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(資料1)

 「ものづくり教育・学習に関する懇談会」の中間まとめ


1 懇談会の目的

2 ものづくり教育・学習の意義等

3 ものづくり教育・学習の現状等
 (1) ものづくり教育・学習の現状
 (2) ものづくり教育・学習の実施上の課題

4 ものづくり教育・学習の効果的な実施のための取組み
 (1) ものづくり教育・学習の適切な手法、プログラム等による実施
 (2) ものづくり教育・学習の指導者
 (3) ものづくり教育・学習において熟練技能技術者の活用を進めるためのシステム
  の構築
 (4) ものづくり教育・学習に対する理解の促進

5 ものづくり教育・学習における安全配慮

6 ものづくり教育・学習の効果的な実施のための支援

7 おわりに 

   

1 懇談会の目的

 ○ ものづくりに対する社会的関心の高まり

   平成11年3月に「ものづくり基盤技術振興基本法」が制定されるとともに、
  同年12月に総理の強いリーダーシップシップにより「ものづくり懇談会」が設
  置されるなど、ものづくりに対する社会的関心の高まりに対応した取組みが進め
  られつつある。 


 ○ 若年者にものづくりの教育を

   若年者を中心としたものづくり離れや技能離れと言った傾向が続く中で、産業
  界の各分野で我が国の経済発展に重要な役割を担ってきた優れた技能者の確保や、
  その後継者の育成が困難となってきている。これらの一因としては、若年期にお
  いて、ものづくり体験に乏しいこと、ものづくり現場を見る機会が少ないこと、
  またそのために技能に対する関心が低いことなどが考えられ、若年者にものづく
  りの楽しさや素晴らしさを知る機会を数多く提供することが求められている。 
   また、ものづくりを通しての体験的な学習は、若年者が自ら学び、自ら行動し、
  問題を解決するなどの「生きる力」の育成にも資するという認識が高まっている。
   このような観点から、若年者に対するものづくりについての教育の充実を図る
  ことが、緊急、かつ、重要な課題となっている。 


 ○ 地域の熟練技能技術者の教育力を活用したものづくりの教育を  

   ものづくりの技能・技術に熟練、熟達した者(以下、「熟練技能技術者」とい
  う。)は、自らの能力を教育の場で活用して欲しい、また、自らの仕事を多くの
  人々に知ってもらいたいという思いをもっており、ものづくりについての教育へ
  の協力、参加への強い希望を持っている。 
   また、教育現場では、開かれた学校づくりを進めるため、地域の様々な人材の
  協力を得ることにより、地域との連携を深めていくことが求められており、社会
  教育においても地域の人材を活用した多様な事業の展開を図ることが期待されて
  いる。 
   したがって、地域の熟練技能技術者の熱意をうまく教育活動に活かすことがで
  きれば、ものづくりについての教育のより一層の充実が期待できる。 


 ○ ものづくり教育・学習のあり方の検討 

   以上のことから、本懇談会では、学校や、公民館、博物館等の社会教育施設
  (以下「公民館等」という。)において教員や職員が、地域の熟練技能技術者の
  教育力を積極的に活用したものづくり教育・学習をどのように実施するとよいか
  を中心に、若年者にものづくりの楽しさ、素晴らしさや大切さを認識してもらう
  ための教育・学習はいかにあるべきかについて検討を行うこととしたものである。



   
2 ものづくり教育・学習の意義等

   ものづくり教育・学習が今後、多くの学校や、公民館等で円滑に実施されるた
  めには、教育現場の教員・職員や保護者、その他関係者にその意義やねらいにつ
  いて丁寧に説明する必要があるのではないかとの意見が出された。そこで、本懇
  談会で議論されたものづくり教育・学習の意義やねらいについて、次のとおりま
  とめることとした。 



