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                                                平成8年4月24日

             院外調理における衛生管理ガイドラインについて

1 ガイドライン作成の経緯
 病院における患者等への食事の提供業務については、これまで病院内の給食施設で
調理業務を行うことが義務づけられていたが、規制緩和推進計画(平成7年3月閣議
決定)等に基づいて、平成8年3月に行われた医療法施行規則の改正により、今後は
病院外の調理加工施設において調理業務を行うことも認められることとなった。これ
に伴い、患者給食業務については、衛生状態が常に良好に保たれている必要があるこ
とから、食品の衛生管理手法としてWHO等により国際的に推奨されている、HAC
CP(危害分析重要管理点)等に基づく適切な衛生管理を実施するよう患者給食業務
を行う者に対して求めることとした。
 そこで、HACCPの実践に際して、具体的な衛生管理ガイドライン及びマニュア
ルが必要となるため、厚生省では、患者給食業務及び食品衛生管理の専門家からなる
「院外調理における衛生管理ガイドライン研究会」(座長 七野護(社)日本食品衛
生協会専務理事)での検討結果を踏まえ、今般「院外調理における衛生管理指針(ガ
イドライン)」を作成し、これを公表するとともに、各都道府県に通知して周知を図
ることとした。

2 ガイドラインの性格及び作成に際しての留意点
 本ガイドラインは、院外調理を行う患者給食業者が衛生管理に関して自主的に遵守
すべき事項を定めたものである。また、ガイドラインの作成に際しては、食中毒等の
発生を可能な限り0にすることを目的としつつ、作業に無理や無駄を強いることがな
いよう配慮し、実際に業務を行う際に役立つ内容となるよう努めた。
 なお、今後は、本ガイドラインに準拠して、各事業者が自主的に作成すべき衛生管
理マニュアルのモデル(参考例)を研究会において引き続き作成し、公表する予定で
ある。

3 ガイドラインの概要
(1)目的及び定義
 入院患者等に対する病院内での食事の提供を院外調理方式により行う場合において
、調理加工施設を設置または運営もしくは管理する者が、衛生管理に関して自主的に
遵守すべき事項を定め、食中毒等の発生を予防し、入院患者等に提供する食品の安全
性を確保することを目的とする。
 院外調理とは、病院の入院患者等(産婦、妊婦、じょく婦、外来透析患者、デイケ
ア利用者等を含む。)に対して、当該病院外の施設において調理加工された食品を病
院内において提供することをいう。ただし、一般消費者向けに販売、製造され、一般
市場に流通している食品(パン、牛乳、アイスクリーム等)を提供する場合を除く。
(2)院外調理における衛生管理
ア 院外調理を行う調理加工施設は、食品衛生法及び医療法に定める衛生に関する基
  準を満たしていなければならない。
イ このガイドラインは、HACCPに基づく自主衛生管理の実施方法を示したもの
  である。
ウ このガイドラインは、このガイドラインに記された構造設備及び衛生管理に関す
  る規定を満たしている施設において、HACCPを用いた自主衛生管理を実施する
  ことを前提として作成されたものである。
(3)HACCPの実施
 製造者は、各食品毎または適切にグループ分けされた食品群毎に、次の事項に従っ
て、HACCPに基づく自主衛生管理を実施する。
ア 施設における処理、加工等の工程をもとに、重要管理点を確定する。
イ 各重要管理点におけるモニタリング及び確認の方法を設定し、これを実施する。
ウ 施設の洗浄消毒方法その他、このガイドラインに定められた規範に適合している
  ことを確認するための検査を実施する。
エ 時間、温度等について、消去できない方法で記載された記録を当該食品の消費期
  限又は品質保持期限の満了後、少なくとも1か月間保管し、提示を求められた場合
  には、直ちに提示することができるように整理しておく。

    問い合わせ先 厚生省健康政策局指導課医療関連サービス室
     担 当 福田、赤熊(内2589)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
                  (直)3581-2549


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