Ministry of Health, Labour and Welfare

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SARS

重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報

今冬のSARS対策について

平成16年1月 厚生労働省

はじめに

 SARS(重症急性呼吸器症候群)は、SARSコロナウイルスを病原体とする新しい感染症で、これまで次のようなことが分かってきましたが、厚生労働省では、今冬に備え、感染症法及び検疫法を改正するとともに、以下の対策を行います。

 SARSについて

(1)SARSとは、どんな病気か?

 SARS患者と接した医療関係者や同居の家族など、患者のせきを浴びたり、痰や体液等に直接触れる等の濃厚な接触をした場合に感染し、2日〜7日、最大10日間程度の潜伏期間を経て発症します。潜伏期あるいは無症状期における他への感染力はない、あったとしても極めて弱いと考えられています。
 また、SARSコロナウイルスは、エタノール(アルコール)や漂白剤等の消毒で死滅します。現在のところ患者が触れた物品を通じてSARSが人へ感染する危険は小さいと考えられています。

(2)SARSが疑われるのは、どんなときか?

 SARSが疑われるのは、



 なお、本年7月5日にWHOにおいてSARS流行の終息宣言が行われた後は、1月6日現在、WHOが指定する流行地域はありませんが、もし、新たに流行地域が指定されたら、直ちにお知らせします。

(3)医療機関を受診する際には?

 38℃以上の発熱又はせき等の症状があり、(2)(1)の要件をみたす方(流行地域から帰ってきた方など)は、必ず事前に最寄りの保健所又は医療機関に電話で相談の上、指示に従ってください。

(4)SARSの治療法は?

 ウイルスによる肺炎に対して、全身状態の管理や呼吸管理などの症状を和らげる治療を行います。

(5)予防法は?

 外出先から戻った時に手洗い、うがいを行うことはSARSだけではなく、多くの感染症に共通する予防法です。
 現在、SARS予防のためのワクチンはなく、世界各国で研究中です。

 SARSへの対策

(1)情報の収集と、その提供

 WHOなどが公表するSARSに関する情報について、迅速に収集するとともに、その情報を提供します。


(2)検疫等

 国外でSARSの再流行が起こった場合、以下の(1)から(4)の対応を行う予定です。また、現在も、出入国者に対しては(5)の対応をしており、SARSコロナウイルスを保有している疑いのある動物については(6)の対応をしています。


(3)医療の確保

 都道府県において、SARSの診療を担当する医療機関を指定し、SARSに対する医療提供体制の整備を行っています。


(4)院内感染等の予防

(5)実地訓練の実施

 SARSが発生した場合に備えて、(1)搬送、(2)疫学調査、(3)院内感染対策、(4) 地域内伝播対応等を目的とした訓練を、全ての都道府県において実施済みです。

(6)研究開発の推進

 厚生労働省及び文部科学省の研究費を緊急に確保し、SARSの迅速診断法、ワクチン、治療法等に関する研究開発に取り組んでいます。


(7)省庁間の連携

 SARS事案・関係省庁緊急連絡窓口を設置するほか、必要に応じて連絡調整会議を開催して、連携をとっています。

 国内にSARS患者が出た場合の対応

(1)情報の提供

 SARSに関して入院勧告等の行政措置がとられた場合には、個人のプライバシーに最大限配慮しつつ、公表が必要な情報については、迅速に情報を公開します。 国立保健医療科学院の健康危機管理支援情報システムにより、都道府県等(保健所政令市・特別区を含む)に同時に情報を伝達できるようにします。

(2)対策本部・オペレーションセンター

 国内で患者が発生した場合は、対策本部を開催し、また広域的な対応が必要な場合はオペレーションセンターを設置して、対応にあたります。なお、その際、多元電話会議システムを活用します。

(3)感染動向の把握(積極的疫学調査)

 緊急時においては、感染動向の的確な把握及び原因の究明について、国が都道府県等による疫学調査について必要な指示を行うとともに、国も専門家を派遣して都道府県と共同で疫学調査を実施します。

(4)まん延防止のための対策

 緊急時においては、国の責任において、患者の入院、消毒等の措置等について都道府県等に対し必要な指示を行います。また、国は必要に応じて専門家を現地に派遣して、支援を行います。










照会先
厚生労働省健康局結核感染症課
電話03−5253−1111
入江 内2379
中里 内2388
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