女性少年問題審議会 女性部会 議事録


日時 平成12年10月12日(木)
9:30〜
場所 富国生命ビル中会議室


(部会長) ただいまから、女性部会を開催させていただきます。本日は前々から申し上げたとおり、厚生省児童家庭局、中小企業労使からのヒアリングを行う予定になっております。まず、厚生省児童家庭局の方から「保育行政における現状と課題」についてのご説明をしていただきまして、続いてJAM東京JUKI労働組合の方から伺いまして、最後に愛知県製麺工業協同組合の方から、中小企業における育児や介護を行う労働者の状況についてご説明をいただくという予定になっております。なお、当部会の議事録というのは、原則として公開されることになっておりますが、本日のヒアリングの中で明らかにしたくはないというものがありましたら、その旨ご発言いただくようにお願いを申し上げます。それでは、よろしくお願いいたします。
(事務局) 本日はこのような場でお話させていただくということで、大変光栄に思っております。私のほうから厚生省関係の資料を2つお配りしておりますが、「児童家庭局保育課」といちばん下に書いてある表紙のものに即しまして、10分から15分保育行政についてご説明を申し上げたいと思います。
 表紙をおめくりいただきますと、保育所の概要が1枚紙でまとめてあります。ご承知のとおり、保育所は共働き家庭の乳幼児をお預かりして、また教育も提供するという施設です。いわゆる昼間の保育だけではなくて、延長保育、休日保育とさまざまな保育を提供しているというのが最近の傾向です。2番の入所手続はまた別の紙で説明申し上げます。開所時間ですが、実態として週6日やっているというのは、これはオールジャパンでそうであるかと思っております。
 それから、毎日の開所時間ですが、まだ短い所も残っておりますが、政策的には11時間で、概ね午前7時から午後6時ごろという所が多いかと思いますが、そういうふうに政策誘導しておりまして、11時間開所の所が過半数になっているのかと思います。それにかかる費用は、保育の実施というのは市町村の事務ということになっておりますので、書面はございませんが、市町村からの委託契約に基づいて保育所が保育をするということですので、保育費用ということで児童1人1か月当たりの額が市町村から支払われます。その額がいくらかといいますと、人員配置が違います。ゼロ歳児ですとお子さん3人につき保育士が1人、4歳以上児ですとお子様30人に対して保育士が1人という配置になっておりますので、人的配置の差異を反映して毎月の額も相当異なっております。
 ここに書いてありますように、ゼロ歳児ですと15.5万円、4歳以上児になりますと3.8万という額になります。なお、表題の所にありますように、これは国基準の額で、国基準の額でおやりになっている自治体もあれば、それに相当上乗せした形で人員配置をして、これが相当高くなるという自治体もあります。首都圏、特に東京の公立の保育所などではゼロ歳児の15.5万という額が5、60万になっているということもお聞きしております。この保育費用の財源ですが、保護者の保育料、公費が概ね1/2というのが国基準の算定です。地方公共団体によりましては、保育料負担の軽減ということで、地方単独事業でその当たりに財源を投入しているところもあるようです。残りの公費は概ね1/2ですが、そこについては法的に負担区分が明定されておりまして、国庫1/2、都道府県1/4、市町村1/4、政令指定都市や中核市ですと都道府県分も合わせて1/2というのは地方公共団体の持ち分ということになります。
 かつては所得の高い方については、保育費用を全額徴収ということもありました。すなわちゼロ歳ですと15.5万を保護者からいただくという形を取っておりましたが、平成10年に頭打ちを設けまして、月額最高8万円ということにしております。もちろん、保育単価がそれを下回る場合には、当該保育単価ということになるわけです。保育につきましては、よく幼稚園は教育施設であって、保育所は児童福祉施設であって、保育所では教育をしていないのではないかという、誤解に基づくご指摘をされる方もあるわけですが、保育所保育指針というものをつくっておりまして、これは幼稚園教育要領と整合性を取った形で策定しているもので、これに基づいて養護、教育というものを一体的に適用しているというのが、保育所の状況です。なお、施設は全国で2万2千か所で、公立が6割ぐらいを占めております。通っておられるお子さんの数は174万人で、4月段階で187万人です。この差異は何かといいますと、転居等あるいは働き始めるから、あるいは病気になったから預けるというお子さんもいらっしゃいますが、やはりお子さんが生まれたから、すなわちゼロ歳のお子さんが生まれたので預けるというものも当然含まれております。ゼロ歳児クラスに入るお子さんの数は、さっ引き13万人のうち4万5千人ぐらいは、ゼロ歳児クラスに年度途中に入るお子さんの数です。
 2頁目ですが、これは私どもの課の所管ではなく、育成環境課という隣の課の所管ですが、併せてご説明申し上げます。放課後児童健全育成事業というのがあります。放課後児童クラブあるいは俗に学童保育と言っておりますが、小学校の低学年は大体昼間ごろに終わるわけですが、昔で言えば鍵っ子と言われたお子さんたちが生じないように、授業終了後に適切な場でお預かりし、あるいは遊んでいただくという形です。東京近辺ですと、学校の施設の一部を使ったり、あるいは学校に隣設している建物を使ったりしてやっていることが多いですが、若干離れた児童館などでやっているケースもございます。小学校低学年児童をお預かりすることによりまして、開所時間としては1日3時間以上、学校が開いている日は開けるというのが原則です。これについての費用は1/3、1/3、1/3という形で、保護者負担はある程度いただくという形で組まれております。これについては約1万か所で、国庫補助を受けているのはそのうち約8〜9千だったと思います。約1万か所ございまして、35万人ぐらいの方が利用されております。
 保育のいろいろな動向について3頁以下からご説明申し上げます。少子化関係の論議というのはご承知のとおりかと思いますが、そういう中から保育サービスの充実ということが、特にこの近年いろいろと言われております。実際の児童数がどうかというのを小さいグラフで下に3つございます。各年4月1日で、いちばん左のグラフは実数でございます。平成7年ごろまで減っておりましたが、7年から上昇に転じております。それは1、2歳児、3歳児、ゼロ歳児辺りが増えているやに見えますが、ただこれは全体像で、あまり違いがよく見えにくいかと思います。真ん中のグラフを見ていただきますと、平成元年を1とする指数に置き直しております。全体は平成6年まで減り、平成7年から増えているという、このめんの太い棒のようなグラフがそうなっております。
 特に年齢別に見ますと、ゼロ歳児は平成元年を1としますと、平成11年が1.6を超えるという形で、相当増やしているということがわかるかと思います。また、各歳別児童人口に占める保育所利用率児童割合というのは、全体の実数が平成6年まで減る中ですが、実はシェアは一貫して増えてきている現状です。そういう中でゼロ歳児についても、平成元年は2.5%強であったものが、平成11年度は5%を若干上回るというぐらい、この10年ぐらいの間にゼロ歳児入所も概ね倍増で、1、2歳児ですと12%ぐらいから18〜19%ぐらいまでいっているということがおわかりかと思います。
 ただ、いま申し上げたのは全国的なものでございます。保育は非常に地域性が強うございます。また、2番目の丸に書いてありますように、もともと児童福祉法で昭和20年代から市区町村の事務となったわけですが、この4月からの地方分権法の施行に伴いまして、自治事務という位置付けになっております。名実ともに非常に自治的なといいますか、地域特性の強い事務になっております。ただ、それだけでは社会的に必要なサービスが普及しませんから、私ども国といたしましては国庫負担金を確保いたしまして、あるいは新エンゼルプランということで施策方向を明示する。あるいは補助要件をいろいろと緩和する。さまざまな措置を講じまして、政策誘導に努めているところです。
 では、どういう地域差があるのかということですが、やはり待機児童の数を見ていただくのがいちばんわかりやすいわけです。いわば企業の収支差に当たるもので、収入と支出2つのさっ引きですから、それのみを見てもわかりにくいところもありますが、やはり大都市部で非常に待機児童数が多いというのが地域差を表すものであり、また保育における最大の課題ということになるわけです。待機児童あるいはどのぐらい保育サービスが普及しているか、地域差の点については5頁、これは細かいもので大変恐縮ですが、まず待機児童については、調査を開始した平成7年度から9年度までは増加し、新エンゼルプラン等によるサービス量の拡大に伴いまして、緩やかに減少を始めたというのが平成11年度、12年度の状況です。一方、地域差ですが、これは大変文字が小さいもので恐縮ですが、全低年齢児童、ゼロ歳から2歳までの児童人口に占める保育所利用児童割合というのは、このように相当差があるわけです。一番率が高いものが石川県で、一番低いのが愛知県豊田市です。ただ、これは多分供給の限界というよりは、豊田市ですから豊田の自動車工場もあり、第二次産業であり、かつ比較的好調な企業ですから、比較的専業主婦家庭が多くて保育需要があまり多くないのかというふうに、正確な分析ではありませんが推察しております。下から3分の1ぐらいのところには川崎とか横浜というものが、相当低いラインにございますが、このような所は需要が少ないから結果としてこういうふうに少ないというよりも、多分供給政策の限界というものがあって少なくなっているのかと考えていう次第です。これがまた地域差の実態です。
 6頁ですが、保育所は平成10年4月からの児童福祉法の改正によりまして、親が選べるという形になっております。もちろん需給がタイトですと、選べるという法的仕組の中でも現実には選べないことがありますので、その解消のためにも量的拡充というものをいま図っているところです。法的には親が選べる、市町村がそれを尊重しなければいけない。希望者が多い場合にのみ選考ということになるというシステムになっております。
 7頁ですが、新エンゼルプランという言葉を何遍か申し上げましたが、これは旧のエンゼルプランと俗に言っておりますが、平成6年の12月に緊急保育対策等5か年事業を、厚生省と国、地方の財政当局である大蔵、自治の三大臣合意により策定いたしまして、これら保育サービス等の拡充を図ってきたところです。相当程度実績は伸びましたが、必ずしも目標値に届かない、あるいは相当下回るものもあるというのが現状です。ただ、今年度に新エンゼルプランということで、次世代計画もつくり、補助金の交付要件なども改定したということもありまして、12年度の伸びは相当好調ですので、この勢いが本物になるように私どもも地方を督励し、あるいは必要な財源確保に努めてまいりたいと考えております。
 新エンゼルプランは昨年の12月に策定して、本年度からスタートしたものですので、皆様方はある程度ご存じかと思いますが、保育についての考え方は保育サービス量の拡充、待機児童などをゼロにするために量を拡充しなければならない。また、延長保育とか休日保育、あるいは専業主婦家庭も念頭に置いたところの一時保育、地域子育てセンターを拡充していこうという3つの考え方で、保育関係は後追しているところです。具体的には8頁にいろいろな数値を掲げております。なお、ここに掲げている11年度というのは、予算箇所数で、実績は7頁にあるとおりです。16年度までに低年齢児の受入枠は10万人増やそうという考えです。なお、1点数字の誤植がありまして、いちばん下の「放課後児童健全育成事業の13年度概算要求のところは千か所となっておりますが、これは1万か所の間違です。
 では、財政当局を巻き込み、地方に対してお示しした量的なもの以外に、どういう努力をしているかということが9頁にございます。時間がなくなってきましたので詳細にはご説明はいたしませんが、定員の弾力化、短時間勤務の保育所の導入、調理の施設内外部委託あるいは分園方式、乳児保育の一般化、設置主体制限の撤廃によりまして、株式会社立の保育所もこの10月に東京都でできたということを聞いております。そういうものとか、あるいは最低定員の引き下げ、賃貸方式の認容、少子化の特例交付金2,000億円ということで、市町村に自由に使っていただくということでしたが、結果的に1,341億円が保育所関係に使われ、また私どももこれを配布するに当たりまして、3,300のうち583が待機児童のいる市町村ですので、そこで待機解消計画をつくっていただくということもやりました。
