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(整理番号 1)
事業評価書(
事前
・事後)
平成16年8月

評価対象(事業名) 災害派遣医療チーム(DMAT)研修事業
担当部局・課 主管部局・課 医政局指導課
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 1 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 地域において適切かつ効率的に医療を提供できる体制を整備すること
III 救急・災害医療体制の整備を図ること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 緊急事態発生時に迅速に災害派遣医療チームを出動させる体制の整備を確保し、これまで以上に充実した救護活動ができるよう研修体制を整備するもの
予算概算要求額(単位:百万円)
H13 H14 H15 H16 H17
126

(3) 問題分析
(1)現状分析
 緊急事態発生時において、厚生労働省の初動体制については、医療救護班等の派遣の調整を被災都道府県からの派遣要請に基づいて行っているところであるが、これについては、救護班の準備から派遣までに要する時間に関し、迅速性を欠く事例が生じることが危惧されている。(平成13年6月「災害医療体制のあり方に関する検討会」報告書)
 このような問題点を解決するために、平成13年度厚生科学特別研究「日本における災害派遣医療チーム(DMAT)の標準化に関する研究」(主任研究者:辺見弘 国立病院東京災害医療センター院長)の指摘を踏まえ、医師を中心として看護師、救急救命士等の医療従事者から編成されるチームであって、災害の急性期(48時間以内)に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けたもの(災害派遣医療チーム(DMAT))を災害発生直後に派遣できる体制及びそれを迅速に運用できるための研修体制を整備するため、平成17年度より、災害派遣医療チーム(DMAT)研修事業を実施し、体制の確保を図ることとする。

(2)問題点
 緊急事態発生時において、厚生労働省の初動体制については、医療救護班等の派遣の調整を被災都道府県からの派遣要請に基づいて行っているところであるが、これについては、救護班の準備から派遣までに要する時間に関し、迅速性を欠く事例が生じることが危惧されている。(平成13年6月「災害医療体制のあり方に関する検討会」報告書)

(3)問題分析
 上記の問題点に対しては、災害派遣医療チーム(DMAT)の参集により、救護班が効率的かつ迅速に救命活動を実施できるようにすることが重要であるところ、緊急事態発生時における医療の内容、派遣医師等に対する指揮命令系統等を明確にしたマニュアルを作成し、これを各医療従事者が十分に共有することによって対応することが必要である。

(4)事業の必要性
 緊急事態発生時に行う医療の内容や統一的な連絡経路、通信手段、派遣医師等に対する指揮命令系統を確立し、各医療従事者が共有するためには、全国的に統一された研修を国として実施することが必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度 平成20年度
政策効果が発現する時期  
アウトプット指標 H17 H18 H19 H20 H21 目標値/基準値
研修参加チーム数           200 
(説明)20年度以降においても緊急事態発生時に200チーム以上を確保することが必要であり、継続して研修を実施する。 (モニタリングの方法)救命救急センター及び災害拠点病院を中心とした200チーム以上(年間64チーム)の参加を目標とする。

2.評価
(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)国としての対応が求められる緊急事態発生時における国民の生命を護る点について、公益性が認められる。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)国として特に対応しなければならない緊急事態発生時に活動が切に求められる災害派遣医療チーム(DMAT)の運用に関しては、全国的に統一された内容で研修を行うことによって、緊急時における統一的な連絡経路、通信手段、派遣医師等に対する指揮命令系統等を確立させることが適当である。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)災害医療に精通した医療機関が中心になって研修することが重要であり、そのノウハウを有している独立行政法人国立病院機構災害医療センターに委託することが有効な手段である。
緊要性の有無
   無
(理由)緊急事態の発生は、いつ何時起きるのか分らず、可及的速やかに緊急事態に対応できる体制を整備する必要がある。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 災害医療に精通し、その実績を有する独立行政法人国立病院機構災害医療センターを中心に、緊急事態発生時に行う医療の内容や統一的な連絡経路、通信手段、派遣医師等に対する指揮命令系統を確立し、これを研修によって普及させることにより、研修に参加した医療従事者の質の向上と緊急事態発生時における統一的で迅速性が確保された活動に資することとなる。
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 災害医療に精通し、その実績を有する独立行政法人国立病院機構災害医療センターを中心に、緊急事態発生時に行う医療の内容や統一的な連絡経路、通信手段、派遣医師等に対する指揮命令系統を確立し、これを研修によって普及させることにより、研修に参加した医療従事者の質の向上と緊急事態発生時における統一的で迅速性が確保された活動に資することとなる。また、緊急事態発生時において救護班として迅速に活動する際に、あらかじめ諸手続の相違等について確認作業する必要がなく、統一的な医療活動の実施が可能となり、国民の救命率の向上につながる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 

(3) 効率性
手段の適正性
 当該研修事業を行わない場合、緊急事態発生時に救護班として、迅速に活動する際に統一的な医療活動の実施が不可能となり、国民の救命率の向上を望むことができない。そのため当該研修事業を国が行うことは、各医療機関が独自に研修事業を実施した場合に比べて、緊急事態発生時に行う医療の内容等を統一的に各医療機関が共有することが可能となり、効率性が高まる。
費用と効果の関係に関する評価
 当該研修事業は、災害医療に精通した医療機関であり、災害医療の実施等に係る設備等が相当程度整備されている独立行政法人国立病院機構災害医療センターで行うことは、他の医療機関で行う場合と比べて費用面で効果がある。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)

(4) その他
 



3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 平成13年度厚生科学特別研究「日本における災害派遣医療チーム(DMAT) の標準化に関する研究」(主任研究者:辺見弘 国立病院東京災害医療センター)
 平成15年度厚生労働科学研究「災害時における広域緊急医療のあり方に関す る研究」(分担研究者:大友康裕 独立行政法人国立病院機構災害医療センター)

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成15年8月29日の「災害応急対策関係閣僚意見交換会」での内閣総理大臣指示事項において、
(ア) 厚生労働省は、発災時に迅速に救護班を派遣し、重篤患者を搬送するための計画を定めること。
(イ) 関係省庁及び防衛庁は協議して、医師・患者や消防・警察の部隊を搬送する際の自衛隊機の利用計画を定めること。自衛隊以外の関係機関の航空機並びに船舶の活用についても検討すること。
が求められているところである。
(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 なし。
(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし。
(5) 会計検査院による指摘
 なし。


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