事業評価書( |
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・事後) |
評価対象(事務事業名) | 化学物質リスク研究経費(仮称) | |
担当部局・課 | 主管課 | 医薬局化学物質安全対策室 |
関係課 | 大臣官房厚生科学課 |
番号 | ||
基本目標 | 11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 | 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
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日常生活において人体汚染や健康影響が問題視されている内分泌かく乱化学物質などの有害化学物質について、迅速かつ効率的な毒性スクリーニング及び毒性並びに総暴露評価を行って、必要な規制基準の設定や的確な情報発信等の施策を講じる。 特に平成15年度からは、細胞・タンパク・遺伝子の変化を指標として大量の物質について効率的に毒性反応をスクリーニング・評価できる自動化システムの構築を行う。また、ヒト生体試料の保存等を含む疫学調査を充実し、リスク評価に反映させていくことにより、暴露量の定期的な把握と基準等の見直しを行い(リスク管理)、その結果を情報発信・応答していく(リスクコミュニケーション)新たなシステムを整備する。 |
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予算額 | (単位:百万円) | ||||||||
H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | |||||
1,679 | 3,500 |
(1)現状分析 内分泌かく乱化学物質やダイオキシン類、微量化学物質、家庭用化学物質による人体汚染や健康影響が社会的に大きな問題となっている。 (2)原因分析 科学技術の進歩や利便性の追求によって多くの新素材が開発され、我々の日常生活では数万に及ぶ化学物質が多用されるようになった。 (3)問題点 従来の化学物質のリスク評価体系は、多岐にわたる動物試験を中心としたハザード評価と限られたヒト暴露データに頼っていることから、資源(コスト、時間、実験動物など)を多く使用しても、内分泌かく乱性のような新たな毒性や複数の化学物質による複合影響等の評価に対応できなくなりつつある。 (4)事務事業の必要性 実験動物を用いない方法によって大量の物質について効率的に毒性反応をスクリーニング・評価できる新たな自動化システムを構築して、今後将来にわたって動物試験による毒性評価を省力化することが必要である。また遺伝子障害性のような確立された判定手法のない毒性についても明確な評価方法を確立し、毒性評価の質を高めることが求められる。 同時に、ヒト生体試料の保存等を含む疫学調査を充実し、リスク評価に反映させていくシステムを構築することが必要である。 |
目標達成年度(又は政策効果発現時期) | 5年後(平成19年度) | |||||
アウトカム指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
新たな化学物質リスク評価・管理技術の開発 | 約400物質の反応データの取得 | |||||
(説明) 細胞・タンパク・遺伝子の反応を指標とした毒性スクリーニング法の開発を行う。 |
(モニタリングの方法) 細胞・タンパク・遺伝子の反応データを取得した化学物質数 |
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アウトプット指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
研究課題採択数 | ||||||
(説明) 実際に採択された課題の数をアウトプット指標とする。なお、採択課題数が多いほど、行政上適切であるとは限らない。また、研究成果については、事後評価委員会を設置し、専門家及び行政官による事後評価を行う。 |
(モニタリングの方法) |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 生活環境中の化学物質は一般消費者の全てが暴露を受ける可能性があるため、行政では健康被害の未然防止の観点から毒性評価を加速し、必要な規制等を実施する必要がある。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 化学物質は自由に流通・普及するものであるので、化学物質の毒性評価とそれに基づく規制は、地域による規制の不整合が起きないように、国レベルで全国共通の基準を示す必要がある。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 本事業は、行政上必要な研究課題について公募を行い、採択課題に対し補助金を交付し、その研究成果を施策に反映させることを想定しているものである。従って、本事業そのものを民営化、外部委託することは困難であるが、事務的な手続きを外部に委託することは可能である。また、補助金を受けた研究者が、調査や資料の解析を外部に委託することは現状でも行っている。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 動物試験を中心としたハザード評価と限られたヒト暴露データのみに頼ったリスク評価では、資源(コスト、時間、実験動物など)を多く使用しても、内分泌かく乱性のような新たな毒性や複数の化学物質による複合影響等の評価に対応できなくなりつつあり、世代を越えた安全な生活環境を確保するためには、早急に効率的な化学物質リスク評価・管理システムを構築する必要がある。 |
政策効果が発現する経路 | |||||||
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これまで達成された効果、今後見込まれる効果 | |||||||
平成14年度まで、内分泌かく乱化学物質、ダイオキシン類、微量化学物質、家庭用化学物質の個別4分野おいて、試験法や分析法の開発、毒性評価及び毒性発現メカニズムの解明、暴露評価及びヒト疫学研究、リスクコミュニケーションなどについて調査研究を推進してきたところ。 平成15年度からは、迅速・効率的な毒性スクリーニング法の開発とヒト疫学調査の充実を軸にした新たな化学物質リスク評価・管理技術を構築していくことによって、まだ毒性情報が知られていない多くの化学物質の評価を加速化させることができる。 |
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政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 | |||||||
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手段の適正性 | ||||||||||||||||||||||||||||
迅速・効率的な毒性スクリーニング法が開発されることで、動物実験にかかる負担が大幅に減少する。 | ||||||||||||||||||||||||||||
効果と費用との関係に関する分析 | ||||||||||||||||||||||||||||
つまり、初年度3,000百万円、5年間で10,000百万円(推定)の投資を行うことで、900,000百万円〜990,000百万円の節減が見込めることになる。 |
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他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) |
なし |
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 なし (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし (5)会計検査院による指摘 なし |