(定義)
第二条
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この法律で「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する事業主(国、地方公共団体その他労働省令で定めるこれらに準ずる者を除く。)をいう。
一 | 常時雇用する従業員の数が三〇〇人以下の事業主及び資本の額又は出資の総額が三億円以下の法人である事業主(次号及び第四号までに掲げる業種に属する事業を主たる事業として営む事業主を除く。) |
二 | 卸売業に属する事業を主たる事業として営む事業主であって、常時雇用する従業員の数が一〇〇人以下の者及び資本の額又は出資の総額が一億円以下の法人であるもの |
三 | サービス業に属する事業を主たる事業として営む事業主であって、常時雇用する従業員の数が一〇〇人以下のもの及び資本の額又は出資の総額が五千万円以下の法人であるもの |
四 | 小売業に属する事業を主たる事業として営む事業主であって、常時雇用する従業員の数が五〇人以下のもの及び資本の額又は出資の総額が五千万円以下の法人であるもの |
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この法律で「退職」とは、従業員について、事業主との雇用関係が終了することをいう。
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この法律で「退職金共済契約」とは、事業主が勤労者退職金共済機構(以下「機構」という。)に掛金を納付することを約し、機構がその事業主の雇用する従業員の退職について、この法律の定めるところにより、退職金を支給することを約する契約であって、特定業種退職金共済契約以外のものをいう。
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(契約の締結)
第三条
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中小企業者でなければ、退職金共済契約を締結することができない。
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第四条
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退職金共済契約は、被共済者ごとに、掛金月額を定めて締結するものとする。
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(契約の成立)
第七条
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退職金共済契約は、機構がその申込みを承諾したときは、その申込みの日において成立したものとみなし、かつ、その日から効力を生ずる。
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退職金共済契約が成立したときは、共済契約者は、遅滞なく、その旨を被共済者に通知しなければならない。
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(契約の解除)
第八条
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機構又は共済契約者は、第二項又は第三項に規定する場合を除いては、退職金共済契約を解除することができない。
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機構は、次の各号に掲げる場合には、退職金共済契約を解除するものとする。ただし、第二号に該当する場合であって、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一 | 共済契約者が厚生労働省令で定める一定の月分以上について掛金の納付を怠ったとき(厚生労働省令で定める正当な理由がある場合を除く。)。 |
二 | 共済契約者が中小企業者でない事業主となったとき。 |
三 | 被共済者が偽りその他不正の行為によって退職金又は解約手当金(以下「退職金等」という。)の支給を受け、又は受けようとしたとき。 |
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3
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共済契約者は、次の各号に掲げる場合には、退職金共済契約を解除することができる。
一 被共済者の同意を得たとき。
二 掛金の納付を継続することが著しく困難であると厚生労働大臣が認めたとき。
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退職金共済契約の解除は、将来に向ってのみその効力を生ずる。
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(掛金月額の変更)
第九条
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機構は、共済契約者から掛金月額の増加の申込みがあったときは、これを承諾しなければならない。
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機構は、共済契約者からの掛金月額の減少の申込みについては、前条第三項各号に掲げる場合を除き、これを承諾してはならない。
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(退職金)
第十条
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機構は、被共済者が退職したときは、その者(退職が死亡によるものであるときは、その遺族)に退職金を支給する。ただし、当該被共済者に係る掛金の納付があった月数(以下「掛金納付月数」という。)が十二月に満たないときは、この限りでない。
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5
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被共済者がその責めに帰すべき事由により退職し、かつ、共済契約者の申出があった場合において、厚生労働省令で定める基準に従い労働大臣が相当であると認めたときは、機構は、厚生労働省令で定めるところにより、退職金の額を減額して支給することができる。 |
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(退職金の支給方法)
第十条の二
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退職金は、一時金として支給する。
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(退職金の分割支給等)
第十条の三
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機構は、前条の規定にかかわらず、被共済者の請求により、退職金の全部又は一部を分割払の方法により支給することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 退職金の額が厚生労働省令で定める金額未満であるとき。
