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地域保健・健康増進栄養課

1.保健所の機能強化及び所管区域

 地域保健法が昨年4月に全面施行されたが、保健所については、各自治体で策定していただいた機能強化計画に沿って、具体的な機能強化方策の策定及び所管区域の見直しを行っていただいており、地域保健の新たな体系の構築が図られつつあるところである。
 所管区域の見直しに伴い、保健所の数は、一昨年4月の845か所と比較して昨年4月は706か所であり、139か所の減となっている。一部の自治体においては、機能強化計画が策定されていない、あるいは策定されたものの基本指針の趣旨に必ずしも合致していないところがある。特に、機能強化計画が策定されていない自治体とは昨年意見交換を行ったところであるが、早急に策定できるよう所要の作業を進めていただくとともに、引き続き当課と協議されたい。
 また、基本指針の趣旨と合致していない計画を策定している自治体についても、順次意見交換を行うこととしているので配意願いたい。
 なお、具体的な機能強化の方策については、各自治体において、機能強化計画に従って来年度の予算化や、技術系職員の確保等を進められていると思うが、10年度の地域保健推進特別事業や保健衛生施設整備費の採択に当たっては、各自治体で作成をした機能強化計画の推進に資するものから優先的に採択していく方針であるので留意の上、その活用を図られたい。

2.保健婦等人材確保及び資質の向上

(1)保健婦の確保

 市町村保健婦については、ゴールドプランの推進、老人保健事業の充実及び母子保健事業の充実に対応するため、さらに増員を図ることが重要である。このため、厚生省としては、平成11年度には約26,000人を確保する計画を策定し、関係省庁と協議の上、必要な地方交付税措置を講じてきたところであり、平成9年度には人口10万人の標準団体で13名と平成5年度(6名)の約2倍の数が措置されている。一方、実際の市町村保健婦数は、平成6年・7年・8年の3年間で約2,600人の増加に留まっており、計画に見合った増員がなされていない状況にある。
 各都道府県においては、財政状況厳しい中ではあるが、地域保健対策の推進に支障を来さないよう、管下市町村への特段の指導方をお願いする。
 なお、都道府県保健婦については、母子保健事業の市町村への権限委譲により減員の要素がある一方、地域保健の見直し及びエイズ対策の充実の業務が増加することから、平成11年度において平成5年度末と概ね変わらない人員が必要と考えており、必要な地方交付税措置を図ることとしている。

(2)小規模町村対策

 平成8年末の保健婦の設置状況をみると、未設置市町村は47、1人設置は265と減少はしてきているものの、いまだ人材の確保が困難な市町村が存在している。
 各都道府県においては、保健婦等の人材確保が困難な町村と十分連絡をとり、過疎地域等保健婦等設置促進事業を活用して人材の確保に努めていただきたい。
 また、本事業については、平成9年度より、新たに、事業内容に巡回支援事業が追加されたところである。これは、複数の市町村(及び都道府県)で一部事務組合を設け、保健婦、栄養士、OT、PT等の巡回支援チームを編成し、市町村からの要請に応じ、市町村にチームを派遣して保健活動を支援するものである。
 都道府県においては、事業内容を周知の上、事業の推進について特段のご配慮をお願いする。

(3)地域保健関係職員研修の推進

 平成6年に「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」を示したとおり、人材の確保と並んで人材の資質の向上は重要な課題であり、各都道府県においては、市町村における保健・医療・福祉の連携を推進するための市町村職員の研修、市町村への技術支援を行う保健所職員の研修等、地域保健関係職員の資質の向上に特段のご配慮をお願いする。

3.地方衛生研究所の機能強化

 地方衛生研究所については、基本指針において、地域における科学的かつ技術的な中核機関として再編成し、その専門性を活用した地域保健に関する総合的な調査及び研究を行うとともに、当該地域の地域保健関係者に対する研修を実施することが示されたところであり、地域保健の新たな体系を構築するに当たって、大きな役割が期待されている。このため、昨年3月には基本指針の趣旨を踏まえ、これまでの地方衛生研究所の設置要綱を改正し、新たに厚生事務次官通知として各都道府県知事及び指定都市市長あてに発出したところである。また、公衆衛生審議会関係部会等から新しい時代の感染症対策あるいは今後の生活習慣病対策について地方衛生研究所の関連機能の強化の提言も昨年なされているところである。
 基本指針、新設置要綱、各種提言等を踏まえ、精度管理・リファレンス活動の推進、危機管理の観点からの体制づくり、調査研究等の企画調整と組織強化、情報関連機能の充実強化などを通じ、地域保健対策にかかわる地方衛生研究所の機能強化につき特段のご配慮を御願いする。

4.その他

○市町村保健センターの整備について

 当該事業にかかる国庫補助については、昭和53年度から実施してきたところであるが、平成6年の地域保健法を契機に整備計画の要望が多くなり、平成9年度においては、採択に当たり、事前に調整のための協議を行ったところである。
 当課においては、市町村保健活動の拠点確保の観点から所要予算の確保に全力を尽くしているところであるが、既に御承知のとおり、平成10年度の整備計画の採択にあっても今年度同様に非常に厳しい状況が予想され、各都道府県においては市町村との調整を行っていただいているところである。
 整備計画の採択に当たっての考え方は以下のとおりであるので、各都道府県におかれても、この趣旨に沿って市町村と調整願いたい。
 なお、2月中旬に実施予定の説明聴取の際は、その調整した整備計画の内容についてお聞きすることとしたい。

・採択にあたり下記の事項を優先した調整を予定している。
市町村保健センター未設置市町村の整備
都道府県の補助がある市町村の整備
保健婦活動等市町村保健活動の活発な市町村の整備
保健所機能強化計画に基づき地域保健活動を実施している都道府県における市町村の整備

・複合施設による整備計画は、「地域総合整備事業債」の活用について、市町村との調整をお願いする。
 また複数設置、改築・増設の整備計画及び財政力のある市町村の整備計画については、採択が留保される可能性があることについて御了知願いたい。



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