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連絡事項

運営企画課


国立病院・療養所等について

(1)国立病院・療養所の再編成について

1.再編成の趣旨等

 近年、我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化しており、公私の医療機関の整備が進んだ結果、マクロ的に見れば医療機関の数や病床数など医療の量的確保はほぼ達成されつつある。
 このような我が国の医療機関の整備状況等を踏まえれば、今後は医療資源の効率的な活用を図りつつ、医療機関相互の機能分担と連係を強化していくことが重要となってくる。このような観点から、国立病院・療養所については、医療機関における役割分担として国立医療機関としてふさわしい、主としてより広域を対象とする高度又は専門医療等を担えるよう、その機能の充実強化を図るため、全国的視野に立った経営移譲又は統合による再編成を実施するものである。

(過去の経緯)

〇 昭和60年 3月29日 「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」を作成、閣議に報告。
〇 昭和61年 1月 9日 国立病院・療養所の再編成全体計画公表。
〇 昭和62年10月17日 「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律」、「同法施行令」、「省令」を公布、施行。
〇 平成 8年 5月22日 「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律」、「同法施行令」、「省令」等を公布、施行。
〇 平成 8年11月 1日 「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」を改定、閣議に報告。
〇 平成 8年12月25日 「行政改革プログラム」閣議決定。
〇 平成 9年12月 4日 「行政改革会議」最終報告。
〇 平成10年 6月12日 「中央省庁等改革基本法」を公布、施行。

2.「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律」の概要について

(別紙のとおり)

3.国立病院等の再編成推進のための税制について

 国立病院等の再編成の推進のために、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律に基づき再編成対象施設の資産の移譲等を受けた者に対して、国税及び地方税の負担軽減措置が講じられている。

(1)登録免許税の軽減措置

 公的医療機関の開設者等(租税特別措置法施行令に定める者に限る。)が平成12年3月31日までに国立病院等の移譲等を受けた場合には、土地又は建物の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率を1000分の9(本来は1000分の50)に軽減する。

(2)不動産取得税の軽減措置

 公的医療機関の開設者等が平成12年3月31日までに国立病院等の移譲等を受けた場合には、当該不動産の譲渡価格の割引率に応じて不動産取得税の課税標準(通常は固定資産税評価額の100分の4)を軽減する。

(3)固定資産税・都市計画税の軽減措置

 公的医療機関の開設者等が平成13年3月31日までに国立病院等の移譲等を受けた場合には、初年度から3年度分に限り、開設する医療機関(特定整備施設を除く。)の用に供する土地又は建物に係る固定資産税・都市計画税の課税標準(通常は固定資産税評価額の1000分の17)を本来の3分の2に軽減する。


(2)コンピュータ2000年問題への取組みについて

平成10年11月18日
国立病院部運営企画課

「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応
実施要綱及びマニュアル」について

1.経緯

 平成10年9月11日付けで高度情報通信社会推進本部(本部長:小渕恵三内閣総理大臣)にて決定された「コンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画」(以下「行動計画」という。)により、対応が必要な各領域において官民を挙げた具体的な行動が求められており、その対応の中で、「医療」は、特に重要な分野として位置づけられている。
 厚生省においては、「行動計画」を受け平成10年10月22日に「厚生省コンピュータ西暦2000年問題対策実施要領」(以下「厚生省実施要領」という。)が決定されたところである。
 「厚生省実施要領」において、国立病院・療養所等の保有するシステム等については、具体的対応を別途策定することとなっていることから、今般、「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応実施要綱」(以下「実施要綱」という。)及び「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応マニュアル」(以下「マニュアル」という。)を策定したものである。

2.「実施要綱」と「マニュアル」の趣旨

 コンピュータ西暦2000年問題対応については、「実施要綱」及び「マニュアル」に基づき実施するものであるが、施設幹部が十分に問題認識するとともに、システム、特に医療機器等については、直接取り扱う医療スタッフ1人1人が直接リストアップを行うことによって問題認識を持ち、点検にあたるものである。
 そのため、「実施要綱」は主として施設幹部が活用する観点から、対応体制、職員等への啓発、点検及び報告方法、危機管理計画の策定などについて取りまとめたものであり、「マニュアル」は主として診療、看護、事務等の現場担当者が活用する観点から、フローチャート等を含む具体的な点検方法、点検表・報告表記入例、危機管理計画例などについて記述したものである。