 また、こういう時代ですので、苦情解決仕組の導入、これは改正社会事業法に基づくものですが、そういうものの導入、あるいは第三者評価の仕組の検討ということも現在やっているところです。また、今年の6月27日に逮捕されたという不幸な事件がありました。神奈川県大和市のベビーホテルで、経営者が通所児童を傷害致死という不幸な事件がありましたが、それを契機にしてベビーホテル問題に対応するということで、指導監督基準の改定ということも考え、現在検討中です。
 このようなさまざまな努力を重ね、待機児童の解消、あるいは延長保育の拡充等をやっているところです。特に保育の問題を考えるとき、先ほど途中でもご説明いたしましたが、非常に地域性が強うございます。非常に需給が緩やかな地域もあれば、東京、大阪近辺のように需給がタイトな所もあります。それによって、保育所側の行動、あるいは親の側の意識というものも相当違ったりします。保育行政全般を考える際にはその辺りもある程度念頭に置きながらということを、私はいつも心しているところでございます。以上、簡単にご説明申し上げましたが、保育関係のご説明でございました。
(部会長) ありがとうございました。それでは引き続きまして、母子保健行政に関してご説明をいただきます。
(事務局) お手元の資料をご覧いただきたいと思います。「乳幼児に対する保健サービスについて、休日に実施することについて」ということですが、働く女性が母子保健に関するサービスを受けやすい状況をつくるためには、どうしても休日などを利用したサービスの提供が必要ではないかという趣旨です。まず、休日に利用するサービスを提供することの基本的な枠組の考え方ですが、4点ほどここに概要を記しております。乳幼児に対する健康診査は、地域の実情において市町村が実施するということで、基本的に市町村の実施であるということと、休日における実施ということは、当然住民のニーズに地域差があるということで、その状況を把握したうえでも判断になっていくのではないかということです。厚生省の取組としては今年度からですが、市町村がそういう取組をしていこうと。休日に健診等のサービスを提供していこうという場合に、それを支援するということで休日健診・相談等事業を創設いたしておりまして、その取組を奨励しているところです。そういう意味で、今後とも厚生省としてはそういう自主性を尊重していくと同時に、実施要望に対応するために予算確保に努力していくという、基本的にはこういうスタンスです。
 現状ということで、母子保健サービス部分について簡単にご説明いたします。健診とか保健指導とか、相談とか、こういうものは基本的には母子保健法に基づいて規定されております。大きくは健康診査保健指導ということになります。健康診査については、1歳6か月及び3歳児健康診査というものが市町村の義務の事業ということになっておりまして、これは国が負担金という形で財政的負担を負っているものです。それ以外の乳児やその他の年齢の健康診査ですが、1歳6か月になる前の4か月から6か月、あるいは9か月から11か月の辺りにやるような乳児健診というものについては、基本的義務ではなくて任意ということで、必要に応じて市町村が判断をしていくという構成になっております。また、保健指導等についても、必要性を判断してやっていくということです。
 実際にどのような形でやられているかといいますと、健康診査については2種類ありまして、1つは医療機関に委託をして実施する、個別健診ということで、個々に自分が必要だと思うときに行くという形になります。もう1つは集団健診ということで、市町村保健センターのように市町村が保健サービスを実施する施設に案内を出して来ていただくと。日にちを設定してやるというパターンです。そのやり方については、それぞれ地域の実情に応じて設定していただくわけですが、(3)にありますように医療機関委託の場合には、どうしても日曜日ということであれば診療しないケース、休日もそうですが、そういう形になっていくだろうと。また、集団方式の場合についても、やはり自治体職員が関与しますので、なかなか難しいということです。
 参考として実績でありますが、我が国の母子保健水準を国際的に見てもかなり高いレベルにあると自負しております。健診の提供などについてもかなり多くの方が受けておられまして、1歳未満を乳児と呼びますがその健診は、これはちょっと数が重複している部分がありますから100%を超えておりますが、これだけ多くの方が受診をされております。1歳6か月、3歳児の約9割の方が受診されております。受けていない方についてどのようにフォローをしていくのか、あるいは受けやすい環境をつくっていくのかということが、さらに良好な水準を保つためには必要になってくるのではないかと考えております。
 次の頁の休日における健診・相談ということですが、平成10年の12月に当時の小渕首相の私的諮問機関でありました、少子化への対応を考える有識者会議からの提言で、「親の就労時間を考慮した時間・方法による乳児健診等の実施」ということが提言の中に盛り込まれまして、これを受けまして12年度予算において事業を開始したということであります。具体的には次の頁に「休日健診・相談と事業」ということですが、要は土曜、日曜、祝祭日等の休日に、乳幼児に対する健康診査、保険指導、相談を実施した場合に、補助していくということでございます。予算額はこのようなことで、補助率はこういうことでございます。12年度が始まったばかりで、申請状況などを把握しているところですが、一応100市町村の予算を取りましたが、現在のところ17市町村と聞いております。初年度ということもあって、利用状況が必ずしも高くないのかと思いますが、かなり関心は高いと。引き合いはかなりあるというふうに担当者のほうからは聞いております。
 現在、休日に関わる保健サービスの提供について、国として関与をしてサポートしている枠組というのはこれだけです。当面はこれを拡充していく中で、さらに異なったニーズといいましょうか、より多様なニーズがまた現出してくれば、またそれに対応していくという形になっていくのではないかと考えております。以上です。
(部会長) ありがとうございました。ただいまの保育行政、母子保健行政に関するご説明を踏まえまして、質疑、意見をお出しください。
(委員) 担当課長としてご存じかと思いますが、労働者が仕事と家庭を両立する場合の障害として、データ上いちばん多いのが保育というのは、ご認識されていることと思います。説明をいただきまして、基本的なところなのですが、児童福祉法第24条の「保育に欠ける」とありますが、39条の実施要件についても保育に欠けるというのがありますが、これはどういう考え方なのか、認識をお聞きしたいと思います。2つ目に、エンゼルプランの関係で、実施主体は市町村と。市町村レベルで育成計画を持っている市町村が3300ぐらい地方自治体があると思いますが、どのぐらいの育成計画の策定状況なのか。それが低いと聞いているのですが、障害は何なのか。基本的なところをお聞きしたいと思います。
(事務局) 保育に欠けるということについては、法律にそういう用語を使っておりまして。具体的に現実に適用するに当たりましては、政令で定める基準に従って市町村が条例をつくるということになっております。そこでは当然のことながら、具体的な表現は忘れましたが、共働きですとか親の疾病ですとか、そういうことが掲げられております。最終的に国民に適用される場合には条例ということで、もう1つご留意いただきたいのは需給がタイトな地域においてどうしているかといえば、やはりある程度点数を付けて。常勤の場合は何点、パートの場合は何点等々の点数を付けて、点数の高いものから入れていくという形を取っているところも、需給がタイトな所ではやむを得ないのかと考えております。そういうものを全体で、相当程度地方公共団体によって需給状況を見ながら、あるいは生活状況、就労状況を見ながら、だいぶ地域差も結果としては出ているのかという認識をしております。
 保育等を含めた児童の育成計画を市町村がどのぐらいかということですが、これは都道府県レベルでは8〜9割つくっておられるかと思いますが、市町村レベルではそれほどの数ではないかと承知しております。直接の担当ではないのでうろ覚ですが、多分3割とか4割ぐらいの数かと思います。ただ、待機児童がある市町村の数が4頁にも書いてありますが、待機児童の問題は保育行政のいちばん大きな問題ではありますが、地域的に見るならば3,300のうち583の市町村の問題です。ほかの市町村がどうなっているかといえば、過疎地等においては逆に保育所や幼稚園を閉めなければいけないのではないか。都市中心部でも保育所、幼稚園の箇所数減というものも考えなければいけないのも現状です。介護などと違いまして、すべての市町村において量的に増やすという計画をつくらねばならないという状況では必ずしもないわけです。
 したがって、私どもとしましては2,000億円の臨時特例交付金を契機として、583の待機児がいる市町村には待機児解消計画をつくっていって、その提出をいただきました。そのような形で、全体的な児童の育成計画をつくっていただくように、いわば政策誘導をお願いベースでやっております。ただ、現に待機児童のいる所には待機児解消計画をつくっていただく。そんな2つの側面から行政を進めてきたというのが、これまでの状況でございます。
(委員) 基本的には別に、583の待機児童を有している市町村は計画があると。
(事務局) 待機児解消計画は出していただいております。
(委員) 私が聞いているのは、厚生省がつくったマニュアルをもとにして、いわば業者がうちの地域の人口構成を使って機械的にやられていると聞いているのですが、そういう情報は間違っていますか。
(事務局) 実はそれほど大変な作業ではありません。頭のいい高校生だったらつくろうと思えばつくれるような計画かと思っておりますが、平成2、3年市町村老人保健福祉計画をつくるのが義務でしたから、確かにそういうケースもありました。ただ、こちらの児童計画は必ずしも義務ということにはなっておりません。つくりたい所がつくると。私どもはつくってくれと言っているわけですが、そういうことがありますので、無理して業者に頼んで、役人や首長は何も内容を理解しないでつくるということがあるとするならば、何のためにおつくりになっているのかと思います。ただ、待機児解消計画については、現に待機児が何人いる。現に保育所が何か所で何人入所児童がいる。そういう中で、比較的近い将来において待機児童を解消するためにはこのくらいの保育サービス料が要るという、比較的単純なものです。これを業者に頼んだという話はほとんど私は聞いておりません。
(委員) 待機児童のカウントの仕方はどうなのですか。4月末の入所を申請した方をカウントしているのか、1回申請したけれども諦めたという方はどういう扱いになりますか。
(事務局) 基本的には4月ということになっておりますが、その時点で保育所に入りたいということで手を挙げていらっしゃる方ということです。基本的にはその時点で保育に欠けるという要件を具備していてということです。
(委員) 諦めた方は入っていないということですか。
(事務局) そうです。それで、また近隣に父母と一緒に住むとか、あるいは保育ママを利用してその結果として、認可保育所に行くのはいまはいいと思われた方は、当然カウントには入っておりません。一方、例えば求職中で求職活動をしていて、認可の保育所に入りたいと思っている方が手を挙げてくだされば、それは待機児に当然入ってくるということになります。
(委員) 本当はもっと多いという認識でいいのですか。
(事務局) それは待機ということで、あくまでもお待ちになっている方の数ということですから、お待ちになっているという意思表示をしていただいている方の数です。
(委員) 無認可保育所はどのぐらいありますか。
