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(整理番号 23)
事業評価書(
事前
・事後)
平成16年8月

評価対象(事業名) ものづくり立国の推進
担当部局・課 主管部局・課 職業能力開発局能力評価課
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 技能の振興及びものづくり労働者の職業能力開発を推進すること
I ものづくり振興に係る環境を整備すること

(2) 事業の概要
事業内容(新規・
一部新規
(1)  「ものづくり立国」の基盤整備に向けた国民的気運の醸成
 平成17年度から5年間に渡って、若年者がものづくりにチャレンジすることを支 援する「ものづくり立国」の基盤整備に向けた国民的気運の醸成を図り、若年者に対してものづくり技能の魅力を啓発し、若年者がものづくり技能に対する関心を持ち、その習得に意欲を持つよう喚起し、高めることとする。
(1) ものづくり技能に関するシンポジウム、フォーラム等の開催
(2) 技能五輪国際大会の金メダリスト等による実演及び新規職種のデモンストレーションの実施
(3) 中小企業団体等の行うものづくり体験教室の開催への支援
(2)  若年者ものづくり人材育成促進事業
(1) 企業の工場・訓練校、公共職業能力開発施設等の親子等への開放促進
 経済団体、業界団体、関係企業等を中心にして都道府県単位で「ものづくり体験推進会議(仮称)」を設置し、開放の対象とする企業の工場・訓練校等の選定・実施依頼を行うことにより、これら施設の開放を促進する。また、併せて、工場等の開放に必要とされるノウハウ等を教授するため、企業の担当者等を対象にして好事例発表等を行う講習会を開催し、工場等の開放の取組を促進する。
(2) 高度熟練技能者と小中高生との交流会の実施等
 高度熟練技能の実体験や習得の経験談等を内容とする高度熟練技能者と小中高生との交流会や認定職業訓練校等への高度熟練技能者等の派遣による2、3級技能検定合格レベルの実技講習等を実施する。
(3) ものづくり技能競技大会の実施
 職業能力開発施設、認定職業訓練施設、工業高等学校等において技能を習得中の20歳以下の者を対象に「ものづくり技能競技大会(技能五輪ユース大会)」を開催する。
(4) 技能五輪選手の養成等
 技能五輪国際大会の出場を目指す若年技能者の養成を政策的に支援するため、技能五輪国際大会へ向けた選手強化の方法等の提示等を行う。併せて、地方においては、個々の企業では選手養成が困難な中小企業が多い職種について、高度熟練技能者等の派遣による実践的な共同訓練の実施を行う。
(3)  「ものづくり立国」啓発・広報事業
 上記の各事業が一貫して目指すものや各事業の実施内容を幅広い層の国民に発信するとともに、マスメディアを媒介にした広報・プロモーション活動を行う。
(1) 広報サイト「ものづくり情報ネット」の開設による国民全体への啓発・広報
(2) 「技能情報マガジン」の発刊等、メディアを活用した啓発・広報
(3) メダリスト等の活動による地域単位での啓発
予算概算要求額(単位:百万円)
H13 H14 H15 H16 H17
      299 1,110
   (772)

