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特定疾患調査研究班班長会議の開催について

本日、下記により、特定疾患調査研究班班長会議が開催されましたので、お知らせします。

1.日 時 平成9年5月1日(木) 午後3時〜5時

2.場 所 通産省別館第833会議室

3.会議の内容

(1)9年度研究方針等について

平成8年度研究の評価の総括及び9年度研究の方針等について疾病対策課から説明した(別添1)

(2)健康危険情報の取扱いについて

研究班長(班員)が把握した学術情報等で国民の健康に重大な危険を及ぼすおそれのある情報を把握した場合、速やかな厚生省への連絡について要請した(別添2)

(3)特定疾患に係る医薬品の適応外使用に関する調査研究の結果について

医師側及び患者側の双方からのアンケート調査結果及び「特定疾患調査研究事業における医薬品の適応外使用指針(案)」など平成8年度に実施した当該研究の結果について研究班から報告があった(別添3)
厚生省としては、当該研究の成果を基に、臨床系の各研究班においてモデル的な取り組みを行うよう要請した。

厚生省特定疾患調査研究班(分科会)長 殿

厚生省保健医療局疾病対策課長

健康危険情報の取扱いについて

1.趣 旨

厚生省においては、本年1月「健康危機管理基本指針」を策定しましたが、国民の健康に重大な影響を及ぼす情報(以下、「健康危険情報」という)については、厚生省特定疾患調査研究班の研究者から広く収集し、適切に対応することとしたいので、ご協力をお願いします。

2.要請事項

(1)班(分科会)長は、特定疾患調査研究事業の研究過程において、健康危険情報を把握した場合には、速やかに厚生省保健医療局疾病対策課長まで文書でご連絡いただきたいこと。
(2)班(分科会)長は、班員に対して、健康危険情報を把握した場合には、速やかに班長へ連絡するよう伝達していただきたいこと。

3.最近の事例

(1)血友病患者と免疫異常
(2)硬膜移植手術とCJD


平成9年度特定疾患調査研究班及び班長一覧

I 床調査研究グループ
(臓器別臨床調査研究班)
班 長 所 属 職 名
血液系疾患調査研究班
特発性造血障害
血液凝固異常症
原発性免疫不全症候群


溝 口 秀 昭
中 川 雅 夫
小宮山 淳

東京女子医科大学血液内科
京都府立医科大学第二内科
信州大学医学部小児科

教 授
教 授
教 授
免疫疾患調査研究班
難治性血管炎
自己免疫疾患
ベーチェット病



橋 本 博 史
宮 坂 信 之
大 野 重 昭

順天堂大学医学部内科
東京医科歯科大学医学部第一内科
横浜市立大学医学部眼科

教 授
教 授
教 授
内分泌系疾患調査研究班
ホルモン受容機構異常
間脳下垂体機能障害
副腎ホルモン産生異常
中枢性摂食異常症




春 日 雅 人
加 藤 譲
名和田 新
中 尾 一 和

神戸大学医学部第二内科
島根医科大学第一内科
九州大学医学部第三内科
京都大学医学部臨床病態医科学

教 授
教 授
教 授
教 授
代謝系疾患調査研究班
原発性高脂血症
アミロイドーシス



北 徹
石 原 得 博

京都大学医学部成人・老年病病態
山口大学医学部第一病理学

教 授
教 授
神経・筋疾患調査研究班
遅発性ウイルス感染
運動失調症
神経変性疾患
免疫性神経疾患
難治性水頭症
ウイリス動脈輪閉塞症






北 本 哲 之
金 澤 一 郎
田 代 邦 雄
納 光 弘
森 惟 明
福 内 靖 男

東北大学医学部病態神経学
東京大学医学部神経内科
北海道大学医学部神経内科
鹿児島大学医学部第三内科
高知医科大学脳神経外科
慶応義塾大学医学部神経内科

教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
視覚系疾患調査研究班
網膜脈絡膜・視神経萎縮症


玉 井 信

東北大学医学部眼科

教 授
聴覚・平衡機能系疾患調査研究班
前庭機能異常
急性高度難聴


八 木 聰 明
星 野 知 之

日本医科大学耳鼻咽喉科
浜松医科大学耳鼻咽喉科

教 授
教 授
循環器系疾患調査研究班
特発性心筋症


篠 山 重 威

京都大学医学部循環病態学

教 授
呼吸器系疾患調査研究班
びまん性肺疾患
呼吸不全


工 藤 翔 二
栗 山 喬 之

日本医科大学第四内科
千葉大学医学部附属肺癌研究施設

教 授
教 授
10 消化器系疾患調査研究班
難治性炎症性腸管障害
難治性の肝疾患
門脈血行異常症
肝内結石症
難治性膵疾患



下 山 孝
小 俣 政 男
杉 町 圭 藏
二 村 雄 次
小 川 道 雄

兵庫医科大学第四内科
東京大学医学部第二内科
九州大学医学部第二外科
名古屋大学医学部第一外科
熊本大学医学部第二外科

教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
11 皮膚・結合組織疾患調査研究班
稀少難治性皮膚疾患
強皮症
混合性結合組織病
神経皮膚症候群


小 川 秀 興
新 海 浤
東 條 毅
大 塚 藤 男

順天堂大学医学部皮膚科
千葉大学医学部皮膚科
国立東京第二病院
筑波大学医学専門学群皮膚科

教 授
教 授
副院長
教 授
12 骨・関節系疾患調査研究班
脊柱靭帯骨化症
特発性大腿骨頭壊死症



原 田 征 行
二ノ宮 節 夫

弘前大学医学部整形外科
埼玉医科大学整形外科

教 授
教 授
13 腎・泌尿器系疾患調査研究班
進行性腎障害


堺 秀 人

東海大学医学部第七内科

教 授
14 スモン調査研究班
スモン


岩 下 宏

国立療養所筑後病院

院 長
II 断的基盤研究グループ
  1 基盤研究部門
(1)特定疾患に関する微生物研究班
(2)特定疾患に関する免疫研究班

(3)特定疾患に関する分子病態研究班

(4)特定疾患に関する疾病モデル研究班







倉 田 毅
山 本 一 彦

辻 省 次

鍋 島 陽 一

国立予防衛生研究所感染病理部
九州大学生体防御医学研究所臨床免疫学
新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学
国立精神・神経センター研究部

部 長
教 授

教 授

部 長
2 特定疾患遺伝子解析部門
(特定疾患伝子解析プロジェクト)


中 村 祐 輔

東京大学医科学研究所分子病態研究
施設

教 授
3 社会医学研究部門
(1)特定疾患に関する疫学研究班
(2)特定疾患に関するQOL研究班



大 野 良 之
福 原 信 義

名古屋大学医学部予防医学
国立療養所犀潟病院

教 授
副院長
4 政策的研究部門
(1)特定疾患に関するリサーチ・
リソース・バンク研究班
(2)特定疾患に関する緊急研究班

(3)特定疾患に関する評価研究班






小早川 隆 敏

佐 藤 猛

曽 根 啓 一

東京女子医科大学国際環境・熱帯医学
国立精神・神経センター(国府台病院)
自治医科大学公衆衛生学

教 授

院 長

教 授
※○は、班長


問い合わせ先 厚生省保健医療局疾病対策課

   担 当 塚原(内2353)、荒川(内2354)

   電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

       (直)03−3595−2249


厚生省特定疾患調査研究班

政策的研究部門



特定疾患に関する緊急研究班

特定疾患の医薬品の適応外使用調査研究班

平成8年度 研究報告書




平成9年3月

班 長  野 崎 貞 彦



研究課題「特定疾患に係わる医薬品の適応外使用に関する調査研究」

特定疾患に係わる医薬品の適応外使用に関するアンケート調査結果

特定疾患調査研究における医薬品の適応外使用指針(案)

「平成7年度特定疾患別医薬品適応外使用調査集計リスト」


研究課題「特定疾患に係わる医薬品の適応外使用に関する調査研究」

主任研究者  野崎 貞彦  日本大学医学部公衆衛生学教室教授
分担研究者  高野 謙二  自治医科大学学生部     講師
研究協力者  照井  哲  日本大学医学部公衆衛生学教室講師

研究目的

 一般的疾病の治療に用いる医薬品は、薬事法上適応症が決まっており、通常この範疇で使用される。しかし特定疾患の治療においては、医薬品の適応内使用のみでは効果があげられないため、文献や薬理作用等を基に医師と患者の協力において医薬品の適応外使用が行われている場合がある。
 平成7年度はこの特定疾患に係わる医薬品適応外使用に関して、対象となる医薬品とその使用頻度について調査報告がなされている。今年度の研究においては、適応外使用の際生じる治療の効果判定や副反応の出現時の対応、患者・家族へのインフォームドコンセントは、すべて担当医の責任で独自に行われている現状を踏まえ、特定疾患の医薬品適応外使用の実態を調査分析し、今後適応外使用を実施する上で医師と患者が良好な関係の中で治療に専念できるようガイドラインを制定するための基礎資料を得るとともに、現段階でのガイドライン(案)を作成する。

