事業評価書( |
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・事後) |
評価対象(事務事業名) | 職業生活活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けた取組 | |
担当部局・課 | 主管課 | 労働基準局勤労者生活部企画課 |
関係課 |
番号 | ||
基本目標 | 3 | 労働者が安心して快適に働くことができる環境を整備すること |
施策目標 | 4 | 勤労者生活の充実を図ること |
III | 自由時間の充実等勤労者生活の充実を図ること |
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少子高齢化、経済・産業構造の変化が進展する中で、働く人たちが意欲と確信を持って働くことが出来るようにしていくために、職業生活に入ってから一定期間経過後に区切りをつけて、年を単位とする長期休暇を付与する制度の導入に向けた取組を図る。 | ||||||||
予算額 | (単位:百万円) | |||||||
H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | ||||
− | − | − | − | 125 |
(1)現状分析 本事業は、職業生活の活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けて国民の意識啓発を図るものである。 我が国においては、合計特殊出生率が平成10年は1.38、平成11年は1.34、平成12年は1.36(厚生労働省調べ)と低位で推移する中にあって、30代女性の労働力率が他の年齢層と比べて低く、男性は家事など家庭での時間が少ない(欧米:仕事4〜6時間、家事約2時間、日本:仕事7時間15分、家事30分)等、働きながら安心して子どもを産み育てることのできる環境の整備が不十分である。また、平成14年6月の完全失業率は5.4%であり、12ヶ月連続で5%台となるなど(総務省統計局「労働力調査(平成14年6月)」)厳しい雇用情勢下にあって、ミスマッチの問題等が指摘されているが、厚生労働省の「平成13年度能力開発基本調査」によれば、調査対象の43%が自己啓発にあたっての問題点として「忙しくて自己啓発の余裕がない」を挙げ、また、平成12年度に自己啓発を行った者の割合は37.3%に過ぎないなど、職業生活の再設計や自主的な職業能力の再開発をする体制を確保できない状況にある。 (2)原因分析 地域・職場など社会全体において職場優先の意識が根強いこと、職場における家庭の子育て努力や従業員の自主的な職業能力再開発への支援策が不十分であること等。 (3)問題点 我が国の場合、地域・職場など社会全体で職場優先の意識が根強く、欧州のキャリア・ブレークのような長期休暇制度が定着していない。そこで、本事業は、職業生活活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けて、国民の意識啓発・機運の醸成を図るものである。 (4)事務事業の必要性 職業生活に入ってから一定期間経過後に区切りをつけて、年を単位とする長期休暇を付与する制度の導入に向けた取組を図ることにより、職業生活の再設計や自主的な職業能力再開発、子育て体制の再構築を行うことができるようになるなど、働く人達が意欲と確信を持って働くことができる環境整備を図るものであり、かつ、従来少子化要因とされてきた諸問題の解消や高齢化の下での社会の活性化に資する事業である。 |
目標達成年度(又は政策効果発現時期) | ||||||
アウトプット指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
シンポジウム参加者数 | ||||||
(説明) 全国主要都市3カ所で実施するシンポジウムの参加者数を把握する。 |
(モニタリングの方法) 業務報告による。 |
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アウトプット指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
広報用リーフレット・ 概要パンフレットの配布数 |
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(説明) シンポジウムの会場で配布する広報用リーフレットの配布数及び地方労働局、労働基準監督署、職業安定所等で配布する概要パンフレットの配布数を把握する。 |
(モニタリングの方法) 業務報告による。 |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 急速な少子・高齢化の進行は、社会保障をはじめとして社会経済全体に重大な影響を及ぼす。本事業は、従来少子化要因とされてきた諸問題の解消を図るものであり、また、年単位の長期休暇制度という新たな制度の導入が新しい需要を生む等、高齢化社会の下での社会の活性化にも資することから、高い公益性を有する。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 本事業は、シンポジウムの開催等、広く一般国民の意識啓発を図るものであるため、まず国として実施すべきものである。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 本事業は、シンポジウムの開催等、広く一般国民の意識啓発を図るものであり、また、年単位の長期休暇制度は、本事業において新たに導入に向けた取組を行うものであり、民間企業やその他外部機関にノウハウ等がないため、まず国として実施するのが適切である。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 少子高齢化、経済・産業構造の変化が進展する中で、企業組織の改編や倒産の増加等により、働く人達は、失業や予期しない処遇の変化に見舞われるなど、全生涯を見通して安心して働き続けることが出来なくなっているとともに、働くことによるストレスも大きくなっている。こうした変化の中で、働く人達が意欲と確信を持って働くことが出来るようにしていくことに効果のある職業生活活性化のための年単位の長期休暇制度導入に向けた取組を早急に図る必要がある。 |
政策効果が発現する経路 |
○ 本事業の内容 各界・各層を代表する有識者を集め、諸外国における長期休暇制度(キャリア・ブレーク等)の実態調査を踏まえ、我が国における年単位の長期休暇制度導入に向けた研究会を開催するとともに、国内外の年単位の長期休暇制度に関する先進的な事例紹介を含んだシンポジウムを開催する。 ○ 本事業の目標とする政策効果 上記事業を実施することにより、年単位の長期休暇制度の導入に向け、広く一般国民の意識啓発を図る。当該年単位の長期休暇制度導入に向けた取組は、職業生活の再設計や自主的な職業能力再開発、子育て体制の再構築等、勤労者生活の充実(働く人達が意欲と確信を持って働くことができる環境整備)を実現するほか、従来少子化要因とされてきた諸問題の解消や高齢化の下での社会の活性化にも資する。 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
年単位の長期休暇制度導入に向け、広く一般国民の意識啓発を図ることができる。また、職業生活の再設計や自主的な職業能力再開発、子育て体制の再構築等、勤労者生活の充実(働く人達が意欲と確信を持って働くことができる環境整備)を実現するほか、従来少子化要因とされてきた諸問題の解消や高齢化の下での社会の活性化にも資する。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
なし |
手段の適正性 | ||||
本事業は、年単位の長期休暇制度という新たな制度の導入に向け、国民の意識啓発を図ることを目的とするものである。事業の対象が広く国民一般であること、また、民間企業やその他外部機関に本事業に係るノウハウがないことから、諸外国の先進的事例の調査・研究及び国民一般を対象としたシンポジウムの開催等による先進的事例の紹介等を国が一元的に実施する手段が最も適正かつ効率的である。 | ||||
効果と費用との関係に関する分析 | ||||
本休暇制度の導入を図ることは、職業生活の再設計や自主的な職業能力再開発、子育て体制の再構築など個人の全生涯を見据えた働き方と生活の在り方の見直しの機会を確保するものであり、少子化対策の一環として、将来における年金制度の安定的運営につながるものと考えられる。また、年単位の長期休暇制度という新たな制度の導入は、新たな需要を生むなど、社会の活性化につながる副次的効果が期待できると考えられる。 | ||||
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) |
なし |
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 なし (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし (5)会計検査院による指摘 なし |