戻る

「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」の概要

第1 地域保健対策の推進の基本的な方向

○ 生活者個人の視点の重視
○ 住民の多様なニーズに対応したきめ細かなサービス
○ 地域の特性をいかした保健と福祉のまちづくり
○ 介護保険制度の円滑な実施のための取組
○ 快適で安心できる生活環境の確保
○ 地域における健康危機管理体制の確保
○ 科学的根拠に基づいた地域保健の推進

第2 保健所及び市町村保健センターの整備及び運営に関する基本的事項

1 保健所

(1)保健所の整備

○ 地域保健における広域的、専門的かつ技術的拠点としての機能を強化するため、地域の特性を踏まえつつ規模の拡大並びに施設及び設備の充実を図る
○ 都道府県の保健所の所管区域については、二次医療圏又は介護保険事業支援計画に規定する区域とおおむね一致することを原則とし、平均的な二次医療圏の人口又は面積を著しく超える場合には複数の保健所の設置を考慮
○ 政令指定都市の保健所については、従来おおむね行政区単位に設置されてきたことに配慮しながら、都道府県保健所との均衡及び保健所政令市の人口要件を勘案し、住民が受けることができるサービスの公平性が確保されるよう設置
○ 政令指定都市を除く政令市及び特別区の保健所については、都道府県保健所との均衡及び保健所政令市の人口要件を勘案し、地域の特性を踏まえつつ、各政令市及び特別区において設置
○ 人口30万人以上の市の保健所政令市への移行の促進
○ 人口30万人未満の現行の政令市における業務の促進

(2)保健所の運営

○ 保健所は、地域保健の広域的、専門的かつ技術的拠点としての機能を次のように強化
○ 専門的かつ技術的業務の推進
・ 精神保健、難病対策、エイズ対策等についての機能強化
・ 食品衛生、環境衛生、医事、薬事等についての広域的監視及び検査拠点としての機能強化
○ 情報の収集、整理及び活用の推進
・ 保健・医療・福祉に関する情報の幅広い収集・管理・分析・提供
・ 住民相談に総合的に対応できる情報ネットワークの構築
○ 調査及び研究等の推進
・ 地域住民の生活に密着した調査及び研究の推進
・ 情報の収集・整理・活用及び調査・研究について、国の技術的・財政的援助の実施
○ 市町村に対する技術援助等の推進
・ 市町村に対する専門的・技術的な指導・支援及び市町村保健センター等の運営に関する協力の積極的実施
・ 市町村職員等に対する現任訓練を含めた研修等の積極的推進
○ 地域における健康危機管理の拠点としての機能の強化
・ 健康機器の発生に備え、地域の保健医療の管理機関として、健康危機の発生の防止、地域における医療提供体制の確保、危機管理体制の整備に努めるほか、地域の保健医療情報の集約機関として、休日夜間を含めた対応体制の整備
・ 健康危機発生時における、患者の生命に係る情報の収集・提供・医療の確保のための支援措置等
・ 健康危機発生後における、管理体制等に対する科学的根拠に基づく評価の実施等の推進
○ 「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)の推進
 健康情報の収集、地方計画の策定に対する支援、住民の健康づくりの拠点として機能の強化の推進
○ 企画及び調整の機能の強化
 医療計画・介護保険事業支援計画・老人保健福祉計画・障害者計画等の計画策定への関与、各種地域保健サービスの評価、保健・医療・福祉のシステムの構築、医療機関の機能分担と連携、医療提供体制の整備、食品衛生・環境衛生に係るサービス等についての企画調整の推進

2 市町村保健センター

(1)市町村保健センターの整備

○ 各市町村における市町村保健センター等の保健活動の拠点の整備及び国の財政的援助の実施
○ 町村が単独で設置することが困難な場合における共同設置
○ 都市部における人口規模に応じた措置
○ 類似施設の充実

(2)市町村保健センターの運営

○ 地域保健に関する計画の策定等による計画的な事業の実施
○ 保健と福祉の総合的な機能を備えたセンターとしての運営
○ 保健所からの技術的援助の積極的享受及び関係団体との十分な連携・協力

