近年における審査処理状況について

平成 25年 2月
中央労働委員会事務局

 平成16年に不当労働行為審査の迅速化と的確化を目的とした審査手続等の整備を内容とすることを目的として労働組合法が改正され、平成17年1月から施行されました。
 また、一昨年6月に全国労働委員会連絡協議会における「労働委員会活性化のための検討委員会」において、迅速・的確な審査手続を充実させるための方策について、第2次報告書が取りまとめられました。
 これらの取組により、不当労働行為審査の迅速化、的確化が次のように進んでいます。

 迅速化については、長期の滞留事件を除いた不当労働行為再審査事件の処理日数は、法改正後の平成17年以降、多少の変動はあるものの減少しつつあり、平成24年の平均処理日数は385日となりました(表1)。さらに、表2のとおり、長期滞留事件数をみても、初審、再審査とも改正労組法施行後では大幅に減少しております。

 また、和解による終結は、命令による場合よりも処理日数が短いことから、和解による解決を進めることは事件の早期解決につながります。取下・和解による終結の割合は平成24年は54.9%と改正労組法施行後最も高い割合となっております。

 的確化については、中労委再審査命令の行政訴訟の第一審での取消率は、改正労組法施行前の平成12〜16年平均が
16.4%に対し、平成17〜22年平均が11.4%と低下してきており、平成23年は地裁に係属した事件が全て第一審で支持されるなど、中労委命令の妥当性が認められる例が増加しつつあります。特に、一昨年の新国立劇場事件やINAXメンテナンス事件など、最高裁において最終的に中労委命令が支持された判決も相次いで出されております。

 また、労働委員会審査による解決率(取下・和解により終結した事件や、命令の再審査申立や行訴提起が行われず終結した事件の割合)も平成17〜23年の平均では約8割と労働審判並みの高い解決率となっております。
 今後とも、こうした審査の迅速化・的確化のための取組を積極的に進めてまいります。

表1 中労委における再審査平均処理日数(長期の滞留件数を除く)

平均処理日数
取下
和解
命令
決定
17134303156
18189427304
19247510378
20285649521
21275502420
22256668495
23285488385
24310478385

(注)本表は平成17年以降申立事件に関するもので、
   平成17年の平均処理日数は比較的少なくなって
   おります。



表2 平成16年改正労組法の施行による長期滞留事件(*)数の変化

  法施行前 法施行後(平成24年末)
初審平成14年末値  250件62件
再審査平成16年末値  205件30件

(*)初審の場合は申立てから3年以上、再審査では1年6か月を経過しても終結していない事件を指す



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