会長ご挨拶

ごあいさつ

中央労働委員会会長 諏訪康雄
中央労働委員会会長
諏訪 康雄
す  わ      やすお 

 労働委員会は、企業と働く人々の間の労使紛争の解決に当たる公正中立な専門機関として、1946年3月の発足以来、70年近くの長きに渡って活動し、労使関係の安定に寄与してきました。

 労働委員会には、厚生労働省の外局としての中央労働委員会と、都道府県の行政委員会としての47の都道府県労働委員会があり、労使関係や労使紛争に関する三種類の仕事をしています。

 一つ目は、労働組合法が「不当労働行為の禁止」と題して定める労使関係のルールの違反が企業(使用者)にあったかどうかを審査する仕事です。具体的には、企業が労働者の労働組合加入を理由にその労働者に対し不利益な取扱いをしたり、正当な理由がないのに労働組合との団体交渉を拒否したような場合、労働組合や組合員の申立てによって、企業にそのような取扱いをやめるように命令を出します。また、企業と労働組合との間で、その申立てに係る労使紛争について和解をし、労使関係を安定させるように、お手伝いをします。

 二つ目は、企業と労働組合との間で賃上げや労働時間などの労働条件をめぐって紛争(労働争議)が発生した場合、労働関係調整法の定めにしたがって、その企業と労働組合との間の紛争をあっせんや調停によって解決する仕事です。これも労使関係の安定化を図るために行います。

 三つ目は、企業と個々の労働者との間の個別的な労使紛争の解決を図る仕事です。最近は労働組合のないような企業で、経営難を理由に労働者を解雇したり賃金を切り下げたりすることなどをめぐる紛争が増加しています。44の道府県の労働委員会ではそのような紛争を解決するためのあっせんのサービスを行っており、相談・助言のサービスを行っている労働委員会もあります。

 都道府県の労働委員会は、以上のような労使関係の仕事を、全体で年間2,000件程度取り扱っています。

 また、中央労働委員会では、特に以下のような仕事を行っております。

 上記の一つ目の審査については、都道府県労働委員会が不当労働行為の申立てに対して発した命令についての再審査と、全国的に重要な事件や行政執行法人の不当労働行為事件に関する申立ての審査を、二つ目の調整については、複数の都道府県にまたがる労使紛争や行政執行法人に関する労働争議のあっせん・調停・仲裁を行います。三つ目の個別労働紛争の解決については、都道府県労働委員会のために、そのサービスが効果的に行われるように情報提供や助言を行います。加えて、中央労働委員会では、労働委員会の連絡協議会である全労委連絡協議会の事務局を引き受けて、労働委員会全体が協力・連携することのお手伝いをしています。

 労働委員会の特色としては、手数料などが無料であることに加え、原則、公益委員、労働者委員、使用者委員の三者で解決に当たる点が挙げられます。

 公労使の三者委員は、一致協力して事件処理を進めており、労使当事者の主張をしっかりと聴いた上で、事件解決のための合意達成を図ったり、法のルールに基づく命令を発したりします。現在、日本の社会では、経済不況や雇用の不安定化などに伴い、さまざまな労働問題が発生しており、その解決のためにも健全な労使関係の存在が求められております。労働委員会がこれまでに蓄積したノウハウを活かし、今後とも、労使関係の公正中立な専門機関として、労使紛争解決についての社会のニーズに適切に対応した活動を行うように、鋭意努力して参りたいと存じます。

 皆様のご指導・ご鞭撻をなにとぞよろしくお願い申し上げます。

中央労働委員会会長  諏訪 康雄

略歴

昭和 22年 11月 26日生  
  45年 3月   一橋大学法学部卒業
  47年 3月   一橋大学大学院法学研究科修士課程修了
  52年 3月   東京大学大学院法学政治学科研究科博士課程単位取得
        (満期退学)
    4月   法政大学社会学部専任講師(昭和54年3月まで)
  54年 4月   法政大学社会学部助教授(昭和61年3月まで)
  61年 4月   法政大学社会学部教授(平成20年3月まで)
平成 8年 10月   中央労働委員会委員
        (平成16年11月まで)
        (平成20年11月〜)
  16年 4月   法政大学大学院政策科学研究科教授(平成20年3月まで)
  20年 4月   法政大学大学院政策創造研究科教授(平成25年3月まで)
  25年 2月   中央労働委員会会長
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