ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 子ども・子育て > 職場における子育て支援 > 育児・介護休業法・次世代育成支援対策推進法について > 職業生活と家庭生活との両立のために > 就業規則における育児・介護休業等の取扱い

就業規則における育児・介護休業等の取扱い


就業規則における育児・介護休業等の取扱い


 仕事と家庭の両立支援対策を充実するために、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律」が、平成16年12月1日に成立、平成16年12月8日に公布されました(平成16年法律第160号)。施行は平成17年4月1日です。
 各企業におかれては、企業内の制度について必要な見直しを行い、改正された育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下この規定例で「育児・介護休業法」といいます。)に合わせ、就業規則を早急に整備してください。
 ここでは、就業規則における育児・介護休業等の取扱い及び改正を踏まえた育児・介護休業等に関する規則の内容について簡単に解説します。事業所における就業規則の整備にお役立てください。

(ポイント1)
 育児・介護休業、子の看護休暇、育児・介護のための時間外労働及び深夜業の制限並びに勤務時間短縮等の措置(以下この項目において「育児・介護休業等」といいます。)について、就業規則に記載してください。

 育児・介護休業、子の看護休暇並びに育児・介護のための時間外労働及び深夜業の制限については、あらかじめ制度が導入され、規則が設けられるべきものであることに留意してください(子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(以下この規定例で「指針」といいます。))。
 また、育児・介護のための勤務時間短縮等の措置については、育児・介護休業法第23条及び第24条並びに「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号。以下この規定例で「則」といいます。)第34条により措置が講じられ、規則が設けられる必要があります。

 労働基準法では就業規則の作成に際し、第89条第1号から第3号までに定められている事項(始業・終業の時刻、休日、休暇、賃金、昇給、退職等に関する、いわゆる絶対的必要記載事項)について必ず記載しなければならないとしています。
(1) 育児・介護休業法による育児・介護休業及び子の看護休暇もこの「休暇」に該当することから、就業規則に、
(1) 付与要件(対象となる労働者の範囲等)
(2) 取得に必要な手続
(3) 期間
について記載する必要があります。
(2) 賃金に関する事項については、
(1) 育児・介護休業期間及び子の看護休暇中の賃金の支払の有無
(2) 育児・介護休業期間及び子の看護休暇中並びに勤務時間短縮等の措置の取得中に通常の就労時と異なる賃金が支払われる場合には、
 その決定、計算及びその支払方法
 賃金の締切り及び支払時期
について記載する必要があります。
(3) 育児・介護のための勤務時間の短縮等の措置として講じる短時間勤務の制度、時差出勤の制度等については、始業及び終業の時刻等について記載する必要があります。

 労働基準法第89条第3号の2から第10号までに定められている事項(退職手当、賞与等臨時の賃金、職業訓練等の定め及びその他労働者のすべてに適用される定め)は、その定めをする場合においては就業規則に記載しなければならないいわゆる相対的必要記載事項ですから、育児・介護休業期間中の教育訓練や賞与等臨時の賃金等について定めをする場合には、それらに関する事項を就業規則に記載する必要があります。

 育児・介護休業や子の看護休暇の期間中に賃金を支払わないこと、退職金や賞与の算定に当たり現に勤務した日数を考慮する場合に休業した期間分は日割りで算定対象期間から控除することなど、専ら休業期間は働かなかったものとして取り扱うことは、不利益な取扱いに該当しませんが、休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うことは、「不利益な取扱い」に該当し育児・介護休業法第10条、第16条及び第16条の4に抵触しますので、制度導入に当たっては留意してください(指針)。


(ポイント2)
 育児・介護休業、子の看護休暇、育児・介護のための時間外労働及び深夜業の制限について、育児・介護休業法の条件を下回る、より厳しい条件を設けた取り決めをした就業規則の当該部分は無効と解されます。

 育児・介護休業法に示された育児・介護休業、子の看護休暇並びに育児・介護のための時間外労働及び深夜業の制限の制度は、労働者の権利としての最低基準を定めたものです。したがって、これらの制度に関して、育児・介護休業法の内容を上回るような制度を設けることは自由であり、むしろ、事業主に対して、そのような努力が求められています。
 しかし、逆に、厳しい条件を設けることによって育児・介護休業法に定められた最低基準を下回るような制度を設けることは許されず、このような取り決めをした就業規則の当該部分は無効と解されます。


(ポイント3)
 育児・介護休業等に関して必要な事項を就業規則に記載した際には、これを所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

 労働基準法においては、常時10人以上の労働者を使用している事業所において就業規則を作成又は変更した場合にこれを所轄の労働基準監督署長に届け出ることを定めています。
 したがって、育児・介護休業等に関する規定を就業規則に記載し、又は記載している内容を変更した際には、その就業規則を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。
 なお、育児・介護休業等に関する事項を、統一的に就業規則本体中におさめることは困難な場合もあり、また、就業規則があまり大部になることは労働者にとっても不便ですから、これらに関する事項を別規則にすることも一つの方法です。
 ただし、別規則にした場合であっても就業規則であることに変わりはありませんから、その作成・変更の際には、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。



照会先: 雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
育児・介護休業係(7863)
または都道府県労働局雇用均等室へ。


ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 子ども・子育て > 職場における子育て支援 > 育児・介護休業法・次世代育成支援対策推進法について > 職業生活と家庭生活との両立のために > 就業規則における育児・介護休業等の取扱い

ページの先頭へ戻る