3.「実施要綱」及び「マニュアル」作成にあたっての考え方

(1)責任体制

 施設等で取扱いが異なることにならないよう、具体的に責任体制を図で明示するとともに、施設における取りまとめは原則庶務課としたこと。

(2)点検対象分野

 1)コンピュータシステム、2)医療機器、3)一般・医療設備(電源、防災設備等)に分類し、それぞれの分野毎に責任者を明確化したこと。

(3)職員への啓発

 定期的に開催される会議等を活用して周知徹底を図ること。

(4)点検及び報告

(共通事項)
ア 現場担当者が対象分野毎にリストアップを行い、それぞれのシステムについて業者に問い合わせるなどの「指さし確認」を行うこと。
 国立病院部独自の点検表、総括点検表等については、表計算ソフト「エクセル」で作成するものとし、国立病院等総合情報ネットワークシステム(以下、HOSPnetという。)で報告するようにしたこと。
ウ 看護部門については看護単位毎に機器等をリストアップした上で看護部長で一括して確認することとし、その他の部門についてはそれぞれの部門でリストアップ・確認をすること。

(分野別事項)
ア HOSPnet、がん診療総合支援システム、循環器病診療総合支援全国ネットワークシステム、オーダーエントリーシステムについては重要コンピュータシステムと位置付け、「厚生省コンピュータ西暦2000年問題対策実施要領」の点検表をそのまま用いて、最終的には統計情報部まで報告すること。
イ それ以外のコンピュータシステムについては、国立病院部独自の点検表、点検総括表を用いることとし、国立病院部までの報告とすること。
ウ 医療機器等については、デジタル表示される機器等すべてを対象として幅広にリストアップするとともに、ランクAの機器(生命に影響を与える可能性のある医療機器)については、最終的には統計情報部まで報告すること。
エ 医療機器等については、リストの作成・点検に加え、確認の確実さをより徹底するために各機器等にも確認票シールを貼付すること。
オ 一般・医療設備については、すべて国立病院部までの報告とすること。

(5)点検等の実施

ア 点検においては業者への確認のみならず、模擬テストの実施も行うこととしたこと。
イ 模擬テストの実施が不可能なもの、業者に確認しても不明なもの(特に医療機器等)については、平成12年(2000年)1月1日0時における待機体制の確立、平成12年(2000年)1月1日以降の動作確認テストを実施させること。

(6)「危機管理計画」の策定

 2000年問題によりシステム停止、誤作動など不測の事態が生じた場合の対応及び連絡体制等を定める危機管理計画の策定にあたっては、自らの2000年問題対応のみならず、電力会社による送電停止等外部の事業体のトラブルに対する対応も想定して策定すること。

3.今後のスケジュール予定

平成10年11月18日 各施設、地方医務(支)局における点検作業開始
「実施要綱」「マニュアル」の厚生省ホームページへの掲載
(民間医療機関等における活用に資するため、幅広く公開)
12月中旬 地方医務(支)局単位での、施設毎の点検進捗状況の確認等の実施
12月末 点検作業の完了
平成11年 3月末 施設毎の危機管理計画の策定の完了

(3)国立精神療養所問題について

1.経 緯

 昨年5月、新潟県の国立療養所犀潟病院において、身体的拘束中の入院患者が死亡する事案が発生し、新潟県は、平成10年7月及び8月に立入調査を実施した。
 この結果、入院患者に対する身体的拘束及び隔離について、精神保健指定医の診察及びそれに基づく指示並びに診療録への記載が不充分な事例が判明したことから、平成10年9月25日に精神保健福祉法第38条の7第1項の規定に基づき、新潟県から国立療養所犀潟病院に対し、改善命令が出された。

2.国立病院部の対応について

 この事態を受け、国立療養所犀潟病院に対し、院内に特別調査委員会を設置し、徹底した原因の究明を行うよう指示するとともに、本省職員を派遣し、幹部を始め、病院職員からの聞き取り調査を実施した結果、精神保健福祉法に対する認識が欠けていたこと、また、医師相互間及び医師、看護婦、事務職員の連携が十分でなかったなどの問題点が判明した。
 また、国立精神療養所等の開設者として、このような事態の再発防止及び指導徹底を図るため、緊急に他の精神病床を有する国立精神療養所等36か所における入院患者の隔離、身体的拘束等の実態調査を実施した。その結果については、概ね適正に実施されていると認識しているが、一部、以下のような不適正な事例もあった。