(事務局) 認可外の保育所というのは、いろいろと種類がございます。広義の認可外保育所は、過疎地にある僻地保育所等も含めて、あるいは事業所内保育所も含めてということですが、僻地を除きますと事業所内保育所、あるいは普通の認可外保育所、あるいはベビーホテル等も含めて8千数百ありまして、確か20万人ぐらいの方が利用されているかと思っております。結構事業所内でも比較的丁寧にやっていらっしゃる所はあまり問題はありません。認可外保育所の中でいちばん要注意して見なければいけないのは、ベビーホテルといわれる、800数十か所、約1万人のお子さんの関係というのが、現在の認識です。
(委員) 今日のご説明にはなかった部分なのですが、病気のときの対応というのは親にとってはとても大変な場面があるわけですが、例えば高熱のときの呼び出しとか、「預けられません。引き取りに来てください」という場合の国の基準というのはどういうふうになっているのか教えていただけますか。
(事務局) 国で一律に基準を示しているわけではありません。その辺りは社会慣習の中でやっているわけですが、例えば高熱を出しているときに、どこの医者に連れていってどういう医療処置をやるのかというのは、それは多分保育所に限らず親の授権も受けていない人はできないと思います。ただ、隣の母子保健課で乳幼児健康支援一時預かり事業という補助制度がありまして、これはいわゆる病後児保育ということで、麻疹などという確定診断が付いて急性期が過ぎたあと、1週間ぐらい集団保育の場合には復帰できません。その間お預かりするという事業を、小児科医院あるいは乳児院等で展開したところですが、数的により増やすために保育所でもそういうものができるようにしたというのが12年度からの姿で、現に補助制度をつくったという国における対応だけではなくて、現場の保育所でも取り組もうという話は結構伺っているところです。急性期対応は、場合によりますと子供の風邪でも生きるか死ぬかの問題にもなりますので、やはり親御さんの意思判断というのが必要ではないかというふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
(事務局) おっしゃるとおりです。
(委員) 地域で保健のネットワークはないのですか。専ら親を呼び出してちゃんとしなさいということですか。呼び出されるほうは仕事の関係で悩みが多くてどうしようかという状態があると思いますが。
(事務局) 子供の風邪でも亡くなられることもあるわけです。確かに仕事も大事で、私自身もそういう場面に直面したことがありますが、親御さんが結構文句を言うんです、何でこんなことをしたのかというふうに。もちろん保育所には嘱託医を配置しておりますので、その嘱託医がかかりつけ医の場合、あの子は大体ああいうふうにいつも熱を出すけれど、これは大丈夫だというふうな連携がうまくできることはあります。ただ、子供が急に体調がおかしくなったときに、それは何らかの方法で親御さんの意思判断というものが必要かと思います。やはり確定診断が付けば、あるいは普段からこういうアップダウンがあって、それはその子のよくある形なんだということであるならば、保育所でもあるいは嘱託医でも、あるいはいろいろな形でも対応できるかと思います。
(事務局) いまの点を補足しますと、私どもの課で所管している乳幼児健康支援一時預かり事業というのがありまして、これは基本的に病後児という観点でありますが、実施施設は病院とか診療所というものが中心になって広がってまいりまして、今度は利用を促進するために保育所にも拡大をしたという状況です。おのずと保育所である程度診れるという病後児の方の症状といいましょうか、それと病院、診療所という本来の医療機関が診れるレベルが、ある程度状況によって違うだろうと思います。いまおっしゃられたのは比較的病後児ではない、病気のまっ最中のような子供たちも、ある程度病後児保育という枠組の中で、医療機関の場合には受けていけると、そういう性格も付与しているというような扱いにしておりまして、なるべくそこのところが柔軟に、ニーズに対応できるような運用を考えております。
(委員) 基準がないとおっしゃったのですが、すべて基準をつくることがいいとも限らないと思います。自治体ごと、保育園ごと、保母さんごとによって違うという声を聞くものですから。例えば引っ越しをして保育園が変わったら、そういう状況が違う。担当によって、保母さんによっても違うというようなこともお聞きしたりするものですから、親にとってある程度のものというのは必要なのではないかと思います。
(事務局) お話もわかりますが、個々の子供の状況、あるいは保育の状況。例えば私が北九州でかかわった保育所も、市立の医療センターと道路隔てた所にある保育所と、医療機関と非常に遠い所の保育所と、その辺りは非常に基準がつくりにくい、あるいは基準をつくってもその基準と実態とが乖離してしまうというようなことがありまして、なかなかその辺りが難しいのではないかと思っております。
(委員) 川崎と横浜はずっと前から言われていますが、何が原因なのですか。待機児童が多いと。
(事務局) いろいろとお願いはしているのですが、やはり行政において先をどう見通していたか、その辺りではないかというふうに、お話を聞くと思わざるを得ません。
(委員) 一方で無認可が増えているとか、そういうことでもないのですか。
(事務局) 川崎の数字は頭には入っていないのですが、横浜については認可外の保育施設、ベビーホテルというものが多いように聞いております。
(委員) 前回の当審議会でお話しましたが、健康手帳がありますよね。いま両立支援で議論をしているのですが、これは各都道府県で市町村が違うものですか。
(事務局) 一応、基本的なフレームは省令で定めておりますので一緒です。ただ、各自治体ごとに工夫をして、地域情報とか、あるいはさらに提供したい情報については適宜加えてつくっております。
(委員) フレームは厚生省がつくっているということですか。
(事務局) 枠組みは健康手帳に記載すべき基本的事項については、私どものほうで定めております。
(委員) ボリュームのほうは各市町村は同じですか。
(事務局) どのぐらい付け加えるかによって、それは若干異なります。
(委員) ここにあるのですが、育児・介護休業法や、労働基準法のことを書いているのですが、この場合は育児休業給付についてほとんど触れていない。触れている市町村のもありますが、非常に大事な要因であり、労働者は経済的支援への関心がものすごく高いのです。どういう手続をしたらこれが取れるのか。もう少し親切に書けば、これは全員にわたっているわけですから。副読本のほうは、これは各市町村でそれぞれ自由裁量でつくるのですか。
(事務局) これは無料で配布しております。無料というのは国ではなくて、母子衛生研究会というのがございまして、そこが無料で市町村に提供しているということです。
(委員) これ自身は、父親の育児参加にもちゃんと触れてはいるのですが、均等法と基準法は書いてありますが、育児休業は書いてないのです。利用しにくいというか、せっかくのものが利用者の立場に立っていないということを、この前の審議会でも申し上げたのですが、これをつくるときには厚生省の審議会で議論をされるのですか。
(事務局) 内容を変更するときには、審議会の部会と母子保健部会というのがございますから、そちらのほうで議論をして、新たに追加すべき事項とか、いろいろな制度が変わりますとそれをやっております。
(委員) 事務局側でも、審議会に検討依頼をするわけですね。
(事務局) そうです。
(委員) その場合、もっと親切にというか。
(事務局) 例えば育児休業給付が載っているのですが、育児給付を取得したときは、一定の要件を満たした場合に云々。雇用保険から賃金の25%相当額の育児給付が支給される制度がありますと。あと問い合わせ先が書いてあるのですが、それぐらいではやはり足りないですか。
(委員) 足りないです。市町村は意外と情報というのは知らないんですよ。だから、保育園にどういうふうに手続をしたらいいのかとか、いろいろ書いてあげたほうがいいと思います。せっかく全員に配付しているなら、産休明け、その後の保育問題なども、サービスとして情報提供をしてあげたほうがいい。介護もそうなのですが、ほとんど市町村情報というのは、どうしたらいいのかというのはそのときにしかわからないのです。それには保育も同じだと思います。その辺も含めて抜本的につくり直したほうがいいと思います。もちろん健康も大事ですが。
(事務局) 抜本的になるかどうかはわかりませんが、そういう必要な情報を紙幅の関係もございますが、適宜入れていくということは大事なことだろうと思いますし、それは各自治体のご判断によるものもありますが、私どもとして必須事項として必要なものについてはどんどん入れていくという、そういう姿勢でございますので、そのようなお話も含めて考えていきたいと思います。ただ、手帳の中にどこまで詳しく書くのか。
(委員) 詳しくというか、必要事項を少し市町村に聞いてくださいと。
(事務局) あとは、またそれをそれぞれ専門機関に聞いてくださいと、そういう記載の仕方にしてあるのです。いまの場合でも尋ねるようにということで一応書いてはあるのですが。
(委員) それは不親切です。
(事務局) 公共職業安定所が問い合わせ先と書いてあるのですが、どこまで詳しく書くかという話ですね。
(委員) 40%給付のところは来年4月に始めますよね。非常に重要な要件ですし。いま言った保育の申請の仕方も、年度途中でもできますよとか、いろいろ書いてあげたほうが私はいいのではないかと思います。
(事務局) そうですね。保健医療に関わる専門的領域の新しい課題もございますし、いまおっしゃられたような、働く女性に利用しやすいような形の要望もあると思いますし、これは適宜我々も判断しながら審議会でご議論をいただきながらやっておりますので、いまおっしゃられたことも検討課題としたいと思います。
(部会長) それでは、この後の予定もありますし、お約束の時間もまいったようでございますので、厚生省児童家庭局からのヒアリングはこの辺で終了させていただきたいと思います。大変お忙しいところ貴重なお時間をいただきまして、お出ましいただきましてありがとうございました。
(厚生省側ヒアリング対象者退室)
(労働組合ヒアリング対象者入室着席)
(部会長) それでは次に、中小企業の労働組合からご意見を伺うということで、JAM東京、JUKI労働組合副書記長の方にお越しいただいております。この部会でのご発言は、原則公開ということになっておりますが、もし公開を希望されない部分がありましたらどうぞ、おっしゃってくださいませ。それでは、ご説明をお願いいたします。
(ヒアリング対象者) ただいまご紹介をいただきました。JAM東京JUKI労働組合で副書記長をしております。今日は、貴重なお時間の中で報告をさせていただけることに感謝を申し上げたいと思います。ペーパーを4枚ほど用意させていただいておりますので、ペーパーを元に報告させていただきたいと思います。まず、JAMというのがどういう組織なのかということですが、ペーパーにありますように、Japanese Associationof Metal, Machinery, Manufactoring, Workers ということで、JAMには機械、電気、自動車、車両といった金属機械製品を扱っている企業が中心となっております、モノづくり産業の産業別組織です。約2,400の単位組合が加盟をしております。JAM加盟の組合の特徴としては、サプライヤーを数多く組織しておりまして、100人以下の組合が約60%、30人以下の組合が約25%で占めているという所が特徴です。組合員数は約50万人という組織です。
 「中小企業における育児や介護を行う労働者の状況について」ということで、JAMが実施している「労働条件実態調査」から抜粋をしてまいりました。まず1つ目としては、「育児・介護を行う労働者の時間外労働の実態について」ということで、激変緩和措置に対する協定の締結は、65%の単組が締結をしておりました。また、残業をさせないという協定を結んでいる所が20%です。育児休業、介護休業の期間についてですが、育児、介護休業とも法定どおり結んでいるということで、特に育児については91.8%、介護については49.5%です。短時間勤務についてですが、育児については「短時間勤務制度あり」というのが56.1%、介護については「短時間勤務制度あり」が55.5%ということで、約半数ぐらいという状況です。
