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96/10/16  中央児童福祉審議会基本問題部会第11回議事録NO1

                    中央児童福祉審議会基本問題部会

             (第11回議事録)



                         平成8年10月16日

              厚生省児童家庭局

○部会長 本日は大変お忙しいところを、皆さんお繰り合わせいただきまして御出席い
ただきましたことを、まずお礼申し上げたいと思います。
 ただいまから基本問題部会を開会いたしたいと思います。
 前回の続きといたしまして、本日は、「費用負担のあり方」から始めさせていただき
たいと思います。
 なお、今回で11回目を迎える訳でございまして、中間報告をそろそろまとめる時がき
ておるのではないかと思いますので、若干時間が延びるのも御了承を賜りまして、費用
負担のあり方については、一通り終わらせていただきたいというふうに思っております
ので、御発言の方で御協力をお願いいたしたいと思います。
 それからまた、議論が一通り終わりました段階で、A委員よりメモを御提出いただい
ております。
○A委員 ご参考にしていただければと。
○部会長 それから、B委員からもメモが出ておりますので、議論が一通り終わった段
階で、その2つの意見も含めて全体について審議することにいたしたいと思います。
 それでは、早速ではございますが、費用負担のあり方について御意見をそれぞれ伺い
たいと思います。
○企画課長 B委員の御意見を先に説明させていただいてよろしいでしょうか。
○部会長 どうぞ。
○事務局 B委員の方から「費用負担のあり方について」ということで御意見をいただ
いておりますので、先にこの件について御紹介させていただきたいと思います。
 「現在の費用徴収基準は、階層間の負担格差が大きく、自営業者世帯とサラリーマン
世帯との間に不公平感もある。低所得者にとり、無理な負担とならぬようにしつつ、費
用徴収額を平準化の方向で考えていく。(多子世帯の保育料の軽減、所得税の乳幼児特
別扶養控除も考える。)
 延長保育、夜間保育、一時的保育、休日保育などは受益者負担とする。ただし、過重
な負担とならなぬよう−−これは低所得者などを想定しているというようなことでござ
います−−国は一定の基準利用料を示し、公費導入を考える。公費助成については、確
保に不安がないようにする。また、これに伴い施設整備など条件整備が必要な場合は公
的責任として果たす。
 保育の質の確保のためには、公的責任が欠かせない。
 また、保育内容や運営、安全管理などを社会的に評価する独立した機関による仕組み
作りも欠かせない。」
 以上でございます。
○部会長 今いただきましたメモは、今日議論する最初に最もふさわしいメモではない
かと思って伺ったのでございますが、どなたからでも御意見をちょうだいしたいと思い
ます。C委員。
○C委員 B委員の御意見によりますと、厚生省から出されているように、昼間の基本
的な部分と、延長、夜間、一時的保育、休日保育などは追加的な部分ということで受益
者負担となっておりますが、再三私も申し上げているように、昼間の8時間だけを通常
の基本の保育と考えていいんだろうか。今、多様なニーズに応える保育というのは多様
な働き方が一般化してきているからなので、その人の働き方が、例えば延長の方に偏っ
ているからとか、朝早くだからということで、その人たちが応益負担を多く払わなけれ
ばいけないというのは、私は余り公平でないと思うんです。
 私が考えましたのは、保育料の払い方を基本的な部分と応益的な部分とに分けて考え
たらどうか。基本的な部分につきましては公費をなるべくたくさん入れて、低所得の人
にとっても、全体としても今よりも多い負担にならないように、そういう配慮をした上
で、その基本的な部分プラス、多少の応益的な負担を入れていかないと、これ以上多様
なニーズに応える保育は広がらないと思いますので、一番公平になるのは、恐らく利用
した時間数によってそこの部分を積んでいくということではないかと思っているんです
。以前にも申しましたが、例えば4時間なら4時間というようなことを1つのブロック
にして、基本的な部分は全員払います。利用が0時間ということはまずあり得ませんの
で、4時間までの人は、4時間の部分を基本部分に積んだ、こういう形のものを払う。
それが8時間の人は、その部分が増えて応益性が増していく。さらに延長でもう4時間
いる人は、それに応じた負担をしていくというような考え方であれば、基本プラス応益
ということが加味されていく。昼間の8時間だけが通常で、あとは追加的な部分を利用
する人が多く負担するということですと、今の多様な働き方に合わないのではないか、
