事業評価書( |
| ・事後) |
評価対象(事業名) | 無償の労働体験等を通じての就職力強化事業(ジョブパスポート事業)の創設 | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 職業安定局若年者雇用対策室 |
関係部局・課 |
番号 | ||
基本目標 | 4 | 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること |
施策目標 | 3 | 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること |
III | 若年者の雇用を促進すること |
| ||||||||||
ボランティア活動など無償の労働体験機会に関する情報の収集・提供を行い、こうした体験を通じた就業の動機付けを高めるとともに、これらの活動の実績等を記録する「ジョブパスポート」を開発し、企業に対する働きかけ、若年者向け就業支援窓口における活用等を通じ、これらの活動実績が企業の採用選考に反映されるよう普及を図る。
|
||||||||||
|
||||||||||
H13 | H14 | H15 | H16 | H17 | ||||||
− | − | − | − | 314 |
(1)現状分析 平成16年3月卒業の大学生について、4月1日現在の就職率が93.1%と、前年同期を0.3ポイント上回る結果となり、また平成16年3月卒業の高卒者についても、求人が大幅に減少(平成15年度22万3千人、ピーク時(平成4年度)の約1/7)する中で、3月末現在の就職率が92.1%と前年同期を2.1ポイント上回る結果となった。 しかしながら、最近10年で15〜24歳の失業者数が約20万人増加、同世代の失業率も約2倍になっている。また、フリーターも02年に209万人と推計されるほか、無業者比率も激増する等、若年者をとりまく雇用・就業状況は極めて厳しい。 (参考)
(2)問題点 企業側の要因として、求人数の減少や求人自体のパート・アルバイト化及び高度化の二極分化による需給のミスマッチの拡大、若年者側の要因として、職業意識の不十分さによる就職に至らない者の増加や早期離職者の増加などが考えられる。 (3)問題分析 求人の減少等については、厳しい経済情勢を背景に、企業が高校生等に対する求人に慎重になっていること、フリーターや無業者、早期離職者等の増加については、早い時期に職業に接する機会が十分にないこと等から、職業意識の不十分な若年者が増加していること等が原因と考えられるところである。 (4)事業の必要性 若者の職業意識の涵養、向上を図り、フリーターや無業者、早期離職者等の増加に歯止めをかけるためには、若者が社会活動等に従事することを、社会全体として評価する機運を醸成することで、学校在学者、フリーター等を含む幅広い若者の当該活動への参画を促し、もって社会参加・職業意識の喚起、就職活動の動機付けを図るとともに、企業の募集・採用に当たっての社会貢献活動等の積極的評価等を通じた、就職促進のための総合的取組を推進することが必要である。 |
目標達成年度 | ||||||
政策効果が発現する時期 | 実施以降随時、効果の発現が見込まれる。 | |||||
アウトプット指標 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | 目標値/基準値 |
ジョブパスポート配付部数 | 平成17年度に10万部 | |||||
(説明) 本事業により配布されるジョブパスポートの部数 |
(モニタリングの方法) 本省配布実績 |
|||||
アウトプット指標 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | 目標値/基準値 |
普及啓発セミナー開催回数 | ||||||
(説明) ジョブパスポートの普及啓発のために開催するセミナーの回数 |
(モニタリングの方法) 委託団体からの報告による。 |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
|
|||
(理由) 若者が社会貢献活動等に従事することを、社会全体として評価する機運を醸成し、学校在学者、フリーター等を含む幅広い若者の当該活動への参画を促し、もって社会活動・職業意識の喚起、就職活動の動機付けを図るとともに、企業の募集・採用に当たっての社会貢献活動等の積極的評価等を通じた、就職促進のための総合的取組を推進することは、若年者雇用情勢の改善を図ることになり、ひいては社会経済の安定と発展に資するものであり、公益性が高い。 |
||||
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
|
|||
(理由) 「ジョブパスポート」については、その普及促進を図ることにより、企業が募集・採用の際に社会貢献活動等を積極的に評価するためのツールとして活用されることが重要であり、そのためには、一定の共通様式の下に、国が実施する必要がある。 |
||||
民営化や外部委託の可否 |
|
|||
(理由) ジョブパスポート・マニュアル作成のための調査や、普及啓発セミナーの開催、モデル団体の表彰等に関することは、地域の団体に委託して実施することとしている。 |
||||
緊要性の有無 |
|
|||
(理由) 若年者については、職業意識の不十分さ等から、フリーターや無業者、早期離職者の増加等が問題となっており、こうした問題は、若年者自身のキャリア形成はもとより、我が国社会・経済システムに重大な影響を与えるものであり、若者の社会活動・職業意識の喚起、就職活動の動機付けを図ることは喫緊の課題となっている。 また、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(骨太方針2004)」においても、「若年者雇用への関心を喚起する国民運動の推進、働く意欲の涵養、向上を図る取組、労働体験や職場定着の推進のための施策など、若年者に働く意義を実感させ、その意欲や能力を高める総合的な対策を講じる」とされたところであり、緊要性は高い。 |
政策効果が発現する経路 |
「ジョブパスポート」の普及→若年者の無償の労働体験等社会参加意識・就職活動意欲の喚起→企業の募集・採用に当たっての社会貢献活動等の積極的評価→若年者の就職機会の増大→適切な職業選択による就職の促進 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
若年者が社会貢献活動、インターンシップ等の労働体験に積極的に参加することが期待されるとともに、社会・企業において、これを積極的に評価する仕組みが構築されることが期待され、若年者が社会貢献活動等をアピールすることにより、その就職が促進される。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
なし。 |
手段の適正性 | |||||
若者の社会活動・職業意識の喚起、就職活動の動機付けを図るためには、企業においても、社会貢献活動、インターンシップ等の労働体験について、積極的に評価する仕組が必要であり、ジョブパスポート事業の創設・普及により、このような仕組の整備を図ることは手段として適正である。 | |||||
費用と効果の関係に関する評価 | |||||
ジョブパスポート事業を創設し、計画的にこれを配布し、制度の普及を図ることは、企業が募集・採用に当たって、若者の社会貢献活動等に対し積極的評価を行うことが可能となり、若者の社会活動・職業意識の喚起、就職活動の動機付けが図られ、これら体験を活かした円滑かつ効率的な就職活動が実現されるものであり、最低限のコストで効果が見込まれる。 | |||||
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
|
||||
(有の場合の整理の考え方) |
|
3.特記事項
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004に、フリーター・無業者に対する働く意欲の向上等として、「若年者雇用への関心を喚起する国民運動の推進、働く意欲の涵養、向上を図る取組、労働体験や職場定着の推進のための施策など、若年者に働く意義を実感させ、その意欲や能力を高める総合的な対策を講じる」ことが盛り込まれたところである。 (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) 衆議院決算行政監視委員会における平成14年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書に関する議決において、「雇用問題については特に若年者の雇用の拡大を図るとともに、政府が一体となって若年者等に対する職業意識の啓発や学校における職業教育に対する取組みを推進すべきである」とされたところである。 (5)会計検査院による指摘 なし |