 賃金補償の部分ですが、育児の場合については「補償あり」というのが4.4%、介護については「補償あり」が4.5%ということで、非常に低い数字となっています。保存年休の利用は、私傷病に次ぎ育児、介護で利用する人が多いということで、このあとまたご報告をさせていただきます。子供のために自分の有給休暇を多く使っているという実態からも、子供のための休暇というものを認めてほしいという声もかなり多く出ております。
 続いて、単組のヒアリング調査を行ってまいりました。組合員500名以下の特徴ということで聞き取り調査のご報告をさせていただきます。育児、介護を行う労働者の時間外労働ということで、女性は深夜、時間外労働がないという単組が多いということです。また、均等法上問題があるかもしれませんが、女性が就いている職務で一般事務というものが非常に多く、定時間内で業務が終了しているという実態もございます。また、職場の理解があること、フレックスタイムで対応している所が非常に多いということも特徴ではないかと思います。続いて、激変緩和措置の利用状況ですが、協定はあるけれども申請者はまだいないという状況です。協定の内容は、対象は女性のみが多いということも言えるかと思います。
 育児・介護休業制度の取得状況ですが、育児休業は出産に伴う退職者と育児休業取得者の実態からすれば高いほうだといえると思います。また、2人目、3人目という女性も出てきているという状況です。介護休業取得者は、まだいないという実態です。復帰後の処遇は原則として、休業前の職場に復帰をしているという所がほとんどです。ただ、業務の都合とか本人の都合で変わる場合もありますが、会社も慎重にそこのところは対応しており、変わった場合についてもあまり問題が出ないように労使で取組を進めているということです。昇給、昇格についてですが、休業前を下回らないように配慮している所が多いということも言えます。
 続いて、子供の病気休暇というものはないということで、先ほども報告をさせていただきましたが、自分の休暇を使っているということで、子供のための休暇のニーズというのは非常に多く出ております。また、転勤等についても男女とも配慮されているという状況です。休業中の代替要員は派遣で対応しているということですが、よほどのことがない限り残っている人たちで仕事の配分をし、分担をしているということです。また、職場の理解があって子供の病気で休みは取りやすいということですが、欠勤になることもあり、介護休暇は必要という意見が非常に多いということです。
 このヒアリング調査をしてみましたが、中小でうまく制度が回っているかのように思えますが、これはやはり労働組合があるからこそ、職場の課題というものが労使協議の場に上がってきて、労使で対応しているということがいえるかと思います。労働組合がなかった場合、果たして個々の労働者が自分の上司なり、使用者に対して何か言えるかというと、ここのところは非常に疑問が残る部分です。また、組合員が少ないということもあって、職場の中ではかなり使用者、もしくは上司と部下という人間関係においては、かなり目が行き届いているのではないかということも言えるかと思います。やはり仕事をしていくうえで業務の重要性というのもありますが、やはり職場の中で顔色が悪かったり、何か心配事があったりということで、周りの人が一言声をかけたりそういう助け合いというのは非常に重要なことではないかと思いますし、そういう人間関係があってこそ働き続けられるということも言えるのではないかというふうに思っております。
 育児休業の賃金補償ですが、賃金補償がないという所がほとんどですので、1年間休めるとはいっても、1か月から2か月ぐらいで復帰をしてきているということも実態の1つかというふうに思います。また、ヒアリング調査を行った所では、育児休業明けに退職をしているという女性はおりませんでした。
 それから、これは今後の課題になるかと思いますが、休業給付金を知らない労使が非常に多いということで、育児休業を取っても給付金をもらっていなかったという実態もあります。ここのところは、今後育児休業、もしくは介護休業を啓発していく場合には、非常に重要な点ではないかと思います。また、賃金の面で見ますと、将来の不安もあって、夫だけでの賃金では生活をすることは大変だということと、やはりいまの企業の実態を見てみますと、リストラという問題もありますので、いつ働けなくなってしまうかという状況を考えると、やはり一旦は非常に苦しい状況であっても働き続けたいという声が非常に多く出ております。ということもあって、迷うことなく育児休業を取得しているということでございます。また、地方では両親と同居をしていたり近所に親がいるということで、子供が急に熱を出したり病気等で休まなければいけないというときでも、多少のことであれば親に面倒を見てもらっているというケースが非常に多く見られました。これは首都圏においても、地方の親を呼んで面倒を見てもらっているというケースも非常に多く見られます。親の助けがあってこそ働き続けられるということは、このことを考えてみますと、子どものための看護休暇というのは非常に重要だと言えるかと思います。
 続きまして、私が所属をしております会社の実態について少し報告をさせていただければと思います。工業用ミシンを主力としているアパレル機器、家庭用ミシンといった装置関係も製品の中に入っています。やはり製造業です。主要事業所というのは東京と栃木となっていまして、従業員数としてはパート191名を含む2,198名の企業です。
 育児・介護を行う労働者の時間外、休日、深夜労働についてということで、労働協約の中で時間外勤務の制限をしています。「小学生未満の子を養育している者、肉親を介護している者の実働8時間を超える労働者が1週6時間、1年150時間を超える時間外勤務はさせない」という協定と、「妊娠中または産後1年を経過しない女性社員から申し出があったときは、時間外勤務または休日出勤を命ずることはない」という協定をしています。休日出勤の制限についても、「会社がやむを得ず休日出勤をさせる場合、小学生未満の子を養育している者、肉親の介護をしている者の休日は4週間を通じて4日を下らない」という協定です。深夜についても、このところは労使の議論になりましたが、小学生以下としていまして、「小学生以下の子を養育している者、肉親を介護している者は、本人の希望により午後10時から午前5時までの間において勤務を命じることはない」という協定です。休業の期間については育児・介護とも1カ月単位で1年3カ月という協定にしています。育児休業については、産後特別休暇を10週間としていますので、かなり生まれてから長い期間休める状況です。なぜ1年3カ月としたかというと、保育園に入れないケースが非常に多いということもありまして、長い人で2回4月1日を迎えられるように、2回のチャンスを与えるために「1年3カ月」としました。保育園に入れない場合については、「1カ月単位で延長ができる」という別途の協定も設けています。この場合は、会社のほうも保育園を探し、斡旋をするという口頭での約束となっています。短時間勤務制度については、30分単位で2時間までということで、育児・介護ともそういう制度を設けましたが、特に育児については子どもを育てている労働者から多く意見が出まして、保育園ですと延長保育で7時もしくは民間保育園ですと9時まで預けていられるが、小学校1年生、低学年生に上がってしまうと午前中で終わってしまうということもあって、短時間勤務のニーズは非常に多かったということもあり、小学校を卒業するまでの間、短時間で働けるという制度にしました。
 賃金補償については、休業中は無給となっていますが、賞与、ボーナスの部分については育児・介護とも全額補償をしています。育児・介護休業の復帰後処遇ですが、協定上では「原則として休業前の職場に復帰」ということになっています。ただケースによっては職場が変わることもあり得ます。休業中の教育訓練についてですが、復帰する前に必要に応じて教育訓練を実施しているということで、このところでは特にいま企業の状況も非常に悪化をしているということもあり、企業の状態や組織や職場の説明等も行っています。昇給についてですが、本給の部分については現行どおりですが、職能給の部分は復帰時点において上司との面談の上で再評価をしています。降格というのは一切ありません。
 続いて育児休業・介護休業の取得状況ということで、90年12月から育児・介護休業制度というものを導入していますが、育児については全社で47件ありました。どのくらいの期間で休んでいるのかというのは資料を見ていただければと思います。介護休業については、まだ取得者はいないという状況です。短時間勤務制度の取得ということで、現在17名の方が短時間勤務で働いています。育児休業取得後の実態ということで、育児休業を取った本社勤務をしてる人、ペーパーでは15名になっているかと思いますが、16名にヒアリングを行ってきました。休業前の職場復帰については、9名が休業前の職場に復帰しているということで、違う職場に復帰をした人は6名いました。また、1人目のときと2人目のときと復帰の職場が違ったというケースも1名います。違った職場の理由とし1人目ては、組織変更や元の職場に空きがなかったとか、人員不足のために上司とともに異動をしたとか、自宅に近い本社勤務を自分から希望をしたというケース、また出向先の方が育児休業を取得していまして、全員が転籍になったために本社に戻ってきたというケースもあります。これは、それぞれ違ったケースが出てきています。復帰前に会社、職場の状況を説明しているということは、先ほど述べたとおりです。昇給についても上司との面談の後、必ず昇給をしているということで、病気で休んだ場合については降格というものはありますが、やはり妊娠、出産ということは女性にしかない機能で、これが不利になってはいけないということもありますし、育児というのは男女がともに担っていく。また企業としてもこれからのことを考えると、社会的な責任であるということで、育児については不利になってはいけないという労使の認識があります。
 職場に対する理解ということで、育児休業取得者しかいないということもあって、育児に対しての職場の理解を聞いてきましたが、やはり子どもが病気だと非常に休みづらいという多くの意見があります。また子どもの病気で職場に迷惑をかけたとき、サポートをしてもらって助かっているけれども、気持の上ではそのことが十分理解されているとは思っていないということもあります。子育ての参加をしたことのある上司や同僚がいれば、おそらく育児休業を取っている、子どもを育てているという方々の気持というのはわかるかもしれないが、まだまだそういった方たちが非常に少ないということでは、自分たちが頑張って働き続けて、お互いさまということが当たり前になっていくようにしていくしかないのではないかということもおっしゃっていました。気を使い過ぎて、仕事をセーブされて、かえって迷惑を感じたと言う女性もいました。職級が上がらないのは短時間勤務をしているからと上司に言われたというケースもありました。またとても理解があって、子育て優先でいいと言ってくれる上司もいるということです。ただ、この上司というのは、奥様が看護婦さんということで、夜勤もあって、自分も実際に子育てに参加をしているという管理監督者の方ですので、非常に子育ての大変さというものがわかっていて、そういうことを言ってくれるのではないかということもおっしゃっています。1人目のときはとても理解はあったけれども、2人目からは早く職場に復帰をしてくるようにという声もあって、非常に将来には不安を感じているということもあります。そのほか、「非常に理解があって働きやすい」というのは9件出ています。
 JAMのヒアリングを通して非常に感じたことを最後に述べさせていただきたいと思います。やはり子どもが病気のときというのは、自分の休暇を取っているというケースが多いということもありますし、親を呼んでくるというケース、または友人ですとか近所の人に頼んでいるケースというものもあります。夫が、子どもが病気のときに休むケースというのは本当にたまにという状況を見ていますと、子どものための看護休暇というニーズは非常に多いのではないかと思います。そして誰もが言っていたことですが、やはり1日の間で子どもが父親の顔を見ないという、いまの男性の働き方について非常に疑問を持っているという声もありました。
