事業評価書( |
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・事後) |
評価対象(事務事業名) | 食品の安全性に関する情報の科学的・体系的収集、解析、評価 | |
担当部局・課 | 主管課 | 大臣官房厚生科学課(国立医薬品食品衛生研究所) |
関係課 | 医薬局食品保健部 |
番号 | ||
基本目標 | 2 | 安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること |
施策目標 | 1 | 食品の安全性を確保すること |
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食品微生物、食品中の残留農薬やダイオキシン、食品添加物、遺伝子組換え食品、新開発食品等に関する国内外の主要な専門誌の安全性情報や国際機関・外国機関の規制情報、緊急情報等を収集・調査し、重要と思われる事例を専門的立場から抽出して科学的に解析、評価を行う。これらの検討で得られた結果は厚生労働省に報告し食品の安全確保のための行政施策に反映させる。また、調査した情報や解析・評価結果を安全性情報データベースに蓄積し、今後の調査や検討に活用すると共に情報をわかりやすい形に整理し公開する。 | ||||||||
予算額 | (単位:百万円) | |||||||
H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | ||||
− | − | − | − | 200 |
(1)現状分析 食品の安全性に関してはB S E、食中毒起因微生物、残留農薬、ダイオキシンなど食品の安全性をおびやかす問題が次々に現れており、国民が食品に対して大きな不安と不信感を抱いている。一方では遺伝子組み換え食品、新開発食品など食品の多様化が進み、これまでに見られなかった新しいリスクの可能性も考えられる。食品の安全に対する国民の信頼を回復するために、食品の安全確保のための確固とした対応がもとめられている。 (2)原因分析 B S Eなどの問題の要因のひとつとして、食品の安全に関する外国の規制情報の入 手の遅れや安全性情報の評価体制の未整備が指摘されている。 (3)問題点 国内外の食品の安全性情報等を専門家の立場から科学的・体系的に収集・解析・評価する体制が十分ではない。また関連分野・機関横断的な情報の交換・蓄積体制も十分ではなく、食品の安全に関する同じような問題が繰り返される一因にもなっている。 (4)事務事業の必要性 主な専門誌や学会情報や国際機関・外国機関等の規制情報、緊急情報を専門的立場から科学的に収集、評価し、行政施策に反映させることによって、食品による健康被害の未然防止をはかる。 |
目標達成年度(又は政策効果発現時期) | ||||||
アウトプット指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
報告書、公開Webページ | ||||||
(説明) 情報を収集、解析、評価した結果は報告書としてまとめるとともに、わかりやすい形に整理してWebで公開する。 |
(モニタリングの方法) 報告書数、Webページのアクセス件数 |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 国際機関や外国機関、主な専門誌等から食品の安全性情報・ 規制情報等を迅速に収集して科学的・体系的に評価する体制を整備し、そこで得られた結果を厚生労働省の行政施策に反映させることを目的とする本事業は、食品に由来する微生物や化学物質等による健康被害防止策に直結しており公益性は極めて高い。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 国内外で新たに明らかになった食品の安全性に係わる情報や国外の規制情報に関する的確かつ迅速な行政対応は国レベルで行うべきものである。本事業は、国の食品安全行政施策の一端を担うものであることはもとより、国の研究機関として実施することによって国際機関や外国政府機関からのより迅速かつ広範な情報収集が可能となり、かつ食品の安全情報に関する国際協力体制も構築できる。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 上記の理由により、本事業は民営化や外部委託になじまないものと考える。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 食品の安全性をおびやかす問題や事件の多発により食品の安全性に対する国民の不安は頂点に達していることから、食品の安全性情報の科学的・体系的収集・評価体制の整備は緊急を要すると考えられる。 |
政策効果が発現する経路 | ||||||
外国機関、国際機関の規制情報や緊急情報及び専門誌の安全性情報等を専門家が常時チェックし、疑わしい情報あるいは重要と思われる情報を抽出して解析、評価することにより、外国の重要な規制情報や安全性情報の入手の遅れによる重大な健康被害の防止をはかることが期待される。 | ||||||
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 | ||||||
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政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 | ||||||
特になし |
手段の適正性 | ||||
専門誌や国内外の関連機関から収集した情報やその解析・評価結果は報告書としてまとめるだけでなく、適切な様式でデータベース化し情報の蓄積をはかる。その結果、その後の食品安全情報の調査や評価の際に蓄積情報の有効な再利用がはかられ、また目的の情報や評価結果の迅速かつ効率的な入手が可能になる。 | ||||
効果と費用との関係に関する分析 | ||||
収集情報や解析・評価結果のデータベース化により、ある食品の安全性情報を新たに調査する必要が生じた際にまずこのデータベースを検索することによって過去の調査・評価作業との重複を回避できる。また情報を収集、解析・評価した結果を整理して公開することにより、他の関連機関においてもこれらの情報を利用でき、作業の効率化をはかることができる。 | ||||
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) 感染症情報、食品中の有害化学物質、食中毒情報、海外の規制情報等を有する農水省、国立感染症研究所、独立行政法人食品総合研究所、各地方衛生研究所、保健所、関連法人などの関係機関と密接に連携し、作業の重複を避け情報の有効かつ効率的な相互利用をはかる必要がある。 |
食品の安全性の確保は、「科学技術」4分野におけるライフサイエンスの中の一項目として例示されているとともに、「公平で安心な高齢化社会、少子化対策」の中でもその重要性が触れられている。 本事業は、食品の安全性の確保の前提として必要な情報の収集、解析、評価等を行うものであり、施策の実現のために優先的に行うべきものである。 |
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 なし (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし (5)会計検査院による指摘 なし |