４　退院患者の状況

（１）退院患者平均在院日数

ア　施設の種類別

　調査期間1か月間に医療施設を退院した推計患者112万3千人（病院98万4千人、一般診療所13万9千人）の在院日数の平均である退院患者平均在院日数は40.8日である。
　施設の種類別にみると、病院43.4日、一般診療所22.2日となっており、これを平成5年と比べると病院は0.3日、一般診療所は6.7日短くなっている。（図６）

図６　施設の種類別にみた退院患者平均在院日数の年次推移

イ　年齢階級別

　退院患者平均在院日数を年齢階級別にみると、35～64歳では病院43.3日、一般診療所30.9日、65歳以上では病院が65.7日、一般診療所では41.8日などとなっている。平成5年と比べると、65歳以上では病院が5.3日、一般診療所が27.2日短くなっている。（表１４、図７）

表１４　年齢階級別にみた退院患者平均在院日数の年次推移

（単位：日）　　各年９月１日～30日　　

	病　　　　　　院					一　般　診　療　所
	昭和59年	62	平成2	5	8	昭和59年	62	平成2	5	8
総　　数	45.5	47.3	47.4	43.7	43.4	24.8	26.0	28.2	28.9	22.2
0～14歳	12.1	11.1	14.7	10.5	10.5	7.0	7.8	8.2	7.5	6.4
15～34	24.3	21.4	19.8	18.2	18.9	10.4	10.7	9.0	9.2	8.3
35～64	53.7	50.6	46.6	45.2	43.3	34.2	35.3	31.8	26.4	30.9
65歳以上	87.1	88.6	81.1	71.0	65.7	87.9	64.1	64.3	69.0	41.8
（再掲）70歳以上	93.6	94.1	86.7	77.1	69.9	101.1	68.0	69.7	80.0	45.5

注：　総数には、年齢不詳を含む。　　　　　　　　　　　　

図７　年齢階級別にみた退院患者平均在院日数の年次推移

ウ　傷病分類別

　退院患者平均在院日数を傷病分類別にみると、「V精神及び行動の障害」が330.7日と最も長く、次いで「VI神経系の疾患」81.9日、「IX循環器系の疾患」71.3日の順となっている。（表１５）