 企業の状況が悪くなっていることやその処遇制度が能力主義と変わってきている中では、やはり短い時間の中で業務をこなしていくというような風土というものを作っていく。またそのことが、結果として企業にとっても、働いている人たちにとっても良いことなのだということを労使で取り組んでいかなければいけないのではないかと思います。
 JAMの実態の中にもありましたが、仕事の内容がまだまだ女性のほうが事務が多かったり、定型的な業務が非常に多いということがあって、育児休業もしくは子どものために休むという状況では、女性のほうが休みやすいという実態も事実ではないかと思います。
 均等法を考えますと、まだまだ労使での取り組みでポジティブアクションというものが遅れていますが、もう少し女性が基幹的な業務、責任のある業務に就いていくことによって男性も今度は逆に育児に参加をしやすい、介護に参加をしやすいという状況が生まれてくるのではないかと思います。男性が育児や介護に関わるということに対する職場の理解が全くないのではないかということも、職場の中からは上がってきました。やはり男性は仕事、女性は家事育児という役割分担意識というものが、非常にまだ職場の中に根付いていると言えるかと思います。男性は、子育てに参加をしたいということが職場の中にありますと、やはり上司や職場の周りの人たちから冷やかされるようなことがあったり、なぜ男性が、というようなことも実際にはあると聞いています。
 また子どもが熱を出したり、病気になって休むかもしれないということが常に労働者の中にはありまして、非常に気を使って毎日働いているとも言えるかと思います。人間関係を上手にとっておかないと、突発的に何かあったときに理解をしてもらえないのではないかということで、仕事以外にも神経を使っているというケースが多いことも言われました。
 また子どもの送り迎えについては、女性がやはり多く関わっているということもあり、ケースによっては男性が送り迎えをしているということもありましたが、やはり個々についても女性が関わっていると言えるかと思います。ということもあって、1日の生活の中で洗濯や掃除や子どもの面倒といったような家事というようなものは、ほとんどが女性が担っているとも言えるかと思います。そういう実態があって、やはり短時間勤務もほとんどが女性が利用しているということが言えるのではないかと思います。夫が転勤をしている間に出産を迎えたということで、その後も夫がまだ戻ってこないということもあって、1人で育児をこなしているというケースもあります。
 続いて、「保育について」です。やはり子育て中の男女労働者から言われたことですが、急な残業にも対応できるような保育体制の整備をしてほしいという意見がありました。また、いま2人目、3人目ということで働き続けている方たちが非常に多いのですが、同じ保育園に入れなくて、2人違った保育園にかけ持ちで連れていっているというケース。最悪なケースとしては3人違う保育園で、まず2人を自転車に乗せて送ってから、一度家に戻って上の子を連れていくというケースがあって、非常に負担がかかっているというケースも実態としてはあります。保育園が途中で入れないという実態から、4月入所を考えて育児休業を取らなければならないという実態の上で、本来であれば子どもが1歳になるまで目一杯取りたいところであるけれども、4月入所ということで短い育児休業の取得になったというケースもあります。
 それから小学校低学年になったら非常に大変であるということで、学校と学童保育の場所が別の方向にあって、いまのような社会状況の中で小学校1年生の子が学童保育まで1人で通えるかということに非常に不安があるということと、夏休みはお弁当を持参しなければならないということで、このところも女性の親にとっては負担になってくるのではないかという意見もいただいています。
 それからヒアリングを行ってですが、特に企業と言いますか。使用者の考えと職場の中の直属の上司の考え方が違うということも浮き彫りになってまいりました。企業もしくは使用者としては、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法が施行されているということもあって、やはり採用もしくは人材の育成や活用という点については能力に合った方たちを使いたいという意思はあっても、直属の上司が女性を使いこなしていないと言うんでしょうか。その違いがあって、採用した時点で配属をする場合に、職場からの直属の上司からは、男性を配置してほしいというニーズがあるということです。このところが、使用者の考え方と実際の職場との間にまだ距離があるのではないかと思います。職場というか、その企業によっても違うと思いますが、やはり女性は妊娠出産で一定期間休むということで、非常にコストがかかるということも言われていまして、使いづらいということも出てきています。ただ、ここのところについては突然出産を迎えるというわけではありませんので、長期的な視点が必要ではないかと思います。
 職場の担当者と言いますか、実際に休業者が出たときに仕事を分担してやっているという職場からのヒアリングですが、確かに取得者が出たときに代替要員ということで1人配置をしてもらうということも非常に助かるということではありますが、引き継ぎをするのが非常に大変であるということと、引き継ぎをしている時間を考えてしまうと自分でやったほうが早いこともあるということで、代替要員のニーズというのは非常に多いということも言えますが、ケースによっては分担してできないわけではないことも上げられていました。
 激変緩和措置についてですが、これについては中小企業であっても大手であっても、私としては特に関係がないのではないかと思っています。JAMの報告をさせていただきましたが、中小だからと言ってできないわけではなく、小さい職場だからこそお互いに家庭の事情を理解して、助け合うということもしていることが上げられると思います。仕事のやり甲斐性や将来性も必要ではありますが、やはり職場の中で仕事をうまく回していくためには、一番大切なのが人間関係ということもあって、それぞれが効率よく気持よく働いていけるということは、そういったそれぞれの事情をお互いに理解して、お互いに助け合っていくんだということが非常に重要ということであれば、中小とか大手というのは大して関係がないと思います。逆に大手になってきますと、いまノーツー社内でメールでやりとりをしていますから、人間関係が保ちづらいということも一方ではあるかと思います。
 子育ては男女がともに担っていくという認識について、まだまだ労使という点では足りない部分もあります。企業の考え方の中にも、この部分については非常に薄いのではないかと思います。製造業、特に中小企業というのは非常に若い人たちが少ないわけですが、育児というものを支えている20代、30代前半の若い層の人材育成が、職場の中では重要になっています。特に製造現場においては技術や技能の伝承が非常に重要ということもあって、やはりこの若い人たちを企業の中で継続して働いてもらうということについては、男女にかかわらず仕事と家庭の両立ができるということを絞っていかなければ、これから若い人たちが企業の中で基幹的に働き続けていくことができないのではないかということもあって、中小では特に若い人たちを大事に使っていきたいということも言えるかと思います。時間が若干長くなってしまったのですけれども、JAMの報告とさせていただきたいと思います。
(部会長) ありがとうございました。それでは、いまの説明に関してご質問やご意見等をどうぞお出しください。
(委員) いくつかお尋ねします。激変緩和措置の関係で、1ページに「協定はあるが申請者はまだいない」ということが書いてあり、ご説明がありましたが、これはどんなことですか。それから看護休暇の関係では、2ページのJAMの部分の一番最後に「職場の理解があり、取りやすいのだけれども、欠勤になる云々で、看護休暇は必要という意見が多い」ということですが、いろいろなアンケートなり調査なりされていると思うのですが、やはり有給と無給を分けた調査をされたことがあるかどうか。されたことがあれば、教えていただきたい。現状は、看護休暇はない所は欠勤扱いだと思うのですが、欠勤扱いというのは結構企業によって扱いが違うと思うのですが、その辺何か調べたものがあるかどうか。
(部会長) では、2点についてどうぞ。
(ヒアリング対象者) 激変緩和措置についてですが、協定が60%、65%ということですが、説明いたしましたとおり、まだまだ女性が一般的職務の関係にあると思いますが、時間外をしてまでやるような職務に就いていないということがひとつ言えるかと思います。
 看護のところですが、ここで述べているのは子どものための看護休暇ということで、やはり自分の有休を使い果たしてから使っているというケースがあります。常に休んでいると非常に取りづらいということが言えるかと思います。特に理由を述べる場合に、また子どものために休むのかというような職場からの無言の圧力というものもあるかと思います。何で子どものために看護休暇を取れないのかと言いますと、やはり所得、収入との関係で欠勤になってしまうと、今後の自分の生活というものを考えたときには非常にやりづらいということも出ています。欠勤になってきますと、給与の部分で昇格にひびいたり、減額になったりということも出てきますので、やはり労働者の立場からはなるべく欠勤にならないように、自分の有休の範囲内で休みたいということがあるかと思います。
(部会長) いま、看護休暇は有給か無給かで調査をしたことはあるかについてご質問がありましたが。
(ヒアリング対象者) 調査の取り方としては有給ですか、無給ですかという聞き取りをしていったかと思いますが、ちょっと原文が手元にないので申し訳ありません。もし必要であれば、後ほど調べることにさせていただきたい。
(部会長) ほかにいかがですか。
(委員) 基本的なことですが、1ページに加盟組合の特徴云々で、サプライヤーを数多く組織したと。100人というのはこれは組合員という意味ですか。
(ヒアリング対象者) はい、そうです。
(委員) そうすると、この100に60と25を足すと、100人以下という、要するに中小企業の数というのはかなりウェイトがあるのですが、その下のほうの(6)の500人以下というのも、同じことですね。
(ヒアリング対象者) これは、組合員500人以下。
(委員) 組合員、単組ですね。
(ヒアリング対象者) そうです。
(委員) これはどのくらいのウェイトがあるのですか。
(ヒアリング対象者) JAMの中で500名以下の組合のウェイトということでしょうか。
(委員) はい、単組の。
(ヒアリング対象者) こちらのほうもちょっと後ほど調べて。
(委員) もう1点ですが、資本金というのはどれくらいあるんですか。
(ヒアリング対象者) 99億。
(委員) もう1点ですが、JAMに加盟してる単組は約2500ということですが、それぞれの単組が参加している企業の平均従業員数などはわかりますか。
(ヒアリング対象者) ちょっとそちらのほうも調べてから。
(委員) それはわかると思う。そういう中小ばかりだから、2つの組織がね。その点は出てないのではないかな、まだ1年。
(委員) いずれにしても中小企業と書いてあるから、ほとんど中小企業。
(ヒアリング対象者) はい、そうですね。
(部会長) JUKIさんの女性従業員数というのは、どのくらいですか。
(ヒアリング対象者) 比率でいきますと13%に及んでいます。
(委員) 細かいことで申し訳ありませんが、賃金補償の3ページで、休業期間中は無給、ただし期末手当は全額支給。結構これは珍しいケースだと思うのですが、全額補償というのは、全く出勤した者と同じと。
(ヒアリング対象者) はい。病気休暇が見舞金として全額補償になっていまして、労使で話し合ったときに、やはり病気で休む方たちが全額補償なのに、育児や介護に関わっている人たちが減額になるのはどうかということで、これから続けて働いていきたいということで休業を取りますから、賃金補償の意味でも全額補償をするべきではないかという。
(委員) それは期末手当として出すんですか。
(ヒアリング対象者) 期末賞与として。
(委員) 賞与として出すわけ。そうすると、病気の場合も賞与として出す。
(ヒアリング対象者) そうです。お見舞金という項目にはなっていますけれども、額的には同じ。
(部会長) 後ほど調べてとおっしゃった項目については次回にでもお願いします。