研究方法・対象

当班班会議において、現在の医薬品適応外使用に関する問題点を協議したところ、(1)医師・患者両面からの適応外使用に関する実態調査、(2)副反応発生時の報告用紙の策定並びに報告システムの確立、(3)インフォームドコンセントに関する説明・同意文の作成、(4)今後の特定疾患に係わる医薬品の適応外使用のあり方の検討等があげられた。
 そこで当研究班では、アドバイザーからの意見を加えて、(1)医薬品適応外使用の実態に関する医師用調査票、患者用調査票、(2)薬務局安全課の副作用報告書を改編した特定疾患用副反応報告書(案)並びに発生時報告のフローチャート(案)、(3)医薬品適応外使用に当たっての説明文(総括・項目別)(案)及び同意書(案)作成し、これらを平成8年末に基礎系の研究班の一部を除く特定疾患42班327 名の班長(分科会長)並びに班員(分科会員)に郵送にて配布し、班長取りまとめの上1カ月後に回収した。なお(1)の患者に対する調査は、班長・班員1名に付き10名を依頼した。
 回収率は、医薬品適応外使用例が無い研究班や特定疾患患者を診察していない班員もあるため、医師用調査では77.1%、患者用調査では17.8%となった。

結 果

I.
 適応外使用に関する班長・班員の調査結果においては、適応外使用に関心を持っていると回答した者87.7%、日常診療で適応外使用を行っている者は「しばしば使用」と「時々使用」を合計すると48.0%となり、適応外使用頻度はかなり高い結果となった。適応外使用の根拠としては、文献並びに薬理作用に由来するとの回答が77.9%を占め、治験は少なかった。このように回答者は明確な根拠に基づいて適応外使用を実施しているが、これらの医薬品を使用する時にトラブルに巻き込まれる不安を感じていると回答した者は、「いつも感じる」と「時々感じる」を合わせると45.1%となり、適応外使用を行っていなくて回答した者を除くとこの比率はさらに上昇すると考えられる。
 このような状況で、患者に対する説明は、「いつも行う」並びに「時々行う」を合わせると83.4%の者が実施しており、また半数以上の回答者が使用するすべての医薬品について説明を実行していることが示された。
 しかし、説明並びに同意の記録に関しては、65%の者が説明並びに同意の事実をカルテに記載はしているが、文章を提示して説明して同意を求めサインしているケースは、説明では11.7%、同意では21.8%に過ぎない。但し、現在のところ医師と患者の関係が良好に保たれているためなどにより、説明を行った場合には患者からの同意はほとんど得られているとの結果となった。このことは、日常診療において、今回の調査対象の医師が患者の意志を尊重し献身的に治療に従事している成果と思われる。しかしながら、今後医療を取り巻く環境がより厳しくなるにしたがい、明文化した説明及び同意と治療承諾のサインが必要になるものと考えられるが、そのことが治療行為の妨げになると回答した者は僅か12.4%であった。
 副反応の実態に関しては、適応外使用で副反応が生じた経験があると回答した者は38.0%と高い頻度ではあるが、ほぼ全例が患者に対して明確な説明を行い、回答上はトラブルになった例は少ないとの結果となった。しかし、現在は適応外使用の副反応発生時の報告システムが確立していないため、その重篤度までは不明であるが、43.0%の者が厚生省や製薬会社等に報告せずと回答しており、副反応が生じた場合の報告システムの確立が急務であると思われる。
 さらに特定疾患において医薬品を適応外で使用する場合には、医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため担当医の責任は重大である。担当医が細心の注意の上で適応外使用を行っても、副反応が発生する可能性は残るので、92.1%の回答者が被害給付の適応を望んでいる。
 一方、適応外使用の場合の全ての医薬品または特定の医薬品について、症例の登録管理や研究班による情報の把握が必要であるとの意見は約9割を占め、情報担当班員の設置が必要であるとの回答も58.7%にのぼり、ほぼ全員が特定疾患の医薬品に係わる適応外使用に関して一定のルール作りが必要と答えている。

II.
 適応外使用に関する患者側の調査結果においては、91.3%の者が服用薬について説明を受けていた。また説明内容の理解度については、「理解できた」と「大体理解できた」を合わせると95.9%に達し、83.1%の者が使用に関して同意を求められている。しかし、その説明方法は口頭で伝えられたケースが87.9%であり、同意についても口頭で行ったケースが80.1%で、カルテまたは所定の用紙に患者自らサインした例は僅かであった。一方、医薬品の適応外使用について、担当医があなたの病気に効く可能性があると判断し使用する場合どう思うかという質問に関して、説明次第で納得できれば受け入れる63.0%、主治医に任せる27.8%、積極的に受け入れる8.3 %となっており、患者側においても充分な説明並びに同意を求めていることが示された。

III.
 今回の医師・患者の調査においては、班長・班員及びその患者に対象を限定したこと、いくつかの特定疾患に回答者が集中していたこと、医師患者間の信頼関係の問題等により、この結果が特定疾患の医薬品適応外使用に関する全体像とは言えないとしても、一定の傾向は示されているものと考えられる。また、特定疾患の医薬品適応外使用に係わる医師側、患者側の双方からのアンケート調査結果より、医薬品の適応外使用時のルール作りが必要なことが明らかになったため、当研究班では班長・班員の意見を踏まえて配布した案文を改定し、特定疾患調査研究における医薬品の適応外使用指針(案)を策定した。

考察

 特定疾患は原因が不明であり治療法が確立されておらず、しかも後遺症を残す恐れが少なくない疾患で、現在 118の疾患が認定されている。厚生省はこれらの疾患を調査研究対象疾患として位置づけている。原因並びに治療方法の解明のための研究に際しては、患者の協力のもとに薬事法上の適応症に含まれない医薬品を使用して進めなければならない症例が多い現状にあるが、このような状況において重要な点は、常に情報が開示されること、医薬品が適切に使用されること、及び効果判定のためのチェック機能、副反応が発生した場合の早急な対処であると考えられる。
 よって特定疾患において、他に治療法が無く医薬品の適応外使用を行う場合には担当医の全面的な自由裁量によるのではなく、海外での有用性の認知、文献的または薬理作用的根拠があること、他の医薬品では一層の効果が望めないこと、安全性が高く副反応が出現した場合でもコントロールできることなどの一定の判断基準を求められるものと考えられる。
 今回の調査においては、対象となった医師は、このような基準に従って医薬品を使用している実態が明らかになった。医薬品の具体的な選択方法等については研究班や専門学会等で討議されるべきであるが、適応外使用の範囲を特定するための医薬品リストを作成し、使用方法、使用量及び副反応への対応方法などを設定して投与を行う必要がある。この報告書には高野班員が平成7年度に調査した医薬品適応外使用のリストを添付した。さらに次の段階として使用例を登録制にして有効性や安全性の一層の検討を進めコンセンサスを得ることが、将来的に保険適応の認可や希少用医薬品の指定に繋がると考えられる。
 不幸にして副反応が生じた場合、医薬品適応外使用は薬事法による副作用報告の対象外となることから従来の製薬会社を経由するルートではなく、担当医は研究班班長に報告し、班長は必要に応じて各班員にその事例を周知させるとともに研究班で医薬品と副反応の因果関係の調査を進め、関連性が強く示唆される場合には班員全員が学会・研究会・論文等にて対象とする特定疾患の研究治療担当医師へ情報の伝達を行うなどにより、情報の普及に努めるべきである。
 今回の調査においては、回答の班員のほぼ全員が患者に対して説明および同意の取得を行っていたが、実施方法は口頭によるものでカルテに事実を記載する形式が多かった。一方患者側の調査結果では8割は口頭で伝えられたのみである。現行の法制度では医師の責任はすべて回避できないまでも患者を納得させる書面による説明及び同意と当事者のサインは今後必要と考えられる。
 今後の課題として、医薬品の適応外使用は医療保険の対象外であるためこのような一定のルールで使用した場合には保険適応にして患者の負担を減らしたり、副反応が生じた場合には被害救済制度の使用を望む回答が多かった。このような点については、今後研究班におけるモデル的な試行を行っていく中で、さらに検討されるべきものと考えられる。このため、報告書には特定疾患の医薬品適応外使用に関する調査対象医師の率直な意見を記載した。

結 語

 特定疾患の医薬品適応外使用に関して、現在は担当医の責任のもとに患者の協力を得て治療が行われているが、調査結果に示されるように担当医はトラブルに巻き込まれる不安を感じながら治療に専念している実態が明らかになった。よって当研究班では、各疾患ごとの適応外使用医薬品のリストの作成並びに使用理由の明確化、文書による説明及び同意とサインの記載、医薬品副反応報告書と報告に関するルール(案)の策定を行った。アンケート調査においては種々の問題が示されており、今後特定疾患対策懇談会等でなされる議論や各研究班において行われる調査研究において本研究成果が活用されれば幸いである。

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特定疾患に係わる医薬品の適応外使用に関するアンケート調査結果患者用

特定疾患者対象
特定疾患に係わる医薬品の適応外使用研究班
班 長  野 崎 貞 彦

 本調査は、特定疾患という原因不明で治療方針が確立されていない病気に使っている薬についてのアンケート調査です。目的は、皆さんの病気に薬を使う場合に説明や同意がきちんとなされているかどうかということを知るための調査です。このアンケートは無記名調査であり、回答内容は統計的に集計され、皆様個人の今後の治療や担当医との関係に不利益になることはありませんのでご安心ください。該当する項目に○を付けご記入ください。

