結果の概要

　国民医療費は 26兆9577億円であり、前年度の 25兆7908億円に比べ 1兆1669億円、 4.5％の増加である。
　国民一人当たりの医療費は 21万4700円であり、前年度の 20万6300円に比べ 4.1％の増加である。
　国民医療費の国民所得に対する割合は 7.10 ％（前年度 6.91％）である。


図１　国民医療費と対国民所得比の年次推移




表１　国民医療費と国民所得の年次推移

	国民医療費		国民一人当たり医療費		国民所得		国民医療費の 国民所得に対 する割合 (%)
	額（億円）	対前年度 増加率(%)	額（千円）	対前年度 増加率(%)	額（億円）	対前年度 増加率(%)
昭和29年度	2 152	…	2.4	…	…	…	…
30	2 388	11.0	2.7	12.5	69 733	…	3.42
40	11 224	19.5	11.4	17.5	268 270	11.5	4.18
50	64 779	20.4	57.9	19.1	1 239 907	10.2	5.22
60	160 159	6.1	132.3	5.4	2 602 784	6.8	6.15
61	170 690	6.6	140.3	6.0	2 711 297	4.2	6.30
62	180 759	5.9	147.8	5.3	2 838 955	4.7	6.37
63	187 554	3.8	152.8	3.4	3 013 800	6.2	6.22
平成元年度	197 290	5.2	160.1	4.8	3 221 436	6.9	6.12
2	206 074	4.5	166.7	4.1	3 457 391	7.3	5.96
3	218 260	5.9	176.0	5.6	3 630 542	5.0	6.01
4	234 784	7.6	188.7	7.2	3 690 881	1.7	6.36
5	243 631	3.8	195.3	3.5	3 724 644	0.9	6.54
6	257 908	5.9	206.3	5.6	3 730 345	0.2	6.91
7	269 577	4.5	214.7	4.1	3 797 204	1.8	7.10

注:	1)国民所得は、経済企画庁（平成８年12月発表）による。
	2)国民一人当たり医療費を算出するために用いた人口は、総務庁統計局による総人口である。

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２　制度区分別国民医療費（表２）

(1)	医療保険等給付分は 14兆42億円（構成割合 51.9％）、老人保健給付分 8兆4877億円 (31.5％）、公費負担医療給付分 1兆2953億円（4.8％）である｡ 　また、患者負担分は 3兆1705億円（11.8％）である。
(2)	国民医療費の対前年度増加額のうち、医療保険等給付分の寄与率は 29.9％､ 老人保健給付分の寄与率は 55.4％である。 　また、それぞれの増加率は医療保険等給付分 2.6％、老人保健給付分 8.2％である。

表２　制度区分別国民医療費

	平成７年度		平成６年度		対前年度
	推計額 （億円）	構成割合 （％）	推計額 （億円）	構成割合 （％）	増加額		増加率 （％）
					推計額 （億円）	寄与率 （％）
国民医療費	269 577	100.0	257 908	100.0	11 669	100.0	4.5
公費負担医療給付分	12 953	4.8	12 618	4.9	335	2.9	2.7
医療保険等給付分	140 042	51.9	136 548	52.9	3 494	29.9	2.6
医療保険	136 641	50.7	133 199	51.6	3 442	29.5	2.6
被用者保険	83 674	31.0	82 115	31.8	1 559	13.4	1.9
被保険者	49 840	18.5	48 751	18.9	1 089	9.3	2.2
被扶養者	33 834	12.6	33 364	12.9	470	4.0	1.4
国民健康保険	52 968	19.6	51 085	19.8	1 883	16.1	3.7
その他	3 400	1.3	3 349	1.3	51	0.4	1.5
老人保健給付分	84 877	31.5	78 412	30.4	6 465	55.4	8.2
患者負担分	31 705	11.8	30 330	11.8	1 375	11.8	4.5

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３　財源別国民医療費（表３）

　国民医療費 26兆9577億円のうち、「保険料」は 15兆2137億円（56.4％）であり、「国庫」は 6兆5132億円（24.2％）､「地方」は 2兆265億円（7.5％）である。