 ○ ものづくりと教育・学習

   ものづくりの体験は、自分で実際に身体を動かして、試行錯誤を繰り返しなが
  ら解決方法を探求することを通して、これまで各教科や生活の中で学んだ知識や
  理論を実感を伴って理解し、ものづくりのプロセスの大切さを認識するとともに、
  作る喜びや完成の達成感を味わうことができる。その結果、創造性や自ら主体的
  に取り組む態度、ひとつのものに取り組む集中力や忍耐力、協調する態度を醸成
  することができる。 
   また、ものを上手に、巧く作ることができることは、楽器の演奏やスポーツに
  秀でていることと同様に素晴らしいことであるという認識を育むことが、ものづ
  くり教育・学習には期待できる。さらに、ものづくりの重要性や技能・技術が果
  たす役割を理解し、ものづくりを支える方々を尊敬する態度を身に付けさせ、労
  働を尊ぶといった望ましい職業観や勤労観を育成することが期待される。 
   これらに加え、自ら道具や機械を扱う中で、安全確保の重要性、安全を最優先
  する態度の醸成が期待される。 
   このように、「ものづくり」は、「人づくり」、とも言え、さらには「国づく
  り」にも貢献し得ると言えるのである。 


  ○ 熟練技能技術者と教育・学習 

   ものづくり教育・学習において、若年者が熟練技能技術者の指導によるものづ
  くり体験や、ものづくりの現場を見ることは、日常の教育・学習では得にくい驚
  きや感動を得ることができるものである。また、熟練技能技術者が持つプロとし
  ての素晴らしい技は、天才的な素質のみによるものではなく、長年にわたり技能
  ・技術の研鑽を積んできたという努力の賜でもあることや、専門分野に優れると
  いうことが社会人として重要であることの理解を進めることとなり、これまでの
  我が国経済社会のめざましい発展に大きな役割を果たしてきたものづくりの大切
  さや、ものづくりを担う技能者や技術者の社会的な役割の重要性の理解を深める
  こととなる。 



      
3 ものづくり教育・学習の現状等 

  (1) ものづくり教育・学習の現状 

    現在、学校教育でのものづくりに係る教育は、主に次の教科で取り扱われて
   いる。 

      ○ 小学校・・・・図画工作、理科、生活、家庭、社会 
      ○ 中学校・・・・技術・家庭、美術、理科、社会 
      ○ 高等学校・・・芸術、家庭、工業等 

    これらの教科や特別活動の時間において、熟練技能技術者の指導によるもの
   づくり教育の取組例は多いとはいえないものの、実施されている例では、好評
   を得ている。 
    優れた知識や技術を有する社会人を学校教育に活用することにより、学校教
   育の多様化への対応とその活性化をねらいとする教育職員免許法に基づく特別
   非常勤講師制度は、教員免許状を持たない社会人を小・中・高等学校等で登用
   できるものであり、この制度を活用したものづくり教育での熟練技能技術者の
   登用は、各地での取組みが始まっている。 
    一方、社会教育の場では、公民館、博物館等あるいは大学や専修学校等の開
   放事業において、専門家が指導を行う親子参加のものづくり体験教室が多くの
   地域で実施されており、また、技能士会等の各種団体や企業もこのような活動
   を展開している例もあり、これらの参加者からは好評を得ており、さらなる実
   施の拡大が期待されている。 



  (2) ものづくり教育・学習の実施上の課題 

    熟練技能技術者を活用したものづくり教育・学習を全国的に多くの学校や社
   会教育の場で実施しようとすると、次のような課題がある。

    @ プログラム・メニューや教材についての情報が容易に入手できるか。 

    A 学校や公民館等での指導の経験の浅い外部指導者の信頼性・指導力は十
     分か。 

    B 指導者としての適切な人材についての情報が容易に入手できるか。 

    C ものづくり教育・学習の大切さや必要性が関係者の間で十分に認識され
     ているか。 

    D ものづくり教育・学習で、実際にものづくり体験を行うに当たり、児
     童・生徒への安全配慮は十分になされるか。 


     

4 ものづくり教育・学習の効果的な実施のための取組み 


   ものづくり教育・学習が、その意義やねらいに沿い、今後、多くの学校や公民
  館等で効果的に実施されるためには、以下の考え方に基づいて行うとよいと考え
  られる。 