○指定医でない医師の診察による指示により、隔離、身体的拘束が行われていた。
○看護記録等から指定医の診察による指示により、隔離、身体的拘束を行っていると思われるが、診療録に記載のなかったもの、又は指定医の診察に基づかない隔離、身体的拘束と判断されるものがあった。
○入院届、定期病状報告が遅延及び未提出のものがあった。

 なお、この調査結果については、昨年11月18日に開催された公衆衛生審議会精神保健福祉部会へ報告し、同日公表した。

3.再発防止への対応について

 国立療養所犀潟病院の事案及び他の国立精神療養所等の実態調査の結果を踏まえ、入院患者の人権に配慮した適正な処遇等の確保を図るため、入院患者の個人としての尊厳を尊重し、その人権に配慮しつつ、適切な医療の確保及び社会復帰の促進に資する観点から、次のような対策を講じ、再発防止に取り組んでいる。
(1)職員への意識啓発について
 今回の調査の結果、隔離、身体的拘束等について、一部適正を欠く事例があったことから、精神保健福祉法の運用に関する研修を実施するよう指示した。
(2)隔離、身体的拘束等の実施手順書等の作成
 隔離、身体的拘束が必要とされる場合において、その旨を患者にできる限り説明して制限を行うよう努めることなどの精神保健福祉法に基づく適正な処遇等の手続きについて、具体的な実施手順書等を現在本省において作成中。今後、各施設へ示す予定。
(3)院内の各部門間の連携等について
 適正な入院患者の処遇等の確保のため、医局、看護部、事務部門の連携の強化及び医局会、病棟連絡会等による医師、看護婦相互間の連携の強化を図るよう指示した。
(4)隔離、身体的拘束の状況報告について
 隔離、身体的拘束については、精神保健福祉法に則り、適正に実施されているかを確認するため、当分の間、報告を求める。
(5)院内の管理体制について
 入院患者の事故等の発生時における院内の連絡、報告体制の再点検を行うとともに、本省への報告について徹底を図るよう指示した。

(5)国立病院・療養所の治験実施体制について

1.治験等への積極的な取組

 優良な新薬等の開発は医療の向上に欠くことのできないものであり、そのために実施される医薬品等の臨床試験については、医療の向上等に寄与することを目的としている国立病院等が果たすべき先駆的な医療政策の一分野として、積極的に取り組んでいくこととしている。

2.治験等の受託研究に関する規程の整備

 国立病院等における治験等への積極的な取組、公務員としての服務規程の遵守や金銭授受に関する透明性・合理性の確保を図るため、受託研究の取扱いについて(平成10年6月18日健医発第947号国立病院部長通知)等を発出しているところであり、その概要は次のとおりである。

1) 治験を国立病院等の本来業務と位置づけ、公務として積極的に取り組む方針を明確にしたこと
2) 新GCPに基づく院内の組織体制の整備と各組織間の連携による円滑な治験の実施について記載したこと
3) 治験等の計画に関する研究、治験等の実施に関する研究、治験等の実施後の継続研究に類型化し、そのいずれの段階においても、依頼者と契約できることを明確にしたこと。また、依頼者から委嘱を受けて、治験調整医師及び効果安全性評価委員会の委員として治験に関する業務を行う場合においても、契約に基づく公務として取り扱うものであること
 なお、契約前に緊急に開催される治験に関する研究会等への参加については、施設長の判断により公務として取り扱い、旅費等の実費は依頼者負担としたこと
4) 知識・経験を有する薬剤師・看護婦等治験支援スタッフを非常勤職員として雇用できること
5) 国立病院等のネットワークを活かした治験の取り組み体制を整備していく方針であること
6) 臨床試験研究経費等の算定にポイント制を採用するなど受託研究費の算定要領を全面的に改正したこと
 なお、算定に当たっては、治験の実施に必要な非常勤職員の雇い上げに必要な経費(報酬、各種手当、社会保険料等)、治験の実施に関連する国内外で開催される学会等へ参加するための経費、治験の実施に必要な備品等の購入費等必要経費を幅広く盛り込むこととしたこと



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