表３　財源別国民医療費

	平成７年度		平成６年度		対前年度
	推計額 （億円）	構成割合 （％）	推計額 （億円）	構成割合 （％）	増加額		増加率 （％）
					推計額 （億円）	寄与率 （％）
国民医療費	269 577	100.0	257 908	100.0	11 669	100.0	4.5
公費	85 398	31.7	80 359	31.2	5 039	43.2	6.3
国 庫	65 132	24.2	61 675	23.9	3 457	29.6	5.6
地 方	20 265	7.5	18 684	7.2	1 581	13.5	8.5
保険料	152 137	56.4	146 870	56.9	5 267	45.1	3.6
その他	32 043	11.9	30 679	11.9	1 364	11.7	4.4
患者負担 (再掲)	31 705	11.8	30 330	11.8	1 375	11.8	4.5

注：推計額は、制度区分別給付額を各制度において財源負担すべき者に振り当てた推計値である。

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４　診療種類別国民医療費（表４）

(1)	国民医療費のうち、一般診療医療費は 21兆8683億円（81.1％）､歯科診療医療費は 2兆3837億円（8.8％）､薬局調剤医療費は 1兆2662億円（4.7％）、入院時食事医療費は 1兆801億円（4.0％）、老人保健施設療養費は 3385億円（1.3％）、老人訪問看護医療費は 187億円（0.1％）、訪問看護医療費は 23 億円（0.0％）である。 　入院医療費は 9兆9229億円（36.8％）であり、そのうち病院は 9兆4545億円（35.1％）､一般診療所は 4684億円 (1.7％）である。また、入院外医療費は 11兆9454億円（44.3％）であり、そのうち病院は 5兆3997億円（20.0％）、一般診療所は 6兆5456億円（24.3％）である。
(2)	国民医療費の対前年度増加額の寄与率は、一般診療医療費と平成６年９月まで一般診療医療費等に含まれていた給食料に相当する入院時食事医療費を合わせると 73.5％、歯科診療医療費は 2.7％、薬局調剤医療費は 16.9％､老人保健施設療養費は 5.9％である。 　また、それぞれの増加率は一般診療医療費と入院時食事医療費を合わせると 3.9％、歯科診療医療費 1.3％､薬局調剤医療費 18.5％である。

表４　診療種類別国民医療費

	平成７年度		平成６年度		対前年度
	推計額 （億円）	構成割合 （％）	推計額 （億円）	構成割合 （％）	増加額		増加率 （％）
					推計額 （億円）	寄与率 （％）
国民医療費	269 577	100.0	257 908	100.0	11 669	100.0	4.5
一般診療医療費	218 683 (229484)	81.1 (85.1)	215 765 (220906)	83.7 (85.7)	2 918 (8578)	25.0 (73.5)	1.4 (3.9)
入院医療費	99 229	36.8	100 078	38.8	△ 849	△ 7.3	△ 0.8
病院	94 545	35.1	95 102	36.9	△ 557	△ 4.8	△ 0.6
一般診療所	4 684	1.7	4 975	1.9	△ 291	△ 2.5	△ 5.8
入院外医療費	119 454	44.3	115 688	44.9	3 766	32.3	3.3
病院	53 997	20.0	52 998	20.5	999	8.6	1.9
一般診療所	65 456	24.3	62 690	24.3	2 766	23.7	4.4
歯科診療医療費	23 837	8.8	23 523	9.1	314	2.7	1.3
薬局調剤医療費	12 662	4.7	10 687	4.1	1 975	16.9	18.5
入院時食事医療費	10 801	4.0	5 141	2.0	5 660	48.5	110.1
老人保健施設療養費	3 385	1.3	2 693	1.0	692	5.9	25.7
老人訪問看護医療費	187	0.1	95	0.0	92	0.8	96.8
訪問看護医療費	23	0.0	4	0.0	19	0.2	475.0

注：	1)	平成６年10月に、入院時食事医療費は一般診療医療費から分離･創設され、訪問看護医療費は創設された｡
	2)	（ ）内の数値は入院時食事医療費を加えたものである。

