教師のためのセルフメンテ

1人で抱え込まない、燃えつきない

子どものこころの問題は、教師1人ですぐに解決できることではありません。子どもや保護者に頼られても、プライベートで関わるのではなく、学校関係者とともにチームで対応しましょう。複数のスタッフが関わることで、子ども自身がもっている家庭資源などを多面的に評価し、活用することが可能になります。あなた自身が疲労から燃えつきて、子どもとの関係を断ち切ってしまうといった不幸な事態も避けられます。

学校関係者が生徒や保護者と温かい関係を維持することは、子どものメンタルヘルス上、保護的な環境として作用します。自分のこころをモニターしながら、安定した状態を維持できるよう努力しましょう。とはいえ、ベストを尽くしても、すぐに解決できない問題は少なくありません。自分を追い詰めないよう、つねにスタッフと話し合い、支え合う姿勢を忘れないでください。

セルフメンテで体調を維持

こころとカラダの活力を維持するために自分でできるメンテもあります。

おすすめはウオーキングやサイクリング、ダンス、水泳などの有酸素運動です。カラダが温まって汗ばむくらいの軽さを目安に、1日20分、週2~3回くらい行うと、こころもカラダも軽くなって、ストレスに対処しやすくなります。睡眠リズムを整える効果もあります。

運動が苦手な人は、日記をつけて気持ちを整理してみるといいでしょう。「さあ書こう」などとかしこまらずに、ノートの隅に数行書くくらいでかまいません。ネガティブな感情を抱え込んでいると、それをなんとか追い出そうとこだわって、かえって苦しくなるという悪循環にはまってしまいますが、言葉にして表現すると少し距離がとれるようになります。その結果、葛藤が起こりにくくなって、つらい感情でも抱え込める力がついてくるのです。

音楽を聴いたり、歌を歌う、楽器を演奏する、絵を描くなど趣味に没頭する時間を意識してつくるのもいいでしょう。人は自然によっても癒されるので、ペットをかわいがったり、緑の多い公園に出かけて、新鮮な空気を思い切りカラダの中に取り入れてください。

これらセルフメンテは子どものこころにも効果があります。機会があれば、子どもにも勧めてみましょう。
【参考:10代、20代の皆さんへ>こころのセルフメンテ