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(児童福祉監査指導室関係)
1 平成12年度児童福祉行政指導監査の実施について
児童福祉行政指導監査については、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)により関係各法が改正され、平成12年4月1日から施行されることに伴い、従来機関委任事務として指導監査を行ってきた社会福祉法人の指導監査は法定受託事務となり、児童福祉施設の指導監査は自治事務とされ、さらに児童扶養手当支給事務は機関委任事務から法定受託事務となったものである。
ついては、次の事項を留意の上、児童福祉行政の適正かつ円滑なる実施を図られるよう願いたい。
なお、従来厚生省が行ってきた、社会福祉法人及び児童保護措置費等の指導監査は、平成13年1月から地方厚生局が行うことを検討しているところである。
[留意事項]
1 児童福祉行政指導監査関係
- (1)社会福祉法人の運営の適正化について
- 社会福祉法人の運営状況をみると、理事会の開催及び監事監査が形骸化され、形式的となっている事例が多く見受けられる。
今後とも社会福祉法人に対する規制緩和が行われ、その主体性が図られていく中で、社会福祉法人のもつ公共性・公益性に鑑みて、社会福祉法人の役員の責務の重要性についてさらに指導の強化を図る必要がある。
ついては、指導監査部門と事業主管部門とが常に十分な連携を図りつつ、社会福祉法人及びその運営する施設の実態の的確な把握及び情報の共有化を図り、これら法人・施設の実状を踏まえた指導監督が一体的・効率的に行われるよう、今後ともお願いしたい。
なお、問題を有する法人に対しては、問題発生の原因や経緯を把握し、解決に向けた具体的方針等を作成し、継続的に指導されるようお願いする。
また、社会福祉法人に対する指導監査については、別途地方自治法第245条の9の規定に基づく「処理基準」として福祉関係4部局長通知で示すこととしている。
- (2)児童福祉施設の運営の適正化について
- 児童福祉施設の指導監査に当たっては、(1)職員処遇及び非常災害・危険防止等の運営管理に関する事項(2)処遇計画の作成・検討、入所者の意見表明の機会の確保・懲戒権濫用の禁止、給食の状況及び健康管理等の入所者処遇に関する事項(3)経理規程の遵守及び予算決算の適正な執行等の財務管理に関する事項等に配慮し、施設全般にわたって指導をお願いしたい。
特に、児童養護施設等入所児童の処遇については、入所児童の意見を表明する機会が十分確保されているか、体罰等懲戒権が濫用されていないか等人権に配慮した適切な運営が行われるよう指導をお願いする。特に体罰等の懲戒権の濫用については、最近、児童養護施設における体罰の事例が報道され、社会問題化しているところであるから、その防止に向けて特に厳正な指導監査を行われるようお願いする。
なお、児童の自立支援計画の策定・実践等を通じて進学・就労等の選択に際し、児童の意向等に十分配慮し、児童の自立への支援の状況等についても留意して、指導監督を行うよう配意をお願いしたい。
また、児童福祉施設に対する監査については、統一的な事項について他の社会福祉施設と合わせ「技術的助言」として別途通知で示すこととしている。
- (3)保育所入所事務の適正な実施について
- 保育所への入所については、市町村や保育所の提供する情報に基づき、保護者等が希望する保育所を選択して申し込みを行うこととされているが、一部市町村において情報の内容が不十分な面が見られるところである。
特に、市町村における入所児童の選考に当たっては、児童の家庭の状況、地域の実状等を十分に踏まえて、市町村が定める客観的な選考方法等に基づき公正に行われるよう指導をお願いする。
なお、情報提供の実施状況あるいは広域入所の取組はもとより、待機児童の解消について、要保育児童数や保育ニーズの的確な把握を行い、保育所の実状等をも勘案し、地域の実状にあった保育行政が行われるよう、市町村の指導についてお願いしたい。
また、都市部を中心に待機児童(特に低年齢児)が生じている状況もあるので、保育所の実状等を調査するなどして定員に余裕のある保育所での受入れ、または入所の弾力化措置を活用するなど、待機児童の解消に向けたきめ細かな施策の実施について指導をお願いしたい。
- (4)措置費等関係事務の適正な実施について
- 児童入所措置費及び保育所運営費等関係事務の適正な執行を確保する観点から、これらの事務を行う関係機関における負担金等の支弁及び徴収等経理事務に対する指導について配慮をお願いしたい。
特に、保育所入所に係る徴収金の世帯階層区分の認定については、保護者から必要な書類を求める等により、課税状況の的確な把握に努めるとともに、税務関係機関との連携強化により、適正な事務が確保されるよう指導をお願いする。
- (5)認可外保育施設の指導監督について
- 認可外保育施設に対する指導監督については、児童の処遇、安全や衛生の確保を期するために、設備面のみならず、処遇面についても引き続き点検指導をお願いしたい。
2 児童扶養手当支給事務指導監査関係
本制度は、制度の性格等から支給要件が複雑多岐にわたり、かつ、それら支給要件の変動要因も多岐多様であるところから、本制度運営に関する日常からの研鑽に努めるとともに、担当者の交代等により制度運営が停滞することがないよう留意し、適正な制度運営の執行をお願いする。
特に、市町村における認定請求書の受理及び事実の審査、公的年金の受給の有無、現況届未提出者等に対する提出指導及び受給資格喪失届提出の励行等、支給事務がより適正に行われるよう指導の徹底をお願いする。
3 都道府県、指定都市及び中核市に対する指導監査は、別紙「平成12年度厚生省監査計画(案)」のとおり予定しているので、ご協力をお願いしたい。
2 平成12年度厚生省監査計画(案)
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平成12年 4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
平成13年 1月 |
2月 |
3月 |
児童福祉行政関係 |
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岩手県 徳島県 |
横浜市 名古屋市 京都市 福岡市 秋田市 |
郡山市 和歌山市 長崎市 大分市 宮崎市 |
豊田市 福山市 高知市 |
←未定→ |
児童扶養手当支給 事務関係 |
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福岡県 長崎県 |
大阪府 奈良県 岡山県 鳥取県 |
青森県 秋田県 山形県 千葉県 三重県 |
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←未定→ |
(注)上記の予定は、都合により変更がありうること。
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