<個人調査> 1 就業形態別労働者の状況 (1)職種別の労働者割合 現勤務先での職種を非正社員でみると、「事務の仕事」23.3%、「販売の仕事 」20.3%、「サービスの仕事」19.1%で全体の6割を占めている。これを就業形 態別にみると、短時間のパートでは、「サービスの仕事」23.5%、「販売の仕事 」23.3%、「事務の仕事」20.3%となっている。その他のパートでは、「事務の 仕事」23.3%、「販売の仕事」20.9%、「サービスの仕事」18.2%となっている。 また、契約社員では、「専門的・技術的な仕事」33.1%、臨時的雇用者では、 「販売の仕事」38.7%、登録型派遣労働者では、「事務の仕事」69.1%、常用雇 用型派遣労働者では、「事務の仕事」34.3%がそれぞれ最も多くなっている (第11表)。 (2)性、年齢階級別の労働者割合 非正社員の割合を年齢階級別にみると、40〜49歳25.4%、20〜29歳 23.7%、50〜 59歳19.1%となっている。これをさらに性別でみると、男で は20〜29歳31.9%、60〜 64歳15.6%、50〜59歳15.0%、女では 40〜49歳30.6%、30〜39歳21.1%、50〜59歳20.8%となっている。 また、短時間のパートは男では20〜29歳で45.2%と最も高いのに対し、女 では40〜49歳が35.3%と最も高い。その他のパートも、男では20〜29歳 が34.7%が最も高いのに対し、女は40〜49歳が28.6%と最も高くなっている (第12表)。 2 就業理由等 (1)現在の就業形態に就いた理由 非正社員が現在の就業形態についた理由(複数回答)は、「家計の補助、学費 等を得るため」34.2%、「自分の都合のよい時間に働けるから」32.8%、「通勤 時間が短いから」30.5%で割合が高い。 これを就業形態別にみると、短時間パートでは、「自分の都合のよい時間に働 けるから」43.9%、「家計の補助、学費等を得るため」41.2%、「勤務時間や労 働日数が短いから」37.3%、「家庭生活や他の活動と両立しやすいから」36.0%、 「通勤時間が短いから」35.5%で割合が高く、その他のパートでは、「家計の補 助、学費等を得るため」32.3%、「通勤時間が短いから」31.4%、派遣労働者で は、「正社員として働ける会社がなかったから」29.1%、「組織にしばられない から」26.8%、「専門的な資格・技能が活かせるから」25.7%で割合が高くなっ ている。また、契約社員では、「専門的な資格・技能が活かせるから」37.1%、 臨時的雇用者では、「家庭生活や他の活動と両立しやすいから」47.4%、がそれ ぞれ最も高くなっている(第13表、第3図)。 (2)別の会社で働いた経験 「別の会社で働いたことがある」非正社員労働者の割合は75.3%となっている。 これについて、そのときの就業形態をみると、正社員54.3%、短時間のパート 22.8%、その他のパート11.9%となっている。 別の会社で働いた時も現在と同じ就業形態であった労働者の割合を就業形態別 にみると、短時間パートでは34.9%、その他のパートでは23.8%、派遣労働者で は21.8%となっている(第14表)。 (3)現在の就業形態の継続意思 現在の就業形態の継続意思を非正社員についてみると、「現在の就業形態を続 けたい」労働者の割合は76.1%で、「他の就業形態に変わりたい」労働者の割合 は13.5%となっている。 就業形態別に「現在の就業形態を続けたい」労働者の割合をみると、短時間の パート81.8%、その他のパート71.7%、臨時的雇用者69.0%、契約社員65.0%、 派遣労働者62.4%となっている(第15表)。 3 所定労働時間帯の始業・終業時刻の決定方法 所定労働時間の始業・終業時刻の決定方法を非正社員についてみると、「あらか じめ決まっている」が83.9%(「会社と相談のうえ変更できる」53.0%、「変更で きない」30.0%)であるのに対し、「自分で選択できる」が15.9%となっている。 これを就業形態別にみると、「自分で選択できる」割合の高いものは、臨時的雇 用者26.4%、短時間のパート19.6%となっている。また、「会社と相談の上変更で きる」割合の高いのは、短時間のパート59.3%、その他のパート55.8%となってい る(第16表)。 4 賃金月額 1カ月(平成11年9月)に支払われた非正社員の平均賃金月額をみると、約 140.8千円となっている。「10万円未満」が45.3%と最も多く、次いで「10〜 20万円」37.4%、「20〜 40万円」13.2%、「40万円以上」4.1%となっ ている。平均賃金月額を就業形態別にみると、契約社員約237.9千円、常用雇用型 派遣労働者約230.7千円、登録型派遣労働者約199.4千円等となっており、最も低い 就業形態は短時間のパートで、約89.7千円となっている。 「20〜40万円」が最も多かった就業形態は、常用雇用型派遣労働者53.6%、 登録型派遣労働者52.3%、契約社員43.5%となっており、「10〜20万円」が最 も多かったのは、その他のパート65.5%、「10万円未満」が最も多かったのは、 短時間のパート70.6%、臨時的雇用者61.5%となっている(第17表)。 5 職業能力開発の意欲及び方法 非正社員のうち「今後職業能力を高めたいと思っている」労働者の割合は52.7% で、「職業能力を高めたいと思っていない」労働者の割合は46.5%となっている。 職業能力を高める方法としては、「その他の自己啓発」68.6%、「会社での教育訓 練」31.9%となっている。 これを就業形態別にみると、「今後職業能力を高めたいと思っている」割合が高 いのは、派遣労働者77.4%、契約社員69.7%等となっている(第18表)。 6 職場での満足度 職場での満足度をD.I.を基に正社員と非正社員で比較してみると、全体的に 非正社員の方が満足度が高い。共に満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」 (正社員52.6ポイント、非正社員50.1ポイント)、「勤務体制」(正社員38.7ポイ ント、非正社員55.5ポイント)、「職場の人間関係」(正社員38.0ポイント、非正 社員43.3ポイント)となっている。共に低いのは「賃金」(正社員1.7ポイント非 正社員12.4ポイント)、「評価・処遇」(正社員9.8ポイント、非正社員18.4ポイ ント)、「教育訓練・能力開発」(正社員1.7ポイント、非正社員マイナス1.3ポイ ント)となっている。正・非で大きく異なっている(10ポイント以上)のは、「労 働時間・休日数」、「勤務体制」、「賃金」となっている (第19表、第20表、第4図)。 7 仕事と生活の重視度 就業形態及び性別に生活重視度合い(D.I.)を比較してみると、女の非正社 員、特に短時間のパート(56.1ポイント)、登録型派遣労働者(50.5ポイント)、 臨時的雇用者(45.9ポイント)の割合が高くなっている。 男では、短時間のパート(33.3ポイント)、登録型派遣労働者(32.2ポイント) が高くなっている。(第21表)。