1.現在飲んでいる薬について説明を受けたことがありますか。

1.はい2.いいえ
53851

質問1ではいに○を付けた方は以下の質問2以降にお答えください。
質問1でいいえに○を付けた方は以下の質問7をお答えください。(質問2〜6は省略)

2.説明はどんな形で受けましたか。

1.書類を見せられた2.口頭で伝えられた3.その他(  )
59470

3.説明の内容は理解されましたか。

1.理解できた2.大体理解できた3.ほとんど理解できなかった
23128422

4.薬を使用するにあたり同意を求められましたか。

1.はい2.いいえ
48298

質問4ではいに○を付けた方は以下の質問5にお答えください。

5.同意はどのようにして行ないましたか。

1.口頭で行った2.カルテにサインした3.所定の用紙にサインした
3591277

質問5で2または3に○を付けた方は以下の質問6にお答えください。

6.同意書へ快くサインができましたか。

1.はい2.いいえ
11417

7.現在いろいろな病気に使用されている薬の一部は、あなたの病気のために開発された薬ではありません。他の病気のために開発された薬を、担当医があなたの病気に効く可能性があると判断し、使用しようとする場合についてどう思いますか。

1.拒否する2.積極的に受け入れる3.説明次第で納得できれば受け入れる4.担当医にまかせる
45342151

アンケートへのご協力ありがとうございました。



特定疾患に係わる医薬品の適応外使用に関するアンケート調査結果

特定疾患研究班班長(分科会長)・班員(分科会員)対象

特定疾患に係わる医薬品の適応外使用研究班

班 長  野 崎 貞 彦

 本調査は、特定疾患の治療に携わっている先生方の医薬品の適応外使用に関して、現状を調査し治療法の確立に役立てるのが目的です。該当する項目に○を付けご記入ください。また、内容は統計的に集計され、先生個人の回答結果が公表されることはありませんのでご安心ください。ご協力よろしくお願い申し上げます。

1.特定疾患の治療の際、医薬品の適応外使用について関心を持ったことがありますか。

1.ある2.ない
22131

2.特定疾患の日常診療において、医薬品の適応外使用を行っていますか。

1.しばしば2.時々3.めったに行わない4.行わない
36827058

3.医薬品の適応外使用を行う場合の根拠は何ですか。(複数回答可)

1.薬理作用2.文献3.治験4.その他(  )
1451617215

4.医薬品の適応外使前に、トラブルにまきこまれる不安を感じたことがありますか。

1.いつも2.時々3.めったに行わない4.ない
19785662

5.医薬品適応外使用に関して、患者への説明を行っていますか。

1.いつも2.時々3.めったに行わない4.行わない
128482312

6.どのような場合に説明を行っていますか。

1.すべての医薬品2.特別の薬品のみ(劇薬等)
11191

7.説明を実施する場合どのような方法で行ってますか。

1.口頭説明のみ2.説明文書使用2-1.医師の署名有り2-2.医師の署名無し3.その他(  )
163 2411

7−1.カルテに説明したことを記載していますか。

1.はい2.いいえ
13171

8.説明を行った場合、結果はどうなりましたか。

1.全例同意2.拒否2-1.しばしば2-2.時々2-3.めったに
121 2614

9.患者への同意はどのようにとっていますか。

1.口頭確認のみ2.同意文書使用2-1.患者のサイン有り2-2.患者のサイン無し3.その他(  )
151 44

9−1. カルテに同意事実を記載していますか。

1.はい2.いいえ
13269

10.今後特定疾患において医薬品適応外使用をする場合、すべて文書による同意書をとりつけることは治療の進歩の妨げになると思われますか。

1.妨げにならない2.妨げになる3.使用薬品による4.わからない
120296817

11.医薬品の適応外使用を行った場合、副反応が生じた経験をお持ちですか。

1.はい2.いいえ
81132

12.質問11で1.と答えた方にお聞きします。副反応が出た場合、患者に説明しましたか。

1.はい2.いいえ
79

13.その場合に患者や家族等との間でトラブルを生じたことがありますか。

1.はい2.いいえ
18

14.トラブルを生じた場合どのように対応しましたか。ご記載ください。

最後に記載

15.副反応の発生状況等を、研究班班長や製薬会社・厚生省に報告しましたか。(複数回答可)

1.報告せず2.班長に報告3.製薬会社に報告4.厚生省に報告
511441

16.医薬品の適応外使用で副反応が生じた場合、被害救済給付の適応が必要と思いますか。

1.はい2.いいえ
19817

17. 特定疾患と癌や循環器疾患等の他の疾患とで、適応外使用の機会や場面は異なると思いますか。

1.異なると思う2.異なると思わない3.症例や使用薬品による4.わからない
97476620

18.特定疾患と癌や循環器疾患等の他の疾患とで、適応外使用の頻度はどうですか。

1.特定疾患の方が多い2.特定疾患の方が少ない
9687

19.特定疾患の各研究班が、医薬品の適応外使用に関する情報を把握する必要が有りますか。

1.すべて必要である2.特定の薬品について必要である3.必要ない
5715319

20.質問19で1あるいは2と答えた方にお聞きします。

各研究班で医薬品の適応外使用に関する情報担当班員を置く必要がありますか。

1.はい2.いいえ
12286

21. 適応外使用の症例を登録管理する必要はありますか。

1.すべて必要2.疾患や薬品を限定して必要3.必要ない
1617738

22. 希少疾患指定医薬品(オーファンドラッグ)の制度の適用についてどう思いますか。

1.知らない2.積極的に活用していきたい3.メリットが少ない
59153

23. 医薬品の適応外使用は保険の範疇に含まれないため患者の自己負担となります。これについて考えられたことがありますか。

1.はい2.いいえ
18941

24.医薬品の適応外使用に関して、どのように処理してますか。

1.自己負担2.病院で負担3.仕方なく傷病名追加4.その他(  )
335413725

25. 製薬メーカーが治験の申請を行わないため薬価未収載となっているものについても、保険適用拡大の特例として対処すべきと思いますか。

1.特例で対処すべきである2.特例で対処すべきでない3.その他(  )
19125

26. 特定疾患の医薬品の適応外使用は、対象患者数や疾病ごとの使用総量が少ないため、製薬会社は適応治験を行いにくい状況にあります。適応外使用のルール作りは必要であると思いますか。

1.必要である2.いくつかの疾患について必要である3.必要でない
16068

27. 当研究班では、特定疾患の医薬品の適応外使用ガイドラインの作成を目的としております。 先生方が適応外使用を行うに当たり、どのような項目が各疾患共通のルールとして必要と思われますか。
ご記載ください。

最後に記載

アンケート調査へのご協力ありがとうございました。



班員の意見(アンケート問14、問27)

問14.「トラブルが生じた場合どのように対応しましたか」

(1)要約
 トラブルの意味を副反応の発生した場合と捉えた答が多かった。結局は、副反応によりトラブルが起きたケースは1例もなかった。
 14人がこの設問に答えているが、患者への説明としては、3人が「説明を行い、納得を得た」としている。また、自己免疫疾患の班の一人は「投薬前の説明」により問題なかったとしている。
 出現した副反応に対して、8人は「薬剤の中止」を行っている。副反応そのものへの対応として、突発性造血障害の一人は「ステロイド、解熱剤等の投与」、急性高度難聴の班の一人は「対症療法」「他科の専門医との連携」、稀少難治性皮膚疾患の班の一人は「適切な処置」「副作用消失までのモニタリング」、混合性結合組織病の班の一人は「原則として入院」を行っていた。

(2)記載文
 文章は若干の手直しを行った。
1)突発性造血障害
「再生不良性貧血中等症に対し当時適応となっていなかったALG(非リンパ球グログリン:ミドリ十字)を使用して、1例は関節炎を2週後に発症1例は急性一過性の近視をおこした。前者はステロイドの増量で消失、後者は投与を中止した。後者の副作用は不測の事態であったがその説明し旨了解を得た。」
「副反応をおさえる薬の投与(解熱剤、steroid等)。その薬の中止。」
「臨床治験であったため直ちに実質担当者およびメーカーの担当者に報告し指示を仰いだ。」
「ありのままを詳細に説明。」
「とくにトラブルを生じ問題となった事例の経験はない。」

2)自己免疫疾患
「使用した適応外の薬はリウマチに対するメソトンキセートであり、副作用は主に肝障害であった。これは使用前に充分に説明しており、トラブルとなったことはない。」

3)急性高度難聴
「対症療法」
「関連した他科の専門医とともに特定疾患の特殊性、適応外使用の必要性及び同薬剤の本来の適応症例に対して使用した際の安全性を詳しく説明し納得頂いた。」

4)特発性心筋症
「該当薬の変更または中止(ACE阻害剤の心不全使用による咳嗽)。」

5)稀少難治性皮膚疾患
「薬剤中止、適切処置、副作用消失までのモニタリング。」
「原因薬剤を中止し適当な治療を施行した。」

6)強皮症
「薬剤の中止により症状消失・必要に応じ適切な処置をとった。」

7)混合性結合組織病
「原則として入院加療、薬剤は中止。」

8)特定疾患に関する免疫研究班
「薬剤の減量、または中止。」

問27.「当研究班では、特定疾患の医薬品の適応外使用ガイドラインの作成を目的としております。先生方が適応外使用を行うに当たり、どのような項目が各疾患共通のルールとして必要と思われますか。」

