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          中央児童福祉審議会基本問題部会

            (第10回議事録)



                        平成8年9月19日

             厚生省児童家庭局

○部会長 それでは、ただいまから基本問題部会を開会させていただきたいと思います
。本日は御多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございました。
 早速ですが議事に入りたいと思います。前回の議論を踏まえまして事務局の方で、前
回配布しましたメモを修正していただいております。これに基づきまして議論を今日は
進めてまいりたいと思います。
 では、事務局が作成いたしましたメモについて、修正点などを中心に改めて御説明を
いただきたいと思います。
○事務局 それでは、御説明させていただきます。本日のメモにつきましては、前回の
御議論を踏まえまして修正を行ったものでございますが、改めて御審議いただければと
考えております。以下、修正点を御説明したいと思います。
 まず第1点でございますが、(1) の1でございます。これは前回の御議論で子どもの
最善の利益の尊重という点を挙げるべきだという御指摘がございましたので、これを一
番最初に持ってまいりました。
 「1.子どもの最善の利益の尊重:『○「児童の権利に関する条約」の批准等を背景と
して、一人ひとりの子どもがその個性等にふさわしい充実した人生を送れるようにする
ため、子どもに関する制度や施策を考える際には、子どもの最善の利益を尊重したもの
でなければならないという考え方が定着してきている。』。
 続きまして、4.の2つ目の○でございます。ここは前回母親の孤立化というふうにご
ざいましたけれども、その点について修文をいたしました。読み上げさせていただきま
すと、「夫婦共働き家庭のみならず、専業主婦家庭についても子育ての孤立化や不安の
増大が見られることから、幅広く子育て家庭に対する支援が必要になってきている。」
。
 続きまして、(2) の上から2つ目の○でございます。前回は「母親等」でございまし
たけれども、ここを「親」というふうに直させていただいております。
 それから3つ目の○でございまして、ここも前回は「父親も子育てに参加しやすくす
る」といったような表現でございましたけれども、「両親が協同して子育てに取り組め
るようにする」に改めさせていただいております。
 4つ目の○でございますが、これは前回の御議論で、介護と比較した上で子育てへの
支援の強化といったことを更に書くべきではないかという御指摘がございましたので、
このように書かせていただいています。「○少子・高齢社会の中で、年金や介護など高
齢者を社会全体で支えるという考え方は一般化してきているが、次代の社会の担い手を
育てる子育てについても社会全体で支援していくべきであり、高齢者とバランスのとれ
た資源配分を行っていく必要がある」。
 続きまして、2の(1) の2つ目の○のところになりますけれども、ここにつきまして
は前回の御議論で、現行の入所制度を改めるとした場合に関する御意見が幾つか出され
ましたので、それを踏まえて入れたものでございます。「○利用者が保育所を選択する
仕組みに改めた場合でも、優先度の高い人が利用できなくならないような配慮や、保育
に係る費用等に対する公費負担などの面において公的責任が後退することのないように
すべきである。」。
 続きまして、次の○でございますが、保育所の取り組みに関する意見を踏まえて末尾
を「先駆的な取組みを行いやすいようにするべきである。」と修文したものでございま
す。
 2の(2) の2つ目の○のところでございますが、上から3行目のところでございます
が、「母のボランティア活動時」というふうになっていましたのを「ボランティア活動
時」としたものでございます。
 2の(4) の5つ目の○のところでございますが、保育の質に関する問題についての御
意見、それから、保育指針の掲げます家庭、地域の連携を踏まえるべきといった御意見
を踏まえまして、ここに入れさせていただきました。「○家庭や地域社会との連携を密
にして、子どもの個性等に応じた保育など保育内容の質を高めていくようにするととも
に、保育内容を社会的に評価する仕組みについて検討する必要がある。」。
 それから一番最後の「3.放課後児童対策について」のところでございますが、放課
後児童対策の部分のうち職員の資格につきましては、前回の御意見を踏まえまして本日
のメモにおきまして「少なくとも中心的な役割を担う人については何らかの資格要件が
必要である。なお、特別な資格や経験等の要件を設ける必要はないのではないかという
意見もある。」という形で一応修正させていただいておりますけれども、この点につき