そういうふうに思うんです。ですから、応益性を入れること自体は結構だと思うんです
が、それをなるべく公平に、親の働き方いかんによらず、今、保育に欠ける子として対
象にされている子については、なるべく公平な応益負担のあり方を考えていく必要があ
るのではないかというふうに思っています。
○部会長 今のお話でございますが、C委員さんから受益者負担、つまり応益性という
ことについて否定するものではない。ただし、そのことが基本イコール昼間ということ
はおかしいじゃないか。その場合に、基本部分に出来るだけ公費を投入する。しかし、
応益部分については公費もあるのかないのかという問題もあるでしょうけれども、受益
者負担的な部分であるという考え方だということです。しかも、今、大変重要なことを
おっしゃったのは、公平なということがありました。それをどのような形で実現するか
という問題はここに置いておきまして、原則のところだけを、今そういう御意見があっ
たというふうにいただかせていただき、ほかにその原則に対して反対、賛成という御意
見があれば、それぞれおっしゃっていただいたらいかがでございましょうか。
○保育課長 公費をより多く入れる基本的な部分、それから応益的部分という具合に、
今、C委員が保育のサービスを分類されたというふうに認識をいたしている訳でござい
ます。基本的部分、それから応益的部分、それのメルクマールといいますか、どういう
ことでもって分かれるのかというところを御教示いただければありがたいと思います。
○C委員 私の場合は、内容で分けた訳ではありません。保育料の払い方の中に、基本
的な部分と応益的な部分という考え方を導入したらどうですかと言っているので、昼間
の8時間が基本とかいうのではなくて、基本というのは、そこに入る人が全て払う部分
という意味で基本という言い方をしまして、内容にイコールしている訳ではないという
ことなんです。ですから、払い方について応益性を入れるとすれば、利用時間に応じた
払い方をする部分と、基本的な部分とに分けていくという考え方があるのではないかと
いうふうに思っているんですけれども、それでよろしいでしょうか。先ほどから大分い
ろいろお話ししているんですが、なかなかコミュニケーションがうまく図れていません
で。
○部会長 D委員。
○D委員 C委員の意見とも関係してくるんですが、私も前回、昼間の通常の時間を基
本的部分として、それ以外の部分は分けるというのが既に2の(2)のところで出てき
ますね。このことが2の(5)のところで費用の話にもなってくるんですけれども、基
本的な部分の8時間について、2の(5)の1の2つ目の○のところで見ますと、低所
得者は負担軽減します。それ以外については、「保育コストや子どもの年齢などに着目
した公平な保育料徴収方式に改めることが検討されるべきである」。ですから、ここの
部分で低所得者というのはどういう人なのかということが一つあると思いますし、低所
得者以外の人は、年齢別に一律の金額を徴収するというふうにしていくのか。そういう
のがここに「保育コストや」とありますから、保育コストというのは全国一律なんでし
ょうか。地域によって違うということなのか、あるいは保育園によって違うということ
なのか。実際にこれを受けて次に議論する時は、多分そういう話というのは出てくるの
ではないかという気はします。
 最初の○にありますように、中堅所得者層の共働き夫婦の保育料負担が非常に重いと
いう調査は確かに出ていまして、自営業者との比較で不満が高いから、これは何とかし
てもらいたい。最初のころに議論がありましたように、所得税計算方式でやっているこ
とが不満の現実ですから、それでは保育料を一律にする。一律にするといった場合、ど
のぐらいの水準だったらみんながいいと考えるのかということを、私どもも中で話もし
てみましたけれども、例えば年齢の若い25歳から30歳ぐらいの人たちの賃金と連動して
保育所に預けるかどうかというのが、どうしてもその判断基準になってくる。ましてや
、パートタイマーで働いている人たちの場合だったら、パートの賃金と保育所の保育料
という感じでものが見られてくるということで、どういうのが公平な保育料徴収方式と
望ましい水準なのかというのは非常に微妙だという感じがしますので、ここに書いてあ
ることについては、反対はしませんけれども、これは大きな問題であるというふうに思
います。
 その次は、先ほどC委員がおっしゃられた部分ですけれども、確かに基本的な部分に
ついては、上でいっていますように、例えば一定料の保育料を払いますよ。しかし、職
場の作業実態に応じて、7時まで常態として労働のある人は常に追加的負担を、いわゆ
る朝から預けていれば、基本部分と追加部分と両方払っていきますよということになれ
ば、その人は常に高い保育料を払う訳です。たまたま選んだ労働が昼間の仕事だけの人
は低い保育料だと。後に選んだ方の応能の負担−−応能というのは、保育所の費用は8
