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厚生労働省発表
平成16年12月28日
職業安定局高齢・障害者雇用対策部
障害者雇用対策課
課長  土屋 喜久
課長補佐  長島 由幸
電話 5253-1111(内)5784,5853
 3502-6775(直通)


身体障害者及び知的障害者の雇用状況について
〜民間企業に雇用されている障害者の数は前年より4.4%増加〜
(民間企業の実雇用率は1.46%)


 今回とりまとめた身体障害者及び知的障害者(以下「障害者」という。)の雇用状況は、障害者の雇用の促進等に関する法律により1人以上の身体障害者又は知的障害者を雇用することを義務づけられている事業主等から、本年6月1日現在における障害者の雇用状況の報告を求め、これを集計したものである。
 障害者雇用率制度については、平成16年4月1日から、民間企業においては、除外率が設定されているすべての業種について一律10%ポイントの引き下げが行われ、国、地方公共団体においては、除外職員の範囲の縮小及び旧除外職員の総職員数に占める割合に基づく除外率への転換が行われている(この制度改正のため、実雇用率については、本年と前年の数値をそのまま単純に比較することが適当でない状況となっている。)。
 一般の民間企業においては、雇用されている障害者の数は前年より4.4%増加(約1万人)したものの、上記の制度改正(除外率の引き下げ)の影響を受け、実雇用率は1.46%であった(前年は1.48%。仮に、本年について改正前の制度に基づいて計算したとすると、1.50%程度となるものと推計される。)。
 また、国及び地方公共団体の実雇用率も、上記の制度改正(除外職員の範囲の縮小等)の影響を受けている。

 民間企業における雇用状況
(1) 一般の民間企業
 雇用されている障害者の数、実雇用率
 1.8%の法定雇用率が適用される一般の民間企業(常用労働者数56人以上規模の企業)において雇用されている障害者の数は257,939人で、前年より4.4%増加(約1万人)した(第1表第5表)。
 実雇用率は、除外率の引き下げの影響を受け、1.46%であった(第1表第5表。前年は1.48%。仮に、本年について改正前の制度に基づいて計算したとすると、1.50%程度となるものと推計される。)。

 企業規模別状況
 企業規模別にみると、雇用されている障害者の数は、すべての企業規模で前年より増加した(第2表)。
 実雇用率は、56〜99人規模企業では1.46%、100〜299人規模企業では1.25%、300〜499人規模企業では1.44%、500〜999人規模企業では1.44%、1,000人以上規模企業では1.60%であった。法定雇用率未達成企業割合は、すべての企業規模で前年より上昇した。(第1図

 産業別状況
 産業別では、雇用されている障害者の数は、農、林、漁業以外のすべての業種で増加した(第3表)。
 一般の民間企業における実雇用率と比較すると、医療・福祉(1.79%)、電気・ガス・熱供給・水道業(1.73%)、鉱業(1.67%)、製造業(1.66%)、農、林、漁業(1.64%)及び運輸業(1.59%)ではそれぞれ上回ったが、金融・保険・不動産業(1.40%)、サービス業(1.35%)、飲食店・宿泊業(1.34%)、建設業(1.29%)、複合サービス事業(1.25%)、卸売・小売業(1.20%)、教育・学習支援業(1.20%)及び情報通信業(1.09%)ではそれぞれ下回った(第3表)。

(2) 特殊法人等

 2.1%の法定雇用率が適用される一定の特殊法人及び独立行政法人(常用労働者数 48人以上規模の法人)における雇用されている障害者の数は6,876人で、前年より25.2%増加した(第1表)。
 実雇用率は、除外率の引き下げの影響を受け、1.71%であった(第1表。前年は2.09%。仮に、平成15年から存続している法人について、本年について改正前の制度に基づいて計算したとすると、2.17%程度となるものと推計される。)。

 国、地方公共団体における在職状況

 2.1%の法定雇用率が適用される国、地方公共団体の機関における雇用されている障害者の数は、国の機関では前年より減少したが、都道府県の機関、市町村の機関及び都道府県等の教育委員会では、それぞれ前年より増加した。
 実雇用率は、除外職員の範囲の縮小等の影響を受け、国の機関では2.15%、都道府県の機関では2.28%、市町村の機関では2.20%となり、全体としては2.21%であった(第4表1。国の機関について前年は2.19%。仮に、本年について改正前の制度に基づいて計算したとすると、2.34%程度になるものと推計される。)。
 また、2.0%の法定雇用率が適用される都道府県等の教育委員会では、1.33%であった(第4表2)。


(注) 雇用されている障害者の数においては、重度障害者(短時間労働者以外の重度身体障害者及び重度知的障害者)についてはダブルカウントを行っている。


(参考)

 法定雇用率とは

 民間企業、国、地方公共団体は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、それぞれ以下の割合(法定雇用率)に相当する数以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければならないこととされている。
 (カッコ内は、それぞれの割合(法定雇用率)によって1人以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければならないこととなる企業等の規模である。)

 ○  民間企業 ………


一般の民間企業  …………………………… 1.8%
 (常用労働者数56人以上規模の企業)
特殊法人等  …………………………… 2.1%
  ┌
  |
  └
常用労働者数48人以上規模の
特殊法人及び独立行政法人



 〇  国、地方公共団体  …………………………… 2.1%
   (職員数48人以上の機関)
  ただし、都道府県等の教育委員会  …………………………… 2.0%
   (職員数50人以上の機関)

 なお、重度身体障害者又は重度知的障害者については、その1人の雇用をもって、2人の身体障害者又は知的障害者を雇用しているものとしてカウントされる。
 また、短時間労働者は原則的に実雇用率にはカウントされないが、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者)については、1人分としてカウントされる。



 除外率制度及び除外職員制度について

 民間企業における除外率制度
 各事業主が雇用しなければならない障害者の数を算定する基礎となる常用雇用労働者数を算定する際に、一定の業種に属する事業を行う事業所の事業主については、その常用雇用労働者数から一定率に相当する労働者数を控除する制度。
 平成14年の法改正により原則廃止されたが、激変緩和措置として、平成16年4月1日から、すべての除外率設定業種について、除外率を10%ポイントずつ引き下げている。

 国及び地方公共団体における除外職員制度
 各任命権者が採用しなければならない障害者数を算定する基礎となる職員数を算定する際に、一定の範囲の職種に従事する者を控除する制度。
 平成16年4月1日から、除外職員の範囲を、国民の生命の保護や、公共の安全と秩序の維持を職務としており、その遂行のためには職員個人による強制力の行使等が必要であるような職員に限定することとした。
 なお、旧除外職員である職種に従事する職員の多い機関については、激変緩和措置として、当該職員が職員総数に占める割合を基に、除外率を設定することととしている(例えば、上記割合が20%以上25%未満の場合は、10%の除外率が設定される。)。


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