平成14年度厚生労働省税制改正(評価書)
制度名 | 社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続 | ||
改正の内容 | 社会保険診療報酬の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。
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新設・拡充又は 延長の理由 |
(1) 政策目的 社会保険診療報酬制度の下で、全ての国民に平等に医療を受ける機会を保障するための医療提供体制の確保に資する。 (2) 施策の必要性 国民皆保険という国の施策の下で、厳しい経営環境の中で医療提供体制を確保するためにはその公共性に配慮した措置が必要である。 (3) 施策の適正性(公平性・優先性等) 厳しい経営環境の中で当該措置を見直すことが行われた場合には、医療提供体制に重大な支障が生じ、救急医療等地域の保健医療活動に多大な影響を及ぼすことが懸念されることから、本措置を継続することが適当である。 (4) 施策の効率性 国民皆保険制度における社会保険診療報酬という公的な価格の下において国民に必要な医療を提供する体制を確保するためには、医療の公共性を踏まえ、同報酬に係る税制上の措置を引き続き講じることが有効である。 |
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政策の達成目標 | 全ての国民に平等に医療を受ける機会を保障し、容易に医療機関を利用できる体制を確保する。 | ||
当該項目以外の 支援措置 |
社会保険診療報酬に係る概算経費率制度 特定医療法人の法人税率軽減 |
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担当課名 | 医政局総務課 |
平成14年度厚生労働省税制改正(評価書)
制度名 | 医療法人に係る事業税(社会保険診療報酬以外分)の軽減措置の存続 | ||
改正の内容 | 医療法人は、医療サービスを提供するために医療法上規定された公共性の高い法人であり、その公共性を維持するため、剰余金の配当が禁止され営利を目的とすることはできない等の制約等を受けていることに鑑み、事業税を所得が400万円以下の場合は5.0%、400万円超の場合は6.6%に軽減する当該措置を存続する。
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新設・拡充又は 延長の理由 |
(1) 政策目的 医療法人の経営安定化を図り、国民に対して良質な医療を提供すること及び医療法人化を推進し、医療の公益性・継続性を確保する。 (2)施策の必要性 社会保険が適用されていない医療の中にも、労災、自賠責、公害等、国民の医療保障及び健康維持の観点から不可欠なものが含まれており、これは社会保険診療報酬の下行われる医療に準じる公共性を有しているため。 (3)施策の適正性(公平性・優先性等) 医療は、民法34条法人の行う事業ほどではないが一定の公益性を有しているものであり、営利法人に比較して低い税率を採用することは適正である。 (4)施策の効率性 医療法人に係る事業税(社会保険診療報酬以外分)の軽減措置の存続させることは、医療法人化の推進による医療の公益性・継続性の確保及び医療法人の経営の安定化に資することから、効率的な医療提供体制の構築につながる。 |
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政策の達成目標 | 医療法人の経営安定化を図り、国民に対して良質な医療を提供すること及び医療法人化を推進し、医療の公益性・継続性を確保する。 | ||
当該項目以外の 支援措置 |
特定医療法人に係る法人税率の軽減 社会保険診療報酬に係る概算経費率制度 |
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担当課名 | 医政局総務課 |
平成14年度厚生労働省税制改正(評価書)
制度名 | 救急医療用機器に係る課税標準の特例措置の延長 | ||
改正の内容 | 救急病院等の開設者が、昭和56年4月1日から平成14年3月31日までの間に新たに取得し、かつ当該医療機関において救急業務使用する救急医療用機器に対して課する固定資産税の課税標準を3年間に限り、6分の5とする措置について、対象機器を見直しのうえ、適用期限を2年間延長する。
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新設・拡充又は 延長の理由 |
(1)政策目的 救急病院等において救急業務に係る傷病者に関する医療の用に供する機器について税制上の特例措置を講ずることにより、救急医療体制の整備を推進する。 (2)施策の必要性 救急病院等には、傷病者に対して適切な措置を施すために所要の医療機器の導入が要請されているところであるが、通常の医療機関に比して、常時診療に従事する医師の待機、救急医療を行うために必要な施設及び設備の整備等、経済的負担が大きいことから、引き続き当該措置を講ずる必要がある。 (3)施策の措置の適正性 救急医療のためには一定の施設・設備が必要であり、救急医療体制の整備を推進するためにはこれらの救急医療施設等の維持に係る税負担を軽減することが適当である。 (4)施策の効率性 救急医療機関が救急医療のためにのみ必要な施設に関して税負担を軽減することは、救急医療体制の整備・維持を図る上で有効である。 |
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政策の達成目標 | 救急医療体制の充実を図る。 | ||
当該項目以外の 支援措置 |
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担当課名 | 医政局指導課 |
平成14年度厚生労働省税制改正(評価書)
制度名 | バイオテクノロジー試験研究設備に係る固定資産税の課税標準特例措置の延長 | ||
改正の内容 | 遺伝子組換え技術及びその技術を応用した技術の試験研究を行うために必要な機械その他の設備のうち、当該試験研究の実施に当たり生ずるおそれのある公共への危害を防止するための設備として「組換えDNA実験指針(昭和54年8月27日内閣総理大臣決定)」により定められた設備の固定資産税の課税標準の特例措置(3年度分に限り3分の1を軽減)について、軽減措置を4分の1に引き下げたうえで、適用期限を2年間延長する。
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新設・拡充又は 延長の理由 |
(1) 政策目的 遺伝子組換え実験等において生ずるおそれのある公共への危害を防止し、あわせて難治疾患や、手術や長期の入院を要する疾患等に対し治療効果のある医薬品といった遺伝子組換え技術を用いた医薬品の研究開発を促進する。 (2) 施策の必要性 遺伝子組換え実験等を行う上で、上記で必要な設備は実験により生ずるおそれのある公共への危害を防止するための、通常の実験機械にはない追加投資であるため、税制措置による支援が不可欠である。 (3) 施策の適正性(公平性・優先性等) 遺伝子組換え実験等を行ううえで生ずるおそれのある公共への危害の防止に対する支援を行うことで、難治疾患、手術や長期の入院を要する疾病等に対し治療効果のある遺伝子組換え技術応用医薬品の研究開発の一層の進展が期待され、その成果は国民の保健医療水準の向上に資するものである。 (4) 施策の効率性 試験研究活動は一定の期間継続して行われることから、当該設備も継続して設置される必要があるが、当該設備自体は生ずるおそれのある公共への危害防止を目的とするものである。このような設備に関して生じる研究者の経済的負担の軽減を図るためには、その公共性をふまえ、当該設備に係る固定資産税の軽減措置を一定期間継続して行うことが効果的である。 |
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政策の達成目標 | バイオテクノロジーの研究に当たり生ずるおそれのある公共への危害を防止し、あわせて医療上有用性の高い遺伝子組換え技術を用いた医薬品の研究開発を促進する。 | ||
当該項目以外の 支援措置 |
増加試験研究費の税額控除制度、中小企業技術基盤強化税制、保健医療分野における基礎研究推進事業(ミレニアムプロジェクト、メディカルフロンティア)、医薬品副作用被害救済・調査研究振興機構による出融資、ヒューマンサイエンス創薬等総合研究事業、オーファンドラッグ等研究開発促進制度、成長分野における試験研究技術開発事業に対する日本政策投資銀行による融資 | ||
担当課名 | 医政局経済課 |