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(別添) 



                          平成12年11月13日


                            座長  櫻井 治彦
                                小泉  明
                                輿  重治
                                清水 英祐
                                竹本 和夫
                                津田 洋幸
                                福島 昭冶
                                松島泰次郎


  職業がん対策専門家会議における物質の発がん性についての検討結果  

 職業がん対策専門家会議における物質の発がん性について、下記のとおり当会議と
して検討結果を取りまとめたので報告する。 



                  記 


1 砒素及びその化合物 

  引き続き情報の収集に努めるべきである。 


2 クロム化合物 

  特定化学物質等障害予防規則の規制対象でないクロム化合物の生産、使用実態は
 不明であり、引き続き情報の収集に努めることが望ましいと考える。 


3 ニッケル及びニッケル化合物 

  国内での状況を把握することが重要であり、引き続き情報収集に努めるべきであ
 る。 


4 カドミウム及びその化合物 

  使用実態についての情報が更に必要であり、引き続き情報収集に努めるべきであ
 る。 


5 酸化エチレン 

 (1) 滅菌器に多く使用されており、医療機関の中には、管理が不十分な例も認
    められる。 

 (2) 予防の観点から、行政対応が必要と考えられ、行政当局において対応を検
    討することが望ましい。 


6 シリカ 

 (1) 「シリカ曝露による発がんは、珪肺症(肺繊維症)を予防すれば、肺癌発
    症の有意の増加を予防できるとする立場を支持するものであり、」という報
    告書は、「珪肺症になれば肺がんになる」ということを意味するものではな
    い。 


 (2) 疫学調査及び動物実験から、シリカの発がん性を的確に評価することは困
    難であり、現時点ではシリカそのものの発がん性に関しては引き続き情報収
    集に努めることが望ましいと考える。 


7 エリオナイト 

  現在、我が国では産出されておらず生産も知られていないが、引き続き情報収集
 に努めるべきである。 


8 コークス製造 

  コークス炉上または炉に接する作業者は、改めて規制の対象とする必要がなく、
 現行の規制範囲で十分と考える。 


9 イソプロピルアルコール製造 

  現在、強酸工程は行われていないので新たな行政対応は必要ないと考えるが、引
 き続き情報収集に努めるべきである。 


10 硫酸含有無機強酸曝露 

  酸ミストは低濃度でがんが発生するとはされていないが、引き続き情報の収集に
 努めることが望ましい。 


11 アルミニウム生産 

  現在、国内における生産はほとんど休止しており、新たな行政対応は必要ないが、
 引き続き情報収集に努めるべきである。 


12 ゴム工業 

  多くの発がん物質を扱っており、それらの使用量が増えているかどうか、及び新
 しい化学物質が使用されているかどうかも含め、対象となる物質についての情報収
 集に努めることが望ましい。 


13 石炭ガス化 

  現在行われておらず、新たな行政対応は必要ないと考えるが、引き続き情報収集
 に努めるべきである。 


14 家具及び調度品製造 

  実態調査を行い、検討していくことが望ましい。 


15 鉄及び鋼鋳造 

  鋳造における砂型を取り扱う作業で使用される化学物質について情報収集するこ
 とが望ましい。 


16 塗料製造及び塗装 

  現行の特定化学物質等障害予防規則及び有機溶剤中毒予防規則により対応済みで
 ある。引き続き情報収集に努めるべきである。 


17 皮革工業:長靴および靴製造・修理 

  引き続き情報収集に努めるべきである。 

  

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