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(28)
事業評価書(事前)
平成15年8月

評価対象(事業名) 小児慢性特定疾患治療研究事業
担当部局・課 主管部局・課 雇用均等・児童家庭局母子保健課
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標  男女がともに能力を発揮し、安心して子どもを産み育てることなどを可能にする社会作りを推進すること
施策目標  親子ともに健康な生活を確保すること
III  小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備を図ること

(2) 事業の概要
事業内容(新規・
一部新規
 小児慢性疾患のうち、特定の疾患については、その治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額となり、これを放置することは児童の健全な育成を阻害することとなるため、小児慢性特定疾患治療研究事業を行うことにより、その研究を推進し、併せて患者家庭の医療費の負担軽減を図ることを目的として、医療費の自己負担部分の補助を行っている。
 現在、次世代育成支援の観点から子育てしやすい環境の整備を図るため、本事業を見直し、小児慢性特定疾患児に対する安定的な制度として法整備を含めた制度の改善を図るべく検討を進めているところ。(具体的な見直しの内容については(3)問題分析(4)事業の必要性を参照。)
予算概算要求額(単位:百万円)
H12 H13 H14 H15 H16
10,136 9,834 9,450 9,651 予算調整中

(3) 問題分析
(1)現状分析
 児童の健全な育成を図るため、小児慢性特定疾患治療研究事業を実施してきたが、制度創設以来4半世紀が経ち、治療法の進歩など事業を取り巻く状況が大きく変化しており、事業の見直しを行う必要がある。

(2)問題点
@.給付対象外の重症疾患・重症患者の存在(本来事業の対象とすべき重症疾患・重症患者が給付対象外となっていることは問題)
A.医療の進歩による軽症患者の混在(本来事業の対象とすべきでない軽症患者が給付対象となっていることは問題)
B.法的裏付けのない制度としての位置付け(これまで予算補助事業として実施してきたが、法制化による制度の安定化が必要)

(3)問題分析
 制度創設以来4半世紀が経ち、治療法の進歩など事業を取り巻く状況が大きく変化した。

(4)事業の必要性
 上記の問題点に対し、
@.給付内容の改善・重点化
・対象疾患追加・通院対象者の追加
・重症患者の重点化・軽症患者の除外
・対象年齢の整理 等
A.応分の患者負担
・低所得者層への配慮
B. 法制化による安定化
・児童福祉法への位置付け
等の見直しを行い、新たな小児慢性特定疾患対策を確立することにより、小児慢性特定疾患児の福祉について一層の向上を図ることが必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度 設定困難
政策効果が発現する時期 設定困難
アウトプット指標 H16 H17 H18 H19 H20
目標値/
基準値
予算額           予算調整中
(説明)小児慢性特定疾患児の福祉の向上が目的。 (モニタリングの方法)

参考指標(過去数年度の推移を含む) H10 H11 H12 H13 H14
本事業の給付人員(人) 111087 109191 102043 103562  
(説明) (モニタリングの方法)
各自治体からの実績報告


2.評価
(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)小児慢性特定疾患の研究を推進し、併せて患者家庭の医療費の負担軽減を図ることを目的として、医療費の自己負担部分の補助を行う事業は公益性が高いものであり、こうした事業を民間が実施することは困難。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
有 無 
その他
(理由)全国で同じ給付がなされるよう国の制度とする必要があるが、事業の実施主体は都道府県・指定都市・中核市であり、費用負担は国1/2、自治体1/2となっている。
民営化や外部委託の可否
   
(理由)小児慢性特定疾患の研究を推進し、併せて医療費の自己負担部分の補助を行っており、こうした事業について民営化、外部委託をすることは困難。
緊要性の有無
   無
(理由)「次世代育成支援に関する当面の取組方針」(平成15年3月14日少子化対策推進関係閣僚会議)において、小児慢性特定疾患治療研究事業の在り方については、引き続き検討するとされており、次世代育成支援の観点から子育てしやすい環境づくりの一環として、制度の見直しを早急に進める必要がある。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 小児慢性特定疾患の医療費の自己負担部分の補助を受けたいと考える者が都道府県・指定都市・中核市に対し当該補助の申請を行い、必要な条件を満たしている者に対して医療費の自己負担部分が補助されている。
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 これまでも小児慢性特定疾患治療研究事業の実施により、小児慢性特定疾患の研究が推進され、併せて患者家庭の医療費の負担軽減が図られており、小児慢性特定疾患児の健全育成に大きな役割を果たしてきたが、今後は、本事業の見直しを行うことにより、小児慢性疾患児の福祉について一層の向上が図られるものと考えている。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項


(3) 効率性
手段の適正性
 本事業の適正かつ円滑な実施を図るため、医学の専門家等から構成される小児慢性特定疾患対策協議会が各実施主体に設置されており、事業対象者の決定に当たっては、本協議会の意見を聴取することとされているなど、本事業は厳正な審査がなされており、効率的な事業である。
費用と効果の関係に関する評価
 給付される額はすべて医療費の自己負担額の補填に充てられていることから、費用対効果のバランスも十分とれるものとなっている。
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)

(4) その他
 



3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 有識者、患者代表等による「小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会」において、本事業の今後のあり方等について報告書が取りまとめられた(平成14年6月)。

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 「次世代育成支援に関する当面の取組方針」(平成15年3月14日少子化対策推進関係閣僚会議)において、小児慢性特定疾患治療研究事業の在り方については、引き続き検討するとされている。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし

(5)会計検査院による指摘
 なし


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