   (1) ものづくり教育・学習の適切な手法、プログラム等による実施

    イ 実施の方法等 
  
      小・中学校段階でのものづくり教育・学習は、限られた授業時数の中で、
     ものづくりの基本的な能力を身に付けさせると同時に、ものづくりの楽し
     さやおもしろさ、重要性に気付かせるきっかけを与えるものとなることに
     留意すべきである。そこで、今後、新たに導入される「総合的な学習の時
     間」や関係教科等においての積極的な取組みが期待される。学校教育の場
     で、ものづくり体験をしたり、熟練技能技術者と交流する機会をもつこと
     は、将来ものづくりに従事しない児童・生徒に対しても、ものづくりの重
     要性、ものづくりに携わる人々への理解を深めることができるといったこ
     とからも重要である。 
      高等学校段階においては、生徒の主体的な職業選択の能力や高い職業意
     識を身に付けさせる観点からも、ものづくりに関わる産業でのインターン
     シップの推進や、地域の熟練技能技術者を積極的に活用したものづくり教
     育・学習が有効であると考える。 
      また、ものづくりに興味・関心をもち、ものづくりを将来やってみたい
     と思う児童・生徒が土日や放課後に気軽に、自由に参加できるものづくり
     体験の機会を、社会教育の場に数多く設けていくことも必要である。例え
     ば、地域の熟練技能技術者から体験を通じて学ぶ活動や、地場産業等にお
     ける職場体験等の機会を充実することも重要であろう。今後、学校が完全
     学校週5日制へ移行することに鑑み、社会教育の果たす役割が増す中で、
     ものづくり教育・学習は、社会教育の充実に資するものと考える。 
      学校教育、社会教育のいずれにおいても、ものづくり教育・学習での教
     育効果を高めるためには、計画的・継続的な実施が望ましいと考えるが、
     イベント等による普及・啓発活動も重要である。  
      なお、ものづくり教育・学習の効率的な実施を図るためには、地域の複
     数の学校や公民館等との共同又は連携した実施方法も考えられる。 


    ロ 教育手法 

      児童・生徒がものづくりの楽しさ、素晴らしさを知るには、教室で先生
     の話を聞いたり、教科書や教育用ビデオ等を使って学習するだけではなく、
     実際にものづくりを体験し、実物に接するといった体験的な教育手法が効
     果的である。これらの教育手法としては、児童・生徒が熟練技能技術者の
     指導によって自ら物を作ったり、ハンズ・オン活動(見て、触って、試し
     て、考える)を行う「体験手法」、工場・作業場や学校等の施設内で実作
     業や実演を見る「見学手法」、仕事の内容、技能の習得過程について熟練
     技能技術者の話を聞く「聴講手法」等の手法が考えられる。 
  

    ハ プログラム・メニュー等 
  
      ものづくり教育・学習の実施者は、以下の点に留意してものづくり教
     育・学習の実施に必要なプログラム・メニューや教材の作成、選定を行う
     とともに、実施後に、これらの評価、検証を行い、その改善に努めること
     がよいと考える。 
  
     (イ) プログラム・メニューや教材の作成、選定に当たっては、児童・生
       徒の発達段階(適時性)や興味・関心に対応したものであること。 
        この際、自分で実際に身体を動かして、ものづくりを体験させるこ
       とを重視すること。特に、低年齢の者には、きれいに整ったメニュー、
       教材よりも、木を削る、土をこねるといった原体験的なプログラム・
       メニューを加えるとよいこと。 

     (ロ) 実技・実習では、“プロの技”を見せたり、熟練技能技術者と交流
       することにより驚きや感動を与え、ものづくりの素晴らしさを伝える
       ことに努めること。 
  
     (ハ) きっかけ作りのためのものづくり教育・学習では、児童・生徒のも
       のづくりへの興味・関心を高めるために、楽しさ、素晴らしさや、作
       品完成の達成感を味わうことのできるものが望ましいこと。 
        また、興味・関心を高める手法として、製作した作品が発表される
       機会や、地域、家庭で実際に使用される機会を与えることも考慮する
       こと。 

     (ニ) 今後、多くの学校や公民館等においてものづくり教育・学習の実施
       が期待される中で、熟練技能技術者や地域の協力を求めることが必要
       となるが、地域との連携を一層強化するといった観点からも、地場産
       業等の地域の特性を組み込んだものにも配慮すること。 
  
     (ホ) 製作する上で重要な箇所、手順等のものづくりのポイントを押さえ
       た教育を実施するため、熟練技能技術者や地域の工場と連携してプロ
       グラム・メニューや教材の作成、選定を行うとともに、実施後のプロ
       グラム等の評価、検証を行う際には、これらの者の意見等に配慮する
       こと。 
  