ましては、従来から職員については特に資格要件を設けず柔軟な制度にする方がよいと
の御意見もございますので、今後改めて御議論いただければと考えております。
 修正部分につきましては、以上でございます。
○部会長 ありがとうございました。ただいまの修正点を含めまして2の(1) までが前
回の御議論でございましたが、修正点などについて御質問、御意見がございますればど
うぞおっしゃっていただきたいと思います。
○A委員 前回欠席いたしましたので、重複、あるいは既に取り上げられた部分に及ぶ
ことになるかも分かりません。いつも辛口の言い方をしますのでその点はあらかじめ御
了承いただきたいと思います。
 それぞればらばらに出た議論をまとめておられますので、一つ一つの中身は充実して
いると思うのですけれども、全体の柱が大変に心もとないといいますか、しっかりして
おらないといいますか、そういうことを感じます。
 具体的に言いますと2点あるのですけれども、1つは、子どもをどう保育すればいい
のかという、そこについての基本的な思想がない。前回の修正で1の(1) の「1.子ども
の最善の利益の尊重」という、この一番基本的な点が出たのはすばらしいので、これは
一番出発点だと思いますけれども、さてその一人一人の子どもと言ったって、生まれた
ばかりの子もおれば、中学生もおる訳です。ところがここは保育を取り上げている訳で
すから、実際に保育をするに当たって具体的に最善の子どもの利益とは何であり、それ
を伸ばすにはどうすればいいのかという子育ての保育の基本理念が出ないと、全体のそ
の後の議論の理論的支柱がないといいますか、考え方の筋がないといいますか、そうい
うことになるのではなかろうか。
 私は一番最初に、何歳ぐらいのときにどういう育て方をすれば一番いいのか、学問的
にどこまで研究が進んでおるのかということを質問いたしまして、ある程度いろいろな
資料を出していただきまして、それは大変多としておりますが、そこのところが学問は
学問でいろいろなことを言っているけれどもよく分からぬということなのかどうか知り
ませんけれども、入っておらないですね。
 私も大変乏しい知識ですけれども、やはり大脳の発達というのは最近非常に研究が進
んでおりまして、例えば扁桃核というのが中核部分で、それが幼児のころに完成してし
まうから、そのころ大変に愛情深く本人の主張を受け入れて育てるということがその人
間のその後の成長のためにも一番基本であり、その機を逸したら妙な曲がった人間が出
来てしまうというようなことはかなり言われ出しております。それは最近の大脳の研究
の成果も踏まえて言われております。それ以前の10年、20年前からお医者さん方、やは
り子どものころにしっかりと愛情深く育てるということがその後の知能の発達にも大切
ではないかということを既におっしゃっておられます。
 ですからそういった保育期独自の大切な育て方ということがあるはずで、それが出な
いと、これだったら中学生でも小学生でもだれでも言えるような話なので、保育独自の
物の考え方という柱がないのではなかろうか。大変に僣越な言い方であります。辛口で
いつも言い過ぎますけれども、その点が1点であります。
 2番目でありますが、そこがないために法改正の理念というのがもうひとつしっかり
出ておらないだろうと。こういうふうに保育をすべきである。保育というか、子どもを
家庭で育てようと保育所で育てようと何であろうと、こういうふうな育て方が望ましい
のだということが出ると、それではそれが現実社会で出来ておるのだろうか、今の保育
所で出来ておるのか、あるいは家庭で出来ておるのか。それはいろいろ問題があるとい
う点は既に議論で出ております。
 特に家庭での問題は、1の(1) の「2.少子化の中での子どもの成長への影響」と一部
出ておりますけれども、これは保育所の今の中のあるべき保育から見た問題点と、家庭
での問題点が出てくると、それを社会全体としてどういう体制で応ずればいいのかとい
う在り方が出てきて、その在り方が出て初めていろいろな細かい対策が出てくるはずで
ありまして、そういうふうに議論というのはつながっていかなければいかぬのではない
か。
 そこで社会全体としての受けとめ方ということから見れば、かつての、家庭が主体で
保育に欠ける者だけ見るというやり方では、子どものあるべき保育が出来ないというこ
とが当然出てくるはずですから、そうすると一般的にあるべき保育所の姿も出てくるし
、一方、家庭でやるという方についてはこういう支援をするという支援の在り方も出て
くるのではないか。そうした流れでまず今の法律改正を基本から変えなければいかぬと
思いますが、こう変えて、そしてこういうふうに具体的にやっていくのだという流れが
要るのではないかと。
 その点踏まえまして、大変細かいことですが「3.放課後児童対策について」で、資
格要件が必要であるということを今度付け加えられましたけれども、私が気にくわない