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５　年齢階級別一般診療医療費（表５）

(1)	一般診療医療費のうち、0〜14歳は 1兆3910億円 (6.4％)、15〜44歳 3兆7187億円 (17.0％)、45 〜64歳 6兆8706億円 (31.4％)、65歳以上 9兆8880億円 (45.2％)であり、さらに70歳以上では 7兆5985億円 (34.7％）である。
(2)	年齢階級別に一人当たり医療費をみると、加齢とともに増加し、45〜64歳では 19万6300円で平均の 1.13倍､65歳以上では 54万900円で平均の 3.11倍であり、さらに70歳以上では 63万9800円で平均の 3.67倍である。

表５　年齢階級別一般診療医療費

	平成７年度				平成６年度
	推計額 (億円)	構成割合 (％)	一人当たり 医療費(千円)	平均に対 する比率	一人当たり 医療費(千円)	平均に対 する比率
一般診療医療費	218 683	100.0	174.2	1.00	172.6	1.00
0 〜 14歳	13 910	6.4	69.4	0.40	67.1	0.39
15 〜 44歳	37 187	17.0	71.2	0.41	73.3	0.42
45 〜 64歳	68 706	31.4	196.3	1.13	199.7	1.16
65歳以上	98 880	45.2	540.9	3.11	540.5	3.13
(再掲) 　70歳以上	75 985	34.7	639.8	3.67	640.5	3.71

注：「一般診療医療費」には入院時食事医療費は含まれていない。

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６　年齢階級別歯科診療医療費（表６）

(1)	歯科診療医療費のうち、0〜14歳は 2023億円（8.5％）、15〜44歳 8486億円（35.6％）、45〜64歳 8856億円（37.2％）、65歳以上 4472億円（18.8％）であり、さらに70歳以上では 2718億円（11.4％）である。
(2)	年齢階級別に一人当たり歯科診療医療費をみると、45〜64歳では 2万5300円であり、65歳以上では 2万4500円である。

表６　年齢階級別歯科診療医療費

	平成７年度		平成６年度
	推計額 （億円）	一人当たり 医療費（千円）	推計額 （億円）	一人当たり 医療費（千円）
歯科診療医療費	23 837	19.0	23 523	18.8
0 〜 14歳	2 023	10.1	2 219	10.9
15 〜 44歳	8 486	16.2	8 648	16.4
45 〜 64歳	8 856	25.3	8 542	25.0
65歳以上	4 472	24.5	4 114	23.4
(再掲) 　70歳以上	2 718	22.9	2 502	22.0

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７　傷病分類別一般診療医療費（表７）

　一般診療医療費を傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」5兆568億円（23.1％）が最も多く、次いで「新生物」2兆3228億円 (10.6％)､「消化器系の疾患」2兆461億円 (9.4％)､「呼吸器系の疾患」1兆8179億円 (8.3％)､「筋骨格系及び結合組織の疾患」1兆7625億円 (8.1％)である。

表７　上位５傷病別一般診療医療費

平成７年度 　 推計額 (億円) 構成割合 （％） 一般診療医療費 218 683 100.0 　循環器系の疾患 50 568 23.1 　新生物 23 228 10.6 　消化器系の疾患 20 461 9.4 　呼吸器系の疾患 18 179 8.3 　筋骨格系及び 　結合組織の疾患 17 625 8.1 　その他 88 622 40.5

（参考） 平成６年度上位５傷病別一般診療医療費 　 推計額 (億円) 構成割合 （％） 一般診療医療費 215 765 100.0 　循環系の疾患 50 218 23.3 　新生物 22 529 10.4 　消化系の疾患 21 697 10.1 　呼吸系の疾患 17 090 7.9 　筋骨格系及び 　結合組織の疾患 17 000 7.9 　その他 87 231 40.4

注：	傷病分類は「国際疾病、傷害及び死因統計分類」によるものであり、平成７年度は「第１０回修正」、平成６年度は「第９回修正」である。

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８　年齢２区分別各上位５傷病別一般診療医療費（図２）

　傷病分類別一般診療医療費の構成割合を65歳未満−65歳以上の年齢２区分別にそれぞれの上位の５傷病をみると、65歳未満では「循環器系の疾患」､「呼吸器系の疾患」､「新生物」の３傷病で34.6％であるのに対し、65歳以上では「循環器系の疾患」が 35.7％を占めている。


図２　年齢２区分別各上位５傷病別一般診療医療費構成割合（％）