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8.血液事業について


(1)血液事業法(仮称)の制定
 平成9年12月の「血液行政の在り方に関する懇談会」報告を受けて、平成10年3月より中央薬事審議会企画・制度改正特別部会において、患者代表の方々も委員に加え、今後の血液事業の在り方について審議が進められており、現在まで15回開催されている。
 引き続き審議会において御審議いただき、できるだけ早期に結論を取りまとめていただき関係者の合意が得られれば、法案を提出することとしている。

(2)献血の推進・普及
 血液製剤の国内自給及び安全性向上のため、成分献血を推進しているが、200ml献血と400ml献血及び成分献血の割合を全国的にみるとかなりの格差が見受けられる。
 各都道府県においては、的確な採血計画の策定を行うなど管下市町村及び各血液センターと十分連携を図りつつ、献血制度推進特別事業に係る国庫補助金の活用等により効果的な献血推進運動を実施されたい。
 また、献血思想普及活動を一層全国的な運動として展開することが重要であることから、献血推進運動に携わる関係者等の協議の場として、平成11年度より「献血推進運動中央連絡協議会」を設置したところであり、その趣旨を御理解の上、御協力方お願いする。

(3)原料血漿の確保
 血液凝固因子製剤については、各都道府県等の御協力により一部のバイパス製剤を除き、国内自給が図られているところであるが、アルブミン製剤については26%、グロブリン製剤については61%の自給率である。血漿分画製剤全体の自給率を向上させるため、平成12年度の原料血漿の確保目標量を94万リットルとし、昨年10月の血液事業担当者会議において、その確保をお願いしたところであり、確保目標量の達成に向け御協力方お願いする。

(4)血液製剤の安全性確保対策の推進
 安全な血液製剤を供給するためには問診や各種ウイルス等の検査の充実、製造工程の厳格な管理等が必要である。このため、平成11年8月には、「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン」を策定するとともに、10月には、輸血用血液製剤に対してもHBV、HCV、HIVの検出精度を高めるべく、NAT(核酸増幅法)検査が導入されたところである。
 また、昨年、輸血によるHIV感染の事例が生じたことも踏まえ、HIV検査目的の献血を防止するために、本年4月の実施に向けて問診票の見直し等を行うこととしているが、改めて検査目的の献血の危険性の周知とともに、検査については保健所等を活用するように広く住民への呼びかけをお願いする。
 なお、自己血輸血については、医療機関における採血、保存等に当たって専門的技術を有する血液センターの協力が求められており、引き続き管下センターへの御協力方特段の御配慮をお願いする。

(5)血液製剤の適正使用の推進
 昨年は、血液製剤の適正な使用を図るため、新鮮凍結血漿・アルブミン製剤等の使用基準を見直すとともに、輸血療法の適正化に関するガイドラインの見直しを行う(平成11年6月10日付医薬発第715号「血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について」)こと等により、適正使用等を推進してきたところである。各都道府県においては、引き続き医師等の医療従事者を対象とした指針の説明会を行うとともに、二次医療圏の中核病院を対象とした専門家による個別説明会を実施し、これらの指針に基づく血液製剤の適正使用及び輸血療法の適正化に一層努めるようお願いする。
 また、各都道府県において、地域医療の代表者及び医療機関の管理者等の委員からなる血液製剤の使用に関する懇談会が設置されているが、この懇談会を通じて血液製剤の使用に係る問題点の整理、特に適正化の進んでいない都道府県においては調査・分析等による改善策の検討等をお願いする。



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