(1)要約
 (  )内は同様あるいは類似の意見の件数。

1)特定疾患の適応外使用の医薬品の種類の選定については「他の薬剤が効果のない場合」「副作用の少ないこと、副作用をコントロールできること」「有用であること」など臨床的に有用である必要があるという意見が多かった(14)。これらの医薬品をどのような根拠で選ぶかは「既に外国で有用が認められている」(11)、「客観的根拠がある」(2)、「文献的根拠がある」(6)、「薬理的根拠がある」(7)としている。それにつけ加えて「安全性が高いこと」(4)、「他の薬剤との相互作用が明らかなこと」(2)、「疾患の緊急性(重症膵炎など)」(1)を挙げているものもあった。選定の方法は「専門家あるいは専門学会が決める」(4)、「特定疾患の研究班が決める」(5)、「その他のチーム」(1)が挙げられている。これまでの経験として「オーファンドラッグの審査その後の過程が遅い」(1)、「外国の医薬品の輸入の際、厚生省の許可と学会内の倫理委員会を通すのに長い時間と労力をかけた事がある」(1)との意見が見られた。

2)患者の同意についてふれている意見(30)のなかで、ただ「必要」としているもの(19)、「説明文や患者のサインが必要」(7)、「治験の方法に準拠」(2)などであった。「医療サイドばかりでなく、患者との共同・協力によるchallengeを本質としている同意書が必要」という意見もあった。

3)費用については、「費用負担の明確化」(6)、「保険適応にする」(6)、「公的負担」(2)、「例外措置」(1)があった。個々の意見としては「自己負担は貧富で治療に格差を付ける」「自分の病院は保険診療と自己診療の併用ができない」「特定疾患以外の患者との公平性を保つべき」というものもあった。

4)副反応(副作用)については「救済の方法の確立」(9)、「報告などの速やかな対応」(4)、「責任の明確化」(2)、「国の責任の明確化」(1)、「(副作用の)全国的なと統一基準」(2)があった。「重篤な副作用に対する法的擁護(患者側医師側両方に)が必要」という意見もあった。

5)特定疾患に関する情報については「情報の開示・速やかな伝達」(5)があり、このなかで「効能書の充実」「研究班内の意見のオープンディスカッション」「E-mailの使用」(2)などがあった。

6)医薬品の適応外使用の体制づくりには様々の意見があった。何らかの管理組織が必要と答えたもの(11)は、「研究班内に小委員会」(1)「倫理的問題の場合は非医療従事者」(1)、「倫理委員会あるいは治験委員会」(3)、「メーカー、病院ではない公的機関」(1)「これまで使われている薬には仮の小委員会」(1)、「チェク体制」(2)、「多施設での基準」(1)、「しかるべき機関」(1)であった。

7)ガイドラインの必要性を強調するもの(3)、ガイドラインをうまく運用するべき(2)という意見もあった。

8)適応外使用の場合「限られた医師」(3)、「限られた施設」(2)で行うべきであるという意見もあった。

9)意見の内容から「登録制度」「報告制度」を念頭に置いているものが多かった。そのなかでやや否定的な意見としては「重篤な副作用が予測される医薬品については使用のガイドラインを厳密に定める・使用経験が長く副作用も軽い医薬品については主治医の判断にまかせることとしてこまかい規則のルールは作らない」、「現実には適応を拡大解釈することにより使用している薬品のほうが適応薬剤より使用頻度が高い。本制度の導入にあたっては『適応外』の解釈をあまり厳密にとらないで現実に即して弾力をもたせることが必要」という意見も見られた。

10)その他の(印象的な)意見
「保険適応外薬品は『実験的』や『研究的』実験をしているわけでなく、・・・わが国での対応が遅れている・・・」
「製薬会社が種々のmerit・demeritのもとで効果が明らかな薬剤の申請を控えている状況は社会的責任を全うしていないと考える」
「班員でない医師も特定疾患に対して医薬品の適応外使用を行っていますので、今回のアンケート結果だけで果たして現状の把握ができるのでしょうか?」
「適応疾患と適応外医薬品の投与する適応基準を明確にする必要がある・適応疾患の診断基準にかなった症例のみ対象とすることを厳重に規定する・除外疾患を明確にする・併用薬剤をきちんと制限する・予後調査を積極的に協力する施設を選ぶ。そのために参加施設から誓約文を提出させる(年余にわたる予後が必要であるため)・治験規定に違反した施設は除設する」
「病態が基礎科学のレベルでメカニズムの点で解明され、特異的な治療薬の応用が有効であることが確認されているか、効果が強く期待できる薬物に限定してオーファンドラッグへの申請促進を行いつつ、短期的な適応外使用を考えるという原則が必要」
「有効な薬は医師は積極的に使用してゆくべきである。それが医師の患者を治すということの義務である。勿論副作用については担当医師はその責任がある。」
「この全てのトラブルの源は薬理作用に基づいた適応をルールにしていない姿勢にある。従って学問の問題でなく政策に原因がある。それを是正すれば済むと考えられる。」

(2)記載文
 文章は若干の手直しを行った。また今回のアンケートに直接関係のないもの(疾患の説明など)は省略した。

1)突発性造血障害 「説明文書使用したインフォームドコンセントで患者のサイン付きが必要と思う。」
「特に気づいた点のみを示す。1.外国で既に標準的治療として認められている治療法についてはその実績を尊重し、いちいち正式の治験の過程を(最初からはじめては長時間かかる)ふむ必要はないと思う。2.副作用やインホームドコンセント等の対策は常識的に治験に使用しているものを準用すればよいと思う。3.保険適応外薬品の使用については患者の自己負担の例外を認めて頂きたい。病院や講座としては『実験的』や『研究的』実験をしているのではなく、多くは政策で既にスタンダードとなっている治療法や文献的に明確な治療実験の確立されているものを使用しているのであり、わが国での対応が遅れているに過ぎないからである。」
「患者に対するインフォームドコンセント・費用負担の明確化・副作用出現時の責任の所在の明確化」
「1.製薬会社が種々のmerit・demeritのもとで効果が明らかな薬剤の申請を控えている状況は社会的責任を全うしていないと考える。2.ただし、申請過程であまり意味のない(効果が明らかなため)studyを型通り進めることにも疑問があり、one aim study で良いものはその配慮をすべきであると考える。3.保険外適応については大学病院(国立)であるため、研究費、病院負担ですべて処理している。自己負担は貧富で治療に格差を付けるおそれがある。4.一方で安全性の確保に対しては最大の努力をしなければならない。5.以上の点考慮すると同意説明書等は欧米のごとく詳細なものが必要である。医療サイドからだけのchallengeではなく、医療サイドと患者の共同、協力によるchallengeを本質としていることが理解できるような同意書が必要であると考える。」
「1.有効率、副作用等の情報が集積されることが好ましいと思う。2.いずれかの国(ICHに参加の)において当該疾患に対する有効性と安産性が確認され、適応がとれていること。」
「臨床での薬理作用、欧米での実験が十分であると判定されるものを専門医の集団および学会で判断して使用の方向を探っていただきたい。」
「当該医師の認定(資格のとり決め)」
「この回答には現在造血障害(ITP、溶血性貧血など)で日常的に問題となり得る適応外使用薬品、たとえばアンドロゲンの一部(メトロチオスタンなど)、ダナゾール(ボンゾール)、小紫胡湯、加味帰脾湯など)、セファランチン、エンドキサン、イムランなどのいわゆる免疫抑制薬として繁用されている薬物を念頭においた。活性化ビタミンD製剤の大量使用や免疫抑制薬としてのシクロスポリン、タクロリムスなども試用が可能となるべきと思われる。同様にIgGの静注もITP以外の一部の症例で望まれる可能性がある。さらにTTPやHUSにおける????(FFPによる)の回数など適応が厳しすぎて、症例毎の使用に制約が強い場合があるようである。これら先端的な適応外使用にあたっては費用負担の問題もあるが、使用を許可する施設の枠づけも必要となるのではないか(血液学会認定施設や専門医のいる施設あるいは班員と関連施設など)。事故が発生したときの対応策も全国的な統一基準が必要となるであろう。」
「学会または研究班においてauthorizeされた薬物のみに限る。あくまで特別な疾患に対する治療薬なので研究班員もしくは学会の承認をうけた医師(あるいは施設)でのみ使用可とする。少なくとも口頭での薬物の性質、副作用などを患者に説明して同意を得ること。」

2)原発性免疫不全症候群
「その医薬品の必要性、たとえ使用例が少なくとも、長期予後に重要であるようならば、使用を進めていただきたい。」
「副作用情報を管理する。」
「実際には適応になることの客観的根拠があること・多数の医師間でコンセンサスがあること・倫理的問題が生じると考えられる場合は非医療従事者を交えた委員会での同意がえられること。」
「適応医薬品の中に効果的なものがないこと。薬理学的な観点から効果が期待出来、副作用が少ないか、あってもコントロール可能なこと・文献的に効果が明らかにされていること。インフォームドコンセントを文書で確認すること。当該施設の倫理委員会の承認を得ること。」