第3 地域保健対策に係る人材の確保及び資質の向上並びに人材確保支援計画の策定に関する基本的事項

1 人材の確保

○ 都道府県における医師、保健婦等の専門技術職員の継続的な確保
○ 市町村における保健婦、管理栄養士等の計画的な確保及び薬剤師、獣医師、助産婦、看護婦、理学療法士、作業療法士、社会福祉士等の地域における人的資源の最大限の活用
○ 国における専門技術職員の養成及び保健婦活動の指標についての情報提供
2 人材の資質の向上
○ 都道府県及び市町村における保健・医療・福祉の連携を促進するための研修の実施
○ 都道府県における市町村職員に対する現任訓練等の研修、市町村に対する技術的援助に資する保健所職員の研修及び教育・研究機関と連携した研修の推進
○ 国立試験研究機関等における企画調整能力及び指導者養成のための研修の充実並びに地方公共団体に対する技術的・財政的援助の実施
3 人材確保支援計画の策定
○ 市町村が自ら責任をもって、人材の確保及び資質の向上を図ることを原則
○ 町村が必要な対策を講じても人材を確保できない場合に、町村の申出に基づき、都道府県は、人材確保支援計画を策定するとともに、計画に基づく事業を 推進し、国は、技術的・財政的援助を実施
○ これらの措置により、各町村が十分な保健サービス及び保健、医療、福祉の 連携の下で最適なサービスを総合的に提供するための調整を行うことのできる 保健婦、管理栄養士の適切な配置等を行う

第4 地域保健に関する調査及び研究に関する基本的事項

○ 保健所における地域の課題に即した先駆的・模範的な調査・研究の推進
○ 地方衛生研究所についての科学的・技術的中核機関としての充実
○ 地方衛生研究所についての病原体・毒劇物の迅速な検査及び疫学調査等の機能強化
○ 都道府県及び政令指定都市における検討協議会の設置等による計画的な調査 ・研究等の実施
○ 国における高度な調査・研究、地方衛生研究所に対する技術的支援等の実施
第5 社会福祉等の関連施策との連携に関する基本的事項

1 保健・医療・福祉の連携の下で最適なサービスを総合的に提供するための調整の機能の充実

○ 市町村における相談からサービスの提供に至る体系的なシステムの整備
○ 市町村保健センター等における総合相談窓口の設置
○ 老人介護支援センターの整備促進
○ かかりつけ医との連携・協力体制の確立
○ 市町村に対する専門的・技術的支援
2 包括的な保健、医療、福祉のシステムの構築
○ 市町村における各種の行政機関と医療機関、薬局、社会福祉施設等を結ぶネットワークの構築
○ 二次医療圏における保健・医療・福祉のシステム構築のための検討協議会の設置並びに保健所運営協議会及び地域保健医療協議会との一体的な運営の確保
○ 市町村及び都道府県における組織の在り方についての検討
○ 保健・医療・福祉のシステムの構築に関する先駆的な取組についての事例紹 介等による支援
3 介護保険制度の円滑な実施のための取組
○ 市町村における、保健部局・介護保険制度の連携を密にすること、老人保健事業と介護保険事業との有機的・連続的運用
○ 都道府県における保健部局・関連部局、関係機関・関係団体の十分な連携及び保健・医療・福祉サービス情報の提供
○ 都道府県における、市町村が行う介護保険事業計画の推進・サービス資源等の市町村間の広域的調整・開発等に対する支援

第6 その他地域保健対策の推進に関する重要事項

1 地域における健康危機管理体制の確保

○ 都道府県における健康危機に際しての、救急医療体制の整備、健康危機情報の収集・分析・提供の実施
○ 政令市及び特別区における都道府県との連携、地方衛生研究所等の充実による検査機能の充実強化
○ 市町村における都道府県保健所との連携、住民に対する健康被害予防のための情報提供
2 地域住民との連携及び協力
○ 地域のボランティア及び自助グループの支援


戻る