タイトル:労働経済動向調査(平成12年8月)結果速報
・常用労働者雇用過剰感弱まる
・雇用調整実施事業所割合は引き続き低下
発 表:平成12年9月8日(金)
担 当:労働省労働大臣官房政策調査部
電 話 03-3593-1211(内線5667、5249)
03-3502-6729(夜間直通)
I 調査の概要
この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的
見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食
店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者30人以上を雇用する民
営事業所5,342事業所を対象として、年4回実施(通信調査方式)しているもので、
平成12年8月1日現在の調査結果である。
(回答事業所数3,115、回答率58%)
(注)1 平成11年2月の調査から、調査対象産業を従来の5産業に金融・保険業、不動産
業を追加し7産業とした。
2 「生産・売上判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「雇用判断D.I.」
とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合
を差し引いた値(センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによ
る季節調整値)。また、季節調整値は、毎年5月結果発表時に、過去に遡って改訂
する。
3 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答し
た事業所の割合を差し引いた値である。
4 統計表に用いている数値は、「0」は単位未満の比率を示し、「−」は調査客体が
ないものを示す。
II 調査結果
【 骨 子 】
1 生産・売上
生産・売上判断D.I.(平成12年4〜6月期実績)は、製造業でプラス12ポイント
と4期連続でプラスとなり、卸売・小売業,飲食店マイナス5ポイント、サービス業マイ
ナス9ポイントとマイナスとなった。また、製造業は7〜9月期実績見込、10〜12月
期見込でプラスとなっている。卸売・小売業,飲食店は7〜9月期実績見込、10〜12
月見込でプラスとなっている。サービス業は7〜9月期実績見込、10〜12期見込でマ
イナス幅は縮小している(第1図、第1表)。
2 所定外労働時間
所定外労働時間判断D.I.(12年4〜6月期実績)は、製造業でプラス12ポイント
と4期連続でプラスとなり、卸売・小売業,飲食店でマイナス2ポイント、サービス業マ
イナス4ポイントとなった。また、12年7〜9月期実績見込は製造業でプラス、卸売・
小売業,飲食店でマイナスとなっている。12年10〜12月期見込は製造業、卸売・小
売業,飲食店でマイナスとなっている(第2図、第1表)。
3 雇 用
常用雇用判断D.I.(12年4〜6月期実績)は、製造業マイナス33ポイント、卸売・
小売業,飲食店マイナス27ポイント、サービス業マイナス21ポイントと引き続き3産
業ともマイナスとなった。また、12年7〜9月期実績見込は3産業ともマイナスとなっ
ているがマイナス幅は大幅に縮小している。12年10〜12月期見込は製造業、卸売・
小売業,飲食店の2産業でマイナスとなっている(第3図、第1表)。
4 労働者の過不足状況
8月現在の常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス6ポイントと引き
続き雇用過剰感が弱まっている。産業別では、建設業マイナス16ポイント、製造業マイ
ナス14ポイント、運輸・通信業プラス12ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス
12ポイント、金融・保険業、不動産業各プラス14ポイント、サービス業プラス6ポイ
ントとなった(第5図、第2−1表)。
職種別にみると、すべての職種で雇用過剰感が弱まっている。「専門・技術」、「技能
工」などでは雇用不足感は強まっている(第7図、第2−2表)。
5 雇用調整
雇用調整を実施した事業所の割合(12年4〜6月期実績)は、調査産業計で23%と
前期と比べると2ポイント低下した。産業別には、製造業で5ポイント、不動産業で4ポ
イント、サービス業で3ポイント低下し、卸売・小売業,飲食店で横ばい、運輸・通信業
で3ポイント、建設業、金融・保険業で各1ポイント上昇している。
雇用調整の実施方法は、調査産業計では「残業規制」の割合が13%と最も高く、次い
で「配置転換」、「出向」及び「中途採用の削減・停止」の割合が高かった。
今後の雇用調整実施予定事業所割合は、調査産業計では12年7〜9月期は23%、1
2年10〜12月期は21%となっている(第8図、第10図、第4表)。
6 中途採用
「中途採用あり」とした事業所割合(12年4〜6月期実績)は、調査産業計で44%
と前年同期(11年4〜6月期実績)と比べると4ポイント上昇となっている。
7 労働者の変動状況
1年前の労働者数と現在の労働者数がどのように変わったかを事業所割合でみると、常
用労働者では調査産業計で「増加した」とする事業所は13%、「ほぼ同じ」とする事業
所は46%、「減少した」とする事業所は40%となっている(第6表)。
現在の労働者数が1年後どのように変わるかを事業所割合でみると、常用労働者では調
査産業計で「増加する」と見込む事業所は12%、「ほぼ同じ」と見込む事業所は53%、
「減少する」と見込む事業所は30%となっている(第7表)。
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