3)難治性血管炎
「適応薬剤が副作用等で使用できず、適応外薬剤に頼らざるを得ない場合、代替がない場合・急速進行性の場合・他に治療法の選択がない場合。」
「その医薬品の使用する病態の明記と、その投与量期間、およびメルクマールの設定(できるならば)・副作用のすべての記述とその対処法・他の薬剤(適応内)との相互作用の情報。」
「他国の学会などで有効性が確立されたもの・FDAなど他国の公的機関に認められたもの・オーファンドラックとして有効性が報告されており、従来の治療には無効な症例について適応を認める」

4)自己免疫疾患
「システムを作成する−研究班内に「適応外使用認可に関する小委員会」などを作り、ここで班としての方向を決定する。適応外使用を希望する者は薬剤と対象疾患を委員会に提出し審査を受ける。小委員会では臨床、薬理、免疫などの多方面からのエキスパートがその妥当性を検討する。このようなシステムのたたき台としてこれまでに使用されている頻度の高い適応外医薬品をあげ、これの審議をまず仮の小委員会等で議論してみてはどうか?(例えばアザチオプリン、エンドキサンetc.の免疫抑制剤について)」
「問題はインフォームドコンセントと副作用(重篤)に対する患者救済の確立だと思う」
「従来の治療法で無効あるいは副作用が強いとき・従来の代替法よりも明らかに(第一選択薬としてよい位)効果があり初期に使用すれば疾患に生じる重篤な機能障害の予防が可能なときは第一選択薬として使用・従来の治療薬により2次的に生ずる副作用を阻止する必要のあるとき。」
「インフォームドコンセントの徹底・適応外使用可薬品の指定・適応外使用開始に必要な手続きの共通化、簡素化。」
「本邦で治験などの経過がないため適応外とされる薬剤でも明らかに有効性が認められるものについては、特定の疾患症状に応じて適応を認めるべきである。その際、生じる副作用についても充分に説明されている場合、被害救済給付を行政的面より整備すべきである。」
「患者の同意について・疾病名と(活動性も含む)薬剤の対応について(即ち適応外使用を認める疾病名を限定できないか)・効用のcheck体制について・副作用のcheck体制について・重篤な副作用出現時の対応について。」
「薬効が『文献』あるいは『諸外国での検討』等により確かめられていること・従来の適応薬では充分な薬効が得られず、非適応薬に効果が期待される場合・適応薬が副作用で使用できない場合。」 「適応外使用については具体的に疾患毎にどういう病態の時に(如何なる条件下で)どういう医薬品は止むを得ず使用するのも(現状では)可とすべきであろう。(班員でない医師も特定疾患に対して医薬品の適応外使用を行っていますので、今回のアンケート結果だけで果たして現状の把握が出来るのでしょうか?したがってアンケートの結果の解釈は相当慎重であらねばならないと思いますが)。」
「適応外医薬品の使用目的と投与方法を特定疾患各々でガイドラインを作成し統一する・使用する医薬品の費用の負担方法を統一する。」

5)ホルモン受容機構異常
「informed consentを得る・副作用が生じる可能性が極めて低いこと。」
「特定疾患での使用成績を適応拡大のための評価に生かす。」
「診断基準の確立・治療効果判定基準の確立・治療効果予測指標の確立。」
「既に先進国で認可されているもの・複数の学会誌で有効性が報告されているもの・重大な副作用の可能性のないもの・患者の同意。」
「同意文書の使用と患者のサイン・使用した場合は報告(公的機関)し、治験のデータの対象とする。副作用の出た場合も当然報告する。治験データとして採用する場合はそれと関する費用の公的負担を考える。」
「特定疾患の具体例について検討されるべきである。従って、当研究班としてはどの様な疾患にどのような医薬品の適応外使用があるかを知らないと、患者用アンケート調査票は難しいと思うが。」

6)間脳下垂体機能障害
「特定疾患に対する、特定薬品の適応外使用は学会が効果ありと認定した場合は使用可とすべきである。適応疾患でその薬剤の副作用調査がなされている場合、あらためて副作用調査を行うことは、時間と労力と費用のムダでしかない。」

7)副腎ホルモン産生異常
「診断、治療が困難な、社会的にも重要な疾患が、特定疾患に指定されている現状では、特定疾患における適応外使用の問題は避けられないと思われます。そのような状況下では、必要な場合は常に情報が公開される制度のもとでの運用が大切となりますので、適応外使用の登録制度を早急に作ることが重要と思われる。」
「適応外使用は、他に有効な治療法がない場合に、外国で有効性が報告されている薬剤を使用するもので、医師の研究目的ではなく、あくまで患者さんの疾病治療が主目的である。それ故、このような医療行為が法律的、経済的、倫理的に問題なく円滑に実施できるルール作りはきわめて重要と考える。具体的には、1)治験に準じた同意方法の確立、2)費用負担は病院以外とし、自己負担あるいは保険適用の拡大、3)副反応が生じた際の責任の所在の明確化(国内での治験が未実施との事で治療効果の期待と裏腹にriskは高い)、国の責任を明確化する必要があり、4)結果的に副反応が生じた際の患者救済法の確立などが重要であると考えられる。班員あるいは関連医師以外の医師が適用外使用する際にガイドラインが周知徹底しない可能性があるので、効能書の充実が必要である。外国製医薬品も全く同様に扱われる必要がある。」
「他国での治験成績を活用できるようにする。特定疾患研究班あるいは特定の審査委員会が使用可能かどうか判断できる等の場をつくる。」
「副作用がない・効果が薬理学的に十分に期待できる・使用期間。」
「同意取得の形式(説明文書様式ー患者同意記録法まですべて含む)・損害賠償、責任の所在について明文化・薬剤(治療)に関わるコストについて。」
「薬剤の有効性が質の高い医学専門誌や総合医学雑誌に症例報告などで報告され評価されていること、薬剤の安全性が薬理学的にみて問題がないこと。特に(特定)疾患に投与されている薬剤や投与されることが予想される薬剤との相互作用、吸収、排泄経路などの影響が検討されていること。薬剤が複数の作用(機序)を有する場合にはその各々の作用について疾患に明らかな副作用をきたさないこと。(例)バーター症候群に対するACE阻害剤、K上昇、血圧低下・他に有効な薬剤が無いか、無効であった場合・薬剤の作用機序からある程度有効性が期待できること。(例)PG製剤、ASOの他IHD、TIAにも効果が期待できる。」

8)中枢性摂食異常症
「患者の同意・事故発生時の救済」
「使用の目的、薬理学的必然性などを明確に記載し、その結果がどうであったかを集積し、その合理性を打ち出していく必要あり。」
「ある一定の効果が期待できる・副作用が軽度もしくは軽度である容量に限定・ある一定の期間内投与・患者が希望していること・他に効果のある医薬品が少ない(効果がなかった)。」

9)原発性高脂血症
「インフォームドコンセントをきちんと行うこと・医薬品の管理のルールを確立すること。」
「適応外使用の疾患と薬品の妥当性を検討するための専門家を含めた組織で使用の検討と使用許可を行う。」
「適応外使用についての有用性を、例えば外国例などを中心に検討し、その使用ガイドラインを作る第三者的委員会がいる。薬の治験は第三者的機関を作り、そこに集中させる。あるいは循環器系なら国立循環器病センターが中心になり行い、phase4についても実施する。製薬メーカー、特定の専門家による治験委員会は中止すべきである。」
「適応外使用の有用性を実証する方法、手続きの確立・使用上の注意事項の明記及びモニター法。」

10)アミロイドーシス
「インフォームドコンセントが的確におこなわれているか。手続きの簡素化ー特定疾患ではないがアドレノリューコデイストロフィーの患者にコレンツオイルの使用希望があり外国の会社から輸入して使用したことがある。厚生省の許可と学内の倫理委員会を通すまで長い時間と労力をかけたことがある。医薬品の適応外使用の概念をはっきりすること、および特定疾患には本来治療が確立しているものが少なく、このなかにはいる薬はほとんどないのではないかと考えられるが。」
「患者自己負担がトラブルのもととなるのでこの点をはっきりさせる。」

11)運動失調症
「経験的にも文献上も有効性が認められている医薬品については患者の治療上有益である限り保険で使用が認められるように希望する。」
「重篤な副作用が予測される医薬品については、使用のガイドラインを厳密に定める。使用経験が長く副作用も軽い医薬品については、主治医の判断にまかせることとしてこまかい規則のルールは作らない。」

12)神経変性疾患
「1.治験、2.病態から判断して適応薬剤では得られない効果が期待される。」
「投与量、投与期間などの投与方法・治験。」

13)網膜脈絡膜・視神経萎縮症
「一施設のみで行うのではなく、他施設で一定の基準を作って薬剤の評価を行えるようなシステムを作る必要がある。」

14)前庭機能異常
「他の疾患に準じられるもの(病態が同一または類似のもの)には医薬品使用にあたって『・・・に準じて使用』を可能にする。」
「患者への説明と同意(文書で)が必要・副作用発生時のすみやかな対応(A患者への対処B報告体制)・副作用発生時の責任の所在と副作用の治療費の公的運用。」
「適応内薬剤が使用できない例(ex.副作用のため)・適応外薬剤の方が効果がみられる例。」