(事務局) そうですね。事務局のほうから。
(部会長) ありがとうございました。貴重なお話をいただきました。
(事務局) 若干休憩ということでお願いします。
(労働組合ヒアリング対象者退出)
(中小企業ヒアリング対象者の入室、着席)
(部会長) では再開いたします。遠い所からご苦労さまです。お待せしました。それでは中小企業のご意見を伺うために、愛知県製麺工業協同組合常務理事の脇田祐輔さんにお越しいただきました。ただいまからお話を伺いますが、この会は原則として議事録は公開です。もし公開を希望されない部分がありましたら、その都度おっしゃってください。では、どうぞお願いします。
(ヒアリング対象者) 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました愛知県製麺工業協同組合の常務理事をしております会社の代表者でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私どもは会社と申しまして、おそらく従業員数、資本金から言って、小の部類のいい所ぐらいの位置にいるのではないかという企業です。私どもの会社は愛知県江南市といってもなかなか分かっていただきにくいと思いますが、地図を思い浮かべていただき、木曽川のちょうどすぐ南にあります。私どもの地方をよく昔から尾張地方とか、尾州地域と、こういう表現をするわけですが、そこで麺類の製造業を昭和39年から始めています。
 私ども麺類製造業の中では少し特徴のある会社でして、ずらっと下の概要の中に書いてありますが、行政の方々にも大変お世話になっています。いわゆる「学校給食用の麺類」、これを愛知県下の約2割方、私ども1社で生産して、いわゆる義務教育の小学校、中学校の児童の皆さんに食べていただいています。2割といいますと、私どもの次に位置する業者が1割ですから、大体学校給食においては非常に多くやっているとご認識いただけると思います。そういう関係で、やむなく50歳のときに愛知県の学校給食麺協会の会長を引き受けました。それから4年経ちまして、どういうわけかまた全国の学校給食の麺類の代表も仰せ付かりまして、今日に至っています。
 この学校給食麺類といいますものも大変神経を使う仕事でして、実はあのO−157問題、記憶にまだ皆様あると思うのですが、あれ以来、今年の6月下旬あるいは7月上旬に発生した食品中毒事故という、大変言いにくいですが、大手メーカーさんの事故以来、これは民間だけでなく学校給食分野も非常に厳しい衛生面を要する。実は女性の方々、いわゆる学校の栄養士さんとのお付き合いが非常にたくさんあります。栄養士さんとは、毎日のようにいろいろな所で接触して、いろいろなご意見を承っています。小学校1年生といいますと、幼稚園児、保育園児がすっと1つ年をとって、年をとるという言い方は表現がまずいかもわかりませんが、食べ方からまず指導をしないと、箸の持ち方をもう一遍1年生で学校の先生が食事の仕方を注意しながら食べさせるということで、非常に神経を使うわけです。
 なおかつ麺類は月に大体2、3回程度実施させていますが、私どものように尾張地域をほぼ網羅する形で給食をやっていますと、春休み、夏休み、冬休み、いわゆる学校の授業のある日で給食のある日には、ほぼ毎日のようにどこかの市町村の麺類をお届しているという、ちょっと異質な形で麺類生産を行っています。
 この麺類製造業というのは、大体大手スーパーさんとかいろいろな食品小売業さんへ納められています「白玉うどん」とか「焼きそば」とかあるいは「生ラーメン」とか、そういったものを主に製造している麺類の製造業というのが一般的です。ですから愛知県学校給食麺協会ということでいけば、愛知県の製麺組合が約80社ぐらいですので、そのうちの任意で意欲のある方、安全衛生で問題のない方、そういうことで県の審査を受けて、認定をいただいている27業者で現在仲間として愛知県下を一元的にやっています。そのような私どもの事業概要です。
 多少前後するかもしれませんが、先ほど申し上げた「L・L」と省略していますが、これはロングライフというのの略でして、長期保存性を有するゆで麺のことです。これは私どもの中心的な事業でもありますが、保存性が大体4カ月から6カ月の賞味期限を打って商品を販売する関係上、全国販売。一部は主にアメリカ、オーストラリア、それからイギリスを中心とするヨーロッパの国へ多少は輸出していますが、特徴のある麺類です。そういうことも皆様のお手元の資料の「技術」欄に書いてあると思います。大変小さな企業ですが、昭和54年に「保存性に富むゆでめん」というもので製造特許を取りました。このときはたまたまそれまではほとんど麺業界の保存させるための物質といいますか、添加物がご承知の方も多いと思いますが、過酸化水素というH202。これが例の正月明けに突如としてアメリカでの発がん性問題から厚生省令で使用禁止が打ち出されました。たまたまその前年に私どもに特許が特許庁よりおりましたので、逆にちょっと人様からタイミングをはかったのではないかとか、いろいろ言われた経過はありますが、決してそういうことはなく、そして私どもの当時の代表、私の家内の父親も小企業でせっかく取った特許ですが、やはりこれは業界全体で共有するべきものであるという理念のもとに、特許を公開いたしました。麺業界の非常時ですので、特許公開という方向で私どもの技術が一時的ですが、日本全国の麺が全部その技術で製造された時期が1年ぐらいの期間はあったと思います。それから日進月歩いろいろと各社各様に考えられて、いろいろな保存の仕方が考えられたわけです。
 「主たる取引先」ですが、大体愛知県あるいは尾張部各市町村、これは名古屋市の仕事も含みますが、約3分の1ぐらいが私どもの企業売上げの中にあります。私どもの社員あるいは従業員と言ったほうがよいかもしれませんが、私どもには外交営業という部門がありません。ですから私は代表者であると同時に、実は私自身がトップ外交と言いましょうか、トップセールスと言いましょうか、そういう形で大手企業さんやいろいろな大手スーパーさんへお邪魔して、売り込みを図るケースがほとんどです。従業員数ですが、正社員25名、パート25名と書いてありますが、良いか悪いか別にいたしまして、正社員数は現在22名に3名減員になっています。これは現時点です。その代わりパートさんが10名ぐらい。多少浮動はありますが、増えています。総従業員数、延べと言ったほうがいいかもしれませんが、これは逆に増えています。正社員は、いわゆる通常の企業でいう定年性のもとに企業を去られたわけですが、その後の補充を現在の経済情勢の下ではなかなか社員雇用が難しいということで、とりあえず短時間労働者の方に応援を願う形でやっています。
 「21世紀職業財団」という財団が労働省さんにありまして、そちらの関係で愛知県のほうで少しこういった発表、ヒアリングということをさせていただきました。実はパートタイマーさんの雇用については男の人、女の人に関わらず時代の波がそういうふうですので、事例は幾多もあり、発表もさせていただきました。特に、中高年高齢者の雇用の場ということで、随分私どもは学校給食の分野において大勢の方に協力していただいているわけです。
 最後に私ども企業としては経営方針としまして、大体先ほども申しましたが、基本的には世の中が自然食とか健康食とかいろいろとだんだん騒がれている時代です。どんなものが、いつどのような時期に人体に害があるというようなことがやはり起き得るかもしれない。小さな企業が生き残るには、まず大手さんがあまりおやりにならないようなものや、添加物を極力少なくということで、普通に皆さんがお使いになられる酢の効用を利用して、加熱殺菌することによって保存性を持たせるという技術に現在ほとんど切り換えつつあります。塩無しで作るうどん、これも良いか悪いかは別にしまして、塩分は麺類には不可欠というのが原則ですが、それも無しにしまして、こういったうどんも世の中にはどうだろう。どちらかというと高齢者向けのような感じがしますが、無塩とか、最近、農水で言われている有機問題やいろいろな問題を解決するために、これはいまのところ需要がどれだけ起きるかわかりませんので、我々中小企業でも生き残れる1つの道ではないかということで、現在やっている次第です。以上のようなことで、私どもの企業の概要は説明させていただきました。
 少し組織の部分で先ほど申しましたように、全国団体の集計によりますと、私ども麺類製造業は組合員が約3,000弱ですが、全国にこの「ゆで・生麺業者」というのが4,000ぐらいはあるだろうと言われています。ほとんど中小企業、ほとんどというよりも全部が中小企業です。後ほど本題に触れますが、現在の麺類は昔は乾麺からスタートしたものですが、生き残るために最近はゆでた麺、蒸した麺、それからご存知の方も多いかと思いますが、うちのロングライフ麺もそうですが、冷凍麺というものが随分進出してきました。広義に言えば即席麺、いわゆる代表的なメーカーさんが多く大企業としてあると思いますが、インスタントラーメンです。こういったものです。麺類の分野は非常に広くありますが、私どもはいずれにしても非常に企業規模の小さいゆで麺の製造企業であるということです。
 私どもの所在地であります愛知県尾張地方、大変皆さんご存知のごとく数10年前から繊維産業の構造不況ということが言われ、かつては女性労働者の方、いわゆる「野麦峠」ではありませんが、機織りという関係で若い方が大勢見えました。最近の情勢は散々たる状況です。食品製造業でも最近は大体売上げが良いときに比べて20%から30%ダウン。ですから皆さん、採算はすれすれの状況で現在推移しているのではないかと思います。私どものお膝下である尾張地方、尾州地方は元々繊維産業が中心です。最近は大手自動車メーカーさんが愛知県にはありますので、その部品産業も結構多いのですが、繊維産業が壊滅的な打撃を受けて、再び立ち直れるだろうかというところまでいま追い込こまれてしまっているわけです。女性労働者の人も非常に少なくなり、企業経営も何々紡績とか何々繊維株式会社など、すべて大手企業ばかりですが、実際には私ども尾州地方、尾張地方にある工場は、ほとんどが閉鎖の方向に向かっております。大変由々しき問題ではありますが、閉鎖された跡地は、いわゆる大手スーパーへ売却、もしくは賃貸という形で、企業の名前こそ何々繊維、何々紡績として残っていますが、事業内容は当然、定款変更によって不動産の賃貸業などのようなものに変わりつつあるわけです。
 卑近な例ですが、そのようなところで閉鎖になれば、主に女性の労働者の方が多いわけですから、そのような方々が私どもにハローワークを通じてお見えになることが結構あります。現在、私どもの地域においてチラシ募集で2人雇うところに、大体その10倍の人がくる、ということです。時間に限りがありますので本題に入ります。
 ヒアリング項目に対する回答ということで、あくまでも私どもの企業としての実態を示したものが2番目にあります。「中小企業における育児や介護を行う労働者の状況について」というものですが、1番の場合を見ていただきたいと思います。通常、製造業はほとんど8時から5時が多いと思いますが、私どもの場合は原則的に、育児・介護を行う労働者については時間外労働というものは実際行ってはおりません。ただし、上記時間帯ではありますが、やはり時節柄、特に私どもの場合は介護ということになります。それは、仕事はしたいがどうしても8時から勤務するには親のこともある、ということで、それはよく理解できる話なのです。それは納得し、私どもは現在、その方に1時間遅れで作業に就いていただいています。
 2、3の「激変緩和措置に関する協定」、つまり極端な形の労働の変化ということだろうと思いますが、私どもは現在、協定の締結もありませんし、利用も行っていないというのが実情です。4番については、「取得状況」ですから、現在のところ私どもは育児休業や介護休業の取得はありません。5番は「復帰後の処遇」ということですが、いままでの事例としては、復帰そのものが現在のところありません。6番の「勤務時間短縮の措置の実施状況」については、先ほどの事情にもあったように、介護事情の方だけではなく、育児事情の方も当然いるわけで、話し合いの上で現在のところは大体働いていただく方の希望を入れて、ただし工場の作業性との調整の上で解決をしております。