のは「何らかの資格要件」ということで、「何らか」とは何だと。これは一番基本で、
このように保育をすべきであるということが出てくれば、当然それにふさわしい資格要
件が出てくる訳で、だからこういう理念で子育てをすべきであるから、こういう点につ
いては資格を定めた方がいいのではないかという議論になるはずで、そこを「何らかの
資格」というのは、ともかくこれに便乗して資格だけつくって、例によってまた権限を
どうこうしようとかいったような発想ではなかろうかという疑いを招く文章ではなかろ
うかと恐れますので、いつも辛口で申し訳ないですが、そういうことであります。
○部会長 ありがとうございました
○B委員 私も全体的なことで申し上げると、A委員がおっしゃられた面ともう一点は
、それでは現在の保育の状況についてはどういうふうな認識なのかということについて
の整理がされていないではないかと。ばらばらに書いてありますよ。例えば保育所のと
ころに措置制度のことがあったり、いろいろなところにばらばらに出てきているのです
けれども、現在の子育てをめぐる現状というのは傾向のことが書いてあるのですけれど
も、制度的だとか、実際の中身のことではどういう仕組みになっていて、どこが一番欠
点なのか、対応出来ないところなのかについての整理がされていなくて、後に対応策が
出てくるものだから、そこをきちっととらまえておかないと、何をしたいかが明確にな
らないという点が議論としてありましたので、それも私は是非やっておくべきだと思い
ます。
○部会長 ありがとうございました。
○C委員 2の(1) の「優先度の高い人が利用できなくならないような配慮や、保育に
係る費用等に対する公費負担などの面において公的責任が後退することのないようにす
べきである。」。これは大変大切で、いいことだというふうに思うのですけれども、た
だ現状を考えた場合に、措置の適正化を確保するという言葉の下にあぐらをかいて硬直
している現状を見ると、どうなのかなと思う部分があるのです。民間がいろいろやろう
とすると、非常に公の保育所が邪魔をしたり、嫌がらせをしたりするなんていうのがい
ろいろな地域で見られますので、自由な選択を妨げない形での措置の適正化というよう
な考えを進めていってほしいなというふうに思います。
 それから2の「(2) 保育所における多様な保育サービス」の2番目の○の「ボランテ
ィア活動時等一時的にサービス」、これは文章がちょっとおかしいのではないかなと。
細かいことですが、「親が学習やボランティア活動等で一時的にサービスを受ける必要
のある子ども」というふうにした方がいいのではないかと個人的に思います。
 2の(4) の「○家庭や地域社会との連携を密にして、子どもの個性等に応じた保育な
ど保育内容の質を高めていくようにするとともに、保育内容を社会的に評価する仕組み
について検討する必要がある。」という部分なのですが、この「保育内容を社会的に評
価する仕組み」というのは、私は結構今回の目玉になるものではないかなというふうに
思うのです。この仕組みがきちんとあれば、一定の水準でよいサービスが受けられるよ
うな保育所というのは、自然淘汰されて悪いものは落ちていくというふうになると思う
のですが、これはだれがどういう形で評価する仕組みなのかということをもう少し話し
た方がいいのではないかというふうに思います。
 例えば、アメリカにはある訳ですけれども、評価だけではなくて、相談とか、措置の
不服申請とか、あっせんとか、そんなものも別部隊として入れるのかとか、ここいら辺
の社会的に評価する仕組みについての皆様の御意見をもう少し聞きたいなというふうに
思いました。
○部会長 ほかにございませんか。
○D委員 前回私欠席いたしましたので、今回発言しようと思ってきたことが、やはり
1の(1) の「1.子どもの最善の利益の尊重」というのを入れていただいたことで、私が
今日発言したかった内容を盛り込んでいただいたと思って非常にありがたく思っており
ます。
 と申しますのは、今までの議論でもたくさん出てまいりましたけれども、例えば保育
所の保育児童の範囲と申しますか、ああいうところでも必ず親の側から立った視点で保
育に欠けるということでこういう児童をということになっておりましたけれども、子ど
もの側から見た、本当に保育を必要とするというようなスタンスがなかったというよう
なことで、それを何かどこかで入れていただきたいと思っておりましたけれども、この
最善の利益の尊重というのもその大きな柱であると思います。
 例えば、先ほどA委員も子どもというのは発育・発達期にあって、いろいろな環境と
いうのが将来の成長に大きな影響を与えるということは非常によく知られておりますし
、それが真実なのでありますけれども、ただ、いつのときにどういう環境に置かれたら
どうなるというのはいろいろな研究がありますけれども、まだそれほどはっきりしたも
のはない。
 ただ言えることは、大体2歳ぐらいまでにいわゆる神経学的な器官というのが出来上
