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第2章 要保護児童対策地域協議会の設立

第2章   要保護児童対策地域協議会の設立
1. 設置主体
(1)  地域協議会の設置主体は地方自治法第1条の3に規定する地方公共団体であり、普通地方公共団体である市町村及び都道府県のほか、特別地方公共団体である特別区や地方公共団体の組合(一部事務組合や広域連合)等も含まれる。
(2)  地域協議会は、個別の要保護児童等に関する情報交換や支援内容の協議を行うことから、基本的には住民に身近な市町村が設置主体となると考えられるが、地域の実情に応じて複数の市町村が共同で設置することも考えられる。
なお、こうした複数の市町村による共同設置については、一部事務組合や広域連合を設けることなく、事実上共同で設置することも可能である。
 
2. 構成員
地域協議会の構成員は児福法第25条の2第1項に規定する「関係機関、関係団体及び児童の福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者」であり、具体的には以下の者が想定されるが、これに限らず、地域の実情に応じて幅広い者を参加させることが可能である。なお、主な関係機関等の概要については、「市町村児童家庭相談援助指針」(平成17年2月14日雇児発第0214002号)第5章を参照のこと。
また、関係機関等の地域協議会への参加に際しては、地域協議会の業務内容や構成員に課せられる守秘義務等について、その内容や違反した場合の罰則等について、あらかじめ説明しておくことが適当である。
     
【児童福祉関係】
・  市町村の児童福祉、母子保健等の担当部局
・  児童相談所
・  福祉事務所(家庭児童相談室)
・  保育所(地域子育て支援センター)
・  児童養護施設等の児童福祉施設
・  児童家庭支援センター
・  里親
・  児童館
・  民生・児童委員協議会、主任児童委員、民生・児童委員
・  社会福祉士
・  社会福祉協議会

【保健医療関係】
・  市町村保健センター
・  保健所
・  地区医師会、地区歯科医師会、地区看護協会
・  医療機関
・  医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師
・  精神保健福祉士
・  カウンセラー(臨床心理士等)

【教育関係】
・  教育委員会
・  幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾(ろう)学校、養護学校等の学校

【警察・司法関係】
・  警察(警視庁及び道府県警察本部・警察署)
・  弁護士会、弁護士

【人権擁護関係】
・  法務局
・  人権擁護委員

【配偶者からの暴力関係】
・  配偶者暴力相談センター等配偶者からの暴力に対応している機関

【その他】
・  NPO
・  ボランティア
・  民間団体
 
3. 設立準備
(1)  準備会、勉強会の開催
関係機関によって、地域協議会に対する期待やイメージは、当初ばらつきがあるため、地域協議会を設立させるには、事前に十分な協議、調整が必要となる。
なお、関係機関等の地域協議会への参加に際しては、地域協議会の業務内容や構成員に課せられる守秘義務等について、その内容や違反した場合の罰則等について、あらかじめ説明しておくことが適当である。
このため、地域協議会の中心となる機関(事務局)による準備会や勉強会を開催し、地域協議会運営の骨格部分について協議、調整しておくことが必要である。
(2)  要綱の作成
児福法上、地域協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、地域協議会が定めることとされており(児福法第25条の4)、地域協議会の設立に先立ち、この内容を関係機関等の間で協議、調整しておく必要がある。
また、この内容については、設立運営要綱等として文書化、制度化しておくことが適当である。
要綱の内容は、地域の実情に応じたものとなるが、[1]目的、[2]事業内容、[3]組織(構成員、要保護児童対策調整機関等)、[4]運営、[5]守秘義務、[6]事務局等が考えられる。
         
[1]目的
・  児福法上、地域協議会は、要保護児童の適切な保護を図ることを目的とするものとされている。(児福法第25条の2第1項)

[2]事業内容
・  児福法上、地域協議会は、要保護児童の適切な保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行うものとされている。(児福法第25条の2第2項)

[3]組織(構成員、要保護児童対策調整機関等)
・  構成員については、上記2に例示した関係機関等に限らず、地域の実情に応じて幅広い者を参加させることが可能である。
・  任意団体(法人格を有しない団体)の構成員については、全て個人の資格で参加することとなることに注意すること。
・  要保護児童対策調整機関の具体的な役割については、第4章の3を参照のこと。
・  実務的な活動をする部会等の設置などを規定することも考えられる。

[4]運営
・  例えば以下のような事項を記載することが考えられる。
・  会議の議事は、出席委員の過半数で決する旨
・  代表者会議を定期的に開催する旨
・  必要に応じて個別ケース検討会議を開催する旨
・  必要に応じて、関係機関等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる旨

[5]守秘義務
・  構成員及び構成員であった者には、地域協議会の職務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない義務がある。(児福法第25条の5)
・  このため、地域協議会の構成員以外の者と連携を図る際には、この義務との関係に留意した対応が必要である。
・  この義務に違反した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。(児福法第61条の3)

[6]事務局
・  地域協議会の庶務は、○○において処理する旨記載することが考えられる。

[7]その他
・  この要綱に定めるもののほか、地域協議会の運営について必要な事項は、別に定める旨を記載することが考えられる。
 
4. 公示
(1)  地方公共団体の長は、地域協議会を設置したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない(児福法第25条の2第3項)。
(2)  具体的には、
[1]地域協議会を設置した旨
[2]当該地域協議会の名称
[3]当該地域協議会に係る要保護児童対策調整機関の名称
[4]当該地域協議会を構成する関係機関等の名称等
[5]関係機関等ごとの児福法第25条の5第1号から第3号までのいずれに該当するかの別(「国又は地方公共団体の機関」、「法人」、「その他の者」のいずれに該当するかの別)
を公示することが必要である。
(3)  ただし、要保護児童対策調整機関に名簿を設置した場合については、個人資格での参加者(児福法第25条の5第3号の資格で参加している者)については、「○○市長が指定する者」という形で公示することが可能であるので、この方法を積極的に活用することとし、原則として個人名を公示することのないようにすることが適当である。[1]守秘義務を課せられている対象者を特定する必要があること、[2]守秘義務は構成員及び構成員であった者に課せられていることから、名簿は常に最新のものとしておくとともに、過去の名簿についても保存しておく必要がある。
(4)  なお、「国又は地方公共団体の機関」又は「法人」以外の構成員(児福法第25条の3第3号の資格で参加している者)は、全て個人の資格で参加することとなり、任意団体の構成員という形で参加することはできないので、留意すること。

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