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(別紙2)

 IT化に対応した総合的な職業能力開発施策の推進




I 趣 旨

  急速なIT化の進展に伴う、労働者の間の情報格差及びこれに伴う雇用・労働条件
 面の格差(デジタル・ディバイド)の問題への対応として、離職者、在職者を含めた
 労働者の能力水準、ニーズ等に応じたITに係る能力習得機会の拡大を図るとともに、
 このための関係機関間の連携体制を整備する等、「働く人すべてのIT化対応」を目
 指した総合的な施策を展開することとする。




II 具体的事業内容

 1 情報格差(デジタル・ディバイド)解消のためのIT基礎能力習得機会の確保、
  提供

  (1) 公共職業訓練の拡大・弾力的な受講機会の確保 (対象人員:約50万人) 

     ITに係る訓練ニーズに応じた以下の様々な水準、期間の公共職業訓練コー
    スを整備、これを大幅に拡大する等、あまねく労働者のITに係る基礎能力習
    得機会の確保を図る。また、このために必要なパソコン等の整備を進める。 

    <1> 離職者訓練 (対象人員:約30万人) 

     イ ITに係る専門的・体系的な職業能力の習得を図るための訓練
      〔訓練期間:概ね3〜6月〕

      ・ITを活用した、管理、事務、営業、製造等に係る体系的な能力(購
       買・販売に係るeコマースを活用した事業運営に従事できる、コンピュ
       ータを用いた製品設計(CAD)ができる、等)の習得 

      ・ITに係る専門的、体系的な能力(ネットワークシステムの設計、構築
       ができる、ネットワークシステムの管理運用(安全管理、障害対策、利
       用環境整備、ユーザ教育等)ができる、応用ソフトの開発ができる、等
       )の習得 


     ロ ITに係る短期の目的・水準別の比較的基礎的な職業能力の習得を図る
      ための訓練(以下の3段階程度の水準のコース設定を予定)
      〔訓練期間:概ね1〜2月〕

      ・ワープロ・表計算の能力習得 

      ・ワープロ・表計算(応用)、メール・インターネットによる情報検索・
       伝達等の能力習得

      ・ホームページの立ち上げ、顧客情報の管理、プレゼンテーション等のよ
       り実践的な能力習得 


     ハ 「パソコンを立ち上げ、ワープロで簡単な文書作成が出来る」等のパソ
      コン操作能力の初歩部分の習得を図るための訓練
      〔訓練時間:概ね30時間〕


     ○ 職業安定機関との連携により、IT訓練の必要な求職者をあまねく対象
      として実施する。


     ○ ロ、ハについて、IT以外の訓練コースに併せて受講すること(複合型
      受講)、単独で受講することいずれも可能とする。 


    <2> 在職者等訓練 (対象人員:約20万人) 

     イ ITに係る専門的・特化した職業能力の習得を図るための訓練
      〔訓練時間:概ね30時間〕

      ・ITを活用した、管理、事務、営業、製造等に係る特化した分野の能力
       の習得 

      ・情報通信技術等に係る専門的で、特化した分野の能力(ファイアウォー
       ルの構築ができる、インターネットサーバーの管理ができる、情報通信
       機器の接続ができる、等)の習得


     ロ ITに係る短期の目的・水準別の比較的基礎的な職業能力の習得を図る
      ための訓練(3段階程度の水準のコース設定を予定〜上記1ロと同様)
      〔訓練時間:概ね100時間〕 


     ハ 「パソコンを立ち上げ、ワープロで簡単な文書作成が出来る」等のパソ
      コン操作能力の初歩部分の習得を図るための訓練(上記1ハと同様)
      〔訓練時間:概ね30時間〕


     ○ 以上のコースについて、企業推薦による応募者に加え、自発的に応募す
      る労働者も対象者とする。また、在職者の便宜に配慮し、夜間・土日も含
      め実施する。 


    <3> 学卒訓練 (対象人員:約8千人) 

      ・システム設計、プログラミングに係る実践的、体系的な能力習得を目的
       とした訓練〔訓練期間:概ね2年間〕 


  (2) 能力水準に応じたITに係る学習の支援 (対象人員:約50万人)

    <1> 公共職業能力開発施設、地域職業訓練センター等にパソコン(自
      習用端末)を整備の上、これらの施設、設備を活用し、公共職業訓練受講
      者、その他の幅広い労働者を対象に、夜間・土日を含め、ITに係る基礎
      能力習得のための学習を支援する。

    <2> 在職者等が、パソコンを用い、自宅や事業所においてITに係る
      基礎能力習得のための学習を随時行うことを支援するため、教育訓練ソフ
      トを配信するシステムを開発する。


            ○ 以上、1による事業の対象人員(計)約100万人



 2 先導的な教育訓練コース・システムの開発展開等

   高度・先端的なIT分野の職業能力の開発促進に資するため、以下の先導的な教
  育訓練コース・システムを開発し、今後、その効果的展開を図る。

  <1> 生涯職業能力開発促進センター及び高度職業能力開発促進センターに
    おける、ITに係る先導的体系的な教育訓練コースの開発 

  <2> ITに係る遠隔教育訓練システムの効果的展開手法の開発

  <3> 公共職業能力開発施設間の仮想ネットワークによる実地体験型の新た
    な訓練システムの開発



 3 IT分野の能力開発に係る情報提供・相談、関係機関との連携・協力(「地域I
  T化能力開発支援センター(仮称)」の整備)

   上記のIT化に対応した職業能力開発施策の展開に係る関係機関間の連絡調整、
  事業主・労働者に対する情報提供・相談等、地域における拠点的役割を担う、「地
  域IT化能力開発支援センター(仮称)」を、雇用・能力開発機構の各都道府県セ
  ンターに設置する。


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