がってくると。だからそれ以前に例えば胎児期とか、乳児期の間に極端な低栄養状態に
置かれれば、神経学的な成長がストップするということがあり得る訳です。しかし今の
社会で特別な病的な状態や特別な低開発国でもなければ、栄養失調状態なんて日本では
あり得ないのですけれども、結局、発育・発達に影響を与えるその後のいわゆる情緒的
な問題に関してまた最近いろいろ言われている訳です。
 親の資格のない親というのが、最近新聞などを賑わしております。パチンコのために
子どもを死なせてしまったというような親。そればかりでなくて、こういう人に親にな
ってほしくないなという親がいる訳です。だから親のために資格証というか、認定書を
出したいと思うぐらいで、それはちょっと難しいけれど。
 そういうことで、保育に欠けるというのを物理的に欠けるだけではなくて、この親に
保育してもらうのだったら、本当に他人にしていただいた方がいいというような児童が
いる訳です。だから子どもの側からこの親は嫌だと、この親には育ててほしくないとい
うような親は必ずいる訳ですから、そういうのを子どもが決める訳にいかないので、や
はり子どもの側に立った視点で保育を必要とするような子どもを入所させるような保育
所。その保育所も消極的にただ親がいないから、親がある時間いないから預かってあげ
るというのではなくて、積極的に親の代わりに保育するというような積極姿勢というの
を是非出していただきたいと思っておりました。
 先ほど親の資格のないというふうに言いましたけれども、前にも発言しましたけれど
も、今、医療が非常に進んでおります。勿論経済、社会がすごく変化しております。医
療も日進月歩で非常に変化しておりまして、以前には助からなかったようなお子さんが
助かっている。そういうお子さんに集団生活の保育というのが必要な場合があるのです
。そういう場合には親はちゃんといます。親はいるけれども、やはり保育所に入れてほ
しい。実際に保育所に入れると、知的な発達が非常に伸びたというのを私たちもよく見
ている訳です。
 だからそういう意味でも、積極的な保育をしてくださる保育所というのは医療の面か
らも是非必要であるし、そういうのは要件の中には見当たらない。親はいる訳ですから
、措置条件に入らない訳ですけれども、子育てではなくて発達を援助するようなお子さ
んのための保育所。それは別につくらなくてもしっかりした保育所だったらいい訳で、
あるいは多少障害者で重度ではない、知的にはある程度刺激を与えれば伸びるような子
どもというような、そういう子どもの側から見ていい保育をしてくれるところに入れて
、子どもを伸ばしてあげる。子どものためになる、子どもの利益になるというような保
育が出来るようなところというようなことで、余りうまく言えませんけれども、結局社
会全体で支援するということにもつながると思います。
 これだけ少子化が進んでおりまして、産科医、小児科医が非常な危機感を持っており
ますので、一人一人が大事なお子さんになる訳で、次の世代を担う訳ですから、だから
そのお子さんを一人でも健全に育ててあげるために社会全体で支援していくというのは
、常に子どもの側から立った視点でものを考えていっていただきたいなというのが私の
発言の趣旨でございます。
○部会長 ありがとうございました。
○E委員 利用者による選択制を拡大するだとか、あるいは多様なサービスを効率的に
提供するという観点から見ますと、なぜ公立あるいは社会福祉法人以外の団体なり、場
合によれば営利法人にも保育サービスの市場に参加出来る道を開かないのかなという感
じがする訳であります。訪問看護については法的に営利法人も参入出来るようになって
おりますし、新聞報道によりますとそのような動きが現実にあるようでございます。そ
れから介護はまさに今回の提案ではそのようになっている訳ですが、同じ並びで見ると
、保育についても民間事業者への参入の道を開くべきである。それはここに書いてある
選択制だとか、多様なサービスを効率的に提供するという観点からも当然入るべきでは
ないかなと思います。
 医療や、今、言った訪問看護だとか介護の分野についてはもう一つ、サービスが不足
しているから民間事業者の参入を求めるという部分があるのだろうと思います。保育に
ついては相当に量的には充足しているということだろうと思うのですが、たとえ量的に
充足しているにしても、なお、先ほど言ったような観点から言うと、民間事業者への参
入の道を開くべきだというふうに思います。そこでの条件は最低の条件を満たしている
ということさえ満たされておれば、民間事業者にも参入の道を開くべきだというふうに
考えております。
○部会長 それでは少しお待ちくださいませ。お話を限られた時間で有効に進めたいと
思いますので、「これまでの議論の整理」ということで今日お示ししておりますメモで
ございますが、実は前回は「1.子育てをめぐる現状と対応の方向について」、「2.
