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第2節 賃金、労働時間の動向

 企業収益の改善に比べ、賃金の改善には遅れがみられた。残業時間が増加したため、所定外給与は増加したものの、賞与等の特別給与は減少した。労働時間は所定内労働時間・所定外労働時間とも増加したため、4年ぶりの増加となった。

 (賃金の動向)

○ 景気が若干上向いたことを反映し、2000年の現金給与総額は前年比0.5%増と3年ぶりに増加した。内訳をみると、所定内給与は前年比0.7%増と増加に転じ、所定外給与は所定外労働時間の増加を背景に4.4%増と上昇幅が拡大した。特別給与は1.1%減と減少幅が前年より縮小した。実質賃金は、物価下落により前年比1.4%増となった(第9表)。

○ 2000年の民間主要企業の状況をみると、春季賃上げ率は2.06%で、3年連続で前年を下回り、過去最低の数字となった。また、前年と比較できる同一企業でみると、夏季一時金は前年比0.54%減と若干ながら減少したが、年末一時金は前年比0.76%増と3年ぶりに増加した。

○ 企業収益が改善したのに対し、賃金の上昇には回復に遅れがみられた。(第10図)。

 (労働時間の動向)

○ 2000年の総実労働時間は、暦の影響で所定内労働時間が前年比0.5%増と増加に転じたことや、景気の緩やかな回復を背景に所定外労働時間が前年比3.6%増と増加に転じたことなどから、前年比0.7%増と増加に転じた。

 (パートタイム労働者増加の賃金・労働時間への影響)

○ パートタイム労働者の構成比の上昇は、2000年は、現金給与総額を0.6%程度、総実労働時間を0.3%程度押し下げた。


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