     (ヘ) 体験手法等の教育手法を実施する場としては、学校や公民館等が中
       心となるが、その他、文化施設、公共職業能力開発施設、企業(工場、
       作業場)等も考えられ、それぞれの場の特色を生かしたプログラム等
       であること。 



   (2) ものづくり教育・学習の指導者 

    イ 指導者に関する情報の提供 
  
      今後、多くの学校、公民館等において熟練技能技術者を活用したものづ
     くり教育・学習が実施されるためには、ものづくり教育・学習の実施者が、
     指導者の専門性に関する情報を容易に入手できるような体制が整備される
     ことがよいと考える。 
      専門性を満たす熟練技能技術者の例としては、職業能力開発促進法に基
     づき国が実施している技能検定の合格者である「技能士」、労働省が推進
     している「高度熟練技能活用促進事業」において、機械で代替できないよ
     うな高度な技能を身に付けている者として選定された「高度熟練技能者」
     (“スーパー技能者”とも呼ばれている。)や、卓越した技能を持った者
     として労働大臣の表彰を受けた「卓越技能者(現代の名工)」が挙げられ
     る。また、地方公共団体において、名工、マイスター等の名称で表彰、認
     定された者、ものづくりに関係する各種の資格取得者や、各種技能競技会
     の上位入賞者もこれに該当すると考える。 


    ロ 指導者への支援 

      学校におけるものづくり教育・学習においては、特別非常勤講師制度を
     活用した熟練技能技術者の登用に積極的に取り組むとともに、地域のボラ
     ンティアの協力を求めることが望まれる。社会教育においても地域のボラ
     ンティアの活用が望まれる。 
      これらの指導者の活動に対する支援方策について検討する必要がある。



   (3) ものづくり教育・学習において熟練技能技術者の活用を進めるための
      システムの構築 

      学校教育や社会教育において、ものづくり教育・学習を効果的に進める
     ためには、ものづくり教育・学習を実施する学校や公民館等と熟練技能技
     術者、さらには行政機関や関係団体との間に人や情報の交流、交換等が円
     滑かつ適切に行われることのできる、次のような機能、仕組み等を持つシ
     ステムの構築が必要である。 



    イ 人材データベースの整備 
  
      学校や公民館等においてものづくり教育・学習の実施者が人材を容易に
     探すことのできるよう、人材情報に関するデータベースや相談窓口等が整
     備されることが望ましい。この情報データベースに登録される人材につい
     ては、専門領域やそのレベル、協力できる範囲・条件が明示されているこ
     とが望ましい。 
      なお、どのような情報を提供すると、このような方々を教育現場が円滑
     に受け入れることができるかについても議論を行ってきた。例えば、事業
     主や業界団体の推薦があること、児童・生徒に対する指導方法等の講習を
     内容とする研修会の受講者であること、職業能力開発促進法に基づく職業
     訓練指導員免許を所持していること等は比較的受け入れられやすいもので
     はないかとの意見が出されたが、さらに検討することとする。 
      この人材情報データベースは、技能者の活動や技能・技術の動向を知る
     者として最も近い立場にあり、また、これらの人材データや様々な技能情
     報を所持している中央職業能力開発協会、都道府県職業能力開発協会、社
     団法人全国技能士会連合会、都道府県技能士会連合会等が中心となって、
     学校関係者、社会教育関係者、あるいはボランティア団体等の意見を聞き
     つつ作成することが考えられる。また、相談窓口においては、学校や公民
     館等の希望に応じて、熟練技能技術者との間のコーディネートを行うこと
     にも考慮すべきである。 

    ロ 指導者に対する研修・講習の仕組み 
  
      今後、多くの学校や公民館等においてものづくり教育・学習の実施が期
     待されており、指導を行う熟練技能技術者に対する研修会や講習会が各地
     で多数実施されると考えられることから、これらを効率的に実施するため
     の仕組みがあるとよいと考える。 
  