割、9割方が人件費で、人件費の部分も含めて応能負担という計算の中身にしてくるの
か。いわゆる保母さんの人件費です。そのことも含めて応能負担の中身というふうに考
えてしまうと、それはちょっとおかしいんじゃないか。延長保育の時の応能負担の中身
というのは一体何なのかということがないと、確かに便利になるというのはありがたい
んだけれども、かなり高い保育料を払う人と、ある一定額の基本部分で払う人は、人件
費部分もそちらに入っていればそれでいいんだとなると、負担の公平性という話にはな
ってこないのではないか。という意味で、受益に応じた負担方式、いわゆるサービスに
ついての追加的な負担方式なら分かるけれども、受益に応じた負担方式となると、これ
はどうも切り離して考えているみたいだ。これはちょっと援助ということについての納
得性が得られるのか。
 さらに3点目として、こういう種類のものにお金が出される場合に、国がお金を出し
ている、地方自治体か出しているという部分、国も出しません。地方自治体も出しませ
んということで、受益者だけが払って、その部分を賄っていくということになった場合
に、保育園は手を挙げたところだけがこのことが行われて、実際に便利になっていくと
いうふうに考えられるかどうなのか。こういうことをやってくれる保育所が積極的に増
えていくことにつながるんですかという部分でも若干疑問があるという感じがしますの
で、質問と疑問点も含めて申し上げた点について、何か答えていただけることがあった
ら解明してほしいと思います。
○保育課長 大変失礼なものの言い方をするかもしれませんが、厚生省として今回この
ペーパーをお出しをしている訳ではございまん。この審議会での御議論を私どもなりに
咀嚼をさせていただいた部分というのは確かにございますけれども、この場のこれまで
の各委員からの御意見を賜って、それを文字にさせていただいているものである、こう
いう受けとめ方でございます。
 先ほどB委員のメモを御紹介させていただいた訳でありますけれども、御議論として
は、あるいは御意見としては、例えば延長保育ということで申し上げれば、利用する回
数とか、時間の長さとか、こういったものが各々お子さんによって違う場合がある。そ
もそも利用されるお子さんと利用されないお子さんがおられる。こういうことの中でも
って、どういう具合に費用負担というものを考えていくことが今日的な公平ということ
に当たるのかどうか。そういう観点からの御議論、御意見もかつてこれまでの審議の中
でもあったように私自身は受けとめております。
 それから、市町村の事業として、例えば延長保育の事業も行われているという状況の
中で、その地域の実情なり何なりということの中で、延長保育というものの供給がなか
なか拡大をしていっていないのではないかというような御意見もあったように記憶いた
している訳ですけれども、そういった観点も含めまして御意見、御議論を賜ればありが
たいと思っております。
○E委員 私も過去の議論の時に公平な負担というのを言った者の一人として、その責
任上、公平な負担というので私が考えておりますのは、例えば私立の幼稚園に子どもを
入れる場合は、そのサービスといいますか、あるいは私立の学校の授業料も全部一律で
ある。しかし、義務教育の私立の場合はちょっと違いますけれども、保護者の方に経済
力でそれが負担出来ないような人、それは授業料を減免するというふうな形ではなしに
、例えば子どもが3人以上おられるとか、あるいは親の所得が一定水準以下だとかとい
うふうな別の条件に対しては別の補助を出すのであって、そのサービスに対しての値を
安くするということではないという意味でフラットにした方が、かえって結果的にはみ
んなが納得しやすいのではないか。
 それから、基本的な部分の8時間が前にずれたり、後ろにずれたりというようなこと
についてはC委員がおっしゃったのと同じで、その全体の量を8時間保育なり、10時間
保育については、少し後ろにずれていたとしても、余り大きな差はつけるべきではない
だろうなとは思うんですが、例えば10時間、かなり長いサービスを必要とする人は、フ
ラットで保育料を払っている人たちよりはより多いサービスを受けている訳ですし、私
の経験ですと、どうしても延長保育をしてもらえなかったから私的なサービスを買った
場合は、保育園の保育料とは比較にならない、10倍ぐらいのレベルで1時間に1,500 円
だとか、安くても800 円というようなベビーシッター代が飛んでいきますので、保育料
が少しぐらい割り増しになったとしても、民間に比べれば非常に負担が軽い。恐らく実
際に延長保育を必要としている保護者は、その程度の負担には十分納得して払うんじゃ
ないかと思いますので、ある程度延長保育を希望する人がその部分の余分の保育料を出
す。それが10時間単位ぐらいの感じで、A、B、Cぐらいの幅があり得るだろうとは思