保育所について」の「(1) 保育内容の情報の提供と利用者が選択できる保育所、保育サ
ービス」までをやらせていただいて、それについて御意見をさまざまちょうだいしたと
。それ以外もいただいたところは入れてある訳でございますが、今日はまずそこらあた
りに中心に置いてお話を聞かせていただいて、「(2) 保育所における多様な保育サービ
ス」以下を今日は本格的にやりたいと思っておりますので、「(2) 保育所における多様
な保育サービス」以下のところは次の時間に取りますので、その方の御発言はそのとき
にしていただいたらありがたいと思います。
○F委員 前の方になるかもしれませんが、1の「(2) 対応の方向」のところで先ほど
もちょっとお話がありましたが、社会的支援が大事なのだよということを最初に書いて
おられる。これは大変結構なことで当然だと思うのですが、そして2.で「多様なニーズ
に応えられる子育て支援システムの構築」となっている訳ですね。以下ずっと保育所の
話になっているのですが、この報告書といいましょうか、この案を見た場合には、言い
たいことは結局保育所だなということは分かるのです。ではその多様な社会的支援、例
えば企業の支援とか、いろいろなシステムを書いてあります。この辺についてはどうな
のですか。
 御質問なのですが、これについては今度の報告書というか、私たちのこの部会では具
体的に言う必要はないのかどうか。つまりこれを一般的に見た場合には、多様な社会的
支援が必要なのだよと言っておいて、あとは各論は全部保育所ですね。そうすると、で
はほかのことは一体どうなのだと。だから議論しなくていいのだったらそのことを明確
にすべきだし、多様な支援が必要で、特にその中で保育が必要だから我々は保育につい
て具体的に述べたのだよとしておかないと、では一体企業の支援、社会的システム、費
用負担云々は一体どうなるのかということです。これについて明確にしておきたいなと
思います。
○部会長 それでは、保育課長からお話しいただけますか。
○保育課長 お答え申し上げます。今回のこのペーパーにつきましては、確かに「1.
子育てをめぐる現状と対応の方向について」というようなことで、非常に総論的な話に
ついてもこれまでの御議論をということで整理させていただいておりますが、事務局と
いたしましては、前回、それから今回この場で御議論いただいているこのペーパーは、
全体として児童保育施策と。いわゆる放課後児童対策の学童保育の関係も含まれている
訳でございますけれども、一応保育ということを念頭に置いてまとめさせていただいて
おるところでございます。
 当基本問題部会におきましては、これ以外にも母子家庭の自立の支援対策、あるいは
保育所以外の児童福祉法に規定されておりますもろもろの児童福祉施策体系の話がある
訳でございますけれども、これは現在別途専門調査会で御議論いただいておるところで
ございまして、これにつきましては、このペーパーは保育ということでございますけれ
ども、後々全体として児童福祉法体系、あるいは母子家庭の自立対策まで含めまして、
全体としておまとめをいただくということで現時点では考えておるところでございます
。ですから今回この紙につきましては、一応保育ということを念頭に置きまして御議論
をいただければという具合に思っております。
NO2に続く
  問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
     担 当 福田(内3113)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
                  (直)03-3595-2491


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