    ハ ものづくり教育・学習の実施後の評価と情報提供の仕組み 
  
      熟練技能技術者を活用したものづくり教育・学習の充実のためには、実
     施後の評価、検証を行い、必要な改善等が円滑に行われる仕組みが必要で
     ある。 
      このためには、例えば、実施後のアンケートにより集められた意見等を
     関係者が共有し、改善等に努めることが必要である。 
      また、好事例等の情報を収集・蓄積し、インターネット等により関係者
     が容易にアクセスできる仕組みが必要である。 
      その他、ものづくり教育・学習の効果的な実施のために、関係行政機関、
     学校関係者、PTA等の社会教育関係者、青少年教育団体、自治会等地域
     の関係団体、職業能力開発関係団体、業界団体等の関係者を構成員とした
     情報交換のための協議体制の整備も考えられる。 


 
   (4) ものづくり教育・学習に対する理解の促進 

      ものづくり教育・学習の実施に対する学校関係者、保護者の理解を深め
     るとともに、多くの学校や公民館等での実施の促進や熟練技能技術者、企
     業、団体等の協力を継続的に得るため、好事例や実施に係る情報を広く提
     供していくことが必要である。例えば、各地域の「子どもセンター」の活
     用や、「子ども放送局」による全国に向けた情報発信を行うことも期待さ
     れる。 
      ものづくり教育・学習をより効果的なものとするために、担当する教員
     等が自らものづくり体験を行うことや、地域の工場・作業場の見学を行う
     こと、また、熟練技能技術者と交流する機会を持つことも期待される。 
      また、保護者の理解を促進させるため、事前に熟練技能技術者の紹介を
     行うことや、ものづくり教育・学習への参観又は参加を求めることも考え
     られる。 
      なお、ものづくりの大切さ等の理解を深めるためには、家庭が果たす役
     割も大事であることを、付け加えておきたい。 


   

  5 ものづくり教育・学習における安全配慮

   (1) 児童・生徒等に対する安全配慮 

     ものづくり教育・学習の実施に当たっては、使用する教材、工具、機械・
    設備、実施環境等に対して十分な安全対策を行うとともに、児童・生徒に対
    して十分な安全教育を行うことが必要である。 
     安全対策の実施、万が一発生した事故への適切かつ迅速な対応等のため、
    ものづくり教育・学習の実施関係者は、各々の役割分担を明確にしておくこ
    とが必要である。 
     なお、災害等の補償については、一般に、児童・生徒には学校管理下にお
    いては災害共済給付制度、特別非常勤講師には公務災害補償制度の適用があ
    ること、それ以外の社会教育等の場においては、別途保険をかける必要があ
    ることに留意すべきである。 



   (2) ものづくり教育・学習での安全教育 

     ものづくり教育・学習において行われる安全教育の実施に当たっては、平
    成11年12月8日内閣官房長官から発表された「事故災害防止安全対策会議報
    告書」において、一般社会に広く求めている『「安全文化」の創造、すなわ
    ち、組織と個人が「安全」を最優先にする気風や気質を育てていくこと』を
    教育現場においても浸透させていくことに十分留意する必要がある。 
     ものづくり教育・学習での安全教育の実施では、労働安全衛生法に基づく
    労働安全(衛生)コンサルタント、安全(衛生)管理者等の活用も考慮する
    とよいと考える。 


     

6 ものづくり教育・学習の効果的な実施のための支援 

   ものづくり教育・学習の効果的な実施に資するため、行政(国、地方自治体)
  は、次の事項について必要な対応を図っていくことが求められる。 

  @ ものづくり教育・学習の実施者がプログラム・メニューや教材の作成、選定
   をする際に参考となるような事例等を収集し、必要に応じて情報提供すること。

  A ものづくり教育・学習の指導を希望する熟練技能技術者に対する研修会や講
   習会の実施、人材情報データベースの整備、相談窓口の設置、コーディネータ
   ーの配置、関係者への情報提供等のものづくり教育・学習の効果的な実施の環
   境を整備すること。 

  
    
7 おわりに 

   懇談会で出された意見等を事務局で中間的に整理したところであるが、今後、
  関係機関において、本中間まとめに基づくものづくり教育・学習を試行的に実施
  して、ものづくり体験のプログラムや必要なシステムの機能等の検証を行うこと
  が望ましい。 
   本懇談会においては、その結果を踏まえて、さらに検討を行うこととする。

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