15)急性高度難聴
「適応外使用の症例の登録とその臨床成績、副反応発生の状況を定期的にチェックするシステムを作る。とくに薬理作用が不明確な薬剤については厳重に管理する必要がある。」
「保険適用の薬剤で疾患には適応外の薬剤については保険適用拡大の解釈として対応してもよいと思う(例:プロスタグランディンE1)。保険に未収載で治験的な薬剤については一定のルールを決める必要があると思うし、また必要である。」
「現実には適応を拡大解釈することにより使用している薬品のほうが適応薬剤より使用頻度が高い。本制度の導入にあたっては『適応外』の解釈をあまり厳密にとらないで現実に即して弾力をもたせることが必要と思われる。」

16)特発性心筋症
「インフォームドコンセントの確実な実施。疾患、薬剤毎の実状把握と適応外使用の登録を疾患、薬剤を限定して行う。適応外使用の医療上の認知−適応外使用の調査、登録を行う際には前提とすべき。」

17)びまん性肺疾患
「わが国独自のものを作って頂きたいと思う。保険適応と医学的適応が100%々でないため生じる現象と考えるが、私の専門分野ではこの種の薬品はない。」
「適応疾患と適応外医薬品の投与する適応基準を明確にする必要がある。適応疾患の診断基準にかなった症例のみ対象とすることを厳重に規定する。除外疾患を明確にする。併用薬剤をきちんと制限する。予後調査を積極的に協力する施設を選ぶ。そのために参加施設から誓約文を提出させる(年余にわたる予後が必要であるため)。治験規定に違反した施設は除設する。」

18)呼吸不全 「病態が基礎科学のレベルでメカニズムの点で解明され、特異的な治療薬の応用が有効であることが確認されているか強く期待できる薬物に限定して、オーファンドラッグへの申請促進を行いつつ、短期的な適応外使用を考えるという原則が必要と思われる。」
「同意書・副反応の報告・費用負担」
「有効な薬は医師は積極的に使用してゆくべきである。それが医師の患者を治すということの義務である。勿論副作用については担当医師はその責任がある。難病といわれるものは症例が少ないので製薬企業にとってのメリットは少ない。オーファンドラッグ制度は良い制度であるが、審査その後の進行過程がきわめておそい。重症疾患に対する治療の重要性の認識がきわめて薄い場合がある。そのため進行がおそいのは遺憾である。広く専門家の意見を聴取すべきである。有効薬剤の薬価収載がおそいのは何故かについて検討を要する。薬価未収載薬は有効なものは特例として対処すべきである。」

19)難治性炎症性腸管疾患
「安全性が確立している・起こりうる副作用がわかっている・海外の文献でその疾患に有効性が証明されている。」
「適応外医薬品の費用と負担の方法の確立(例えば、特定疾患治療費や製薬メーカー負担分など)・重篤な副作用に対する法的擁護(患者側医師側両方に)・政策における治験結果をもとにしてでも適応疾患に入れることにも努力する必要がある。」
「特定疾患の各研究班で治療指針にかかげることのできる薬剤にかぎる。」
「薬理作用からみてあるいは文献的に臨床上有効であるとの報告がある薬剤について適応外使用を認める。条件として患者の同意をえる(文書で)。」
「国際的に有効性が認められている薬剤については適応を追加して欲しい(従来の治験の必要なく)。」

20)難治性の肝疾患
「使用する根拠、基準の作成(文献、治験、薬理作用から)。」
「1.他に必要な治療法(医薬品)が確立されていないこと、2.使用する医薬品がその疾患に対して明確な薬理、作用機序を有していることが推察されること、3.インフォームドコンセントの必要性、4.医薬品費用の負担の問題。」

21)門脈血行異常症
「自分ではやっていないので勝手な事を書きますが、やはりインフォームドコンセントとさわがれている今日では患者の同意を書類にする必要があると思います。」
「薬効、副反応などについての充分なInformed consent。」
「Informed consentの同意書の書面、説明文。適応外医薬品使用時の治療費負担に関すること。副作用発生時の対処ー報告の義務、被害者救済の方法。」
「1.『医薬品の適応外使用の目的』を患者に説明、2.当該医薬品の予測される効果の程度および副作用の説明、3.書面による同意書、4.副作用報告書、5.終了報告書、6.倫理委員会あるいはそれに準ずる審査機関による審査、7.副作用に対する補償制度の確立、8.医薬品の公的負担の確立。」
「1.Informed consentの一定の様式、2.適応外使用薬品に対する保険による負担、3.特定疾患に関して医薬品適応外使用の許可(認可)、4.メーカーに対する補助と製品化。」

22)肝内結石症
「meritに対する理論的背景の確立・side effect時の救済法の確立・研究班内でのmerit、demeritに関するopen discussion 。」
「薬剤情報(副作用を含め)・インフォームドコンセント・薬の代金の出所を明確に。」

23)難治性膵疾患
「1.効果が充分に期待できる根拠が明らかなこと。薬理作用、外国での使用状況、臨床報告etc.で、2.安全性が高いこと。副作用が重篤でないか、重篤例は極めてまれ、3.本人の書面による同意が得られること、(4.充分に効果判定ができる治験計画の一環)、将来的に。性質上無理かも知れません。」
「保険適応外の医薬品であっても治療に必要なものであれば使用すべきと考える。その際、患者およびその家族に理由を説明し自己負担をお願いしたいが。当病院では保険診療と自費診療の併用ができないそうである。医薬品の適応外使用時の費用支払い方法についてもご考慮お願いします。」
「なんらかの共通のルールがあることは望ましいが、たとえば重傷膵炎のように緊急に対処しなければならないような疾患に対しては特例処置を考慮すべきと思う。」
「適応疾患、病態の限定・用量、用法・効能、薬理作用・副作用が生じた時の報告体制、補償など。」

24)稀少難治性皮膚疾患
「治療の効果、副反応に関する情報をできる限り迅速に知り対処するために、E-mailなどの活用も有効であると思われる。」
「有効性がはっきり認められるもの・高度の副作用がない・類似疾患で効果がはっきりし、かつ長期に渡って使用されその安全性が確立されているもの。」
「副反応が生じた場合の被害救済制度の確立。」

25)強皮症
「信頼出来る国内外の文献の活用・研究班での評価・研究班での治療成績結果。」

26)混合性結合組織病
「適応外使用薬の使用が海外の文献にある。インフォームドコンセントが必要。適応となる薬剤がほかに無いか副作用で使えない。使用できる医薬品を限定すべきではないが使用する医師または病院を限定する。」
「ガイドラインを遵守した場合は保険適応を考慮していただきたい。」
「適応外使用医薬品のなかでとくに、海外主要先進国では広く認可されている薬品、あるいは現状の一致した見解として使用価値が大きい薬品は、特別に速やかに対応できるようまずその選別を有効にできる機構(チーム)が第一に必要である。」
「ガイドラインにそって投与されたならば必ず保険適応となるという保証とする。この保証がなければガイドラインの単なる判定は、むしろ新しいあるいは先端的な特定疾患の治療の足かせとなるばかりで、患者にとっては福音とはならない。」

27)脊柱靭帯骨化症
「投与前の全身状態の確認・投与中の全身状態の確認・投与終了後の全身状態の確認・投与中及び終了後の異常所見の報告義務・当該薬剤の効果判定の報告義務・効果判定報告後の当研究班内での効果判定の試み、班員への報告。」
「症例のもつさまざまな条件がそれぞれに多様であることに注意していただきたい。患者の最大利得は治療効果であり、特定疾患の定義からみてあらゆる可能な方法が探られる必要がある。また、特定疾患以外の患者との公平性にも注意していただきたいと考えます。」
「各特定疾患に対する調査研究班が先ず、いかなる疾患のいかなる症状(あるいは検査所見)に対して本来適応外である薬をいかに使用すべきか、という基本方針を明確にし、各班員はこの方針に基づいて医薬品の適応外使用を行う必要があると考える。また適応外使用は、基本的に限定された施設、すなわち班員が所属する病院でのみ行われるべきと考えている。」

28)特発性大腿骨頭壊死症
「安全性が高い・本人の承諾が必要・動物実験等により十分に有効性が確認されている。」

29)進行性腎障害
「適応外使用薬品名、使用量、期間、効果判定等の使用法・適応外使用疾患名・適応外使用目的、効果(過去使用例の紹介)・副作用。」

30)特定疾患に関する微生物研究班
「この全てのトラブルの源は薬理作用に基づいた適応をルールにしていない姿勢にある。従って学問の問題でなく政策に原因がある。それを是正すれば済むと考えられる。」

31)特定疾患に関する免疫研究班
「科学的根拠と情報の開示、集積ー個々の担当医の思いつきをすべて許可するのは望ましくない。少なくとも海外での文献例の存在すること、あるいは複数の専門医の合意が前提となろう。また治験経験が散発に終わってはならず、適当な方法で報告し、集積する必要がある。患者の同意ーこれは医師側をprotectするためにも是非必要。」
「治療成績の把握及び班としての公表・班主導の小規模の治療試験・班からの薬剤の供給(治験の困難な場合)。」