 7番の「深夜業」における制限ですが、私どもは深夜業そのものが現在ありません。先ほど学校給食のところで申し上げましたが、8時より前に給食用麺類を届けるには、加温、加熱して届けないと安全衛生の問題がありますので、大体朝の4時くらいから作業をしなければなりませんので、全員男子のパートタイマーで現在は対処しています。8番目の「子どもの病気の場合の対応について」ですが、これは、いつ、どんなときに、どのような状況で起きるか分かりません。例えば、学校へ行ったが熱が出たということで、学校から電話がかかっていく場合もありますが、現在のところ、私どもは当然有給休暇を持っていますので、有給使用で対処していただいております。大体、時間刻みでやっています。そう大したことはないと思って子どもを送り出したが、学校の先生から電話がかかってきたというわけですから、そのような場合は私どもも代替要員が僅かですがおりますので、私なり工場長なりが一時的に応援して、突発的に起きるような病気の際は柔軟に対処しているわけです。
 9番目の「転勤・配置転換への配慮状況について」ですが、転勤そのものが小企業の場合、私どものような特に単一事業所であろうと思いますが、一会社一工場ということですので、まず転勤はあり得ないだろうと思います。いわゆる配置転換については、現在のところは私どもも行っていませんが、将来この部分については、私どもで働いていただく女性の方もどんどん年を重ねるにしたがっていろいろと形が変わっていくので、もちろん話し合いの上で本人が望まないものを強制的にやるわけではなく、しかし勤めていただいたときに一応ある程度の部署は経験してもらう、ということは雇用の際の約束事となっております。小さな企業ですから、ある程度の部署を経験しなければ、仕事がない、やることがないということになってしまう恐れがあるわけです。
 10番の「職場の意識、労使の意識について」ですが、これくらいの人数ですから労使というほどの関係ではなく、労使協調というか、話し合いの上で柔軟にやっており、現在使用者側と使用される側とで問題が起きている、ということは何もありません。2番目はそのような私どもの現状です。
 次に3番目の「仕事と家庭の両立支援をめぐる諸問題」については考え方のことだとは思いますが、私どもも家内が社会保険労務を担当しておりますし、話し合ってもきました。まず1番目は、時間外労働とは本来減らすほうが望ましいと私自身も思いますが、やはり仕事の性格、例えば食品製造業のような場合はそう簡単にはいかないと思うわけです。例えば、学校給食の場合、先ほども申し上げましたが、朝のことですから女性は来ていませんが、加温、加熱して昼の子どもの給食に間に合わせる、ということになりますと、どうしても8時から仕事を始めていたのでは給食時間に間に合わないわけです。残業は減らす方向にはしたいのですが、やはりこれは仕事の業務の性格上、中小企業としてはやむを得ないのではないかと思います。
 また、そこにも書いてあるとおり、「人は様々であり、法制化まで必要ないと思う」というように、決してそれで朝の仕事に女性を排除しているわけではありません。希望者を募っても現実には、子どもを送り出さなければならないとか、親を抱え主人も働きに出ているから朝はちょっとということなどがあるわけです。しかし、社員の中で1、2名の方は大体6時以降の勤務についてはご協力いただいています。しっかりやっていただいているので感謝しております。
 2番目の「育児の休業制度について」は難しい問題であり、私どもはまだそのようなことがありませんので話し合いの上で解決するのが望ましいのではないかと思いますが、ただそこに出てくるのが、このような制度について国として、いわゆる有給か無給か、ということが企業経営には大きく影響してくるのではないだろうかということです。
 3番目は「育児を行う労働者の仕事と育児の両立の負担の軽減策について」ということですが、これは勤務時間の短縮等でやはり労使話し合いの上で解決することが望ましいのではないか、というようにしか表現しにくいわけです。
 4番目の「仕事と家庭の両立に関する意識啓発について」は大変結構なことだと思います。私どもの場合には、両立して働いている人が非常に多いと思うのです。最初はパートであったが、子育てが済んでから正社員になった人もおり、そのまた逆の場合で、正社員であったがいろいろな事情でパートタイマーでもいいから、という人もおります。そのような方はやはり熟練している方ですから会社として手助けを願っているということです。私どもでは社会保険労務士さんに顧問的にやっていただいていますので、きちんとしたものをやっていますが、当初は週40時間1年単位の変形労働時間制に関する協定を届出していました。以上のような企業でございます。ちょうど30分が過ぎました。
(部会長) どうもありがとうございました。
 それではただいまの説明に関してご質問、ご意見などをお出しください。
(委員) ありがとうございました。正社員とパートの男女の割合と、年齢構成、勤続について教えていただけたらと思います。
(ヒアリング対象者) 男女の割合は、大体現在全総員が60名くらいですが、大体半々です。8時から5時までの日中の勤務時間帯の社員、パートタイマーは女性のほうが圧倒的に多いです。
(委員) 正社員の方はどうなのですか。
(ヒアリング対象者) 正社員も先ほど23人と言いましたが、役員3人を除いて女性事務員が3人おりますので、やはり23人中、男性が10人で女性が13人の割合になると思います。
(委員) パートは半々ですか。
(ヒアリング対象者) パートは半々くらいですね。
(委員) 年齢層はどうなっていますか。
(ヒアリング対象者) 年齢層ですが、社員の場合は22歳から大体56歳くらいまでです。パートについては、どちらかと言いますと30歳後半から65歳くらいまでで、60歳以上はほぼ全員が男子です。以上のような構成です。
(委員) ありがとうございました。会社は育児休業制度や介護休業制度は就業規則にはないのですか。
(ヒアリング対象者) 就業規則にはまだないのです。
(委員) 時間外労働の質問は育児や介護に限定されていますが、通常忙しいときの時間外労働はどのくらいあるのですか。一般の方の平均残業時間はどれくらいになるのでしょうか。朝4時というのは深夜業ということになりますね。それを含めた早朝残業、所定後終わった後の残業を含めてどれくらいになりますか。
(ヒアリング対象者) 夕方の5時以降はまずありません。それまでに終わるように作業を全部朝から行っています。朝が時間外で、多いときと少ないときとの差がありますが、平均月当たり大体20時間から30時間です。これをご理解いただきたいと思うのですが、8月はほとんど残業はありません。なぜかと言いますと、学校はお休みだからです。ですから、春休みや冬休みもありますので、12月、1月や3月、4月も少ない月になります。年間を通じて、あまり極端な残業、超過勤務はない形になるかと思います。
(委員) 短い方と長い方とがいると思いますが、パートの方の勤続年数はどのくらいですか。
(ヒアリング対象者) 長い方は10年以上です。
(委員) 契約はどうなっていますか。
(ヒアリング対象者) 契約は1年契約で、そのまま更新していきます。
(委員) 年休などはどれくらいの日数ですか。従業員の方は取得日数はどのくらいでしょうか。
(ヒアリング対象者) 3年前から私の長男が作業にまいりましてから、やはりそのような問題をやらなければいけないということで、8月の学校給食のないときに、ある程度有給使用での年休を結構消化していただいておりますので、まず残される方は割と少ないです。暇な月に有給休暇を消化していただき、有給を奨励する期間というものを設けています。これは学校の夏休みといったほうが分かり易いと思います。私どもは食品製造業ですので、いわゆる長期連休は申しわけないのですが、労使話し合いの上で勘弁していただいて全員納得してもらっています。
(委員) 組合はないのですか。
(ヒアリング対象者) 組合はありません。私どものような規模の産業に、組合というものはまずないのがほとんどだと思います。
(委員) 先ほどの育児休業、介護休暇については、就業規則には記載されていない、ということでしたが、これらの問題に関して、人事の労務関係を含めて専門に担当される方はいらっしゃるのですか。
(ヒアリング対象者) 先ほど申し上げましたが、結果的には小企業ですから、役員3人と言いましたが、私が代表で経営全般と営業、外交、いわゆる外向きの関係は一切やっています。中小企業ですから当たり前で、このような事例は多いと思いますが、家内が財務と社会保険労務をやっております。工場長が技術生産一切をやっており、工場長の傘下に入る人間が圧倒的で、8割以上になります。私どもの企業規模では、家内が担当しているくらいしか、他に専任で社員として労務担当の者を設けるというわけにはなかなかいきにくい事情です。
(委員) いま、いろいろな形で法律の改正や制度が変わったり、補助金が出たりということが行われていますが、そのようなことというのはどのような形で知る機会があるのですか。つまり、どんなことがあったら知り易いと思われますか。
(ヒアリング対象者) 私どもは極めてそのような点では、社会保険労務士とのコンタクトは密接に行っておりますので、そのような点はよく知らせていただいています。世の中の経済が非常に急速に悪化し、消費経済は特にいま悪化の一途をたどっていますので、ご支援をいただいたこともあります。
(委員) 女性の社員やパートの方が、結婚し、子どもができ、育児のために辞めたということはありますか。
(ヒアリング対象者) その質問が出ると大変私も答えにくいのです。実は、子どもができるということで、この10月20日で一応一旦退社という事務員がおります。本人の希望は希望として、一応検討するということになっています。このような事例があるにはあるのですが、事務職としての復帰は本人も考えていないようです。当然のことながら、企業側からしてみれば、その後を埋めていかなければ仕事になりません。後の方は長期間の研修という形で7月から10月20日までをダブルで、つまり子どもさんができた方からの受け渡し業務をやっています。子どもが生まれる11月初旬まで働きたい、という本人の希望もあり、それを私どもも妊娠された時点で聞いていましたので、その希望をできるだけ受け入れたということです。もちろん慣れてもいますし、そのような点で何とかうまくということになったわけです。
 この問題と直結しますが、その方に無事子どもが生まれ、その後どうするかという本人の希望については、いまヒアリングの最中だということです。
(委員) 私の質問は、就業規則に、仮に育児休業制度がうちの会社にはあります、ということがあればどうだろうか、ということなのです。逆に就業規則にないことから、本人がもしかしたら悩んでいるという面は考えられませんか。働き続けたいという希望があって、ということはありませんか。法律はありますから取れれば取れるのですが、就業規則があるからものすごく大きな差だと思います。その点は社長としてどのように思われますか。
(ヒアリング対象者) 私も管理畑やそのような部門から来ていませんから、甚だ答えにくいのです。
(委員) 経営の試算は何かありますか。退職金は何年目から出るのですか。
(ヒアリング対象者) 3年目からです。
(委員) 10月20日で辞められるその方は、3年くらい経っているのですか。
(ヒアリング対象者) 3年経たないのです。私もよく分かりませんので、社会保険労務士に聞いて、家内にもできるだけ国の制度の範囲内で、本人にいちばんいい形で取り得れるように、何がしかのものが出るはずです。そのようなものもきちんと本人に話をしています。結婚事情については詳しく申し上げられませんが、いずれにしても子どもさんが生まれる、ということで受け止めています。企業側からすれば、役に立つという表現はちょっと厳しいですが、間に合う人といえばいいでしょうか。本人も部署は変わってもいいから、もし考えられれば考えておいてほしい、という程度の話になっています。
(委員) それは会社として初めてですか。
(ヒアリング対象者) 初めてです。ですから、戸惑ってしまうのです。私どものような小企業ですと、まず子どもさんの小さい方は応募をされませんし、働ける段階になって取りあえずパートタイマーでお願いできないか、という形で働きにみえる方が多いです。若い社員を事務員として雇いかけたのも、私が社長になってからの平成6年くらいからだと思います。長続きはせず、たまたまいまの10月20日で辞められる方が少し長いくらいで、それでも3年に満たないわけですから非常に難しい問題だと思います。恩情という言葉を使うと企業側のエゴだと言われるかもしれませんが、本人のいいように、できるだけのことは我々は考えてやっているつもりです。
