(1) | 冒頭の全体会議で先の第2回目安小委員会で主張された労使の見解について確認を行ったところ、まず労働者側より、第2回目安小委員会における見解と基本的に変わらないとして、当該年度の組織労働者の賃上げ率に、時間短縮の成果の積み残し分を加味して、平成10年度の賃金、経済等の諸指標を総合的に勘案した引き上げを主張した。併せて、第2回目安小委員会における使用者側見解に対し、以下のように反論を行った。
@ | 最低賃金の引き上げにより、内需拡大や消費回復に適度のインパクトを与えるべきである。 |
A | ミクロ的視点ではなくマクロ的観点で議論すべきである。 |
B | 最低賃金をセーフティーネットの観点から議論すべきである。 |
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(2) | これに対し使用者側は、第2回目安小委員会における主張のとおり、本年度は最低賃金を据え置くべきものとして主張し、労働者側の見解に対し、以下のように反論を行った。
@ | 賃金と消費拡大に因果関係はない。 |
A | 中小企業等の経営の実態がもはや賃上げを許容し得ない。 |
B | 最低賃金制度自体は必要だが、企業に賃金決定の幅を与えるべきである。 |
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(3) | その後、数次にわたる公益委員による調整を経て、労働者側は、賃金改定状況調査における賃金上昇率に組織労働者の賃金上昇率を考慮して1.8%+αの引き上げを強く主張したのに対し、使用者側は賃金改定状況調査を念頭に置きつつも、凍結事業所割合等を考慮して、1. 5%以下にすべきであると主張した。
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(4) | さらに公益委員による調整が行われたが、労使の妥協点を見出すことは極めて困難な状況となり、最終的には、公益委員見解(別紙1)を示すこととなった。
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(5) | 公益委員見解を目安額として決定することについては、小委員会の意見の一致をみるに至らなかった。しかしながら、地方最低賃金審議会における審議に資するため、公益委員見解を各地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することについては意見の一致をみて、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(別紙2)が了承された。
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