2015.2.24「従来の発想にとらわれることなく、官民の垣根、世代の垣根を越えた熱い議論を」。第1回「保健医療2035」策定懇談会
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「従来の発想にとらわれることなく、官民の垣根、世代の垣根を越えた熱い議論を」。第1回「保健医療2035」策定懇談会で挨拶する塩崎厚生労働大臣。
20年後(2035年)を見据えた保健医療政策のビジョンを策定する「保健医療2035」策定懇談会の第1回会合を開催しました。
本懇談会は、次世代を担う30代から40代を中心に、平均年齢42.7歳という若手気鋭の有識者に加え、当省職員も有識者として参画するというこれまでにない官民の垣根を越えた委員構成で設置され、20年後という長期的な視野はもちろん、中期・短期的な課題も議論の対象としています。
会議に出席した塩崎大臣は「2035年に向け、いかに保健医療システムの役割を発展させていくのかという観点を基本に、前向きかつ建設的に、そして何より創造的に議論いただきたい」、「従来の発想にとらわれることなく、官民の垣根、世代の垣根を越えた熱い議論をお願いしたい」と挨拶しました。
また、続いて行われた意見交換では、各構成員から「健康づくりへのインセンティブ」や「持続可能かつ高品質な医療」、「医療の質」などのキーワードが示され、各構成員が活発に発言していました。
今後は、6月中の報告書とりまとめをめざし、議論を重ねていくこととしています。
(政策統括官付 社会保障担当参事官室)
日時
平成27年2月24日(水)16:00~18:20
場所
中央合同庁舎5号館 省議室
出席者
井上真智子、江副聡、大西健丞、岡本利久、小黒一正、小野崎耕平、榊原毅、渋谷健司、武内和久、徳田安春、堀真奈美、宮田裕章、山崎繭加、山本雄士(五十音順、敬称略)
議題
2035年を見据えて保健医療政策において優先して取り組むべき課題について
議事
○20年後の2035年を見据えた保健医療政策のビジョンについて、6月中のとりまとめを目指し、月2~3回開催することが確認された。
○自由闊達で創造的な議論を促すため、議論は非公開とすることが確認された。
○次回以降は継続的な議論を促すために、前回の議論の論点をまとめた資料を事務局にて用意することとした。
○2035年を見据えた保健医療政策において優先して取り組むべき課題について、以下のような意見があった。
・地域包括ケアを進めるにあたって、プライマリ・ケアは極めて重要。20年後を見据えて、総合診療医なども含めて医療との連携を進めるべき。
・健康づくりのインセンティブをもたらす仕組みを考えるべき。
・ユニバーサル・ヘルスカバレッジ(UHC)の持続可性を20年後にも保つために必要な対策を講じていくべき。
・医療の中身についても納得して選択したいという国民の欲求にどのように応えていくか。必要な負担をしてもらうことへの納得感をいかに醸成するか。
・「医療従事者の幸せ」。どうしても我々は患者や利用者ばかりに目が行きがちだが、医療現場で働く人々が誇りを持って働くことが大切。
・自らが受けた検査データを、クラウドで把握することができるようにすること等により、医療の満足度の向上に繋げることができる。
・財政的な制約を考慮し、医療の質や効率性を高めるインセンティブをうえつける必要があるのではないか。
・コンパクト化を推進する仕組みやインセンティブも必要ではないか。収益性を高めさせたり、差別化を図らせたりするためのインセンティブをどうつけていくかが重要。
・現行制度は患者が選択できる部分が限られている。患者の選択の余地を広げられないか。
・コストをどこにどれだけかけるか、医療の質の評価や費用対効果の観点も必要。
・日本のヘルスアシステムを、アジアをはじめとした全世界に発信していくことが考えられる。
・エビデンスに基づかない健診は非効率的ではないか。
・平均寿命までは自立した生活を送ることを目標に、健康寿命を延ばし、年齢に関係なく元気に働けるエイジレスな社会を目指すべき。
・医療の需要がピークアウトする2030年以降も見据えた戦略が必要。
・日本は保健医療の分野におけるリーダーシップを発揮し、「世界の厚労省」を目指すべき。
・新たな技術開発を促進するイノベーションが必要。
COMMENT
この懇談会の目的は、20年後の保健医療のビジョンを定め、健康の向上、医療の質の向上を目指すものです。メンバーの平均年齢が42.7歳と若く、新進気鋭の有識者や、現役の官僚もメンバーに加わるというこれまでにない取組みの中で、6月中のとりまとめをめざし、20年後という長期的な保健医療ビジョンを策定していまいります。本日の自己紹介で構成員の皆さんの熱い想いが伝わってまいりました。