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事業評価書(事前)

事務事業名 地域高年齢者再就職支援事業
事務事業の概要 (1)目的  急増する高年齢求職者の再就職を促進するためには、雇用・就業に係るきめ細かい求人情報とともに、年金、介護その他の福祉サービスに係る情報等幅広い情報の提供が不可欠となっており、特に高年齢者の場合は、これらの情報を一カ所で集中的に得られるようにすることが求められている。
 このため、市町村の高年齢者福祉政策と連携して、年金、介護その他の福祉サービスに係る情報、ボランティア活動に係る情報などとともに求人情報を総合的に提供すること等により、急増する高年齢求職者の再就職を地域に密着した形で促進するとともに、高年齢者のためのワンストップサービス体制を構築し行政サービスの利便性の向上を図る。
(2)内容

 (1)の要件を満たす市区町村25カ所において、(2)の事業等を実施する。

(1) 実施市区町村の要件

ⅰ 年金、介護その他の福祉サービスに係る情報等とともに雇用就業に係るきめ細かい求人情報などを総合的に提供する、ワンストップサービス計画(実施期間5カ年以上)を有すること。

ⅱ 上記計画に基づくワンストップサービスを提供する施設の設置運営に熱意を有すること。

ⅲ 概ね人口10万人以上であり、活発な利用が見込まれること。

(2) 事業内容

ⅰ 求人情報、職業生活設計に係る情報の他、年金、介護その他の福祉サービスに係る情報やボランティア活動、NPO活動等のための情報などを総合的に提供する。

ⅱ 公共職業安定所職員等が巡回し、職業相談、職業紹介を実施する。

ⅲ 高年齢者向けの職業相談会を開催する。

予算額(案) 247百万円
(3)達成目標  市区町村との連携により、多数(5年間で17,500人)の高年齢者の再就職を促進する。また、市区町村との連携により、地域の高年齢者に雇用・福祉等に係る総合サービスを提供し公共サービスの利便性向上を図る。
評価 (1)必要性 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕
 高齢化の進展、年金等社会制度改革の進展等を受けて、高年齢求職者は増加傾向(参考:55歳以上の年度別新規求職者数でみると、平成8年度1033千人、9年度1145、10年度1235、11年度1272、12年度1242となっている。)にあり、高年齢者を巡る雇用失業情勢は他の世代に比べても厳しい状況(参考:有効求人倍率でみると、55~59歳については、平成8年度0.27倍、9年度0.26、10年度0.17、11年度0.14、12年度0.18)となっていることから、高年齢者の再就職援助を強力に推進する必要がある。

〔公益性〕
 急速に高齢化が進展し、高年齢者の雇用失業情勢が厳しい状況にある中で、本事業の実施により高年齢者の再就職促進が図られ、高年齢者の職業の安定、ひいては経済、社会の安定と発展に資するものであり、高い公益性を有する。

〔官民の役割分担〕
 急速に高齢化が進展し、高年齢者の雇用失業情勢が厳しい状況にある中で、高年齢者の円滑な再就職の促進は国家的な課題であり、求職活動に必要な情報提供等について、政府が積極的に対策を講じる必要がある。

〔国と地方の役割分担〕
 雇用対策については、国と地方が連携して進める必要があるが、急速に高齢化が進展し、高年齢者の雇用失業情勢が厳しい状況にある中で、国が全国的な観点から高年齢者の再就職を支援する必要がある。その際、市区町村が行う高年齢者福祉対策と連携して実施することが高年齢者の利便性及び効率の面からも適当である。

〔民営化や外部委託の可否〕
 公共職業安定所の職業紹介業務の一環としての事業内容であることから、民営化及び外部委託にはなじまない。

〔緊要性の有無〕
 高齢化の進展が著しく、高年齢者を取り巻く雇用失業情勢が厳しい状況であることから、早急に対策を講じる必要がある。
(2)有効性 〔これまで達成された効果(継続事業)、今後見込まれる効果〕
 情報機器の活用による職業紹介により、5年(市町村の計画期間)で新たに17,500人(毎年3,500人程度を想定)の高年齢者雇用増を見込む。なお、このほか、地方公共団体と連携した効率的な高年齢者施策の運営により、行政サービスの利便性向上等、広範囲に施策の効果が期待できる。

〔効果の発現が見込まれる時期〕
 事業実施と同時に効果が発生すると見込まれる。

〔雇用創出効果〕
 情報機器の活用による職業紹介により、5年(市町村の計画期間)で新たに17,500人(毎年3,500人程度を想定)の高年齢者の雇用増効果が見込まれる。
(3)効率性 〔手段の適正性〕
 地方公共団体と職業安定機関の連携強化、生活相談と一体となった高年齢者の再就職支援等の実施、情報機器の活用等により、地方公共団体の行う福祉関係事務と、職業安定機関が行う事務が有機的に活かされ、高年齢者個々人の実生活に即した対応が可能となり、行政全体として効率的な高年齢者施策の運営が図られることから、適正な手段であると判断される。

〔効果と費用との関係に関する分析〕
 一定の費用(1拠点あたり初年度900万円弱、翌年度以降は200万円強)で、向こう5年間にわたり、毎年3,500人の雇用増が見込まれるだけでなく、市区町村と協力して高年齢者公共サービスの利便性向上等を図れることから、費用対効果に優れた事業であると判断される。
(4)その他
(公平性・優先性など)
〔優先性〕
 高齢化の進展、年金等社会制度改革の進展等を受けて、求職高年齢者は増加傾向にあり、高年齢者を巡る雇用失業情勢は他の世代に比べても厳しい状況となっていることから、高年齢者の雇用促進について、優先的に対策を講じる必要がある。
関連事務事業 高年齢者職業相談室事業
(上記事業を有効に活用しつつ実施することとしている。)
特記事項 〔各種政府決定との関係及び遵守状況〕
 「第9次雇用対策基本計画」(平成11年8月)において、向こう10年程度の間において、少なくとも意欲と能力のある高年齢者が何らかの形で65歳まで働き続けることができることを確保していくこととされている。
 また、経済財政諮問会議の基本方針で、構造改革に伴う雇用の影響力を最小限にするためにも、成長分野の拡大、当該分野への円滑な労働移動の促進・労働力の再配置の円滑な実現に向けた環境整備の必要性が提唱され、なかでも重要なものとして、年齢にかかわらず働ける環境の整備が示されている。
主管課
及び関係課
(主管課)職業安定局 高齢・障害者雇用対策部 高齢者雇用対策課


別紙


情報提供機器の利用による雇用創出拡大効果の試算


1 隣接する職業安定機関の自己検索端末を利用している相談室での年間平均就職件数  209件

2 情報機器を利用していない相談室での年間平均就職件数  103件

3 情報提供機器利用による年間就職件数の増加量(1-2)  106件≒100件

4 25カ所、5年間での就職件数増加量(見込み)  17,500件

((100件 × 15カ所) + (200件 × 10カ所)) × 5年 = 17,500件



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