資料4
インフルエンザの汎流行の際には、ワクチン需要量が供給量を上回ることが予測される。従って限られたワクチンを有効に配布接種することが重要であり、供給可能量に応じて計画的に必要な集団を対象の接種とすることが重要である。優先的に接種すべき集団としては、その目的に応じて以下のものが挙げられる。
集団A 医学面からみた対象
インフルエンザに罹患すると経過も重く、死亡率が高い集団。具体的には、高齢者(65歳以上)、妊婦(但し、流行期に妊娠28週以降)、慢性肺疾患患者(気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核など)、心疾患患者(僧帽弁膜症、鬱血性心不全など)、腎疾患患者(慢性腎不全、血液透析患者、腎移植患者など)、代謝異常患者(糖尿病、アジソン病など)、免疫不全状態の患者、また重症心身障害施設等収容施設入所者等が含まれる。
集団B 罹患すると重症化しやすい集団への感染源の立場からみた対象
罹患すると重症化しやすい集団に該当する者にインフルエンザを伝播する集団。具体的には、医療従事者、老人保健施設等の従業員、同居家族(特に乳児の母親)等が含まれる。
集団C 社会機能の維持の立場からみた対象
社会の基本的サービスを提供しており、インフルエンザに罹患することによって社会機能の麻痺を招く恐れのある集団。具体的には、医療従事者、警察官、消防関係者、行政担当者、通信及び交通運輸関係者、電力及びエネルギー業界関係者、自衛隊員等が含まれる。
集団D 幼児、児童(小学生)
なお、これらの集団のリストは、疫学的データ等に基づき、適宜見直しを行うべきものである。