(委員) 是非、就業規則にそのようなことを話し合っていただければと思います。
(ヒアリング対象者) その辺からは難しい問題です。
(委員) 後はご本人の判断だと思います。就業規則がないという、会社は「はてな」という気がします。
(ヒアリング対象者) 実態はそのようなことです。
(委員) パートの方はどれくらいの短さですか。
(ヒアリング対象者) 8時から5時までの正規の勤務時間帯を2つに割ると12時半になり、つまり1日4時間半のパート労働ということになります。その間で先ほどの介護や育児の都合で、1時間遅らせてほしい、短縮してほしいということも出てくるわけです。遅らせるということになると、1時半になるので、お昼にかかるのはどうするか、ということは本人との話し合いです。食事は遅れてもいいのでできるだけ働きたい、ということであればカットではなく、8時から12時半ではなく、9時から1時半にして4時間半を守るような形にしています。
(委員) ほとんどが4時間半ということで、1年契約、10年くらいの更新ということですか。
(ヒアリング対象者) はい、そういうことです。
(委員) 毎年毎年、契約更新するということですか。
(ヒアリング対象者) 一応きちんとやっています。毎年期限がくればきちんとやっています。私も自分がやるわけではなく、家内に代行させております。これは企業を代表しての総務担当を命じており、しかも役員としてやっていますので、社会保険労務士と話し合いの上できちんとやっているわけです。
(委員) 出産のケースは今回初めてだということですが、例えば男性の方が育児休業を2、3カ月取りたい、という申し出があったときにはどのように考えられますか。
(ヒアリング対象者) 私は2、3カ月と言われるとちょっと考えますが、子どものために家内の代わりに私がということであれば、有給使用では全部認めています。ただし現在は有給で勘弁してもらっていることは事実です。
(委員) 法のことでいえば、1歳になるまで男性が取っても女性が取っても、それは取らせなければいけないということになっています。現実問題として、そのようなことを言われたときに、片方では生活はそうしないと超えられないという家庭の事情があったときに、それは受け入れられるのでしょうか。もちろん初めてのケースということでいろいろと考えられるとは思うのですが、いかがでしょうか。
(ヒアリング対象者) いずれにしても私どもは大企業のように機械化になっているわけではなく、どうしても人に頼らなければならず、ある程度の人員は必要な作業ですので、前向きに捉えるということについては変わりはありません。ただ問題は、企業経営の現状との関係があるので、有給はそのままにしておき、介護休業や育児休業だけで何もかも、ということについては、多少我々経営者側としては、受け入れられないかという気がします。はっきり申し上げて、現在の中小企業で利益水準がそこそこにいっており、いいよと言っていられるような企業はそうないのです。大手企業の福祉の制度とは大分違うと思います。
 中部には最大の自動車会社がありますが、下請、孫請け、曾孫請けというような形であるところの実態は、決してそんな形を呑めることは難しい、というのが私の小企業仲間の考え方です。しかし、法は法として考えておりますし、私ども自体が行政との取り引きがあるだけに、大変言いにくいのです。消費税は預り金なのだから、確実に納めなければならないが、それが滞納されていると国税庁の方も大変苦慮されていますが、まさしくそのとおりだと思うのです。私どもは消費税の申告の写しも何もかも、税務の写しは一切合切全部資料を整えていかないと、市町村の学校給食指定業者としての認可が得られないのです。ですから私どもとしては、企業としても、やるべきことはやって今日まできているという実態です。
(委員) 社長は全国の会長もやられていますね。愛知県もやられているし、業界の4,000社というお話をされましたが、そのような意味で経営基盤が非常に中小規模で厳しいということは十分わかるのですが、一方で、労働者のほうから考えると大企業ならばあるものが、中小企業の会社だから育児休業もない、というような差を何とか埋めていくというのが目指すべき公正社会だと思うのです。その辺、私どもとして、中小は中小企業なりの基盤の弱さがもちろんありますからそのところを支援する制度、つまりお金であったり何かだと思うのですが、コスト面なのでしょうか。
 さらに全国の会長として、音頭を取ってやるということによって、業界全体がそのようになっていく、という社会的影響も大きいと思うのです。その辺の認識はいかがですか。
(ヒアリング対象者) 非常に難しいご質問です。私個人の気持ちとしては、おっしゃる意味もよく分かりますし、経営の許す限りは支援はしていきたいと思っています。人を取っ替え引っ替えやるというのも、企業側としては大変なのです。慣れているベテランの従業員が出産でしばらくの間休む、というのはある意味ではよく分かるのです。後を育てることのほうがかえって大変ですから、そのような制度は望ましいとは思うのですが、あんまり法制化、法制化と言われると非常に我々としては辛いのです。私どもも先ほどの事例のある人間に対して、目の前に問題が出てきましたから、少し前向きに捉えなければいけないのかと思います。慣れているし、あの子は間に合うから、という話を家内でも言うくらいですから、どうしようかと思っているのです。
 学校給食をやる業者がどんどん減っている状況の中、私どもに集中する傾向も見せているということもあり、事業の拡大ということを考えますと、ベテランの学校給食専門事務職員、いわゆる栄養士とやりとりする人間であっても1人ではいかない場合もあります。取りあえずはパートでもいいかということにもなるわけです。雇用した正社員に育児休業を取らせ、復帰したらまた同じ職場で正社員として雇用しなければならない、というように決め付けられると非常に企業運用としてはなかなかやりにくい部分もあるわけです。ただ、大きな目で見て、私ども自体はそのようにしていきたいと思っていますが、全産業となると、まだまだ日本のピラミッド構造の産業構造からいけば、圧倒的に小企業の下にまた小企業があるわけで、単独で生きられる企業はほとんどないと思います。
 大企業の傘下に入っている小企業か、私どもでも大手企業、一部上場企業3社からの委託生産です。相手からいえば委託ですが、私どもからすれば受託生産というケースもあります。かつての大手乳業メーカーの事例に見られるように、実際には産業の構造は1社が何もかも1つの工場でやっている、というのは極めて少ないことで、ほとんど下へ下へ下へ、というように、建設業にしろ繊維産業にしろ同様です。繊維にしても、頂点に紡績はあっても、その下に染色、製糸、撚糸、すべての産業の構造があり、同一視で捉えられるといちばん困るのはいちばん下なのです。経営基盤が非常に弱く、蓄えも少ないからです。 私どもの同業種でも、7月以来大変食品企業の自主回収ということがマスコミで報道されましたように、自主回収費用というのは膨大なものになるわけです。膨大な費用を吸収してでも生きていかれる企業はいいのですが、生きられない企業もいくつもあるのです。場違いな発言で申しわけありませんが、ここをお引き受けしてからこちらへ伺うまでの間に、マスコミ等の報道、新聞全部を見る限り、あちこちの大企業が必死の情勢であります。経済企画庁はやむを得ないと思うわけです。政府が悪化の兆しなどと言いかけたならば、日本の産業労働者はみんなそちらへ向かってしまい、もっと悪化するでしょう。政府は常に下支えしなければならない立場にあることはよく分かるのです。ただ、実態観は、経済の状況はそんなに甘いものではない、という認識ですから、まだまだ我々中小企業は厳しくなるだろうと思っています。それを生き抜いていかなければならない、しかも労働者も保護しなければならない、非常に苦慮するということです。配慮はしますが、あまり急ピッチの形にはできないのではないか、という認識です。
(委員) 経済状況についてお話があったのですが、子育て支援も日本全体にとっていま大きな課題になっていると思うのです。法律ということを言われても、というお話もありましたが、逆に、中小でもそれを利用してもらい易いように、ということで国の補助金制度等をいろいろ作っているわけです。先ほど社会保険労務士の支援を得ているというお話でしたが、何かあったときのご相談ということ以外に日常的にそこからの情報が入る、というわけでもないのではないかと思うのです。どのような仕組みにしたら、それぞれの企業に国の支援の情報等が、うまく伝わるのか、どのように考えていらっしゃいますか。いろいろなことを使ってもらい易いように、特に中小は補助金率を例えば高くするなど、検討の幅が増えるように、ということでいろいろな形が出ていると思います。そのようなものがあるということも、なかなか伝わりにくいのではないかと思います。
(ヒアリング対象者) 総務担当が見逃しているのかもしれませんが、社会保険労務士さんも会社に顔を出していただきますし、私どもの朝礼にも出席していただくこともあります。これは労働災害の事例が多いものですから、確かに言われるとおり、そのような国のほうでの支援は非常にありがたいと思います。むしろ支援していただき、職場復帰をしてもらったほうが会社としてもいいわけです。1から教えたと思ったら、また新しい人に変わる、というよりは楽なことは事実です。どこか私どものような末端の企業には抜けている部分があるやもしれません。どのような情報ルートでいちばん企業代表なり労務担当者に活用させる、ということはなかなか難しいのではないかと思います。
 私どもも全麺連という中央本山があって、組合もあり、また中小企業地方団体からもいろいろな資料をいただきますし、目も通しておりますが、大分抜けているところが多いわけです。いろいろな資料をいただき、私も読んでもみたのですが、ざっとしか読みませんので、とにかく自分1人でやる仕事が多過ぎるので、突如としてこのようなご下命を受けても、私でいいのかと思うわけです。たまたまご縁があり、多少なりとも発言してほしいということですので、このようにおじゃまをしたわけです。確かに、履歴書にも書きましたが、民生委員、現在は民生児童委員と言いますが、私は地元の民生委員でもあります。しかし、どちらかというと介護のほうにみんな頭がいってしまっていますので、民生委員、児童委員も合併したらいいと思うのです。児童委員の役目といったら、はっきり言って例の保育園児の証明書くらいなものです。あとは介護が主です。
 あれやれ、これやれで全部が来てしまっていますから、私も市の福祉課長に言うのです。そう1度に1人の人間に押し付けられても困る、みんなボランティアなのです。その辺に難しさもあるわけです。しかも会社の社業も抱えているわけですから、ボランティアにかまけて会社の社業を左前にしたら元も子もないわけです。その辺の難しさもあるのです。答にならない答が多いかもしれません。
(部会長) どうもありがとうございました。
(委員) パソコンとかインターネットは会社のほうで利用されていますか。
(ヒアリング対象者) 現在、長男が会社へ来るようになり、そちらのほうを充実するようにしつつあります。
(部会長) 大変お忙しいところを遠くからお越しいただきましてありがとうございました。これから育児介護のほうにも一層取り組んでいただければと思います。よろしくお願いたします。
(ヒアリング対象者) どうもありがとうございました。
(中小企業ヒアリング対象者退室)
(部会長) それでは本日の部会はこれで終了させていただきますが、次回は積み残しとなっております、ポスト激変緩和措置の議論を引き続き行いたいと思います。その他まだ議論がなされない点について問題提起、ご意見を頂戴したいと思います。

<照会先>
 雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課
企画係 (内線 7855)


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