二 被共済者が退職した日において六十歳未満であるとき。
三 被共済者が退職金の一部を分割払の方法により支給することを請求した場合において、次項に規定する分割払対象額が厚生労働省令で定める金額未満であるとき又は当該退職金の全額から同項に規定する分割払対象額を減じた額が厚生労働省令で定める金額未満であるとき。
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(解約手当金等)
第十三条
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退職金共済契約が解除されたときは、機構は、被共済者に解約手当金を支給する。 |
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(掛金納付月数の通算)
第十四条
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被共済者が退職した後二年以内に、退職金を請求しないで再び中小企業者に雇用されて被共済者(当該請求をしたとした場合にその者に支給されることとなる退職金に相当する額の全部又は一部が第二十一条の六第一項の規定により同項に規定する団体に引き渡された被共済者を除く。)となり、かつ、その者の申出があつた場合において、退職前に締結されていた退職金共済契約に係る掛金納付月数が十二月以上であるとき、又は当該掛金納付月数が十二月未満であり、かつ、その退職が当該被共済者の責めに帰すべき事由若しくはその都合(厚生労働省令で定めるやむを得ない事情に基づくものを除く。)によるものでないと厚生労働大臣が認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、前後の退職金共済契約に係る掛金納付月数を通算することができる。この場合において、退職金等の額の算定に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
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(譲渡等の禁止)
第十六条
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退職金等の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、被共済者の退職金等の支給を受ける権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
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(掛金の納付)
第十八条
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共済契約者は、退職金共済契約が効力を生じた日の属する月から被共済者が退職した日又は退職金共済契約が解除された日の属する月までの各月につき、その月の末日(退職の日又は退職金共済契約の解除の日の属する月にあっては、その退職の日又はその解除の日)における掛金月額により、毎月分の掛金を翌月末日(退職金共済契約が効力を生じた日の属する月分の掛金にあっては、翌々月末日)までに納付しなければならない。
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(加入促進等のための掛金負担軽減措置)
第十八条の二
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機構は、中小企業者が退職金共済契約の申込みをすること及び共済契約者が第九条第一項の掛金月額の増加の申込みをすることを促進するため、厚生労働省令で定めるところにより、共済契約者の掛金に係る負担を軽減する措置として、一定の月分の掛金の額を減額することができる。
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(前納の場合の減額)
第十九条
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機構は、共済契約者が掛金をその月の前月末日以前に納付したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その額を減額することができる。
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(納付期限の延長)
第二十一条
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機構は、常時五人未満の従業員を雇用する共済契約者については、厚生労働省令で定めるところにより、三月の範囲内で第十八条第一項の納付期限を延長することができる。
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機構は、天災その他やむを得ない事由により共済契約者が掛金を納付期限までに納付することができないと認めるときは、その納付期限を延長することができる。
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(退職金共済手帳の提示等)
第二十四条
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退職金共済契約の共済契約者は、被共済者から要求があったときは、退職金共済手帳を提示しなければならない。
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退職金共済契約の共済契約者は、被共済者が退職したとき、又は退職金共済契約が解除されたときは、やむを得ない理由がある場合を除き、遅滞なく、退職金共済手帳を被共済者又はその遺族若しくは相続人に交付しなければならない。
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退職金共済契約の共済契約者は、被共済者又はその遺族若しくは相続人が退職金等の支給を受けるために必要な証明書を請求したときは、遅滞なく、これを交付しなければならない。
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(不利益取扱の禁止)
第二十五条
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中小企業者は、退職金共済契約に関し、従業員に対して不当な差別的取扱をしてはならない。
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(掛金及び退職金等の額の検討)
第九十条
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掛金及び退職金等の額は、少なくとも五年ごとに、退職金等の支給に要する費用及び運用収入の額の推移及び予想等を基礎として、検討するものとする。
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