表１５　傷病分類別にみた年齢階級別退院患者平均在院日数

（単位：日）　　平成８年９月１日～30日

傷　　　病　　　分　　　類			総　数	男	女	0～14歳	15～34	35～64	65歳以上	70歳以上（再掲）	75歳以上（再掲）	90歳以上（再掲）
	総　　　　　　数		40.8	41.7	40.0	9.9	16.5	42.3	63.5	67.5	75.2	138.2
I	感染症及び寄生虫症		28.5	33.3	23.1	7.1	12.9	30.9	55.0	56.4	57.8	118.7
	結核	（再掲）	109.4	112.2	103.3	14.8	71.4	110.9	119.0	114.2	102.5	76.3
	ウイルス肝炎	（再掲）	33.8	31.2	38.0	9.2	27.5	29.6	51.6	61.4	77.1	279.7
II	新生物		35.8	36.1	35.5	25.6	25.1	31.0	41.9	43.6	47.6	82.4
	胃の悪性新生物	（再掲）	47.1	46.2	49.0	36.1	45.5	42.1	49.6	50.7	55.4	73.7
	大腸の悪性新生物	（再掲）	40.0	38.0	42.7	29.5	26.6	35.3	43.2	45.0	49.7	140.1
	肝及び肝内胆管の悪性新生物	（再掲）	38.4	37.3	41.1	23.6	27.8	37.2	39.3	38.3	42.6	56.5
	気管，気管支及び肺の悪性新生物	（再掲）	50.1	48.3	54.6	38.4	33.3	48.4	51.0	51.7	53.6	80.8
III	血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害		31.6	32.6	31.1	22.1	14.5	27.8	49.9	48.7	51.6	92.8
IV	内分泌，栄養及び代謝疾患		42.1	37.8	46.5	12.3	26.4	33.1	55.9	62.3	72.1	98.6
	糖尿病	（再掲）	47.2	41.0	54.3	20.8	32.8	35.6	60.8	69.7	84.5	210.4
V	精神及び行動の障害		330.7	358.0	304.8	25.2	105.8	387.7	468.2	439.1	412.0	424.8
	血管性及び詳細不明の痴呆	（再掲）	319.0	275.0	342.7	－	332.1	328.3	318.1	317.4	325.2	494.4
	精神分裂病，分裂病型障害及び妄想性障害	（再掲）	606.1	671.7	545.3	27.3	159.2	683.6	1 578.5	1 663.9	1 690.8	215.5
VI	神経系の疾患		81.9	76.9	86.8	29.2	98.2	75.7	96.0	100.4	114.0	224.8
VII	眼及び付属器の疾患		10.3	11.1	9.8	6.7	13.4	12.5	9.6	9.4	9.5	12.6
VIII	耳及び乳様突起の疾患		15.9	15.9	15.9	10.4	14.3	15.0	20.8	22.6	28.8	50.8
IX	循環器系の疾患		71.3	57.0	87.6	14.6	18.0	39.9	88.7	98.1	113.2	207.8
	高血圧性疾患	（再掲）	63.6	50.9	70.5	21.9	23.3	27.3	75.0	82.7	91.2	213.6
	（心疾患（高血圧性のものを除く））	（再掲）	38.9	30.5	50.0	14.4	15.2	19.7	50.0	56.4	68.2	123.3
	（脳血管疾患）	（再掲）	119.1	98.1	141.2	19.4	35.9	77.9	134.4	144.2	159.3	276.0
X	呼吸器系の疾患		26.1	25.3	27.2	6.9	9.5	23.7	57.3	59.8	64.0	86.8
	喘息	（再掲）	17.0	15.4	19.2	6.7	9.3	25.9	57.2	63.1	67.4	85.5
XI	消化器系の疾患		25.5	24.3	27.1	6.8	13.8	23.4	35.6	38.3	43.6	71.2
	歯及び歯の支持組織の疾患	（再掲）	10.3	11.6	9.3	4.8	10.8	10.1	13.0	15.4	14.1	13.0
	食道，胃及び十二指腸の疾患	（再掲）	28.1	24.3	33.9	8.1	14.4	22.8	39.8	44.0	50.5	112.3
	肝疾患	（再掲）	43.7	42.0	47.2	12.7	22.8	39.6	53.2	56.1	65.4	120.9
XII	皮膚及び皮下組織の疾患		23.3	23.7	22.9	9.8	16.6	22.3	37.3	40.3	43.9	87.9
XIII	筋骨格系及び結合組織の疾患		55.2	48.2	60.7	22.4	27.5	50.6	71.8	77.4	84.5	287.3
XIV	尿路性器系の疾患		26.6	27.2	26.0	14.6	9.7	19.1	47.7	52.0	57.8	115.2
XV	妊娠，分娩及び産じょく		8.2	・	8.2	13.5	8.1	8.6	－	－	－	－
XVI	周産期に発生した病態		12.2	12.1	12.3	12.2	－	－	－	－	－	－
XVII	先天奇形，変形及び染色体異常		27.8	23.6	32.9	23.0	44.5	33.0	28.4	25.6	25.2	32.6
XVIII	症状，徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの		19.1	18.1	19.9	7.3	12.0	14.5	31.0	31.0	34.4	67.0
XIX	損傷，中毒及びその他の外因の影響		35.0	31.1	40.2	9.9	20.8	34.5	53.9	57.0	57.2	65.0
XXI	健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用		5.0	3.9	5.8	6.2	6.0	2.1	9.2	11.6	13.8	15.7
	歯の補てつ	（再掲）	10.0	13.9	7.2	5.0	24.8	7.1	10.7	13.8	16.6	－
結核と精神及び行動の障害を除いた傷病		（再掲）	32.8	32.6	32.9	9.9	13.5	28.4	55.2	60.0	68.0	129.9

注：１　退院患者平均在院日数は、主傷病についてみたものである。
　　２　総数には、年齢不詳を含む。

エ　都道府県別

　病院の退院患者平均在院日数を都道府県（施設所在地）別にみると、高知が74.3日と最も長く、次いで佐賀が73.8日、長崎が63.9日の順となっている。一方、長野が27.5日と最も短く、次いで神奈川が32.5日、静岡、滋賀が34.9日の順に短くなっている。（図８）

図８　都道府県別（施設所在地）にみた退院患者平均在院日数
　