、「評価に関する概念図」及び「評価表」についての修正案を別紙2のとおり提示する。修正点は以下のとおりである。
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○ | 評価の実施方法は、内部評価(担当部局、委員会)による評価を主とするが、客観性を補完するため、必要に応じ、住民、専門家、関係団体等による外部評価(アンケート、パブリック・コメント、インタビュー、ミーティング、ワークショップ等)を実施することが望ましい。また、客観性を補完するための手法としては、住民や関係機関・団体とともに評価作業を行うことや今回の試行実施で提案された「事業実践評価表」や「連携機関リスト」等を活用することも有用である。 | ||||
○ | 評価の内容は、「目標の達成度」に関する指標を可能な限り定期的なモニタリングで得られた情報を活用し評価することが望ましい。また、「目標達成のための活動状況」、「計画策定プロセス」については、質的・量的評価の双方をバランスよく評価できる指標が必要である。その他、例えば健康づくりを支援する環境整備に関する指標の開発等は今後の課題であり、さらに検討を行う必要がある。 | ||||
○ | 今回の試行実施において使用された評価表を一つのモデルとして使用することは、評価をどのような観点から行うのかということを理解するのに役立つと考えられる。しかし、今回提示された評価表は、あくまで参考であり、地方公共団体独自の評価表の作成を妨げるものではなく、むしろ独自の評価手法の開発や評価表の作成が推奨される。今後、地方計画の具体的な評価の進め方の参考とするため、本報告書を利用する、あるいは、国、都道府県で研修会を実施する等により、地方公共団体における評価の支援が望まれる。 | ||||
○ | 地方計画の推進について、優先して取り組むべき目標及び評価すべき目標の検討、評価結果を踏まえた健康分野の施策形成や地方計画の推進方策の検討等といった意見が挙げられた。 | ||||
○ | なお、作業部会において、地方計画の推進と合わせて、「健康日本21」の推進や中間評価における課題として、健康寿命に係る指標の提示、「健康日本21」や地方計画の目標達成のためのアクションプランの必要性についての意見も挙げられた。 |