いますけれども、そういったようなことは十分あるんじゃないか。
 あともう一つ、ここで言うのとはちょっと違うかもしれないんですけれども、もしも
延長サービスを必要とするならば、特に多様なサービスを必要とするならば、恐らくこ
の審議の方向に対して関心を持っておられる保育労働者の方たちも、自分たちの労働強
化につながるのではないかということを大変気にしておられるだろうと思うんです。そ
の保育所で働く人たちの側に対しても、例えばパートタイマーの保母さんとか、アルバ
イトの保母さんとか、いろいろな形である程度の弾力的な活用、いろいろな資源を活用
して全体としての保育コストを下げる努力というのは絶対必要なんじゃないか。ニーズ
があるから、公的な保育サービスは出来るだけ質のよいものをより安く提供する責務が
あるということでどんどん脹れ上がって、最高のものを出そうとすればするほどコスト
がかかりますので、必要としているサービスが結果的に量的には十分提供出来ないで終
わってしまうということになるんじゃないか。例えば市区町村、自治体あたりに過大な
負担をしないでも、十分な保育延長サービスが提供出来ることが可能になるような弾力
的な工夫をどんどん奨励するようなことを是非考えていただきたいと思います。
○部会長 それでは、F委員、いかがでしょうか。
○F委員 追加サービスという言葉の中身についてでございますけれども、保護者の就
労形態というのは随分広域化をしてきています。そういたしますと、通勤時間も増加を
してきている。そういう実態の中で、延長保育がすべて追加サービスだと簡単に言い切
っていいのかということを思います。
 それから、B委員のメモでございますが、夜間保育は追加サービスとして受益者負担
。そういうふうに読み取れますけれども、もっぱら夜間働くことを仕事にしているとい
う職種もいろいろある訳であります。昔であれば電話の交換手さんなんかもそうでした
し、今は看護婦さんがまさにそうでございます。そうした人たちのために夜間保育は追
加サービスだと言い切ってしまっていいのかと思います。そういたしますと、もう少し
追加サービスの中身について一つ一つ詳細な吟味が必要だという感じを持ちます。
 それから、これは表現のことなんですが、2の(5)の1に「受益に応じた負担方式
に改めるなど、負担の公平化が図られるようにすべきである」。これと同じ表現が2の
(5)の2にもございまして、「受益に応じた負担方式にするなど費用負担の公平化に
資するような公費投入の仕方を工夫すべきである。」、こうなっている訳であります。
表現のしようでありますけれども、この趣旨から感じられますことは、公費投入の仕方
によって費用負担の公平化を図るんだというふうに読み取れてしようがないんです。私
は費用負担の公平化が何であるのか、そこの吟味があって、そして、その結果として公
費投入の仕方は自然と決まるんだ、そういうふうに思いますので、この表現ですと、公
費投入の仕方でもって費用負担の公平化が図られるんだ、そんなふうに読み取れてしよ
うがありません。むしろ逆に費用負担のあり方、そのことを決めれば公費投入の仕方は
自然と決まるのではなかろうか。もっと極端に言いますと、必要なコストから費用負担
を控除したまま自然と公費なんだ、そういうのが普通に分かるのではなかろうかと思い
ます。そういたしませんと、何かほかに背景があるのかというふうに憶測もしたくなり
ますので、このことについて申し上げておきたいというふうに思います。
○部会長 それでは、G委員、それからH委員、I委員の順でお願いします。
○G委員 今のお話のように、これは表現もストレート過ぎると思うんです。今の10段
階にも分けているような費用負担のあり方というのは非常におかしいので、平準化して
いくべきだと思うんですけれども、これは、途中で5段階なり、3段階なり中間的なも
のが必要だろうと思うんです。
 それで、受益に応じた負担方式に改めるというふうに、最終的にそういうことになの
かもしれないけれども、一部受益に応じたというぐらいのところではないかと思うんで
す。
 それから、2の(5)の2のところもちょっと直線的過ぎる。「追加的部分」という
のは引っかかりますし、さらに、追加部分は全て受益に応じた負担方式というと、延長
保育の場合、保母さんのコストは、5時から6時、7時と子どもが減っていけば、子ど
もさんの負担分というのどんどん高くなっていく訳ですね。これをストレートに読めば
、一番最後に残っているお子さんは、応益ということになれば、ものすごい額にしなけ
ればならないということですね。そういうのではまずい訳で、延長保育、一時保育は、
むしろ公費で、コストの緩和措置みたいなものを講ずるべきだろうと思うんですけれど
も。
○H委員 先ほどからの御議論を聞いておりますと、「子どもの立場はどうした」と私
は言いたくなるんですね。と申しますのは、昼間の8時間というのは、ある意味で言え
