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環  境
 高松港の東方約8㎞、四国本土との最短距離約1㎞の瀬戸内海に浮ぶ面積61haの小島である。
 島の西海岸からは伝説桃太郎の鬼が島(女木島)、南には源平の古戦場屋島檀の浦、東には二十四の瞳の小豆島が瀬戸の朝日夕日に映えて一眸のうちに望まれる。
 島はまた、白砂青松につつまれ、西海岸には源平の勇者を葬ったと伝えられる老松「墓標の松」に覆われ、天然の美とともに源平の昔を偲ばせる静かなたたずまいをみせている。
墓標の松
墓 標 の 松

ハンセン病の医療
 ハンセン病は、ハンセン氏によって1873年(明治6年)に『らい菌の体内侵入による慢性感染症である』ことが解ったことに因んで名付けられた疾患である。
 治療開始後数日で感染性は失われる。治療は、病状により1回・6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月間の薬剤投与が行われ、治癒する。
 ハンセン病は末梢神経・皮膚および眼に主として症状が現れる。早期発見と確実な治療が行わなければ、不可逆的な後遺症を残すことがあり、治療終了後の社会生活に重大な支障を来すことがある。
 WHOは「世界で、2000年に、人口1万人に1人以内の患者数にする」を目標として活動している。
 現在、世界の登録患者数は約70万人であるが、年間に約70万人の新発見がある。年内に発病した患者数は一割程度しか見つからず、さらに有効性のある対策が必要である。
 日本国内では、現在数名の新患者が発見されるが、ハンセン病療養所に入所している人々のほとんどは近代的な治療を受けることができておらず、多くの後遺症を残してしまった。
 1996年(平成8年)に『らい予防法』が廃止された。
 しかし、入所者の社会復帰対策は彼らの高齢化・身体障害・偏見差別観の存在により、わずかしか進展していないのが現状である。

園内における医療対策
 『らい予防法廃止に関する法律』により、国は入所者の療養に関する費用を支弁している。
 現在、入所者全員のハンセン病に関する基本治療は終了している。
 しかし、末梢神経障害を主とする後遺症治療を必要とする人々に対して、基本治療科・外科・整形外科・形成外科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科・理学療法科等による治療が行われている。
 さらに、上記の診療科以外に内科・心療内科・婦人科・泌尿器科等による一般医療が必要とされ、特に入所者の高齢化に対する医療が大きな比重を占めるようになっている。
 そのため、一日の診療件数は延べ500件を超える。

園内における療養生活
 入所者の療養生活は、プライバシーを考慮した個室(単身用・夫婦用)に入居している。
 園内の設備はあたかも村落のようであり、公会堂・老人福祉会館・売店・理美容室・郵便局・公園・宗教施設等を備え、ここのライフスタイルが生かされている。
 また、給食センター・電気・水道・洗濯・環境整備等に関する施設と職員配置により、入所者の生活サービスがはかられている。
 日常生活に介助を必要とする人々は、不自由者センター(老人ホーム・身体障害者ホームのような施設)に入居し、看護師の健康管理や介護員の生活介助を受けて快適な日常を送っている。
 健康管理や病気治療のために、外来治療棟・リハビリテーション棟・病棟があり、通院・入院による治療を受けている。
 このような種々の環境の中で、入所者自治会を核として機関誌(青松・灯台)の発行、クラブ活動(カメラ・川柳・俳句・短歌・詩歌・囲碁・ゲートボール・盆栽・絵画・陶芸等)が続けられている。
これらの活動は、園内のみに留まらず、地元地域や他の組織団体との交流に拡大されてきている。