32)神経疾患に関する分子病態研究班
「適応外使用は治験も含めメーカー、病院ベースではなく、公的機関が期限を設けて行い、情報を管理する。副作用についてはすでに把握されているため、半年毎に情報を開示、交換し、有効なものについてはどのように少数疾患であっても早急に一般の使用に供し、かつ保険適用の努力をする。」
「何らかの形で投与が有効であるか無効であるかの判断が可能になる様なシステムが必要と思う。しかし投与する薬剤も種々であり、すべての薬剤を管理することは難しいかと思う。しかしどの様な薬を投与しているかの実態を把握する必要はあると思う。以上の点により、1)保険適応外薬品を使用する際は届け出る(基本的に1ヵ月以上の長期投与)、2)一部の薬品についてはその効果が明らかになる様に一定の間隔で投与結果を報告する。」
「特定の医薬品についての有効性に関する充分な根拠があること。文献上の報告例、動物実験、基本的な薬理作用等各施設での症例の蓄積・副作用が生じた場合の対応のしかたや保障の問題について。患者の同意・各施設の治験委員会の承認等。」
「適応外薬剤が患者に付帯する病的状態を改善することを目的としたものであること。この病的状態の起因が患者の罹患している特定疾患に直接あるいは間接的に関連していること。その関連性をできる限り明確にすること。適応外薬剤の使用(投与)に当たり患者の理解、同意のあること。使用した結果、どのような効果がもたらされたかあるいは否かを明確に記録すること。副反応(因果関係が明らかである)については速やかにしかるべき機関に報告すること。治験、研究目的としたものでないこと。」
「基本的に適応を拡大する方向で対処していくべきである。」
「薬剤の疾患に対しての効果が明白であること。インフォームドコンセントをとること。」

33)特定疾患に関する病態モデル研究
「常に効果の有無、副反応の発生などをチェックするシステムがスムーズに行われることが必要で、そのためにE-mailやFAXを用いた情報収集が必要と思われる。」
「文献的にその医薬品の効果が明らかであることを対象特定疾患に関する情報として文書で明記し、配布することが必要ではないか。」

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特定疾患調査研究における医薬品の適応外使用指針(案)

特定疾患の医薬品の適応外使用調査研究班

 治療方法が未確立である特定疾患の調査研究において、研究者が効果的な治療法を開発するために行う医薬品の適応外使用(以下「適応外使用」という。)については、患者の人権が十分に尊重されるとともに、使用する医薬品の効果と安全性に対する慎重な配慮がなされる必要があるため、次のとおり特定疾患調査研究における医薬品の適応外使用指針(以下「指針」という。)を定める。

(適用範囲)

一.厚生省の特定疾患調査研究(以下「調査研究」という。)として特定疾患調査研究班(臓器別臨床調査研究班における臨床研究分科会を含む。以下同じ。)において行われる適応外使用は、薬事法(昭和35年法律第 145号)に定める臨床試験として行われる場合を除き、この指針の定めるところにより行う。

(適応外使用の基準及び管理)

二.特定疾患調査研究班は、調査研究のために適応外使用を行う場合は、あらかじめ疾患別の適応外使用薬品リスト(以下「リスト」という。)を作成しておかなければならない。
2.特定疾患調査研究班は、リストの作成に当たっては、次の(1)の要件に加え、(2)又は(3)の要件を充足するよう留意しなければならない。
 (1) 現状の医学的な知見によれば、効果的な治療方法がなく、又は一定の治療方法はあるもののより効果的な治療方法を確立する必要があると認められること。
 (2) 当該適応外使用について、国内外の文献により有効性が示唆されていること。
 (3) 医薬品の作用機序から一定の効果が期待されること。
3.特定疾患調査研究班は、リスト搭載の医薬品の効果判定に関する基準を定めるとともに、次の医薬品についての使用方法、使用量及び副反応への対応方法等を定めておかなければならない。
 (1) 重篤な副反応が予測されるもの
 (2) 使用経験が短いため若しくは使用例が少ないために副反応情報の蓄積が少ないもの

(インフォームド・コンセント)

三.適応外使用を行おうとする者、あらかじめ患者の状況によってはその家族(以下「患者側」という。)に対して、患者の状況、実施しようとする治療の方法、当該治療法に期待される効果とその根拠及び副反応のおそれ等について十分説明し、患者側の同意を得ておかなければならない。
2.前項の説明は、特定疾患査研究班が作成する別紙1−1の「特定疾患の医薬品適応外使用に関する総括説明書」及び別紙1−2の「項目別説明書」に従って行い、別紙2の「同意書」により患者側の同意を確認しておかなければならない。

(副反応情報の報告等)

四.適応外使用を行った研究者は、次のいずれかに該当する場合には、別紙3の「医薬品副反応報告書」により、速やかに特定疾患調査研究班長に報告しなければならない。
 (1) 当該医薬品の副反応と思われる原因により患者が死亡し若しく重篤な状態に至った場合
 (2) 当該医薬品の副反応と思われる軽度又は中等度の症例が反復して認められる場合
2.特定疾患査研究班の長は、前項の報告を受けたときは速やかに各班員にその内容を周知し、当該適応外使用と副反応と思われる症例との因果関係を調査する等の措置を講じるとともに、必要に応じてその結果を関係機関に連絡しなければならない。

(情報の収集)

五.適応外使用に携わる研究者は、当該医薬品の安全性等に関する国内外の情報を幅広く収集し、知り得た情報を適切に班長及び関係機関に連絡するよう努めなければならない。

附 則
この指針は、平成  年  月  日から適用する。


別紙1−1

特定疾患の医薬品適応外使用に関する総括説明書
(各疾患共通)

 あなた又はあなたの家族の方が現在かかっている病気は比較的まれであり、たえず原因の追求やより良い治療法を模索している段階です。そのため厚生省はこの病気を“特定疾患”に指定して、私たち専門医のグル−プに委嘱をして病気の解明と治療法の確立を進めております。一般の病気の治療に当たって大きな役割を担う医薬品は、どのような病気に使用してよいかが決められており、その範囲でのみ医療保険の適応が認められています (医薬品の適応使用)。

 しかし、あなた(あなたの家族)の病気には、保険で認められた範囲以外で薬を使わなければなりません。これから使用しようとする薬は、他の病気には有効であることわかっていますが、この病気に対する効果は必ずしも充分にはわかっていません。しかしこの病気の専門家の経験や報告などから、主治医がこの病気に効果がある可能性が強いと判断した薬です (医薬品の適応外使用)
よってあなたの病気に対して

薬(                      )

を使用することにより病気が良くなる可能性が期待されます。しかしこの薬の使用は医薬品の適応使用と同様に適応外の使用においても、なんらかの副反応が生じるかもしれません。
 そこで、この医薬品の使用に先だち、主治医より下記の8項目について文書による説明が行われます。充分に納得された場合には、別紙の同意書に署名していただきます。あなたの同意があってはじめてこの薬があなたに使用されることになります。

1.適応外医薬品の使用目的及び方法

2.予想される効果及び副反応

3.あなたの疾患に関する他の治療法の可能性

4.同意の有無にかかわらず不利益が一切生じないこと

5.同意した場合でも随時これを撤回できること

6.人権保護に関して必要な事項

7.この薬を使用中や使用後の検査の有無について

8.副反応が生じた場合の対応について



別紙1−2

項 目 別 説 明 書
(各疾患別・使用薬品別)

1.適用外医薬品の使用目的及び方法

各研究班で疾患別、使用薬品別に作成

2.予想される効果及び副反応

各研究班で疾患別、使用薬品別に作成

3.あなたの疾患に関する他の治療法の可能性

各研究班で疾患別、使用薬品別に作成

4.同意の有無にかかわらず不利益が一切生じないこと

  この薬を使うかどうかは、あなたの自由です。同意の有無にかかわらず不利益をこうむることは一切ありません。

5.同意した場合でも随時これを撤回できること

  この薬を使用することに一度同意した後でも、これを辞退することもあなたの自由です。 この薬を途中でやめたいときには、いつでも中止できます。遠慮なく担当医に申し出てください。その場合でも、あなたの不利益になることは一切ありません。

6.人権保護に関しての必要な事項

  この薬を使って治療を行うことは、担当医との協力関係のもとで、あなたの自発的なものですからあなたの意志を尊重して行います。したがって、なにか疑問なことや心配なことがありましたらいつでも担当医に申し出てください。
  またあなたの名前や病気のことなど、あなた個人に関する情報は人権保護の観点からその秘密が確保されますのでご安心ください。

7.この薬を使用中や使用後の検査の有無について

  この病気は原因の究明や治療法の確立のための研究が現在行われてますので、検査にご協力いただく場合があります。ただし検査の同意の有無にかかわらず不利益をこうむることは一切ありません。

8.副反応が生じた場合の対応について

  この薬による副反応と思われる症状が出た場合は、その使用を中止するなどの適切な処置をとることとしています。


別紙2

同  意  書


病院

治療担当医師           殿



説明年月日:平成   年   月   日

同意年月日:平成   年   月   日

同意者氏名

代理人氏名:

(患者との続柄

)

このたび、

特 定 疾 患(病 名)              
適応外使用医薬品(薬品名)
(担当医が記入)