ば、適当に放っておいても子どもはうまく保育されるんです。ところが、時間が延長さ
れたり、夜間であったり、一時的な保育の場合には、子どもの心身に加わる負担が非常
に大きいので、これは特に公費を投入して、追加的ではなくてスペシャルな保育を考え
なければいけない。もしも昼間の8時間以上に特別な保育がそこで保障されれば、ある
程度受益者負担ということにしても、自然(ネイチャー)としての子どもの保育には適
さない時間を十分に保育所で面倒をみてもらえるから、多少応能負担でお金が高くても
仕方がないというふうにいくと思うんですけれども、昼間に子どもに保育するのは普通
の親としては仕方がないけれども、延長したり、夜間に子どもを放っぽりっぱなしにし
て働きに出る親は大変けしからぬから経済的な罰を加えるみたいなニュアンスが感じと
れるんですね。ですから、これはG委員がおっしゃった表現ということもあると思うん
ですが、時間で切っていくというようなことも、勿論、相手が物だったら、私、C委員
のおっしゃったことは非常にリーズナブルだと思うんですけれども、一方において「保
育の質」という文言もありますけれども、何かそこで子どものサイドに立った保育の質
を確保するためには、ある程度応能負担も必要で、そのかわりちゃんと保障するからみ
たいな、そういうトーンというのは盛り込めないでしょうか。
○I委員 3点ほどある訳ですけれども、1点目は、これはF委員にお伺いしたいと思
っているんですが、私どもの区も、先日、地方負担の割合の問題で資料を取り寄せて見
たところ、国の費用徴収の基準から見ると、私のところは東京都の23区です。4割程度
しか保育料を払っていないんですね。そういうところを見ると、国の費用徴収額が高い
のか、あるいは区レベルの地方自治体の費用徴収が妥当なのかというのはどうも分から
ない訳でして、ここら辺、例えば受益者負担という形で仮にやったとしても、また地方
自治体の方で肩代わりをしてというふうなことになると、地方自治体の方も、保育に関
する費用の支出が非常に増えたということで困っているようですけれども、ここら辺を
どういうふうに考えたらいいのかとお伺いしたいなというのが1つです。
 それから、今、出ている通常保育か、特別保育かという問題でいえば、例えば大都市
においては、夜間保育とか、少々の延長保育とか、そういったものは通常保育の範囲に
入るんじゃないか。ただし、過疎地域における保育だと一体どうなのか。そこら辺で国
としてはどうするかのという問題に突き当たるんだろうというふうに思っています。
 あと、お教えいただきたいと思いますが、費用負担問題は、公費負担の問題も併せて
セットで考えないとどうにもいかないと思っているんですけれども、公費負担と利用者
負担との組み合わせにおいて、そういう組み合わせをしますと、費用負担における公私
の役割分担としてとらえられることが出来るだろうというふうに思っている訳でして、
つまり公私の守備範囲をどうするのかということだと思うんです。措置制度の中では−
措置制度を堅持しろというふうなことだと思うんです。そういった措置制度の中では、
ある意味での公的な責任の範囲みたいなものが分かる訳ですけれども、そうじゃなくて
、新たな意味での公私の守備範囲を考えた時に、この基準のポイントは一体何なのかと
いう、そういう意味での責任の所在とか、責任の割合みたいなものを一体どうしていっ
たらいいのかという基本的な問題なんですけれども、それが一つ大きく浮かび上がって
きていて、そんなことが現場を混乱させて、盛んに措置制度遵守といって、こんなにい
っぱいはがきをいただいちゃうような結果になっている訳です。
 それから、公平性の問題で、社会的公平というのは、水平的な公平と垂直的な公平が
あるというふうに言っている訳でして、そういう意味では、今回の受益者負担というの
は水平的な公平だというふうに思っている訳ですけれども、そういった中で保育所サー
ビス、そういう選択性で保育所を利用する者と、利用しないで、この期間はまだゼロ歳
児なので家庭保育がいいという形でお金を払って保育をしてもらっている。そういうと
ころには費用は一切いかなくて、保育所というところを使わないと公的費用がいかない
という意味合いでの公平性の問題をどうするのか。こんなことを考えている訳ですけれ
ども、そういった社会的公平性というのはどこら辺まで考えたらいいのか。
NO2に続く
  問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
     担 当 福田(内3113)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
                  (直)03-3595-2491

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