タイトル:平成12年上半期雇用動向調査結果速報 労働移動はやや活発に −欠員率は3年ぶりに上昇− −新規学卒入職者は減少− 発 表:平成12年12月12日(火) 担 当:労働大臣官房政策調査部統計調査第一課 電 話 03-3593-1211(内線5237、5238) 03-3502-6728(夜間直通)
[I] 調査の概要 1 この調査は、事業所における常用労働者の移動状況等を把握し、我が 国の労働市場の動向を明らかにすることを目的として、毎年上半期(1月 〜6月)及び下半期(7月〜12月)に分けて実施している。今回平成1 2年上半期分の概要を取りまとめた。 2 調査対象は、日本標準産業分類による9大産業 [ 鉱業、建設業、製 造業、電気・ガス ・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(教育等を除く)]に属 する常用労働者5人以上を雇用する事業所から抽出した約1万4千事業 所(有効回答率82%)及び同事業所における平成12年上半期の入職 者・離職者から抽出した入職者約6万5千人、離職者約6万人である。 3 主な用語の説明 [II]調査結果の概要 (骨子) 1 労働移動の状況 −労働移動はやや活発に− (1) 平成12年上半期の延べ労働移動者は約718万人(前年同期約696 万人)、入職者約362万人(同約353万人)、離職者約356万人 (同約343万人)で、延べ労働移動率は17.3%(同16.8%)と、 やや活発になった。入職率は8.7%(同8.5%)、離職率は8.6% (同8.3%)と、引き続き入職超過となったが超過幅は縮小して きている(第1図、第1表)。 (2) 入職・離職率を男女別にみると、男は入職率が7.2%(前年同 期7.2%)、離職率が7.2%(同6.9%)、女は入職率が11.1% (同10.6%)、離職率が10.8%(同10.5%)となった(第2図、 第1表)。 (3) 入職・離職率を就業形態別にみると、一般労働者は入職率が 7.3%(前年同期7.1%)、離職率が7.2%(同7.0%)、パートタ イム労働者は入職率が15.4%(同15.2%)、離職率が15.1% (同14.5%)となり、いずれも入職超過となった(第3図、 第1表)。 (4) 主な産業別に入職・離職の状況をみると、入職率は卸売・小 売業,飲食店10.7%、サービス業10.3%、建設業9.3%、製造業 5.6%となり、離職率は卸売・小売業,飲食店10.3%、サービス 業9.8%、建設業9.0%、製造業6.2%となった。製造業では離職 超過が続いている(第5図、第3表)。 2 入職者の状況 −新規学卒入職者は減少− (1) 入職者を職歴別にみると、転職入職者約197万人、未就業入職 者約165万人となった。転職入職率は4.8%(前年同期4.5%)、 未就業入職率は4.0%(同4.0%)となり、前年同期と比べると転 職入職率は0.3ポイント上昇した(第1表、第5表)。 (2) 新規学卒入職者は約84万人(前年同期約91万人)と、減少して いる。入職者に占める割合は23.2%(同25.8%)となった(表1)。 (3) 転職入職者の賃金変動別構成比をみると、賃金が前のつとめ先 に比べ「増加」であった者の割合は、33.1%(前年同期29.5%) となり、前年同期と比べると3.6ポイント上昇した。また、離職 期間別構成比を前年同期と比べると、3ヵ月未満の各区分で上昇 した(第8表、第9表)。 3 離職者の状況 −離職理由は「個人的理由」が上昇− 離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が66.0%(前年同期64.1 %)で最も高く、次いで「契約期間の満了」が10.6%(同12.1%)、 「経営上の都合」が9.0%(同11.1%)となり、前年同期と比べると 「個人的理由」の割合が上昇し、「経営上の都合」「契約期間の満了」 の割合がそれぞれ低下した(表2、第7図、第11表)。 4 未充足求人の状況 −欠員率は3年ぶりに上昇− 平成12年6月末現在の未充足求人数は約48万人(前年約32万人)で、 欠員率(在籍常用労働者に対する未充足求人の割合)は1.1%(同0.8%) となり、3年ぶりに上昇した。うちパートタイム労働者の未充足求人数 は約14万人(同約7万人)で、欠員率は1.9%(同1.0%)となった (第8図、第12表)。