(3) 問題分析
(1) 現状分析
 ものづくりは労働の原点であるとともに、我が国経済産業の基盤であり、21世紀における我が国の国づくりにとって不可欠であるが、雇用情勢が厳しい中、若年者のものづくり離れは依然として見られ、後継者不足等の問題も深刻化している。
特に、2007年に戦後世代の定年ラッシュが始まるいわゆる「2007年問題」が間近に迫ってきており、これまでベテラン技能者が培ってきたコア技能をどのように継承していくかが大きな問題となっている。
(2) 問題点
 (1)の原因となる問題点として、
 若年者がものづくりの素晴らしさ、重要性を認識していないこと。
 ものづくり技能を習得中の若年者にとって、技能レベルの向上に対する動機付けの機会が不十分な状況にあること
などが考えられる
(3) 問題分析
 (2)のような問題点が生じている原因として、
 若年者がものづくりに携わる人の技を目にしたり、ものづくりを体験するなどの機会が少ないこと。
 若年者がものづくりに触れる場を提供するため、一部の大企業は、工場、訓練施設等を開放して、ものづくり現場等の見学、体験入校、ものづくり体験教室等を行い、ものづくり技能への理解の促進を行っているが、多くの企業においてはノウハウ等を有していないなどの理由により、施設等の開放を行っていない状況にあること
 23歳以下の若年者が技能を競う場として技能五輪全国大会が開催されているが、技能レベルが上級〜中級にある者が対象となっており、技能を習得中の若年者が目標とできるような技能を競う場がないこと
などが考えられる。
(4) 事業の必要性
 (3)を踏まえ、
 シンポジウムの開催、技能五輪国際大会の金メダリストによる実演等及びものづくり技能の魅力を伝える体験教室の開催等による「ものづくり立国」の基盤整備に向けた国民的気運の醸成
 企業の工場等の開放、高度熟練技能者の活用、技能を習得中の若年者が技能を競う「ものづくり技能競技大会」の実施及び技能五輪国際大会に向けた高度若年技能者の育成等による「ものづくり立国」を担う若年ものづくり人材の育成
 広報サイトの開設、雑誌の発刊等、メディアの活用及びメダリスト等の活動等による「ものづくり立国」の推進のための啓発の広報等
を行うことが必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期 平成17年度
アウトプット指標 H17 H18 H19 H20 H21 目標値/基準値
シンポジウム、フォーラムの開催数            
技能五輪国際大会の金メダリスト等による実演実施数            
ものづくり体験教室の開催数            
企業の工場・訓練校を対象にした講習会の開催数            
高度熟練技能者の派遣人日            
ものづくり技能競技大会の参加選手数            
選手強化訓練人日            
ホームページのアクセス件数            
(説明)当該指標を確認することにより、事業成果の確認が可能 (モニタリングの方法)
事業実施報告書


2.評価

(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 本事業は、ものづくりの重要性を広く国民が認識し、子供から大人までものづくりに親しむ社会の形成を目指し、若年者のものづくり技能の習得を支援するための各種事業を行なうとともに、マスメディアを活用した広報活動等によるものづくり技能の尊重気運の醸成を図るものであり、公益性がある。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 本事業は、我が国の基幹的な産業であるものづくりに関し、若年者のものづくり技能の習得や、ものづくり技能の尊重気運の醸成を図るための事業を、関係する全国的な団体や他省庁、都道府県と連携・協力して行うものであり、国で行なう必要がある。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)
 本事業は、従来より職業能力の開発の促進に関する業務を行う民間団体への委託により行ってきたところであり、引き続き民間への委託により行うものである。
緊要性の有無
   無
(理由)
 若年者のものづくり離れが見られる中、後継者不足や技能継承等の問題が深刻化しており、特に2007年には戦後世代の定年ラッシュが始まるいわゆる「2007年問題」を控えていることから、ものづくりの重要性を訴え、若年者のものづくり人材を育成していくこが緊急の課題となっている。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
(1)  ものづくり技能に関するシンポジウム、ものづくり体験教室の実施により、ものづくりに係る国民的気運の醸成を図り、若年者に対してものづくり技能の魅力を啓発し、若年者がものづくり技能に対する関心を持ち、その習得に意欲を持つよう喚起することで「ものづくり立国」の基盤が整備される。
(2) ・企業の工場等の開放、高度熟練技能者の活用により、若年者がものづくりに触れ、ものづくりの素晴らしさ、重要性を認識し、ものづくりへの就労が促進される。
・「ものづくり技能競技大会」を実施することにより、技能を習得中の若年者が技能レベルの向上に対する動機付けの機会を得、技能レベルが向上する。
・技能五輪国際大会に向けて高度若年技能者を育成することにより、企業のコア技能の担い手が育ち、技能継承が円滑に進む。
(3)  広報サイト、雑誌及びメディアを用いて、情報を発信することで(1)、(2)で挙げた事業が効果的に行われるようになる。
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 若年者のものづくりへの就労が促進されるとともに、若年ものづくり人材の育成が図られ、技能継承が円滑に進む。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし

(3) 効率性
手段の適正性
 本事業については、企業や都道府県と必要な連携を取りながら、職業能力の開発の促進に関する業務を行う民間団体への委託により行うこととしているが、同団体において過去の事業委託の経験・知識・ノウハウを活用して効率的・効果的に実施することが期待されることから、手段として適正であると考える。
費用と効果の関係に関する評価
 職業能力の開発の促進に関する業務を行う民間団体であって、過去の事業委託の経験・知識・ノウハウを活用して効率的・効果的に実施することが期待されるものへの委託により行うこととしているものであり、効率的に行うことができると考える。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)


(4) その他
 



3.特記事項

(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
特になし

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
特になし

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
特になし

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
特になし

(5) 会計検査院による指摘
特になし


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