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平成12年2月3日

厚 生 大 臣 丹 羽 雄 哉 殿

医療保険福祉審議会
運営部会長 塩 野 谷 祐 一

答 申 書

 平成12年1月19日厚生省発保第3号をもって諮問のあった健康保険制度等の改正については、下記のとおり答申する。

○ かねてより医療保険制度の抜本改革を平成12年度に実施することとされてきたにもかかわらず、医療保険制度改革の全体像は不透明なままである。そのため、急速な高齢化の進展に伴う医療費の高騰に対する有効な対応がなされておらず、今回の諮問案は当面の財政対策に終わっている。厚生省は抜本改革について早急に検討を進め、責任を持って可及的速やかにその実現を図るべきである。

○ 今回の諮問案については、抜本改革が進まない中で、診療報酬改定や老人薬剤一部負担廃止を行い、その財政措置として負担増、給付削減を行うものであり、反対であるとの強い意見があった。
 他方、薬価制度や診療報酬の合理化等も着手されている中で、医療保険制度を巡る厳しい事態への現実的な対応策としてはやむを得ないものとする意見もあった。

○ 個別の諮問事項については、以下のような意見があった。

・ 若人の薬剤一部負担を平成14年度に廃止することについては、財源確保の具体策がないまま、廃止することには反対であるとする意見があった。
・ 老人の定率負担の導入については、抜本改革を巡る問題の一つとして議論されてきた経緯から賛成であるとの意見がある一方、この問題は高齢者医療制度全体の見直しの中で検討すべきとの意見もあった。また、諮問案の内容は技術的にみて複雑であるので、その実施に当たっては、適切に情報提供を行うなどを通じその周知を十分図り、患者、医療機関等の関係者が混乱しないようにすべきである。
・ 高額療養費の見直しについては、中高年層に負担を集中させるものであり、また、医療費が増えるほど負担が限度なく重くなるということから反対であるとする意見がある一方、医療保険を取り巻く状況の厳しさを踏まえ、当面の措置としてはやむを得ないが、将来的なあり方についてはさらに検討を続けるべきとする意見、また、積極的に評価する意見があった。
・ 保険料率上限の見直しについては、抜本改革が進まない中での実質的な負担増であり、また、その歯止めもなくなること、介護保険法施行を控えての考え方の変更であることから反対であるとする強い意見、さらには、見直しに当たっては、第2号被保険者の介護保険料の負担・徴収の仕組みに検討を加えるべきであったとする意見があった。
 他方、現実的な施策を考えた場合には、医療保険制度及び介護保険制度の見直しを行うまでの当面の対応策としてやむを得ないとする意見があった。

・ その他の諮問事項については、概ね妥当なものと考える。

   運営部会議事要旨(H12.1.19)

 

照会先
保険局企画課 北波(内線3228)


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