を用いた治療を受けるに当たり、治療担当医師から下記の8項目について充分説明を受けその内容を理解しましたので、治療を受けることに同意いたします。
 なお、今回の治療を受けることはあくまでも自分の自由な意志に基づくものであり、いつでも私の意志によって中止できること、中止後も必要かつ可能な治療行為が行われ、病院及び担当医からなんら不利益を受けることがないことを治療担当医師に確認したので、ここに同意し署名いたします。

1.適応外医薬品の使用目的及び方法

2.予想される効果及び副反応

3.あなたの疾患に関する他の治療法の可能性

4.同意の有無にかかわらず不利益が一切生じないこと

5.同意した場合でも随時これを撤回できること

6.人権保護に関して必要な事項

7.この薬を使用中や使用後の検査の有無について

8.副反応が生じた場合の対応について



医薬品副反応報告書1
医薬品副反応報告書2

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「平成7年度特定疾患別医薬品適応外使用調査集計リスト」

 平成7年度の医薬品適応外使用調査において報告された医薬品のリストです。現在、各班で行われている適応外使用の医薬品すべてをカバーしているわけではありません。各班内においてインフォームド・コンセントの対象となる医薬品を決定する際の参考として提示いたします。各班では協議の上、それぞれの医薬品を決定し、医薬品毎に説明文を作成してください。

 なお、昨年の調査にて具体的医薬品名が挙げられいなかった班は除いてあります。(  )内は代表的な商品名を記入しました。昨年の調査で具体的医薬品の一般名以外の薬品名(例:ステロイド、インターフェロン等)はそのまま記載しました。

1)突発性造血障害
 ダナゾール(ボンゾール等)  セファランチン(セファランチン)  ビタミンC  ジアフェニルス ルホン(レクチゾール等)  アルプロスタジル(パルクス等)  ミゾリピン(ブレディニン)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)  人免疫グロブリン(γ−グロブリン)  アルファカルシド ール(活性型ビタミンD3)  ビンクリスチン(オンコビン)  シクロスポリン(サンディミュン)  メチルプレドニゾロン フルオキシメステロン(ハロテスチン)  メトトレキサート(メトトレ キセート)  {エリスロポエチン}

2)血液凝固異常症
 アルガトロバン(ノバスタン等)  アスピリン  ダナゾール(ボンゾール等)

3)原発性免疫不全症候群
 インターフェロンガンマ−1a(イムノマックス−γ) 人免疫グロブリン(γ−グロブリン)   {インターロイキン2}

4)難治性血管炎
 シクロホスファミド(エンドキサン)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)  コルヒチン(コル ヒチン)  ミゾリピン(ブレディニン)  メトトレキサート(メトトレキセート)  シクロスポリ ン(サンディミュン)

5)ベーチェット病
 コルヒチン(コルヒチン)  シクロホスファミド(エンドキサン)  硫酸アトロピン

6)間脳下垂体機能異常
 サイクロペプタジン

7)遅発性ウイルス感染
 インターフェロンα

8)運動失調
 L-スレオニン   メチルフェニデート(リタリン)  プロチレン(TRH)

9)神経変性疾患
 プロプラノロール(インデラル等)  クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)  トリヘキシフェ ニジル(アーテン等)  カルバマゼピン(テグレトール等)  メキシレチン(メキシレート等)  塩酸トラゾドン(デジレル、レスリン)  フルナリジン(フルナール等)  チザニジン(テルネリン 等)  ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)  イミプラミン(トフラニール等)

10)免疫性神経疾患
 アザチオプリン(アザニン、イムラン)  ミゾリピン(ブレディニン)  シクロホスファミド(エン ドキサン)  インターフェロンβ(INFβ)  ペントキシフィリン(トレンタール等)  プロペ ントフィリン(ヘキストール)  シクロスポリン(サンディミュン)  ミソプロストール(サイトテ ック)  人免疫グロブリン(γ−グロブリン)  インターフェロンα(INFα)  エリスロマイ シン(エリスロマイシン等)  サラゾスルファピリジン(サラゾピリン等)  プロチレン(TRH)  ホスホマイシン(ホスミシン等)  ビタミンC

11)ウイリス動脈輪閉塞症
 アスピリン

12)網膜脈絡膜・視神経萎縮症
 イデベノン(アバン)  トコフェロール(ユベラ等)  ビタメジン  カルジノゲナーゼ(カリクレイン等)  イ ソプロピルウノプロストン(レスキュラ等)

13)前庭機能異常
 グリセリン(アミラック等)  フロセミド(ラシックス等)  アゾセミド(ダイアート)  アルプ ロスタジル(パルクス等)  カルバマゼピン(テグレトール等)

14)急性高度難聴
 アルプロスタジル(パルクス等)  アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP)  デキサメタゾン(デ キサメサゾン等)  プレドニゾロン(プレドニン等)  ステロイド インターフェロン

15)突発性心筋症
 メトプロロール(セロケン等)  ベタキソロール(ケルロング)  カプトプリル(カプトリル)   アラセプリル(セタプリル)  イミダプリル(タナトリル、ノバロック)  メトトレキサート(メト トレキセート)

16)びまん性肺疾患
 エリスロマイシン(エリスロマイシン等)  ウリナスタチン(ミラクリッド等)  クラリスロマイシ ン(クラリシッド、クラリス)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)  シクロスポリン(サンデ ィミュン) シクロホスファミド(エンドキサン)  メチルプレドニゾロンパルス療法  メチルプレ ドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール)

17)呼吸不全
 クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス)  トラニラスト(リザベン等)  エリスロマイシン (エリスロマイシン等)  メトトレキサート(メトトレキセート)  コルヒチン(コルヒチン)   スパルフロキサシン(スパラ)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)  シクロホスファミド(エ ンドキサン)  クロルマジノン・メストラノール(ルテジオン)  メドロキシプロゲステロン(ヒス ロン等)

18)難治性炎症性腸管障害
 アザチオプリン(アザニン、イムラン)  メルカプトプリン(ロイケリン)  メトロニダゾール(フ ラジール等  プレドニゾロン(プレドニン坐薬等)  トラニラスト(リザベン等)  乾燥濃縮人ア ンチトロンビンIII(アンスロビン−P)

19)難治性の肝疾患
 シクロスポリン(サンディミュン)  アルプロスタジル(パルクス等)  ウルソデスオキシコール酸 (ウルソ等)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)  インターフェロン  ポリミキシンB(ポ リミキシンB)  リファンピシン(リマクタン等)  コルヒチン(コルヒチン)  ピシバニール  カルボプラチン(パラプラチン)  オフロキサシン(タリビット)

20)門脈血行異常症
 プロプラノロール(インデラル等)  ニプラジロール(ハイパジール)  カルベジロール(アーチス ト)  スピロノラクトン(アルダクトン等)  フロセミド(ラシックス等)  ニトログリセリン(ニ トログリセリン等) プラゾシン(ミニプレス等) イソソルビド(ニトロール等)  バゾプレシン(ピ トレシン)

21)肝内結石症
 N−アセチル−L−システイン(ムコフィリン等)

22)難治性膵疾患
 酢酸オクトレオチド(サンドスタチン)  総合消化酵素製剤(ベリチーム){H2−ブロッカー}

23)稀少難治性皮膚疾患
ミノサイクリン(ミノマイシン) ミゾリピン(ブレディニン) ビタミンE メトキサレン(オクソラレン等) サイクロスポリン

24)強皮症
 ペニシラミン(メタルカプターゼ) アルプロスタジル(パルクス等)  オクトレオチド(サンドスタ チン)  トラニラスト(リザベン等)  シロスタゾール(プレタール)  ペントキシフィリン(ト レンタール等)  塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー等)  塩酸サルポグレラート(アンプラーグ)  ベラプロストナトリウム(ドルナー、プロサイリン)

25)混合性結合組織病
 ダナゾール(ボンゾール等) プロスタグランジン製剤  アスピリン・ダイアルミネート(小児用バ ファリン等)  シクロホスファミド(エンドキサン)  アザチオプリン(アザニン、イムラン)

26)神経皮膚症候群
 ケトチフェン(ザジテン等)  ブレオマイシン(ブレオ)

27)脊柱靭帯骨化症
 アルプロスタジル(パルクス等)  エチドロン酸二ナトリウム(ダイドロネル)

28)進行性腎障害
 {抗血小板薬}  {免疫抑制薬}  {副腎皮質ステロイド薬}  {非ステロイド性消炎薬}  {アンギオテンシン変換酵素阻害薬}  メトトレキサート(メトトレキセート)  シクロホスファミド(エンドキサン)  人免疫グロブリン(γ−グロブリン)



区  分 氏 名 所      属 職名 
班      長野 崎 貞 彦日本大学医学部公衆衛生学教室教 授
班      員
( 監  事 )
高 野 謙 二自治医科大学学生部講 師
研 究 協 力 者照 井   哲日本大学医学部公衆衛生学教室講 師
( 事 務 局 )
総理事務連絡担当責任者
野 崎 貞 彦日本大学医学部公衆衛生学教室
〒173 東京都板橋区大谷口上町30番1号
TEL (03)3972-8111(内線:2272)
FAX (03)3972-5878
教 授

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